SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】380 アフリカの新型コロナウィルス
- 2020年 7月 23日
- 評論・紹介・意見
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2020年7月20日、週明けの国連定例記者会見は相変わらずオンラインで、ステファン国連事務総長報道官が普段着のままボソボソ頭で登場し、この日のトピックスを読み上げてから数人の記者の質問に答えていました。 こんな映像を3か月以上も見せられています。 一方、この日のWHO(世界保健機関)も相変わらず3人のドクターが離れて点々と座り、「マスクと手洗いとくっつかないこと」と、小学校の標語もどきを繰り返しています。 オックスフォード大学ワクチン臨床試験初期段階の研究成果を評価しつつも、「まだまだ、、なかなか」と、慎重なんですよね、、WHOとUN 本部の真意は何なんでしょうか?
① ニューヨーク国連本部はいつまで休業なのか?:
7月20日、国連定例記者会見で記者の一人が、「国連再開の経過はどうなっているのか?今日はなにか新しい光景が見られるのか?」と、自宅からオンラインで質問した。これに対して在宅作業の報道官は、「ご存知のように、今日も変化なし、、だと思う。ゆっくり非常に注意深く本部への帰還作業が行われている段階だ。既に入館した経験のある記者さんは目撃したと思うが、我々はエレベーターにいたるまで、安全距離を保つための標識を設けたりする作業を行っている。再開準備の第一段階では、総計約400の人が指定された日時に国連ビルに入館している。国連スタッフの200人ないし300人や、代表団や、補修作業人、保安関係者、清掃人、、などだ。だから、400人程度がこの大きい国連ビル内で蠢いていて、殆ど目立つことはない、、第一段階の裏では、我々職員が外部に依頼している事務作業は進行し、フリーランサーの人々が働いている。第二段階は徐々に展開していくだろう、、オーケー、次は?、、」と、語った。例年なら、国連総会が9月中旬の火曜日から始まる。世界の首脳が、一般討論演説で競い合ったりもする。新型コロナウィルスの所為にして、今年はオンライン国連で済ませるのかな?
式典の簡素化や中止は、<ちきゅう庶民>として大歓迎です!
7月21日の国連定例記者会見で、記者の一人が、「具体的な会議計画はどうなっているのか?」と、報道官を質した。報道官は、「我々には何も知らされていない。8月半ばになったら、色々な事がより明確になってくると思う」と、答えた。
② アフリカの新型コロナウィルス感染状況:
7月20日、WHO(世界保健機関)の質疑応答で、南アフリカの記者が、「南アフリカは忠実にWHO(世界保健機関)の言いつけを守り、コロナ汚染拡大阻止に努めてきた。それなのに、何故、南アフリカの感染者数が増えてきているのか?」と、WHO(世界保健機関)の3ドクターに詰め寄った。3ドクターは異口同音に、「南アフリカのCOVID19対策は評価している。これからもマスク、手洗い、を励行し、密集を避けること。我々は、アフリカ・コロナ拡大予防対策に先鞭をつけた南アフリカを支持し続ける」と、WHOワーズを繰り返した。7月22日にNHKが伝えたジョージ・ホプキンス大学の発表では、新型コロナウイルスの感染者が、世界全体で1477万4887人となっている。死者は61万1599人。このうち、感染者が最も多いのはアメリカで385万8686人、ブラジルが211万8646人、インドが115万5354人、ロシアが78万2040人、南アフリカが37万3628人となっている。
3か月前の4月16日、WHO(世界保健機関)は、「アフリカ地域の新型ウイルス感染者数は向こう3~6カ月で1000万人に膨れ上がる恐れがある」と、警告した。同じ4月16日、UNECA(国連アフリカ経済委員会)は報告書で、「人口約13億人のアフリカ地域で、年内に12億人以上が感染、感染により30万人~330万人が死亡する」と、予測した。しかし、アフリカ・ビジネス・パートナーの発表によると、7月18日時点で、累計感染者数が702,663人、死者約15,600人となっている。「アフリカでのCOVID19感染者数は、予想に反して少ない。アフリカでのCOVID19感染はまだ始まったばかりだ」と、WHOは弁明しているが、虚偽申告に対する反省も謝罪もしない。まずはアフリカの人々に、深くお詫びをし、その賠償として医療援助をすべきだ。
