湘 北 自 由 句 抄
- 2021年 5月 8日
- カルチャー
- 内田 弘
ペダルこぎ 花屋のまえを 通り過ぎ
彼の方に この花いかがと 勧められ
花束は いつもこころに 花園に
八十路でも 旧友専念 ボランティア
八十路入り 歩みし道を 振り返り
ユニセフは 孤児生む原因 口閉ざし
満洲で 死んでたまるか 難民で
さあ帰国 博多で下船 リュック背に
リュックには 食器満載 埠頭歩む
満洲に 埋もれる妹弟 我を呼ぶ
寝転んで 地に耳をつけ 声を聴く
貧富差が 遊ぶ子供ら 切り離し
道ばたの銅線 屑屋で換金し
日本の子 朝鮮動乱 有難く
日光線 観よ 青白飛沫(しぶき)大谷川(だいやがわ)
掃除時 先生ペダルで 百貨店
天皇制 すべて序列化 上と下
下級生 野球で優勝 師は叱る
担任は 職員室で いじめられ
ああ そうね そんなことも あったわね
天皇制 すべてを 解毒中和剤
新潟の旧友便り60年
ふるさとの旧友 養老著書を読み
三密は人の本性 禁に耐え
老境で コロナ世になり 達観か
マスクせぬ 男に 皆で マスクさせ
コロナ禍で 関東震災 連想し
自警団 在日捕らえ 憂さ晴らし
感染の 伝播を知らず ツバメ飼い
鬼が舞う 何を祈るか コロナ禍で
バッハ殿 五輪強行 マネービル
バッハ殿 来日中止 五輪揺れ
マスコミは 五輪マネーを 記事にせず
五輪マネー 開催突進 命がけ
五輪マネー 国民命(こくみんいのち) なんのその
富者偽善 貧者の正義 どちら取る
偽善でも 寄付ありがたや 金あれば
NPO 寄付して寄付を たかり金
辺見庸 『もの食うひと』から コロナ思索
ものづくり 現場の職長 あればこそ
絶滅す 日本列島 オオカミが
味噌汁のネギの香りで目が覚めて
ナマハゲは 演じたきもの 孫遊び
清張を 友は精読 破綻観る
破綻あれ なお読む清張 なにゆえぞ
コロナ禍に 行くは 神社かまたは寺
底割れの 時代に浮上す 伝統魔
パリ・ロンドン 五輪万博 大催事
メガ・イベント 開始時代は マルクス時代
マルクスは 観たか ロンドン万博を (1851年)
アドルフの ベルリン五輪 ナチ動員 (1936年)
コロシアム パンとサーカス いま五輪
東京五輪 止めて小池は 総理かな
(以上)
2021年5月7日(金)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture0987:210508〕
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