本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(308)
- 2021年 5月 21日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
日本のバブルと中国のバブル
現在の「経済」や「金融」に関する報道を見ると、「デフレなのか、それとも、インフレなのか?」、あるいは、「日米欧の国々は、資本主義から社会主義の方向に変化しているのではないか?」というように、「何が何だか、訳が分からなくなっている状況」のようにも感じている。つまり、最近の金融情勢判断の感想としては、「現在」だけを切り取って分析する「三次元の経済学」では理解が不可能な状態であり、また、一方で、「過去の歴史を振り返り、具体的な数字で分析する」という「四次元の経済学」からは、「きわめて危機的な状態」が浮かび上がってくる事態である。
より具体的には、「戦後の約76年間」を振り返り、「正確な分け方(分析)」を実施することにより「正確な理解や認識」が可能なものと考えているが、実際には、「1990年のバブル崩壊」が「日本における実体経済バブルの崩壊」を意味しており、また、現在は、「中国を中心としたマネー経済のバブル崩壊」が発生している可能性である。ただし、どちらの場合にも、「背後に米国のマネー膨張が存在した状況」であり、実際には、「日本の実体経済成長」に関しては「米国のニクソンショック」、そして、「中国のマネー経済成長」については、「米国のデリバティブ大膨張」が、大きな要因となっていたのである。
より詳しく申し上げると、「1990年のバブル崩壊」は、「日本を中心として、実体経済の成長が終焉した状況」を表しており、その後は、「デジタル通貨と金融商品の大膨張」という「マネー経済」を主体とした経済成長に変化を遂げていたのである。そして、現在の「インフレ指数」についても、「実物商品」と「預金通貨」などでは判断できず、「デジタル通貨」と「デリバティブ」の関係性でしか実態が見えなくなっているのである。
つまり、「超低金利の壁」により「本当のインフレ率」が見えなくなっている状況でもあるが、現在では、徐々に、「金利」が上昇し、その結果として、「アルケゴス」などのように、「デリバティブに絡んだ金融商品」が連鎖的な破裂を起こし始めた状況とも言えるのである。別の言葉では、「中国を中心にして、世界全体で資金繰りが厳しくなった状況」とも思われるが、この点については、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉で「ほめ殺しの状態」となった「1990年前後の日本」と同様の状態とも感じている。
より具体的には、現在の中国は、「世界の覇権国」を自認するような振る舞いが目立つ状況でもあるが、今後は、「奢れるものは久しからず」という言葉のとおりに、「過去30年間の日本」が再現される可能性のことである。(2021.4.17)
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共同体の二面性
動物の世界にも存在する「共同作業」は、「知識の共有と伝達」を可能にした人類により、「共同体(コミュニティー)」の発展につながったものと思われるが、この時に注意すべき点は「共同体の二面性」だと考えている。具体的には、「分業がもたらした生産性の上昇」と「社会の組織化」のことであり、この点に関する正確な分析により、「実体経済の成長」と「マネー経済の成長」が説明可能な状況のようにも感じている。
つまり、「実体経済の成長」については、当然のことながら、「分業」という「高度な共同作業」が必要不可欠な要因でもあるが、「資本主義」が本格的に始まったと言われる「西暦1800年頃からの約200年間」を具体的な数字で分析すると、「世界全体が、高度の分業体制に組み込まれていった状況」が見て取れるのである。別の言葉では、「悪魔のひき臼」という言葉のとおりに、さまざまな規制や常識が壊されるとともに、世界中の人々が、「お金」という「唯一の価値基準」に向かって、まっしぐらに向かっていった展開のことである。
そして、この時に注目すべき点は、「組織化がもたらした闇の部分」であり、実際には、「分業化による人類の盲目化、そして、隷従化」のことであり、実際には、「他人を信用して、仕事を任せる」という行為については、当然のことながら、「他人の仕事に関して、自分が盲目的な状態に陥る」という事実が存在するのである。別の言葉では、「社会の規模が大きくなればなるほど、個人の力が弱くなる状況」のことであり、また、「一人ひとりが、社会の部品に組み込まれていく展開」のことである。
その結果として、「マネー経済の成長」という「ほとんどの国民が知らないうちに、新たなマネーが創られていく状況」が発生するが、この時の問題点は、「マネーの残高が増えている限りは、国民が気付かず、問題が発生しない」という事実である。つまり、「ほとんどの国民」は、「自分のお金がどのような状態になっているのか?」に関して、「問題の発生まで興味を示さない」という傾向が存在するために、「政府」としては、「真実が気付かれないように、極力、努力する」という状況となってしまうのである。
しかし、「信用は一瞬にして崩壊する」という言葉のとおりに、現在では、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」の直後から築き上げられてきた「信用」と「信用を形にしたマネー」の全てが崩壊の危機を迎えており、私自身としては、「今後、どれほどの規模で大インフレが発生するのか?」を心の底から憂慮している状況である。(2021.4.18)
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リュウグウからの玉手箱
動物の世界にも存在する「共同作業」は、「知識の共有と伝達」を可能にした人類により、「共同体(コミュニティー)」の発展につながったものと思われるが、この時に注意すべき点は「共同体の二面性」だと考えている。具体的には、「分業がもたらした生産性の上昇」と「社会の組織化」のことであり、この点に関する正確な分析により、「実体経済の成長」と「マネー経済の成長」が説明可能な状況のようにも感じている。
つまり、「実体経済の成長」については、当然のことながら、「分業」という「高度な共同作業」が必要不可欠な要因でもあるが、「資本主義」が本格的に始まったと言われる「西暦1800年頃からの約200年間」を具体的な数字で分析すると、「世界全体が、高度の分業体制に組み込まれていった状況」が見て取れるのである。別の言葉では、「悪魔のひき臼」という言葉のとおりに、さまざまな規制や常識が壊されるとともに、世界中の人々が、「お金」という「唯一の価値基準」に向かって、まっしぐらに向かっていった展開のことである。
そして、この時に注目すべき点は、「組織化がもたらした闇の部分」であり、実際には、「分業化による人類の盲目化、そして、隷従化」のことであり、実際には、「他人を信用して、仕事を任せる」という行為については、当然のことながら、「他人の仕事に関して、自分が盲目的な状態に陥る」という事実が存在するのである。別の言葉では、「社会の規模が大きくなればなるほど、個人の力が弱くなる状況」のことであり、また、「一人ひとりが、社会の部品に組み込まれていく展開」のことである。
その結果として、「マネー経済の成長」という「ほとんどの国民が知らないうちに、新たなマネーが創られていく状況」が発生するが、この時の問題点は、「マネーの残高が増えている限りは、国民が気付かず、問題が発生しない」という事実である。つまり、「ほとんどの国民」は、「自分のお金がどのような状態になっているのか?」に関して、「問題の発生まで興味を示さない」という傾向が存在するために、「政府」としては、「真実が気付かれないように、極力、努力する」という状況となってしまうのである。
しかし、「信用は一瞬にして崩壊する」という言葉のとおりに、現在では、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」の直後から築き上げられてきた「信用」と「信用を形にしたマネー」の全てが崩壊の危機を迎えており、私自身としては、「今後、どれほどの規模で大インフレが発生するのか?」を心の底から憂慮している状況である。(2021.4.19)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion10906:210521〕
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