ソ連邦崩壊30年の今年 ふたたび社会主義について考える
- 2021年 2月 3日
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シリーズ 20世紀社会主義の教訓と中国社会主義について考える 第3回
ソ連邦崩壊30年の今年
ふたたび社会主義について考える
・講師:岩田昌征(千葉大学名誉教授)
・日時:2月20日(土)午後1時~3時30分
・会場:〒113-0033 東京都文京区本郷3-29-10 飯島ビル1階 小川町企画内
TEL.03(5804)1656 FAX.03(5804)1609
HOWSメールアドレス hows@dream.ocn.ne.jp
<講師からのよびかけ>
斎藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書、2020年・令和2年)、特にその
第6章「欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズムと第7章「脱成長コミュニズムが世界を
救う」に描写されている社会経済システムは、旧ユーゴスラヴィア共産主義者同盟が
1970年代に実験した自主管理連合(アソシエーション)労働体制にほぼ重なる。しか
しながら、決定的な相違が両者間にある。それは、旧ユーゴスラヴィアのコミュニス
トは、この体制を促成長の社会主義としてデザインしていたことだ。脱促差を自覚し
ておれば、本書がかなり話題になっている事実は、旧ユーゴスラヴィアの社会実験が
歴史的に無意味でなかったことを示していよう。
かつて、私は『経済学辞典 第3版』(岩波書店、1992年・平成4年)に「労働者自
主管理」の項目を書いて、そこに「将来、再資本主義化の行きついたところで、自主
管理社会主義の40年間が貴重な歴史的経験として再評価できるであろう。」と期待し
ていた。それが脱成長志向の姿で現れてこようとは!勿論、ユーゴスラヴィアのユの
字も登場しないが。
私が東西対抗時代の資本主義、ソ連型社会主義、ユーゴスラヴィア型社会主義の現
実から抽象したトリアーデ体系表、1980年初に成立した体系表に帰って、経済社会の
あり得べき形を考えたい。まずは、所有制の本源的働き、その三類型である私有制、
公有制、共有制の性格を論ずる。次いで、経済調整様式の三類型である点調整(市
場)、線調整(計画)、面調整(協議)を説明する。経済社会は、三類型の節合・組
合せが時代の民衆の有する生活・欲望の質・量と生産力・技術の質・量に合致する場
合に停滞せず、暴走せずに済む。今日、私有制と市場の過剰が経済社会の暴走を極限
化し、地球の許容量に衝突している。
最後に、今日的話題の日本学術会議問題において、民衆世界が知識人研究者の主張
に共鳴して来ない原因を経済調整様式の次元で説明する。
【参考資料】
・「党社会主義体制崩壊の意味(上)ポーランド・ユーゴスラヴィアの具体例に即して」
(『思想運動』2020年6月1日第1053号付録・通巻15号)
・「党社会主義体制崩壊の意味(下)ポーランド・ユーゴスラヴィアの具体例に即して」
(『思想運動』2020年7月1日第1054号付録・通巻16号)
・<『人新世の「資本論」』の脱成長コミュニズム論への個人的感想>
(サイト「ちきゅう座」2020年12月27日)
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