気が気になって
- 2020年 10月 6日
- 評論・紹介・意見
- 藤澤豊
何を考えるでもなく、毎日気なんとかや、なんとか気といっている。気がどうのという言い方、どんなのがあるかと書き出してみたら、あるはあるはこんなにもあるのかと呆れた。
気力、気分、気楽、気鋭、気炎、気焔、気体、気化、気圧、気管、気象、気味、気温、外気、気候、気迫、気品、気長、気構え、気配、色気、油気、気立て、気性がどうのこう、気持ちいい、気持ち悪い、気がいいヤツ、気の利かないヤツ、気がつく、つかない、気まぐれ、気をくばる、気どって、気をもむ、気が強い、弱い、気にかかる、気がある、ない、気にする、しない、気が落ち着かない、気が立って、気休め、気を紛らわせる、気障り、気がする、気が合う、気が張る、気が狂う、気が変わる、気が済んだ、気が遠くなる、気が散る、気に入る、気を静める、気に食わない、気がかり、気の抜けた、気が滅入る、気を遣う、気の毒、気がね、気が進まない、気のせい、気恥ずかしい、気の迷い、気を良くして、気を取り直して、気を引き締めて、気がひける、気兼ね、気を許す、気がゆるむ、気が向いた、気まま、気が知れない、気を吐く、……。
勝気や弱気といった気が後に来るのものも数は少ないようだが、けっこうある。
正気、才気、一気、天気、病気、生気、根気、やる気、換気、狂気、鬼気、殺気、磁気、短気、平気、景気、勇気、陽気、妖気、語気、湯気、健気、呑気、惚気、その気になる。
探してゆけばまだまだ、こんなのもあったのかというのがでてきそうな気がする。そう、ここでも気がするが出てくる。
気がどうのと言ってはいるが、あらためて「気」って何なんだろうと考えても、何なんだろうの先にはすすまない。何なんだからわからないまま状況に応じて、きちんとつかっている(?)。
Webで調べてみたら、古代中国から「気」とは、物質の最も基本的な構成単位で、エネルギーの元という。気が動くことですべてのことのありようやおこりが……。ありがたーい説明がでてきた。
分かったような分からないような。そう聞いて、なるほどと思う人もいないこともないだろうが、(何をもってして普通というのかというはちょっと横に置いておいて)、普通の人が、日常特段気にすることもなく使っている気なんとかやなんとか気が、その説明ではい分かりました。その通りですと納得するとも思えない。それほど、空気か水のようにあって当たり前、いろいろなケースに、どこでもここでもぴたっと当てはまる使い勝手のいい気なんとかやなんとか気。それが基本的な物質、あるはエネルギーから来ている?
毎日便利に使ってはいるが、いくら考えても、これといった納得できる説明があるような気がしない。前か後ろになにかつけば、万能ツールのような気のおかげて、表現豊な日本語ということなのか。そんな余計な詮索など忘れて、融通無碍な日本語、あるがままなりで気楽にいこうやでいいいじゃないか。説明がつくほど薄っぺらな文化じゃないといことなのだろう、とへんに納得しても、気になる気。
2020/8/25
Private homepage “My commonsense” (http://mycommonsense.ninja-web.net/)にアップした拙稿に加筆、編集
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion10171:201006〕
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