ルネサンス研究所9月定例研究会のお知らせ
- 2020年 9月 2日
- 催し物案内
- 中村勝己
まだまだ暑い日が続きますが、9月の定例研究会を開催します。テーマは、新型コロナを
めぐる問題をさらに掘り下げます。報告者は、お二人にお願いしました。お一人は、この間、
『情況』最新号(2020年夏号)などで新型コロナをめぐる国際的な論議を紹介しておられ
る塩野谷恭輔さん(「コロナ論壇評――COVID-19 パンデミックをめぐる言説」)。もうお
一人は、この間コロナ蔓延に対する安倍政権や小池都政の迷走ぶりをネット上で活発に批判
されてこられた大谷浩幸さん(『共産主義運動年誌』編集部)。新型コロナ・ウイルス蔓延
の第二波・第三波が来るとして(来ているとして)、今後の世界はどう動くのか。
そしてここにきて、ついに安倍晋三首相が政権を放り出すという新たな事態が起きました。
報道に接する限り、安倍首相の辞任は、むしろ後継首相選びその他で影響力を行使したいが
ゆえの余力を残したものであり、だれが首相になるにせよ、安倍政治は終わらないというこ
とだと思われます。大谷さんにはそのあたりについても語っていただく予定です。
まだまだ新型コロナ・ウイルスの蔓延が特に大都市圏では続いていますので、ご参加に際
しましては、体調管理、マスク着用などのご用心をお願いします。
日 時:9月8日(火)18:00開始(いつもより時間が30分早く始まりますのでご注意く
ださい)
会 場:専修大学神田校舎7号館7階774教室
報告者:塩野谷恭輔(東京大学大学院博士課程)
大谷浩幸(『共産主義運動年誌』編集部)
資料代:500円
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の出現は、実際のところどの程度、世界情勢に影響を与えたのだろうか。国内初の感染者が確認されたのは今から8ヶ月前の今年1月16日。緊急事態宣言の発令からは5ヶ月が経過した。この間、左翼からもそうでない者からも、国内外で様々な議論が噴出してくるのを見た。ワクチン開発やパンデミック終息への見通し、グローバル資本主義の行く末や国民国家批判、気候変動との関係、さらには感染症社会における個人の生活倫理にいたるまで、その内容は多岐にわたるものだった。これらの言説を総括するにはまだ早いという気持ちがある。感染症は終息しておらず、またそれが情勢に与えた影響について考えるには、その後一定期間の経過を待つ必要があるからである。一方でこういった言説が新しく光を当てた事態があるとすれば、それは何だろうか。この機会に今一度考えてみたい。(塩野谷恭輔)
8月28日、安倍首相は、突然、持病の悪化を理由に辞任会見を行った。この日は、新型コロナウイルス感染症対策の見直しが決定され公表される日でもあった。7年8カ月に及ぶ長期政権となった安倍政権は終わることになる。しかし、早くも、党員投票ではなく両院議員総会での後継総裁選びを決定し、二階派と麻生派が安倍政治の継承を目指し菅官房長官の擁立を決定した。とはいえ、戦後レジームからの脱却を目指し改憲を執拗に狙ってきた安倍総理の特異性は容易に継承できるものではなく、安倍政治は更新されることになるだろう。両院議員総会による後継総理の選出には、地方党員に人気の高い石破はずしの意図が透けて見える。いずれにしても「ポスト安倍」政権は、いくら数が多いとはいえ、あれほどの強引なやり方は不可能となるだろう。新型コロナ、世界経済・日本経済の危機の中での政権運営は厳しくなり、さらに政局は流動的となろうが、「ポスト安倍」の政治状況はどうなるのか、そして日本の社会変革運動はどうすべきなのかを共に考えていきたいと思います。(流 広志) |
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