SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】408 トランプ弾劾裁判上院裁判長は西サハラ支持
- 2021年 1月 28日
- 評論・紹介・意見
- イスラエルサハラパレスチナモロッコ平田伊都子西サハラ
「世界一早くコロナ・ワクチン接種が進行中のイスラエルで使用したワクチンは、日本では未だに予定が未定の米ファイザー製で、全人口約900万人のうち、約250万人が1回目、約100万人が2回目の接種を済ませているそうです。 但し、イスラエル人口の21%をパレスチナ人が占めていて、その人たちにも平等なワクチン接種を行っているかどうか?疑問です。 ガザや、ヨルダン川西岸のパレスチナの人々、パレスチナ難民の人々のワクチン状況は、どうなっているのでしょうね? ともかく、世界のコロナ統計を牛耳っているのは、ジョンズ・ホプキンス大学です。 そして、その大学を仕切っているのは、元学長でネオコンのユダヤ人識者、ポール・オォルフォウイッツ元米国防副長官なんです。 ポール・オォルフォウイッツは、子ブッシュ政権下で米国防副長官としてイラク戦争を仕切り、その後、世銀総裁になりましたが世銀特別調査委員会が女性問題で彼を裁き、弾劾しました。
まもなくトランプ弾劾裁判が始まります。 その裁判長は西サハラ支援者です。
① 10か国49人の有識者が、前大統領発言撤回を求めて、新大統領に公開書簡:
2021年1月20日、ジョー・バイデン氏がアメリカ大統領に就任したその日、10か国か
ら49人の有識者が新アメリカ大統領に前アメリカ大統領発言の撤回を求めて、公開書簡を
送った。書簡は、「我々は、モロッコの不法な西サハラ支配を承認するトランプ米大統領の
決定に強く反対する。貴殿が執務に就かれたら即刻、この宣言を撤回されるよう要請する」
と、新大統領に呼び掛けた。そして、「西サハラは国連と国際司法裁判所とヨーロッパ連合
裁判所が指定し、国際社会が認知する<未確定地域(植民地)>で、当該地域の住人は、
国連決議に基づく<人民投票>を経て、民族自決権を行使し独立する権利が保障されてい
る」と、西サハラの国際的立ち位置を説明した。さらに、「ジェームス・ベーカー元米国務
長官が、<まさにアメリカが、国連西サハラ人民投票を創設し、その実現に向けて努力し
たのだ>と、我々に偉大なアメリカの尽力を想起させてくれた。ベーカー氏とジョン・ボ
ルトン元大統領国家安全保障補佐官の両氏は、いち早く、アメリカ当局に<モロッコの西
サハラ不法領有権>承認を撤回することを、請求している」と、言及している。そして、「上
院軍事委員会委員長ジェームス・インフォフェ共和党上院議員と上院司法委員会委員長パ
トリック・リーヒ民主党上院議員が指導する超党派議員たちは、<国連西サハラ人民投票
>を揺るがなく支持してきた。そして、貴殿が副大統領にあったオバマ政権以来、
MINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)はモロッコからその任務を妨害され、人民投
票だけでなく、モロッコ占領地・西サハラに於ける人権も保護できなくなってしまった。
MINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)の再編もお願いしたい」と、公開書簡は結ん
でいる。
上院司法委員会委員長のパトリック・リーヒ民主党上院議員(80)は、2月9日に始ま
るトランプ氏の弾劾裁判で裁判長を務める予定だ。ただ、1月26日に上院議員らの陪審員宣誓中に声がかれ、具合が悪くなったため入院した。現在、検査中だ。
トランプ弾劾裁判上院委員長で上院司法委員会委員長の
パトリック・リーヒ民主党上院議員
② イスラエルがUAE(アラブ首長国連邦)首都アブダビに大使館を開設:
2021年1月25日、 AFP通信社がイスラエルの外務省の発表として、「1月24日、イ
