実は3月29日に開催された日・中合同「第8回廣松渉哲学国際シンポジウム」の後の懇親会で、すぐ近くに座っておられた石塚良次さん(元専修大学教授・経済学)から、「内田さんが亡くなられたようだ」ということをお聞きした。 こうし
本文を読む内田弘の執筆一覧
内田弘さんを偲ぶ
著者: 野沢敏治3年ほど前になるが、野沢さんも頑張ってくださいという年賀状をいただき、今までとちょっと様子が違うなと感じていましたが、松田さんから2月に亡くなられたという訃報の知らせを聞き、そうであったかと思いました。もう彼も自認する栃
本文を読む内田義彦から何を学ぶか― 山田鋭夫『内田義彦の学問』(藤原書店、2020)を読む ―
著者: 内田 弘[通夜で泣き叫ぶ] 1989年、内田義彦が死去して、東京目黒区の祐天寺で通夜が開かれた。そこに集まった者たちはほとんど、沈痛な思いで頭を垂れ、黙している。そのとき、ただひとり、大声をあげて泣きながら、廊下や部屋のあちこち
本文を読む比較近現代史からみた『資本論』
著者: 内田弘以下の論文は、本年9月16日(土)、武蔵大学(江古田キャンパス)で行われた「『資本論』初版刊行150周年記念シンポジウム」で筆者(内田弘)が行った報告の要旨(フルペーパー)である。Webページ「21世紀におけるマルクス
本文を読む「ゾルゲ・尾崎事件」像の転換ー孫崎享著『日米開戦へのスパイ』(祥伝社、2017年)を読むー
著者: 内田弘渡部富哉さんの本稿筆者へのメールや「ちきゅう座」での薦めで、孫崎享氏の近著『日米開戦へのスパイ―東條英機とゾルゲ事件―』(祥伝社、2017年)を読んだ。 [スリリングな好著] 本書は、まるでサスペンス映画を観ているよ
本文を読む「誰」が銃を構え「誰」を撃つのか
著者: 内田弘[1] 湾岸戦争の兵士の証言=「敵」の喪失 [「敵」概念の仮象化] 湾岸戦争に参戦する兵士が出撃する直前に、従軍記者に「なぜ戦うのか」と問われて、「自分がやるべきことをやるだけさ(I will do what I hav
本文を読む9/24現代史研レジュメ:アダム・スミス『哲学論文集』と 中項 問題 -田中正司著『アダム・スミスの経験論-イギリス実践的範例ー』を読む
著者: 内田弘アダム・スミス『哲学論文集』と中項問題 田中正司著『アダム・スミスの経験論-イギリス経験論の実践的範例-』を読む 現代史研究会2016年9月24日(土) 明治大学リバティタワー1076号 内田 弘 (専修大学名誉教授)
本文を読むスピノザ民主制論とマルクス価値形態論 ― マルクスの『神学・政治論』研究の理論射程 ―
著者: 内田弘マルクスは1841年の学位論文「デモクリトスの自然哲学とエピクロスの自然哲学の差異」執筆のころ、スピノザの『神学・政治論』(1670年、アムステルダム)の再版本(1802~03年、イエナに所収)を読み、『神学・政治論』を
本文を読むマルクスの「モナド」概念批判と価値形態 ― 『資本論』に潜むライプニッツはラッセルの連結する―
著者: 内田弘マルクスの「モナド」概念批判と価値形態 [1] ― 『資本論』に潜むライプニッツはラッセルの連結する― [1] マルクスによるライプニッツのモナド概念批判 『資本論』の価値形態は無限集合である。無限集合は外部にその反対
本文を読む「仮象」をめぐるカント・ヘーゲル・マルクス
著者: 内田弘筆者は、新著『《資本論》のシンメトリー』(社会評論社、2015年9月)の本文と注で言及している「マルクスとカントの関係」を論文にしておく必要があると考え、拙稿「『資本論』と『純粋理性批判』」(専修大学社会科学研究所『社会
本文を読む無政府状態は非対称性ではなく、価値形態の第一形態・第二形態・第三形態は相互に「非対称的対称」である
