除染現場から(その2)
- 2014年 2月 23日
- 交流の広場
- 長船 青治除染現場
一昨日、4号線「伊達」交差点から399号線に入った辺りで阿武隈川を渡る橋の向こうまで
片側通行規制をしていたのでよく見ると西松建設の看板「ただいま道路を除染しています」という看板が立っていた。
ビルの床クリーニングに使うようなしかし見るからに堅牢ではない寧ろ家庭菜園で使うような
高圧洗浄機は道路表面を薄い貝殻状に剥ぎ取りながら数人の土工たちがその回りで何か
剥ぎ取った貝殻状のものを土嚢袋に入れる作業をしていた。
高圧洗浄機に送る水は農家等で散水用に使うものを軽トラに載せて持参しているが
残念だが洗浄後の汚染された水はやはり側溝に垂れ流されていた。
(この側溝へ垂れ流しについては南相馬のルポライターの奥村氏のWebマガジン「福島 FUKUSHIMA フクシマ」で詳細なレポートがある。)
http://fukushima20110311.blog.fc2.com/blog-category-22.html
しかし一見しただけでは通常の道路工事と見間違えてしまう。
なぜ一番肝心な、ガイガーカウンターで作業前の高線量の撮影と作業中のその周辺で働く
土工たちの空間線量とそれが低減されたという低線量値の写真を撮影するという市民や国民が一番気になる測定部隊の存在がまるで見えない。
市内の家屋の屋根・壁やカーポートやブロック塀の洗浄後の汚染水も同様で各工区共、JVの共通認識で側溝へ垂れ流しをしているようだ。
もしかしたら、洗浄後の汚染水は回収し庭等の表土を剥ぎ取った汚染土と同様に
国が現在、福島第一原発10キロ圏内に建設予定の一時保管施設に保管するという国の一定の指針はあるのかも知れませんが。
あっ。庭等の表土を剥ぎ取った後に毎朝JV工区事務所で事前に配布される予め線量の低い山土や砕石を除染作業後に撒いてからガイガーカウンターで測定をするという方法もJVの認識のレベルを表した好事例だと思います。
たぶんこれら一部始終を間近で見る福島県民の除染にたいする落胆と全国の人々の除染に対する認識には相当なズレがあるように思います。
福島市や県の放射線対策課で出しているパンフ類で除染効果は以上のような作業実態で
40パーセントあると書かれていますが市民系の除染後の測定値では10パーセントくらいしか
効果がないと言われています。
そういう市民系の「子ども福島」を覗いてみた。
現在の福島県内の線量測定アルバムというのを公開しているのですが、残念ながらじつに不親切なページであり測定器の情報が出ていない。
放射線に対する認識レベルの低いJVや福島市の放射線対策課ですら測定器がGM管かシンチレーション管かは言うに及ばず製造国・製品の型式やその特性について表記したうえでの測定方法に至るまで説明付きでそのうえで測定値を公開しているのですからどちらが説得力があると思いますか。
市民系の先駆者のクリラッドやCRMSの皆さんこそJVに代わって公共の除染工事を
競争入札などという古くさい得体の知れたうさんくさい手法ではなく直接民主主義として国にその予算を国民の税金をつかって被災地の人々の救済に立ち上がって欲しいと思います。
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