スラエル駐UAE(アラブ首長国連邦)大使館をアブダビに開設した」と伝えた。イスラエルとUAE(アラブ首長国連盟)の両国は2020年9月に米国の仲介で、国交正常化の協定に署名した。「イスラエルがパレスチナと包括的な和平協定を締結するまでイスラエルと関係正常化はすべきでない」というアラブの大義に反すると、パレスチナが強く非難した。
イスラエル外務省の発表によると、UAEの首都アブダビに置かれた大使館は、常設施設が見つかるまで「仮設事務所」で経済活動や医療活動や文化活動などの大使館業務を行うという。UAE(アラブ首長国連邦)も、在イスラエル大使館の設置を閣議で承認し、沿岸部の商都テルアビブに新設する予定だ。
その一方、1月22日にアフリカの内陸にあるブルンジが、2020年に新設したばかりの駐ラユーン領事館を閉鎖すると、ブルンジ外務省の公式ツイッターで表明した。ラユーンはモロッコ占領地・西サハラの首都で、元フランス植民地だったアフリカの数か国が、2020年に領事館を新設している。AU(アフリカ連合)は、モロッコの西サハラ占領に反対し、占領地での外交活動は植民地に反対するAU(アフリカ連合)憲章に違反だと、厳しく非難している。
③ モロッコの国連外交攻勢:
モロッコは正式な国連加盟国だし、国連PKOにもモロッコ兵を送っている。このところ中央アフリカ共和国では反政府軍が首都バンギを占拠し、近郊のバンガスにある国連PKOが襲撃され、モロッコ兵を含む数人が殺された。モロッコ王室はモロッコ兵の殉死を、国連事務総長への<貸し>にしている。一方の西サハラ難民政府は、国連加盟国ではないし、正式な発言権も会議参加資格もない。南アフリカやアルジェリアといった友好国のお情けにすがるしかない。国連記者会見室でも、西サハラを真面目に絶え間なく追及する記者がいない。
2021年1月25日になってようやくCORCAS(王室サハラ問題諮問評議会)が、<モロ
ッコの西サハラ領有権承認>トランプ発言を国連に流したと、明らかにした。CORCAS(王室サハラ問題諮問評議会)は、「ドナルド・トランプ・アメリカ大統領が発令した<モロッコ(西)サハラ全面的領有権>の承認宣言は、国連安保理正式記録として国連公式6か国用語に翻訳され、193国連加盟国に手渡された。宣言は、ケリー・クラフト米国連大使(当時)の説明文が添付され、承認宣言が出された翌日に配布された」と、モロッコの素早い国連外交攻勢を伝えている。1月27日、米国連大使はケリー・クラフトに代わり、リンダ・トマスグリーンフィールドがその任に着いた。
MWN(モロッコ世界ニュース)はアメリカ新政権がトランプ発言をそのまま受け入れるとの、希望的観測を述べた。さらに、「スペインの政党ポデモスが1月14日にバイデンに宛てて、トランプ発言撤回を要請する書簡を送ったが、2週間経った今も返事がない。ということは、バイデンの頭はアメリカ国内問題で一杯で、国外にまで回らないのでは、、基本的にバイデンはイスラエル寄りで、イスラエルとモロッコの国交正常化を歓迎している。西サハラ難民政府はバイデン新政権がトランプ発言を撤回してくれると信じているのだろうか?独りよがりも甚だしい」と、MWN(モロッコ世界ニュース)は、持論を展開させた。
日本時間の1月29日午前3時、アントニオ・グテーレス国連事務総長が年頭の記者会見をやり、その後、自らのワクチン接種を撮らせ、世界に流すそうです。 アメリカ新政権がUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)への復帰を表明したことなどを受け、記者会見ではパレスチナVSイスラエルが焦点の一つになるそうです。
西サハラ問題もぜひ、取り上げてください。 国連事務総長はパレスチナ人と同様に、西サハラ人の民族自決権も支持しているそうです、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年1月29日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10507:210128〕
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