著者: 内田弘ブルマンさん、今日のご返事、ありがとう。でも「ブルマンさん」とは、どなたのことでしょうか。・・・・・でも、せっかくなので、ご返事しましょう。 まずは、ブルマンさんのそのご返事から引用します[引用文の【 】は引用者補足。つ
本文を読む変革のアソシエ講座「マルクスの文法」のご案内
著者: 内田 弘「変革のアソシエ講座」で、近刊の拙著『《資本論》のシンメトリー』(社会評論社、2015年9月刊行)についての講座を下記のように開講しますので、関心のある方々の受講をお待ちします。 [場 所] 「協同センター・東京「変革の
本文を読む『資本論』の「並進対称=非対称的対称性」は 競争論の前提を措定する
著者: 内田弘ブルマンさん、つぎのような学兄のつい最近の文章に注目しました。 [ブルマンさん曰く]「焦点を絞れば、価値表現における相対的価値形態と等価形態に置かれる商品間の関係をそのまま逆転は出来ないという宇野理論と『資本論』価値形態
本文を読む『資本論』のシンメトリーは並進対称である ― 中野@貴州さんの投稿を読んで ―
著者: 内田弘中野@貴州さん 「ちきゅう座」への投稿を拝見しました。中野さんはそこで、内田弘は近著『《資本論》のシンメトリー』(社会評論社、2015年)で、「対称性、対称性」というけれども、『資本論』、あるいは資本主義は「非対称性」の
本文を読む10/10 現代史研:内田論文へのコメント
著者: 青山雫内田論文へのコメント 青山雫 2015/10/10 現代史研 文法に従った言表はそれだけでは必ずしも真ではない 対称性、それがナニか?So what? 体系的な言表はすべからく何らかの文法に従っている スピ
本文を読む10/10 現代史研究会レジュメ:『資本論』の文法 ― マルクス研究に召喚されるカント ―(内田弘)
著者: 内田弘『資本論』の文法 ― マルクス研究に召喚されるカント ― 現代史研究会 2015年10月10日(土) 午後1時~5時 明治大学駿河台校舎研究棟第1会議室 内田弘(専修大学名誉教授) [マルクスのコペルニクス
本文を読む古賀暹『北一輝』(御茶の水書房、2014年)を読んで
著者: 内田 弘[北一輝像の一新] 古賀暹さんのこの本は、従来の北一輝のイメージを一新するものです。副題に「革命思想として読む」とあります。近代地動説の始点コペルニクスの『天体の回転について』のように、まさに北一輝研究を革命=回転する(
本文を読む1・18現代史研究会:時論・理論・史論」としての資本主義論 -和田重司『資本主義観の経済思想史』へのコメント-
著者: 内田 弘現代史研究会2014年1月18日(土)13時~17時 明治大学リバティタワー1064教室 内田 弘 [始めに] 和田重司氏による本書は、資本主義の歴史を経済思想史の観点から,スチュアート(1713-1780)・スミス(1
本文を読む10.5現代史研究会レジュメ(内田弘):『資本論』の対称性 -1841年マルクスが『資本論』を定礎する-
著者: 内田 弘現代史研究会2013年10月5日(土) 明治大学リバティタワー1133号教室 [1] カント批判と対称性 マルクスの『資本論』はいわゆる「経済学」ではない。『資本論』は「ひとつの芸術的な全体」をめざすものである。その哲学
本文を読む10.5現代史研究会(「初期マルクスから『資本論』へ」)のご案内と簡単なまえおき
著者: 現代史研究会事務局初期マルクスと『資本論』とは「対称性」で連続する 内田 弘(専修大学名誉教授) 上に表記した題で、現代史研究会で報告することになりました。皆さんのご意見をたまわりたいと希望します。 初期マルクスは何時始まるのか、そのとき
本文を読む6.15現代史研直前案内と内田弘氏のレジュメ(コメント)
著者: 現代史研事務局第276回現代史研究会 日時:6月15日(土)1:00~5:00 場所:明治大学駿河台校舎・研究棟2階 第9会議室 テーマ:「アダム・スミスの認識論をめぐって―アダム・スミス研究の新たな展開」 講師:田中正司(横浜市立大
