職域ワクチン接種はどうなってしまったのか?まさに「捕らぬタヌキの皮算用」ではないか!
- 2021年 7月 8日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
私は、7月3日に、高齢者としてかかりつけ医のところで、第1回目のワクチンを接種した。2回目は、今月末であり、連れ合いの2回目は8月にづれ込んでいる。
NHKの「新型コロナウイルス」特設サイトによれば、全国で2回目の接種が完了しているのは14.41%、東京都の高齢者は38.95%、千葉県で35.43%(7月5日現在)という状況である。
高齢者接種でもこんな進捗状態なのに、6月21日には、本格的に大手企業の職域接種まで手を広げ、その従業員の家族にまで接種するとまで発表していた。
数日後、知人から、勤める会社のグループでもワクチン接種が始まるとの電話があって、それは安心だねと喜んだ。7000回分ながら全員分ではないので、どんな順番になるのかなとも言っていた。6月28日には、河野担当大臣は、あちこちの会社の接種会場にまで出かけて、その加速ぶりをアピールし、そんな報道も一斉になされた。KADOKAWAグループや吉本の接種会場では、漫画のキャラクターやお笑い芸人と記念写真を撮ってはしゃいでいた。
6月28日、吉本新劇において、東京会場?
ところが、職域接種の要望が多すぎて、余分に上乗せして申請する会社もあるとか、配送に問題があるとかで、受付を一時休止すると発表したのが6月23日。受付を休止するのだから、受付済みの会社は、大丈夫と思っていたところ、知人からは、社内での接種希望者を募り始めるという段取りになっていた7月5日、突如、供給が滞っているので、ワクチン接種は中止になったというメールが入っていた。ええーそんなことってあるの?と驚き、わがごとのように腹立たしい思いをしている。
今日、7月7日の報道によれば、なんと5月連休頃には、モデルナのワクチンの4000万回供給が不可能なことが分かっていたというのである。
7月7日「朝日新聞」より
そもそも、政府がワクチンメーカーと協議した、合意したととかのニュースは、「捕らぬ狸の皮算用」であったのだ。その上、実現不可能なことが分かりながら、ワクチン接種を加速させる、加速していると、ウソをついていたことになる。都議選が終わったとたん、実はと、不都合な事実を開陳するに及んだというわけか。なんともお粗末な顛末であることか。
いずれも7月7日テレビ朝日「羽鳥モーニングショウ」のパネルより
住まいの隣町でもある八街市で、下校時の児童の交通事故で死傷者を出した事件、歩道も路側帯もない、交通量の多い道路での事故であった。私も、数年間、交差点の一つで、小学生の登下校時の見守りを続けていただけに、これも他人事には思えなかった。全国の通学路の安全点検と整備を指示したという菅総理、八街の事故現場に出向いて花を供えたというニュースには、いささか驚いた。現場に赴くことでは、なんの解決にもならない、これも都議選前のパフォーマンスにも思えたのである。
初出:「内野光子のブログ」2021.7.7より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2021/07/post-c0dbe0.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion11086:210708〕
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