本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(292)
- 2021年 1月 25日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
世界の債務残高
現在、海外では、「世界の債務残高が、どのような過程を経て、現在の状態にまで大膨張したのか?」が注目され始めている。具体的には、「西暦0年から1971年までの約2000年間」に「約5兆ドル(約520兆円)の増加」という状況でありながら、「1971年から2000年までの約29年間」に「約75兆ドル(約7800兆円)の増加」、そして、「2000年から2020年までの約20年間」に「約200兆ドル(約2.08京円)の増加」という状況のことである。
つまり、過去20年間については、私が指摘するとおりに、きわめて異常な「マネーの大膨張期」であり、その結果として、「世界の債務残高」についても、同様の「異常な大膨張」をしたことも見て取れるのである。別の言葉では、「金融界のブラックホール」の内部で「デリバティブという金融商品」が大膨張し、その結果として、「世界のマネー残高」、そして、「借金の総額」が、急激に増えたのである。
そのために、今後、危惧される点は、「金利の上昇とともに、債務の不履行が世界的に増加する事態」でもあるが、この点については、「金融システムの実情」を正確に理解する必要性があるものと考えている。別の言葉では、「世界各国の中央銀行が、過去20年間に、どのような行動を取っていたのか?」を、具体的な数字で把握することでもあるが、実際には、「ありとあらゆるところから借金を重ねて国債を買い付けることにより、超低金利状態を作り出した」という状況のことである。
ただし、現在では、この方法が行き詰まりを見せ、徐々に、「紙幣の増刷」が始まっているが、私の想定よりも時間的な遅れが発生した点については、「国民の覚醒」を促すための必要条件だったようにも感じている。つまり、本当の意味での「インフレ(通貨価値の下落)」が、世界的に認識されるための必要条件のことだが、今後は、「デジタル通貨が、今後、どのようなスピードで収縮するのか?」が注目されるものと考えている。
具体的には、「これから、どのようなスピードで、金利が上昇し、また、紙幣の増刷が実施されるのか?」ということだが、現在、この点に関しては、「マネーの死」という言葉が、再度、使われ始めた状況となっている。別の言葉では、現在の「マネー」について、「性質」や「正体」「が明らかにされ始めたものと思われるが、今後の注目点は、「日本人の性格」であり、実際には、「パニックに陥りやすく、しかも、一斉に、同じような行動を取る可能性」とも言えるようである。(2020.12.24)
------------------------------------------
空の思想
最近、驚かされたことの一つに、「旧約聖書にも空(くう)の思想が存在していた」という点が挙げられるが、具体的には、「コヘレトの言葉」に「仏教」と同様の考えが存在する事実である。つまり、般若心経における「空即是色」というような理解や認識のことだが、基本的には、「ギリシャ哲学」に「中庸の思想」が存在するように、「西洋と東洋の違いが、それほど大きくない可能性」を示唆しているようにも感じている。
そのために、これから必要とされることは、「思想や哲学、そして、宗教の統合」であり、実際には、「空の思想」に関して、より深い分析を行うことであり、また、聖書に書かれている「はじめに言葉あり」という説明のように、「宇宙の始まり」である「ビッグバン」が、「神の言葉」から始まった可能性を考慮することである。別の言葉では、「光あれ」という言葉により、「神が発した波動」が広がったものと思われるが、現在の「私の仮説」は、「全てが神の創造物」であり、そして、「人間の心」だけが例外だと考えている。
より具体的には、「目に見えるものや見えないもの」、あるいは、「耳に聞こえるものや聞こえないもの」という「有無の区別」は、すべて、「神が創った世界」における判断基準とも思われるのである。しかし、一方で、「人間の心」にとっては、「全てが空である」と理解すべき状況であり、この時に重要なものは、「神の創った身体を借りて、どのような体験を実際にできるのか?」、あるいは、「この過程で、どれほどの気付きや閃きを得られるのか?」とも思われるのである。
そして、この点が理解できた時には、「恐怖心」が消え去るとともに、「全ての出来事が喜びに変化する状況」が生まれるものと感じているが、現実の世界では、「お金が無ければ生きていけない」というように、「人間が創り出した現代の神様」に捉われている状況とも言えるのである。別の言葉では、「人間の心」が、「究極の物質」である「お金」に対して、過度に執着している状態のことでもあるが、この点に関して注目すべき事実は、やはり、「現代のデジタル通貨が、目に見えない数字に変化した状況」である。
つまり、これから想定される変化は、「目に見える紙幣の急激な増刷」であり、実際には、「大量に創り出されたマネー」が「小さな実体経済」へ、急速に流れ出す展開のことである。別の言葉では、西洋の時代に形成された「大きな矛盾」が、一挙に解消される事態のことでもあるが、この点についても、「空の思想」からは、「人類史上、最も大きな経験の一つ」にすぎない状況のようにも感じている。(2020.12.26)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10498:210125〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。