台湾の執筆一覧

「民主とは!」早くも舌戦始まる? ―台湾総統選の蔡英文・郭台銘の両氏

著者: 田畑光永

 一昨日の本欄で来年初めの台湾総統選に立候補を表明した台湾1の富豪経営者、郭台銘氏について紹介した。その際、大陸と台湾の対立のはざまにあって大陸で事業を経営する台湾の経済人はどちらからも睨まれないように細心の注意でノンポ

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北京が打ったとっておきの秘策? ―台湾総統選へ「鴻海」郭台銘氏が出馬

著者: 田畑光永

 先週書いたアメリカ・フロリダに中国人の奇妙な女スパイが現れた一件にも驚かされたが、今度は17日、台湾の鴻海精密工業の郭台銘(68)董事長が来年1月の総統選へ向けて、野党国民党の候補者選びの予備選挙に参加を表明したのには

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海峡両岸論 第99号 2019.2.14発行 - 30年内の統一目指すが急がない 習近平の新台湾政策を読む -

著者: 岡田 充

 習近平・中国国家主席が、包括的な台湾政策(習五点)を発表した。(写真 国務院台湾事務弁公室HP)要約すると台湾との経済・社会統合を進め、「一国二制度」による平和統一を、建国百年の2049年までに実現する―ということにな

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海峡両岸論 第98号 2019.1.13発行 - 「新冷戦論」の落とし穴にはまるな デジタル経済争う21世紀型対立 -

著者: 岡田 充

 通商摩擦に始まった米中対立は、南シナ海、台湾、人権など安全保障や内政にも波及している。しかし「核心的な争点」は人工知能(AI)やビッグデータなど「デジタル経済」の主導権をめぐる21世紀型の争いであり、資源や領土、核戦力

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海峡両岸論 第97号 2018.12.19発行 - 無党派・ミレニアルが将来を左右 台湾地方選から民意動向を読む -

著者: 岡田 充

 台湾の統一地方選挙(11月24日投開票)=写真「韓国喩ブーム」を報じる亜洲週刊=民主進歩党(民進党)が惨敗した。2年にわたる蔡総統と民進党の政策運営に対する有権者の不満の表れである。その結果(1)次期総統選挙(2020

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海峡両岸論 第90号 2018.05.08発行 - 「統一」は経済・社会基盤の融合から 「以経促統」は意識変化をもたらすか -

著者: 岡田 充

 70年近く分断統治下にある二つの政治実体が「統一」する― 軍事的な統一はイメージし易いが、これほどコストパフォーマンスの悪い選択はない。中国にとって台湾統一は、帝国主義列強によって分断された国土を統一し、「偉大な中華民

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じわじわと緊張高まる台湾海峡――問題の根は深い、米中はどこまで本気か(下)

著者: 田畑光永

新・中国管見(38)  習近平時代の大陸と台湾の関係は、2016年に独立志向の強い民進党の蔡英文総統が就任してから日を追って険悪化してきた。前の国民党政権時代には2015年秋に馬英九総統をシンガポールに呼び出して、習近平

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じわじわと緊張高まる台湾海峡――問題の根は深い、米中はどこまで本気か(上)

著者: 田畑光永

新・中国管見(37) 4月27日、板門店での南北朝鮮首脳会談は金正恩のなかなかのパフォーマンスもあって、しばらく前までの緊張した空気を嘘のように吹きとばした。とはいえ、問題の核心である朝鮮半島の「非核化」はそれを南北双方

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海峡両岸論 第88号 2018.03.07発行 - 習近平下回った台湾総統の好感度 大陸就職を希望するミレニアル -

著者: 岡田 充

 台湾の蔡英文総統(写真 花蓮地震の被災地を訪れた蔡総統 総統府HP)の支持率下落に歯止めがかからない。昨年末の世論調査では、彼女の好感度は46.9%と、習近平・中国国家主席の51.1%を下回ってしまった。悪い冗談ではな

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海峡両岸論 第84号 2017.11.12発行 - 中台の現状維持はいつまで続くのか 習近平も描けない統一時間表 -

