本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(248)
- 2020年 2月 1日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
銀の現物に殺到し始めた日本の個人投資家
昨年末に驚かされたことは、「日本の個人投資家」が「銀(シルバー)の延べ棒」を買い始めたことにより、店頭から現物が消えたことだった。つまり、注文が殺到し、短時間で売り切れの状態になる事態が頻発したわけだが、この理由については、貴金属商も理解できないような状況でもあった。そのために、この点には、今後も継続して注目したいと考えているが、私自身としては、「個人投資家が、『お金の謎』を考え始めたことが、今回の異変の原因ではないか?」とも感じている次第である。
つまり、私自身が、30年ほど前に経験したことが思い出されたわけだが、実際には、「1987年のブラックマンデー」に大きな衝撃を受け、その後、「お金とは、いったい、何なのか?」を真剣に考え始めた状況のことである。具体的には、「過去の歴史」を振り返りながら、「お金の性質」を考えたわけだが、このことは、「奥の細道」を「中尊寺の金堂」に向かって歩き始めた状況だったようにも感じている。
より詳しく申し上げると、「私自身が、他の人々とまったく違った道を歩き始めた状況」のことでもあるが、当時は、「ほとんどの人々が、お金を求めて、東海道を金閣寺に向かって歩き始めたような状況」だったのである。つまり、「お金とは、いったい、何なのか?」ではなく、「お金が儲かるには、どのような方法を取るべきか?」を、世界中の人々が考え始めたのである。
そして、結果としては、「人類史上、最大規模のマネー大膨張」が発生したわけだが、この点については、実際のところ、「100年ほど前から、さまざまな兆候が出ていた状況」だったことも見て取れるようである。具体的には、「中央銀行の創設」や「金本位制の変遷」などのことだが、この点に関して、決定的な事件となったのが、やはり、「1971年のニクソンショック」だったものと感じている。
つまり、この事件をキッカケにして、世界の通貨が、目に見えない「デジタル通貨」などへと変化し、その結果として、「1980年代初頭に誕生したデリバティブ」が、「2008年前後」に「約8京円」という規模にまで大膨張した事実のことである。より具体的には、「金融商品の性格」として、「商品」と「通貨」の二面性が存在するわけだが、現在では、両方の性質が消え去った結果として、「金融システムや通貨の安定性」が不安視されているのである。そして、このことが、冒頭の「銀への投資」の原因であり、また、「30年以上も前に、私が実践したこと」だったのである。(2020.1.4)
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ゴーン氏の本性
昨年末の「ゴーン氏の秘密出国」には、たいへん驚かされたが、実際には、「2018年の末」に逮捕された時から鳴り始まった「除夜の鐘」が、「今回の出来事で、鳴り終わったのではないか?」とも感じた次第である。つまり、「1年以上もの期間において、人類の煩悩が、すべて吐き出された可能性」であり、また、「800年以上も続いた西洋の唯物論的な時代」、あるいは、「1971年から始まった信用本位制の時代」に関して、「終焉」を告げる事件だった可能性のことである。
別の言葉では、「人爵」である「お金や地位、そして、名誉」に関して、世界を代表するような人物と思われた「ゴーン氏」が、最後の段階で「晩節を汚す行為」を実施したわけだが、同年代の私自身としては、改めて、「人生の目的」や「何が、本当の幸福なのか?」を考えさせられた次第である。
そして、この点に関して、気になった点は、「ゴーン氏が、今後、どのような評価を受けるのか?」ということだったが、実際には、「三つの観点からの考察」が必要な状況のようにも感じている。つまり、最初が「三次元の評価」という、「現時点で、世界中の人々が、どのように考えるのか?」ということだが、実際には、私と同様に、「晩節を汚した哀れな人物」という理解とも言えるようである。
また、二つ目が「四次元の評価」という「後世の人々が、どのように理解するのか?」ということだが、実際には、「短期間の内に、歴史上から忘れ去られる人物」にすぎなかったものと感じている。そして、最後が「五次元の評価」という「あの世に帰った時に、本人が、どのように考えるのか?」という点だが、「輪廻転生」を信じる私自身にとっては、「このことが、最も興味あること」とも言えるのである。
つまり、今回は、「ゴーン氏の本性」が、世界的に明らかにされた状況だったものと考えているが、この点については、実際のところ、「現在のマネー大膨張を象徴する人物ではないか?」、そして、「今回の事件が、今後の世界を予見しているのではないか?」とも感じられたのである。別の言葉では、今回の事件が、「人類の覚醒」を促すために、必要な事件だった可能性のことであり、また、「歴史的な大転換」に関して、「タイミングを告げる出来事」だった可能性のことでもあるが、「ゴーン氏」が、今回、このような役割を果たすためには、「前世で、どのような行いをし、また、来世で、どのような人生を送るのか?」が気に掛かる状況とも言えるのである。(2020.1.4)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9408:200201〕
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