孫崎享氏のTwitterより「朝鮮半島・沖縄・戦略・・・」
- 2010年 12月 28日
- 時代をみる
- 孫崎享戦略朝鮮半島沖縄
朝鮮半島
日本で誰かが「朝鮮半島での戦争の可能性を今真剣に考察すべし」と述べたらどう扱われる。何を馬鹿なが関の山。20日CNNは「朝鮮半島での戦争への3つの道」掲載。著者は米国国防大学部長、英国IISS研究部長等歴任、日本通でもあるクローニン。3つの道は、(1)偶発的エスカレーション、(2)抑止の崩壊、(3)急激な北朝鮮の体制崩壊。過去北朝鮮はしばしば瀬戸際外交。来年北、新たなミサイル実験、第三回核実験の可能性あり。過去瀬戸際外交がエスカレーションをもたらせなかったことで将来も均衡保てるという保障にならず。より強力な制裁とこれに対する報復の脅し。ミサイル・テストへの攻撃と報復。」(孫崎:韓国の対応は従来より、攻撃的。エスカレーションが両国意図を越え進行の可能性。米国最大規模の日米合同演習など求めて来ているのはこうしたシナリオを想定の動き。菅首相殿、この深刻度をご理解いただいてるでしょうか 米国、現在対北朝鮮政策の再検討を広範に実施の模様。各種路線の提案が様々な文献に出てきている。こうした時期は要注意。クローニン論評に加え、Atlantic誌は Cushman退役中将の論評掲載。こちらは抑止、対北t朝鮮攻撃しない従来路線を主張。逆に言えば強硬路線存在意識
(12月27日)
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沖縄
外相発言に北沢防衛相「閣内協議なし」、「普天間固定化を前提は危険」と苦言。前原氏の声(推測)「私、米国とは協議してますよ。彼等だって辺野古移転無理と判断。米国ガム移転予算なし。だから米国普天間居残りしかないのですよ。北沢さん。米国が何指示するかは私が一番知っているのですよ」
(12月25日)
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ロシア
「駐ロシア大使更迭。ロシア大統領北方領土訪問等に関する情報不足が理由」と報道。情報不足はやや不可思議。現在のロシア情勢分析そう難しくない状況。基本はプーチンが全体掌握。主たる方針はナショナリズムを全面に、強硬姿勢これが軸。ロシア内政は1012年の大統領選挙を意識し動き始める。メドベージェフ大統領は柔軟路線提示。西側支持を期待するも彼の弱体な国内支持基盤変化せず。メドベージェフ、時期大統領の可能性はプーチン次第。よってナショナリズム強調、力の外交は当然の回帰。これに尖閣諸島の緊張、中国の反日、中ロの接近を考えれば北方領土視察はありうる選択 ウィキリークス、ほぼ同様の在ロシア米国大使館の情勢分析を暴露。 2010年2月5日在モスクワ大使館発: 件名「プーチン依然2012年大統領選挙を支配」 「メディベーエフ大統領の支持者は彼の地位を上げようと努力するも、2012年誰が大統領になろうとも、大統領への道は全てプーチン次第。メディベーエフはプーチンとの個人的関係、彼の党基盤の不在、親メディベーエフ派の官僚規模が少ないことによりプーチンの支持無くして大統領再選なし。2012年にプーチン自身、或いはメディベーエフ或いは第3者が大統領になろうと、プーチンが最終的発言権を有す
(12月24日)
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戦略
朝鮮半島情勢を見て、つくづく次の言葉を噛み締めて欲しいと思う。次の言葉は2005年ノーベル賞受賞シェリングの言葉(私の『日本人のための戦略的思考入門』p24:戦略の学問的豊かさは、対立と相互依存が国際関係で併存している事実から生み出される。当事者双方の利益が完全に対立し合う純粋な紛争など滅多にあるものでない。戦争でさえ、完全な根絶を目的とする以外、純粋な紛争とはいえない。”勝利“という概念は、敵対する者との関係ではなく、自分自身がもつ価値体系との関係で意味を持つ。このような”勝利“は、交渉や相互譲歩、さらにはお互いに不利益となる行動を回避することによって実現出来る。相互に被害を被る戦争を回避する可能性、被害の程度を最小化する形で戦争を遂行する可能性、、こうしたものがわずかでも存在するならば、紛争の要素とともに相互譲歩の可能性が重要で劇的な役割を演じることになる」(以下私の記述:ここでも戦争回避の哲学が述べられている。私が求めていた理念がここにあった。逃げるのではない。得であるから回避する。「敵」との共通利益、相互依存が説かれてる。日本が北朝鮮・中国の脅威と向き合時、共通利益、相互依存を考える必要がある。「今戦争状態にない」ことこそ、最大の共通利益である。重要なのは「相手との関係ではない。自分の価値体系との関係である」。争点が自分の価値全体の中でどう位置づけるべきか、それを考えた時、紛争の回避が利をもたらす。「相手との関係ではない。自分の価値体系との関係である」、この一言を理解することによって、戦略に新たな世界が広がってくる。
(12月23日)
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朝鮮半島
23日読売:ロシア、放置すれば数千人が死亡する事態を招く」との強い表現で警告。事態の警告を出し自制を求めているのは中ロ双方。両国は誰よりも北朝鮮との関係密。これに対し誰が責任持ち北の暴発なしと言えるか。最重要指針は半島に紛争望むか否か。行動はこの指針。日本は今何を指針。
(12月23日)
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西山太吉事件