著者: 岡田 充

  中国共産党の第19回党大会(10月18-24日)で、習近平総書記(写真 10月26日付人民日報一面)は、建国百年を迎える今世紀半ば(2049年)に、中国を「世界トップレベルの総合力と国際的影響力を持つ強国」にする野心

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海峡両岸論 第79号 2017.06.06発行 - 中国が「いずも」の活動を標的に 潮目変わり始めた南シナ海 -

著者: 岡田 充

南シナ海の「潮目」が変わり始めた。昨年7月の仲裁裁判所の決定で最高潮に達した中国非難の「大合唱」は鳴りを潜めた。中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)と、平和的解決に向けた行動規範の枠組みに合意。米トランプ政権は5月25

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海峡両岸論 第78号 2017.05.08発行 - 「受け身」から「主導」に転換 日本の台湾政策の背景 -

著者: 岡田 充

安倍政権の台湾重視政策が目立つ。2017年初め、日台交流の窓口機関「交流協会」の名称変更に続き、3月末には現職副大臣が日台断交後初めて公務で訪台した。日本の歴代内閣の台湾政策は、1972年の日中共同声明など「四つの基本文

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海峡両岸論 第77号 2017.04.02発行 - 「冷たい平和」はさらに続く 台湾優先度低く、蔡も自制 -

著者: 岡田 充

  台北の天候は不順だ。(写真 小雨をついて行われる萬華にある廟の行事 12年3月 筆者撮影)特に3月は雨がじとじと降って寒い日が続いたかと思うと、突然かっと晴れて夏日になる。その3月初め、台北に行った。昨年5

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海峡両岸論 第68号 2016.06.22発行 - 台湾人意識の深層を解剖 「台湾と尖閣ナショナリズム」を推す -

著者: 岡田 充

 中国の大国化とともに、台湾で「台湾人アイデンティティ」が強まっている。多くの民意調査の結果はそれを裏付けているし、台湾独立を党綱領にうたう民主進歩党(民進党)政権の誕生を、台湾人意識の文脈から説明するメディアも多い。台

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海峡両岸論 第67号 2016.06.12発行 - 緊張含みの「冷たい平和」に 蔡英文政権下の台湾海峡 -

著者: 岡田 充

台湾新総統に5月20日、民主進歩党(民進党)の女性主席、蔡英文氏が就任した。両岸関係は、国民党の馬英九政権下でこの8年、大幅に改善し台湾海峡に初めて平和的環境をもたらした。だが「台湾独立」を党綱領にうたう民進党の政権奪還

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海峡両岸論 第66号 2016.05.12発行 - 南沙紛争と連動させ反論展開へ 沖ノ鳥島、台湾主張の背景 -

著者: 岡田 充

  「島」をめぐる東アジアの紛争が拡大している。今度は西太平洋の沖ノ鳥島をめぐる争いである。海上保安庁が4月末、沖ノ鳥島南東の日本の排他的経済水域(EEZ)で台湾漁船を拿捕した事件を機に、台湾の馬英九政権が「同島は岩であ

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海峡両岸論 第65号 2016.04.8発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(下) 危険な安部の台湾への過剰関与面は「冷たい平和」維持か -

著者: 岡田 充

 台湾政権交代は、馬英九政権下で平和と安定を維持してきた北京と台北の関係にどんな変化をもたらすのか。当面の焦点は5月20日に迫った総統就任式での演説。蔡英文の新しい対中政策と北京の反応は、両岸関係だけでなく東アジア情勢全

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海峡両岸論 第64号 2016.03.12発行 - 民進党の政権復帰と両岸関係(上) 安倍政権の台湾カードを懸念 章念馳がみる台湾と国際関係 -

著者: 岡田 充

中国の上海を3月初め訪れ、台湾問題や東アジア情勢の専門家(写真右 章念馳)と意見交換した。最大の関心事は台湾の政権交代。5月20日にスタートする蔡英文・民主進歩党(民進党)政権への中国の対応と、それが両岸関係にどう影響す

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海峡両岸論 第63号 2016.02.07発行 ー 台湾の存在誇示、次期政権へ圧力 馬総統の南沙訪問の意味を解く -

