嘉手納基地へ「オスプレイ」配備計画に驚く
- 2013年 1月 12日
- 時代をみる
- 池田龍夫
垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの沖縄への配備は、その後どうなっているだろうか。衆院選挙、安倍晋三内閣誕生などの政局報道に目を奪われて、本土紙を見る限り進捗状況がよく分からない。
普天間基地に12機配備されたオスプレイは、沖縄を縦横無尽に飛び、伊江島などは飛行回数・時間が増えて県民は騒音被害に苦しんでいるという。
県民の不安が解消されていないのに…
中国封じ込めのため、米軍は空軍兵力の増強に力を注いでおり、今度は嘉手納基地へのオスプレイ配備を日本側に伝えてきた。仲井真弘多知事は「オスプレイに対する県民の不安は全く解消されていない。日米合同委員会で確認した事項も全然守られていない」と怒りをあらわにしている。嘉手納町議会は1月11日に臨時議会を開き抗議決議するという。
冷戦時代を思わせる米軍の機能強化
沖縄タイムス1月10日付社説は、「軍事基地をめぐる最近の沖縄の動きは尋常でない。負担軽減とは名ばかりで、冷戦時代を思わせる機能強化策が次々に表面化している。オスプレイの嘉手納基地配備計画によると、嘉手納基地の第353特殊作戦群に2015米会計年度(14年10月~15年9月)に5機、16会計年度までにさらに4機を配備する予定だ。一方、 普天間飛行場には海兵隊のオスプレイを既に12機配備、夏には12機が追加配備される。空軍の配備を含めると、30機超のオスプレイが配備されることになる。那覇基地に配備されているF15飛行隊をさらにもう1つ飛行隊を増やし、戦闘機部隊を拡充強化する計画もある。沖縄県民の平和的生存権が脅かされているというのに、政府は何一つ有効な手だてを打てず、全国紙の報道もいたって冷淡だ。沖縄で顕著なのは、負担軽減ではなく、中国をにらんだ軍事要塞化の動きである。冷戦後、沖縄がこれほど軍事緊張に包まれたことはない」と 米軍基地拡充の悩みを強調している。
米兵の乱暴狼藉は相変わらず
沖縄県と市町村が昨年10月から11月末まで実施したオスプレイの目視調査では、確認された518件のうち、61・5%に当たる318件が運用ルールに違反していたという。また、夜間外出禁止令が出ているにもかかわらず、米兵の飲酒行動は続き、民間住宅への侵入事件が相次いでいることは、治外法権の占領下と違いない様相だ。
「沖縄差別解消なくして、日本再生はない」
こんなイビツな沖縄の現状を何時まで放置するのだろうか。安倍政権の争点ずらしは目に余るが、東日本大震災復興と同様に、「沖縄差別の解消なくして、日本の再生はない」との決意で、対米折衝を進めてもらいたい。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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