本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(334)
- 2021年 11月 20日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
フラクタルから考える米国債バブルの崩壊時期
世界的な金融大混乱は、紆余曲折を経ながらも、いよいよ、最終段階に入ったものと考えている。つまり、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手」が消滅した時に、「金利の急騰」が発生し、資金繰りに窮した世界各国の中央銀行が、一斉に、大量の紙幣増刷に迫られる状況である。別の言葉では、すでに「テーパリング(国債買い付け金額縮小)の時期」を議論しているような状況ではなく、「インフレの大津波が世界を襲っている状態」を認識する必要性が存在する状態とも感じている。
より詳しく申し上げると、今までの推移を考えると、「世界各国の中央銀行は、米国のFRBを筆頭にして、すでに、資金繰りに窮している状況」となっており、今後の注目点は、「国民が、いつ、この事実に気付くのか?」とも思われるのである。別の言葉では、「この事実を認識せざるを得ないような大事件が、いつ、発生するのか?」ということであり、この点に関して、「暦のフラクタル(相似形)」が応用できるものと感じている。
つまり、「世界の金融システム」については、すでに、日経新聞などで報道されているように、「5年以上も前から、世界各国の政府や中央銀行の価格操作によって歪められていた」という状況だったのである。そのために、今回は、「時間的な歪み」、あるいは、「問題の先送り」を考慮しながら、また、「年と月との暦の相関性」を利用しながら、今後の展開を予想する必要性があるものと考えている。
具体的には、「突如として、金利の急騰が発生した日時」である「2019年9月17日」に関して、「今後の日程において、フラクタルの観点から、この日に相当するのが、何時なのか?」を計算することである。つまり、「2021年の11月」と「2019年」とが「己亥(つちのと い)」という同じ暦になるために、「11月の何日が、2019年の9月に相当するのか?」を計算する方法である。
より具体的には、「12ケ月:9か月」の比率を「30日:Xデー」に当てはめると、「30日×9ヶ月÷12ヶ月=22.5日」となり、このことは、「11月23日」が「国債価格暴落のXデー」となる可能性を示唆しているのである。ただし、この方法論に関する私自身の反省点としては、「世界全体が力を合わせると、これほどまでの『時間の歪み』、すなわち、『発生時期の遅れ』が生じた事態」でもあるが、この事実を、反対の観点から考えると、「問題の発生が遅れた分だけ、混乱の規模が大きくなる状況」とも言えるものと考えている。(2021.10.10)
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今後の天皇制
「眞子内親王の結婚問題」については、多くの国民が違和感を覚えるとともに、「秋篠宮家不要論」までもがマスコミで報道される状況となっているが、この点については、歴史を遡りながら、「天皇制の実情」を考える必要性があるようにも感じている。つまり、今から800年前の「承久の変」に起こった大変化を理解しながら、「明治維新以降の日本人」を考えることである。
より具体的には、今からちょうど800年前の「1221年」に、「天皇が武士との争いに負けて、土地などの実権を失った」という、日本の歴史上、きわめて重大な事件が発生した事実である。そして、その後は、明治維新に至るまでの「約650年間」という長期にわたり、「天皇制」は、ほとんど機能していなかったものの、「富国強兵」を目指す新政府の思惑により、「廃仏毀釈」と「新たな天皇制」が始まったことも見て取れるのである。
つまり、「日本人を、どの方向に導くのか?」という点において、「天皇に絶対的な権力を与えた」という状況だったが、結果としては、ご存じのとおりに、「1868年から77年後の1945年に、日本が敗戦を迎え、天皇陛下の権力も失われた」という状況だったのである。別の言葉では、「天皇性の役割が、国民を支配することから、国民に寄り添うこと」に変化したものと思われるが、今回の結婚問題では、「国民の感情を無視してでも、私的な欲望を達成する」という状況となったことも見て取れるのである。
より具体的には、「国民と皇室との対立」とでも呼ぶべき状況となり、このことは、「文明法則史学」が教える「800年の節目」のようにも感じられわけだが、実際には、「800年前と同様に、皇室の役割が激減する可能性」、あるいは、「明治維新以降の歴史を大清算する可能性」も考えられるようである。つまり、今回の事件をきっかけにして、「皇室や宮内庁の存在意義を、日本人全体が考え始めた」という展開のことだが、確かに、「日本人のモラルハザード」という点において、「正直者が損をする」というような事態は、決して、好ましいこととは言えないようである。
ただし、この出来事について、より深い観点から考慮すると、「日本人の膿み出し」に関して、「自民党」のみならず、「皇室」にまで光が当たった状況となっており、このことは、「日本人の新たな出発」に関して、きわめて重要な意味を持っているようにも感じられるが、より興味深い点は、「来年の大河ドラマ」において、「800年前に、どのようなことが起こったのか?」を、詳しく説明してくれる可能性である。(2021.10.11)
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デジタル革命の盲点
大自然界は、基本的に、「アナログ」であり、このことは、「時間」や「色」などのように、連続した無限の情報量を含んでいることを表しているが、一方で、「デジタル」については、「すべてのデータを0か1で処理する」というように、一部の情報だけを切り取って、より効率的な情報伝達を目論んだものと言えるようである。その結果として、「コンピューターネットワークの中における、データやデジタル通貨の効率的な流通」に関しては、きわめて有効な手段になったものと理解できるのである。
しかし、一方で、現在、注目すべき点は、「マネーへの過剰な信仰」や「DX革命」がもたらした「世界的な自然破壊」であり、この理由としては、「デジタル通貨の獲得」を目的とした人々が、「言語や情報の二重性」を無視した点が指摘できるものと感じている。つまり、「言語や情報には、目に見える文字の部分と、目に見えない感情の部分が存在する状況」のことだが、現在の「DX革命」においては、「目に見える部分」だけが強調され、その結果として、「人類の心や精神の部分」が忘れ去れられた状況とも言えるのである。
ただし、「100年ほど前からの変化」としては、「量子力学」や「分子生物学」などの、いわゆる「ミクロの物理学」と呼ぶべき分野が発展し始めた状況が指摘できるが、このことは、「DX革命」で切り取られた「アナログの部分」が復活を始めた状況とも考えられるようである。つまり、「大自然界を研究する自然科学」の分野においては、すでに、「デジタルからアナログへの変化」が発生している状況とも言えるが、一方で、「人間社会を研究する社会科学」の分野では、依然として、「アナログからデジタルへの流れ」が進行している状況とも理解できるのである。
別の言葉では、「デジタル通貨への信仰」が、依然として強い状況とも言えるが、この点に関して注目すべきポイントは、やはり、「マネー経済から実体経済への資金移動」だと感じている。つまり、「デジタル通貨が作り出した仮想現実の世界」から「大自然界が産み出す現実社会」への資金移動が始まったものと思われるが、この点に関して、大きな役割を果たしたのが、今回の「コロナ・ショック」だったものと感じている。
より具体的には、「このままの状況では、人類が大自然界から淘汰される可能性に気付かされた」という「人類の覚醒」に関して、きわめて大きな役割を果たした可能性のことでもあるが、今後は、「DX革命」で失われた「人類の精神性」が復活することにより、より高度な社会が発展する可能性に期待している。(2021.10.12)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion11500:211120〕
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