―平成おうなつれづれ草(8)― 昨年の12月20日。その日は東京駅開業100周年に当たるのだそうで、記念に売り出されたSUICAを求めて人々が殺到し、さばき切れなくなったJR当局が発売を中止するという騒動があった。なるほ
本文を読むエッセイの執筆一覧
【エッセイ】話す言葉 木村洋平
著者: 木村洋平話すというのはとくべつのことです。ふだん、わたしたちは「話す」というのを「AさんとBさんのあいだで内容のあるやりとりをする」「2本の矢印が行き交う」ことのように想像します。けれども…… ——もし、世界で初めて言葉を
本文を読む記憶障害とともに生きること
著者: 鎌倉矩子人はたいてい、還暦に近づく頃から、“記憶”ということに無関心でいられなくなる。言おうとした人物の名や物の名が出てこない、物のありかを忘れて探し回る、「あれ、何をしようとしていたんだっけ」と自分の用事を忘れかける、といった
本文を読む心が彼岸にわたるとき
著者: 鎌倉矩子― 平成おうなつれづれ草(4)― 8月13日。旧盆の入りの日。夕暮れに、門口にひとりしゃがみこんで樺を焚いた。樺は火がつきにくいのに、ひとたび点火すれば黒い煙がもうもうと上がる。 この煙を見て父と母は本当に帰ってくるのだ
本文を読むエッセイとはなにか
著者: 木村洋平昔、天声人語だったと思うが、随筆についてこんな文章を引用していた。「欧米におけるエッセイと、日本の随筆は少し異なるようだ。日本の随筆は、話題の中心から離れたところで始まり、なかなか中心に触れずに、その回りを遠巻きに回るよ
本文を読む【エッセイ】旭川紀行――旭川奇考
著者: 木村洋平訪れた友達が言っていた、「なんにもない街ですね」。「商店街を奧へ行くと、ちょっとおしゃれな喫茶店が地下にあって、珈琲を飲みましたよ。」「地元のおばちゃんたちが、カウンターの店主に話しかけていましたね。」彼の旭川の印象は、
本文を読む