7月20日のWHO定例記者会見に特別出演したコンゴ民主共和国のイブラヒム・サチェ・ファル・ドクターは、「ワクチンが実用化したら、ぜひ、アフリカ諸国にも回して欲しい」と、語った。が、ドクターは「多くのアフリカ諸国では、ワクチンを待たずに続々と感染者と死人を出している。COVID19に先立つ、世界的に流行した役病のエボラ熱やポリオや西ナイル熱などを、我々はワクチンを待たずして克服してきた。COVID19にたいしても、日常的な予防努力を続けなければならない」と、フランス語で弛まないコロナ感染対策を、アフリカと世界に促した。
7月19日には、ナイジェリア外務大臣オンエアマが新型コロナウィルスに感染した。目下、大臣は自主隔離中だ。
➂ 西サハラ難民キャンプは感染者数ゼロ:
7月15日、モロッコ健康省が発表したこの日の新規コロナ感染者は、214人だった。その内、20人がモロッコ占領地・西サハラの首都ラユーンで発見された。ラユーンの感染者たちはPCR検査で陽性と判明した員数ではなく、病院に運び込まれた重症者だ。モロッコ占領地のダハラ港で感染した漁師たちの員数は発表されていない。一方、この日までのモロッコ全土コロナ感染者累計は15,542人だ。モロッコは一日に200~300人の割合で感染者数が増え、7月20日の感染者累計は17,562となっている。
7月16日、アルジェリアにある西サハラ難民キャンプで、ヘイラ・ブラヒ西サハラ健康大臣が、西サハラ難民キャンプでも西サハラ開放区でも新型コロナウィルス感染者はいないと発表した。大臣は、「コロナ感染の疑いがある4人に対して、AU(アフリカ連合)から支給されたコロナ用医療器具を使って検査した結果、陰性であることが判明した」と。明言した。
一方、モロッコ刑務所に収容されているに西サハラ政治囚たち数名が、新型コロナウィルスの検査と即時釈放を要求して、7月17日の金曜日からハンガーストライキに入った。モロッコは約5,000人のモロッコ人収容者を新型コロナウィルス感染拡大防止を理由に釈放すると発表したが、その中に西サハラ政治囚は含まれていない。数百名の西サハラ政治囚たちの体が、劣悪な密集した獄生活で蝕まれている。そんな彼らを新型コロナウィルスが襲ったら、感染はあっという間に広がり、死者を続出することは間違いない。
日本政府は、ワクチン確保チームを結成したそうです。 このチームは既に、海外にある複数の製薬会社と交渉を進めていると明らかにしました。 日本製のアビガンやアンジェスのDNAワクチンなどは、どうなっているのでしょうね? 外国製品を買い付けにいくよりも日本製品を開発して、外国に売りつけに行って欲しいと思います。 加藤大臣は、ワクチンが国内で実用化されるのは早くても年明けになるという見通しも示しました。
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*難民アスリート・サラーの最新ドキュメンタリーがYoutubeにアップしました。
https://youtu.be/jz7lFr2c_Jk スペイン語ですが、西サハラ難民キャンプが見られます。
*占領地からの脱出―「アリ 西サハラの難民と被占領民の物語」只今発売中です。
著者:平田伊都子、写真:川名生十、画像提供:李憲彦、川上リュウ、SPS、
造本:A5判横組みソフトカバー、4頁のカラー口絵、本文144頁
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、TEL:03-3814-3861
2020年2月3日 初版第一刷発行 定価 税抜き2,000円
*1月22日、「ニューズ・オプエド」で#1323<アフリカ最後の植民地>を放映しました。
YouTube オプエド平田伊都子 URL https://www.youtube.com/watch?v=citQy4EpU-I
Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)をご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2020年7月22日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9959:200723〕
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