本文を読む「伝統的マルクス主義」批判基準としての「自己再帰性」とは如何なる事態か ― モイシェ・ポストン『時間・労働・支配』(筑摩書房、2012年)への論評 ―
著者: 内田 弘[1] 伝統的マルクス批判とその批判基準としての「自己再帰性」 本書『時間・労働・支配』(原著1993年)はなお支配的な「伝統的マルクス主義」を批判し、その批判基準としてマルクスの「自己再帰的理論」をあげている(訳14,
本文を読む中山元訳『資本論』を読む ―価値対象性(Wertgegenständlichkeit)とは如何なる事態か―
著者: 内田弘翻訳家・中山元による『資本論』第1部の前半の翻訳が2分冊で刊行された。 『資本論-経済学批判』第1巻(I・II)(日経BP社、2011年12月5日、2012年2月27日)がそれである(付記:最近、その第3分冊[Ⅲ]が
本文を読む「自然の世」を希求する「安藤昌益=狩野亨吉=鈴木正」 ― 鈴木正『狩野亨吉と安藤昌益』を読んで ―
著者: 内田弘(発行「安藤昌益と千住宿の関係を調べる会」、2011年) ひごろ考え主張していることが根本的に自分の具体的な生き方に如何につながっているのか。それを如何に支えているのか。本書はこう問いかける。 厳しい問いある。しかし、問
本文を読む貨幣・国家・宗教の「外部性」は「仮象」である
著者: 内田弘―的場昭弘・佐藤優共著『国家の危機』を読んで(KKベストセラーズ、2011年6月5日刊)― 熱のこもった討論の書である。 「序章 東日本震災をマルクスで読み解く」がその熱を如実に示している。 佐藤優氏はこの震災という危機
本文を読む近藤典彦氏による拙著『啄木と秋瑾』の書評を読んで
著者: 内田弘数日前、国際啄木学会『研究年報』(2011年、第14号)が七月堂から郵送されてきた。そこに近藤典彦氏による拙著『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年11月15日刊行)の書評が掲載されている。さっそく拝読した。 まず、浮か
本文を読む津田道夫さんの拙著『啄木と秋瑾』の書評を読んで
著者: 内田弘数日前(1月27日)、合澤清さんに教えられて、「ちきゅう座」に掲載された、作家・評論家の津田道夫さんによる拙著『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年11月15日刊行)に対する書評を拝読した。 津田道夫さんは、拙著の《啄木
本文を読む宇井宙さんの「友愛」論について ―まず、憲法用語としての「自由・平等・友愛」の事実確認が先決である―
著者: 内田弘宇井宙さんの「四たび、フランス革命と《友愛》について」を「ちきゅう座」で拝読しました。「友愛」語についての詳しい報告に、感謝します。 まず確認したいことがあります。それは、岩田昌征さんと私が論じあったのは「友愛(frat
本文を読む岩田昌征氏の拙著『啄木と秋瑾』の書評を読んで
著者: 内田弘いったい、どのように読んでくれるのだろうか。これが拙著を出したあとの私の思案である。拙著『啄木と秋瑾』(社会評論社、2010年11月20日)を世に出して、ほぼ2ヶ月たった昨日、現代史研究会主催者の合澤清さんからメールが届
本文を読む『経済学批判要綱』は哲学史上の如何なる問題を解決したか/12月4日の現代史研究会案内
著者: 内田弘来る(2010年12月4日(土) 明治大学リバティタワーにおける「現代史研究会」で、私は上記のようなテーマで報告します。マルクスに関心のある方々に是非、参加していただき、互いに理解を深めたいと思います。 「リーマン・ショ
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