沖縄密約文書出て来る:西山太吉事件:諸永裕司著『ふたつの嘘』:西山氏の妻に焦点。中に記者ならではの記述(著者は朝日の記者)、起訴状が出た時の同僚の言葉:新聞記者の道は刃の上を渡もの。問題の核心に鋭く迫ろうとすればするほどそこに刃がある。適当にホイホイと立ち回っていれば、そんな苦労はなかろう。けれどもそれを新聞記者と言えるか」「(起訴後)夫はどこからか睡眠薬を大量に手にいれたというのだ。死なないでほしい。ただ祈るだけだった。でも夫は死を選ばなかった。死んだら負けになる。嘘をついた政府から、ほらみたことかと見下される。そう思って踏みとどまったのだと後で知った。」社会の多くの場で戦う人がいる。そして高い確率で破れる。「問題の核心に鋭く迫ろうとすればするほどそこに刃がある」。「適当にホイホイと立ち回っていれば苦労はなかろう」不思議に刃を知りつつ渡ろうとする人種がある。著者はそれを見ているのだろう
(12月23日)
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ウィキリークス・北朝鮮
米国・韓国の軍関係者が前例ない規模の合同演習を次々実施し対北朝鮮に強硬姿勢を示す背景に北後継者問題を抱え内政不安定との判断。ウィキリークスがその一端開示。 2010年2月18日在ソウル大使館発 件名:キャンベル副次官補、北朝鮮の将来について専門家と会談
「内容:キャンベル、韓国のオピニオンリーダー達と会談。金正日の一番若い息子が北朝鮮に不安定をもたらすことなく時期指導者に就けるかの予測は困難。一人は指導者につけると発言、他は指導経験の不足からエリート指導者層の支持を得るのは困難と発言。金正日の妹婿張成沢が強力なライバルであり、金 正恩に挑戦する可能性があるということで一致。中国の戦略的利害は米国韓国の利害と基本的に対立。結論として政権委譲は進行中、成功するか否かは疑問」
(12月23日)
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朝鮮半島
自衛隊を朝鮮有事に戦闘に加わらせる動き、日米間、政府内、自衛隊内で進展。次の課題は国民の誘導。やはり読売が動き出した。22日社説「韓国砲撃訓練」で「有事に備え、日米防衛協力指針を見直すことも重要な課題だ」。どう見直すかに言及せず。流石いきなり戦闘参加説得は無理とみたか
(12月23日)
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沖縄
何だこれは。発想どこから。琉球新報:「前原外相、学校等移転検討」「移設先決定まで普天間を使用。事故被害を最小限にするため、学校等施設の移転やバッファーゾーン(緩衝地帯)を作るなど、危険性除去で考えている」 ―住民に「どけ」の迫り方が県民の理解を得られるかー(回答略)。
(12月22日)
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自衛隊制服幹部内雰囲気
重要;自衛隊制服幹部内雰囲気1、対北朝鮮想定の後最大規模の日米合同訓練後、制服幹部内に異常な高揚感。軍は本来戦闘が主任務。これまで専守防衛、憲法の制約、周辺事態における後方支援に限定し、戦闘から一歩下がった場に甘んじなければならなかったことに一種の屈辱感。今次合同訓練はこれを解き 戦闘部隊へ。行動が実質認知。第二次大戦前中国で先ず行動、その後適当に説明、この雰囲気が出始めている。今日の政治、自衛隊の行動止める枠組み次第に消滅。憲法規制無し。後方支援を決定した法律越え合同演習。政治的に止めるものなしの雰囲気。戦前中国等での軍行動常に邦人保護を口実
(12月22日)
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アフガン
読売社説「アフガン情勢 米軍撤収は慎重に行うべきだ」、アフガニスタン今アルカイダの基地ではない。タリバン等は自国侵入の外国軍に戦う。民衆反外国軍。根絶無理。だから米軍作戦失敗。米国世論アフガン戦争反対が多数。アフガン戦争は今や大義なき戦争。だからドイツ、英国ですら撤退の動き。 アフガン。進藤・外務省員著『タリバンの復活』:タリバンもともと米国攻撃意図無し。米軍軍事攻撃開始し軍隊駐留により米国等外国軍攻撃へ。もともと敵でなかったものを米国敵と決めつけ本当の敵になった典型。タリバンはパシュトゥン人の支配志向と一体。勃興期は秩序回復の世直し運動的要素。パ支援
(12月21日)
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カーティス
日本の政財界食い込み抜群のカーティス春まで悠々米国か。日本の政治ますます泥沼化。どう転んでも当面米国から距離おく動き無く、米国関係者、うまくいったものと自己満足しつつ、外から一段と進む泥沼を観戦。
(12月21日)
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米国大統領選
1:2012年選挙をめざし、始動の時期 2:オバマ大統領、中間選挙前次第に人気を落とす傾向。これを持ちこたえ今、優位。WSJ世論調査12/13で対共和党有力候補をリード。オバマ対ロムニーは47%対40.オバマ対ペイリン55対33、3民主党オバマ外候補模索の動きなし 4:共和党候補はこれから。現在ロムニー20%、ハッカビー16%、ペイリン13%。多分予備選挙までロムニー優位に展開。マサチューセッツ州知事時代経済立て直し、大統領候補として高い評価。問題は中道のイメージ強い。共和党の主力は強い保守。右派。ハッカビーもペイリンも右派 右派候補まとめればロムニー苦戦。ペイリンは現在反ワシントンの政策で広い支持。5日本はオバマ周辺への食い込み弱い。日本牛耳るジャパン・ハンドラーは保守・軍系で基本は反オバマ。辺野古移転は後者の主張。菅首相訪米で出来ない辺野古又約束はオバマの信頼喪失。その状況今後6年続く危険
(12月21日)
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孫崎享氏のツイートhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・防衛大学校教授。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1134:101228〕
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