きのうの「ニュースウオッチ9」見ましたか~ユーカリが丘が登場したのですが
- 2020年 3月 8日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
昨夜、静岡県に住む義姉から電話があって、さっきのニュースで、ユーカリが丘が映っていた、という。コロナの影響で、都心に人口が減って、郊外の人口が増えている街としてユーカリが丘をクローズアップしたらしい。
きのうの「NHKニュースウオッチ9」の録画によれば、「ビッグデータの分析」とのコーナーで、コロナ感染防止対策と銘打った小中高学校の一律休校や在宅勤務・時差出勤の要請の影響で、昼間の滞在人口が通常の逆を示し、ベッドタウンの滞在人口が増加している。1キロメートル四方で表した地図で調べてみると、「千葉県佐倉市ユーカリが丘」にあたる部分が色濃くなっている、とのことで、取材にきたらしい。
まず「都心まで電車で45分」と報じられるが、「45分」には、大きな疑問符がつく。ユーカリが丘~東京なのかもしれないが、路線情報で検索すればわかること、不動産屋ではないのだから、正確を期してほしいな。通勤となれば、どんなルートでも、乗り換え時間、遅れなどで、1時間以上はかかる。
そして、駅前の佐倉市が運営する、共有オフィスの利用登録が増加しているとして、備え付けのデスクと機器を使って仕事をする人たちの声と映像。このオフィスというのが、前市長の大いなる置き土産で、市議会の多数会派とすったもんだの末、「テレワーク・シェアオフィス」と称して、国からの拠点整備費など5100万と市の補正予算、併せて総額1億1千万を超える予算で2019年にスタートした、いわくつきの施設であった。それに、フロアの賃借料年間840万とランニングコスト合わせると、3000万近くになる。5年間で元が取れるという皮算用である。さらに、この駅前ビルは地元の開発業者山万の所有で、商業施設の移動、撤退?で、フロアによっては、がらんどうに近いビルになっていたので、業者にとってはありがたい事業であったわけである。そのシェアオフィスのオープン以来、起業家たちの手助けという触れ込みもあったが、利用者が少なく、いつも、ひっそりとしていた施設だった。市民にとっても、第一利用料が高いし、使い勝手が悪く、評判が悪かった。テレワーク要請の現在だからこそ、利用者が若干増えたのかもしれないが、契約期間の10年間で、大いなる赤字が出なければいいが、というのが納税者としての実感ではある。
また、学校が休みになった子供たちが、いつもより賑わいを見せて遊んでいるユーカリが丘南公園の様子や、シェアしながら、子供たちを見守っているという、勤めを持つ母親たちの姿も伝えられた。市民がいかにも“難局”を乗り越えているかのような一例を伝えても、問題点を提示したことにはならない。
NHKは、今回の新型コロナ感染拡大対策について、一貫して政府広報に徹している。国会でのやり取りは、極力、首相はじめ閣僚の、「やってる」答弁のみの放映が多く、コメンテーターも、顔ぶれがほぼ特定し、政策の問題点や論点を示すことがほとんどない。
きのう、私も久しぶりにユーカリが丘駅付近まで自転車で出かけた。銀行、郵便局、ドラッグストアなどを回り、帰りにパン屋さんとケーキ屋さんにも寄ったが、いつもと変わりがなかった。ただ、ドラッグストアでは、マスク、トイレットペーパー、キッチンペーパーの棚に商品がなく「売り切れました」の札がある光景には、この街に住む人たちの不安が思われた。我が家の備蓄は、心細いが、慌てて買うようなことはしないつもりだ。この際に、デマを見極める知恵、マスクにしても8割が中国からの輸入品であったという事実などを知ることも大事なのではないか。私も、久しぶりに針を持ち、ガーゼハンカチで何枚かのマスクを作ってみた。やや不格好ではあるが、家の中や就寝時には、これで、十分なのではないか。
以下も、あわせて、ご覧いただければ幸いです。
・佐倉市は、不動産屋に?山万の空きビルの一部を借り上げて、貸室業をやるらしい! (2018年12月10日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2018/12/post-2945.html
初出:「内野光子のブログ」2020.3.7より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2020/03/post-176414.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://chikyuza.net/
〔opinion9518:200308〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。