著者: 岡田 充

 台湾の馬英九総統は1月28日、米中が対立する南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)で、台湾が実効支配する太平島(写真 碑を挟んだ左列の右端が馬。総統府HPから)を訪問。南シナ海の台湾領有権を強調するとともに、関係国間の対

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海峡両岸論 第62号 2016.01.20発行 - 中国、緊張回避し安定維持へ 台湾総統選で蔡英文が圧勝 -

著者: 岡田 充

台湾総統選と立法委員選挙が1月16日行われ、民主進歩党(民進党)の 蔡英文候補が予想通り、国民党の朱立倫候補に約300万票の大差をつけ圧勝した。(写真 勝利宣言で支持者に手をふる蔡氏=中国評論新聞HPから)民進党は8年ぶ

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海峡両岸論 第61号 - 幻の「台湾親日」論 陳政権時代の対日政策 -

著者: 岡田 充

 台湾総統選(2016年1月16日)まで約2週間。民主進歩党(民進党)の政権復帰と国民党の惨敗が確実な情勢だ。台湾民衆から「ノー」を突きつけられてきた馬英九政権への評価はまだ早い。だが、馬政権が両岸関係を改善し平和的な関

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「朝鮮・台湾植民地の歴史と記憶」〜ポストコロニアルの視点から〜 蠢く新植民地主義 —甘え生む親日幻想—

著者: 岡田 充

◆◆ <はじめに> 李登輝元台湾総統が2015月7月末に来日した。台湾では「過去の人」という評価が定着しているが、日本では「アジアの哲人政治家」と持ち上げる声が絶えない。来日中に議員会館で国会議員ら300名を前に演説し、

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国際関係から読む説く首脳会談 米主導の冷戦構造の変化が背景

著者: 岡田 充

かつて戦火を交えた中国と台湾のトップが、分断から66年後の11月7日、シンガポールで歴史的な握手をし、台湾海峡の平和・発展を確認した。米中確執が目立つ東アジアで、中台関係は貴重な安定要因である。台湾海峡の平和と安定は、両

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蘭嶼島のタオ人、生存をかけた闘い 【台湾訪問記 その4】

著者: 青山森人

台湾の先住民 「青森を核のゴミ捨て場にするな」― 青森県内で反原発の抗議行動があるとき、必ずといってよいほどこの文言が声そして文字となって登場する。「核のゴミ捨て場」とは六ヶ所村にある核燃料サイクル施設の低レベル放射性廃

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93蘭嶼(らんゆ)島の放射性廃棄物問題、台湾の“公聴会”にて 【台湾訪問記 その3】

著者: 青山森人

低レベル放射性廃棄物が高線量地点の原因か 台湾環境保護連盟(TEPU)の活動家たちと一緒にわたしが「核一」敷地内に建設中の使用済み燃料乾式貯蔵施設と「核二」の低レベル放射性廃棄物貯蔵施設を見学した9月29日の前日、立法院

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台湾「核一」、使用済み燃料乾式貯蔵施設の建設現場 【台湾訪問記 その2】

著者: 青山森人

台湾でも「中間貯蔵」のごまかし 9月29日11時20分ごろ、われわれを乗せたバスは「核二」の敷地から出て「核一」に向かった。バスはすぐ町のなかに入って、そして11時45分ごろ「核一」の門の前に到着した。「核一」と「核二」

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台湾「核二」の低レベル放射性廃棄物施設 【台湾訪問記 その1】

著者: 青山森人

台湾原発の概観 この9月下旬から10月初旬にかけて台湾を訪問し、反核団体と地元活動家に原発のある町や放射性廃棄物場を案内してもらう機会に恵まれた。 尖閣諸島(台湾名は釣魚台)の領有権をめぐって台湾と日本の巡視艇が放水しあ

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アジサイの季節になって―長めの論評(十六)

著者: 三上 治

 沖縄の地域住民の意思が本土復帰という戦後処理に終わらないで、戦争について共同の意思の表出と表現であるためには日本(ヤマト)からの自立がなければならない、それが独立論や南島論の根底にあったものだ。確かに、僕はその時は独立

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