「敵基地攻撃能力」の保有、と言われても、一回攻撃してそれでどうなるの?
- 2020年 9月 2日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
この国では、昔から米国製武器のセールスに負けて、使い道も無いのにあれこれと軍事目的をあげつらい自衛隊の駐屯地をガラクタの見本市にして来た経歴がありますが、安倍首相は、またまたイタチの最後っ屁のように「敵基地攻撃能力」なる使途を考案し、米国製武器を大量に購入する口実にしつつあります。
つい先日まで失敗作のオスプレイを買い付けるのに苦しい言い訳を重ねて来た経歴があるのにも関わらず、またまた苦しい言い訳を聞かされるのには辟易とします。
典型例としまして、オスプレイの買い付けに係る言い訳への反駁は、簡単ですので此処で序でにおさらいをしておきます。
このオンボロ軍用機の本当の売り込み先は、米国陸軍だったのですが、陸軍エリート部隊である第82空挺師団等や、特殊部隊であるグリーンベレー等の作戦目的、例えば、降下作戦実施時の対地制圧射撃が不可能である等陸軍の作戦目的に必要な能力を欠く機体を採用出来る訳も無かったのでした。 何より事故が多すぎます。 戦闘より事故で死ぬ兵士が多くなれば戦争どころでは無くなります。 乗るのは、国費を使い養成したエリート兵士ですから。 旧大日本帝国陸海軍のように、「一銭五厘」の値打ちしか無い兵士ではないのです。
其処で、新規の売り込み先としてこの国に白羽の矢が立ったのでした。 それしか無いでしょう? でも、在庫一掃セールならそれ相当の値引きをするので当然でしょうに。
自衛隊「オスプレイ導入」を中止できない、日本政府の呆れた事情 半田 滋 現代ビジネス 2016.12.25 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/50554?imp=0
さて、今回の「敵基地攻撃能力」ですが、旧軍の致命的欠陥を是正せずに自衛隊に引き継ぎ宿痾の如く今世紀にまで直結させている現実には呆れます。 それは、自軍の能力や、敵の能力等の全てを無視し、緻密な「作戦」をデッチ挙げる能力を最優先し、その他の現実を忘却してしまう、と言うよりも完全に無視してしまう痴呆状態の軍隊・旧軍の欠陥を指します。
その無残な結末が、銃弾に中り戦死した兵士よりも餓死(飢え死に)した兵士が圧倒的に多い、と言う他国の軍隊には皆無の現実です。
藤原彰著「餓死(うえじに)した英霊たち」(青木書店)参照
南方の島々へ多数の兵士を送り、送られた兵士達が必要とする糧食を送らず、送れず、餓死(飢え死に)に追い遣った大日本帝国陸海軍の悪しき伝統をそのまま現在に引き継いでいる、と言われても仕方の無い現実が眼前にあるのです。
それは、この国が食料の自給が出来るか否か、と言う当然の疑問に中ります。
「日本の食料自給率が38%という数字は、多くの日本人にインパクトや危機感を与えています。
世界中で見られる異常気象や天候不順、あるいは国際情勢など何らかの理由で外国からの輸入が途絶えてしてしまった時、私たち日本人の食生活は大きな影響を受けてしまいます。」
日本の食料自給率-問題点と対策- 食と農業 https://www.sangyo.net/contents/myagri/zikyu_ritu.html#:~:text
以上の引用中の「何らかの理由で」に戦争が該当するのは当然なのです。 この実態を知らず、何等の対策も講じずに、「敵基地攻撃」等と作戦目的を考案する大本営参謀が今も存在する現実には呆れて物が言えません。
後世には、亀井宏著「ガダルカナル戦記」や、大岡昌平著「レイテ戦記」に並ぶ、失敗した「令和の敵基地攻撃」等と言う戦記が出来上がるのでしょうか。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10078:200902〕
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