何もかも半端な~自粛か停止?結婚と婚約は違う?・・・・
- 2020年 12月 3日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
自粛?停止?基礎疾患?
Go to トラベルで、東京を除外するか否かで、小池都知事と菅総理が綱引き続いていたが、12月1日の夕方、緊急会談を開いたといい、急展開ともいうが、どんな結論が出たかと思ったら、65歳以上の高齢者と基礎疾患を持つ者への東京発着の「自粛」を求めることで合意したという。それも「短期集中」?で12月半ばまでなのか。いや「停止」なのだともいう、これもあいまいなままで、都と政府の妥協の産物で、感染拡大への歯止めにはならない。旅行業界の現場の混乱は必至だろう。第一、高齢者や基礎疾患のある人は、都内でも他県でも、Go toの利用どころか、必要不可欠な外出、会合、通院、買い物や近親の葬儀さえも控えているのが現状ではないのか。
政府にしても、新型ウイルス新規感染者も重症者も死者も急増している東京都にしても、医療体制がひっ迫してきている現実を見れば、いまや「危機感」を持って対応する状況ではないはずだ。「危機感」ではなく、まさに、「危機」のさなかにあるという認識が全く感じられない。第一波、第二波の時期から、秋冬を控えて、医療体制の脆弱さが指摘され、対策の重要性の声が高かったにもかかわらず、「経済を回す」ことが強調されたまま、今日に至ってしまった。そもそも、与野党を問わず、10万円の一律特別給付金で、経済支援、消費喚起をという発想自体が愚策であったことを反省すべきではないか。失職などによる生活困窮者への生活支援、休業・営業時短要請などへの経済支援を優先すべきはずであった。愚策の最たるものは、感染予防には不織布マスクより数段劣る、小ぶりのガーゼマスク2枚の全戸配布に予算と労力を割いたことに象徴されよう。私にしても、マスク、消毒、手洗い、三密はもうわかった。「自助」はすでに限界にきているのではないか。その後の対策も、後手、後手の小出しで、半端きわまりなく、国民の不安は募るばかりである。
菅・小池の溝(ANN)
https://yahoo.jp/Xpcmir
結婚と婚約は違う?
秋篠宮の誕生日に先立って11月20日行われた記者会見の内容が、11月30日の朝刊で一斉に報じられた。その中で、一番注目されたのが、長女眞子さんの結婚問題だったのではないか。憲法24条まで持ち出して、結婚は両性の合意のみによって成立するので、二人の結婚は容認するが、「結婚」と「婚約」とは違う?との発言が記者会見の最後になされていた。
「そうですね。どの段階というのがいろいろあるかもしれませんけれども,私は,特に結婚と婚約は違いますから,結婚については本当にしっかりした確固たる意志があれば,それを尊重するべきだと私は思います。これはやはり両性の合意のみに基づくということがある以上,そうでないというふうには私はやはりできないです。よろしいでしょうか。」
その意味するところは明確ではない。世間では、婚約といえば、両者の結婚を前提になされるものと理解されていると思うが、皇室では違うらしい。「皇室ジャーナリスト」によれば、皇族の婚約は、家と家との約束を意味する「結納」にあたる「納采の儀」を経ることによって成立するのが慣例らしい。もちろん、法律的な根拠があるわけでなく、あくまで私的な行事である。ということは、両者の合意による結婚は容認するが、家と家との、しかも、「結納」という前近代的な慣習でもある「納采の儀」の困難さを示唆すること自体、秋篠宮の発言にも矛盾がある。眞子さんにとっても、「お気持ち」など国民向けに公表する必要もなく、秋篠宮もせめて「結婚は認めるので、あとは、両者で自立してやってくれ、一時金は当てにするものではない」とでも明言したら、国民は一番納得するのではなかったか。
2020年11月20日秋篠宮記者会見の模様(宮内庁)
https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/39#TOP
初出:「内野光子のブログ」2020.12.2より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2020/12/post-da124b.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion10335:201203〕
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