君は野田数(のだ・かずさ)を知っているか ― 都議選結果は警戒を要す ―
- 2017年 7月 5日
- 時代をみる
- 半澤健市都民ファースト野田数
《「都民」圧勝を正視しない能天気な人々》
2017年7月3日の「報道ステーション」(テレ朝)で、キャスターの後藤謙次は、都議選の勝敗二党―自民と「都民ファースト」(「都民」)―の選挙戦後の対応に触れた。安倍首相の反省は具体策を欠き、小池知事は二元代表制原則を意識して、秘書の野田数(のだかずさ)に代表を譲った。後藤はこう言って小池の素早い対応を好意的に評価した。
野田への代表委譲は「都民」の内部規定では合法的らしい。しかし巨大な存在となった「都民」の代表を小池と野田の二人で決めたことに、有権者から疑問や批判が出ている。「小池が代表として都議選を戦ったことは何だったのか」というわけである。
早くもオポチュニスト小池の本性が出た。これが私の印象である。
《「都民」代表は安倍に劣らぬ右翼である》
野田数とは何者か。結論をいうと、なかなかの「右翼」である。
「ウィキペディア」を信用して重要な項目を摘出して下記に掲げる。
■略歴
1973年 東京生まれ 早大教育学部卒
2000~01年 小池百合子衆院議員(保守党)秘書、00年衆院選立候補・落選
2003~09年 東村山市議(自民党)
2009~12年 東京都議(自民党、北多摩第一区)
10年から『正論』、『WiLL』、『SAPIO』等に執筆
2012年 地域政党「東京維新の会」結成(自民党離党)、都議会査団で尖閣海域視察
2012年 「日本維新の会」から衆院選立候補・落選
2013年 「日本維新の会」から都議選立候補・落選
2013年~14年 アントニオ猪木衆院議員秘書
2016年 小池百合子都知事選選対責任者、小池の知事当選後特別秘書となる
2017年 「都民ファーストの会」代表(6月1日から7月3日の間は小池)
■政策・主張
・2012年 日本国憲法無効論に基づく大日本帝国憲法復活請願を東京都議会に提出。
・「我が国の独立が奪われた時期に制定された」と現行憲法の無効を主張し皇室典範は「国民を主人とし天皇を家来とする不敬不遜の極み」「国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄」すべきことを主張。石原慎太郎東京都知事主導の東京都の尖閣諸島購入に賛成し国による購入には反対した。
・新しい歴史教科書をつくる会から分かれて発足した日本教育再生機構の常任理事を務めた。
《代表交代は情報公開の上の民主的な決定か》
ウィキペディアから私はなるべく事実を記した部分を抜粋したつもりである。
容易に分かるのは、野田数という人物は「右翼」的・「日本維新」的な思想の持ち主らしいということである。
小池旋風は、都政だけでなく国政にも、強い衝撃を与えた。
定数127名中、55名を擁する「都民」の代表が、現行憲法を否定し「大日本帝国憲法」の復活をうたう人物であるのを、読者は知っているだろうか。音喜多駿(おときたしゅん)「幹事長」も知らぬうちに再び代表になったのである。
「都議選結果は警戒を要す」は早くも深刻な現実である。「専門家」の多い知的集団の「都民」都議諸氏はどうお考えであろうか。(2017/07/04)
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye4125:170705〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。