護憲団体が新たな署名運動を開始 総選挙後の改憲機運の高まりに抗して
- 2021年 12月 4日
- 時代をみる
- 岩垂 弘憲法
護憲団体が結集する「9条改憲NO!全国市民アクション」と「戦争させない・9条壊すな!総かがり行動実行委員会」が、11月24日から、新しい署名運動を始めた。新署名のタイトルは「憲法改悪を許さない全国署名」で、署名の宛先は内閣総理大臣、衆院議長、参院議長。先の総選挙後、自民党、日本維新の会、国民民主党などが、来年7月の参院選に向けて改憲論議を加速させているところから、護憲団体間に危機感が強まり、改憲を阻止するために護憲運動の高揚を図ろうというわけである。
「9条改憲NO!全国市民アクション」は、学者・文化人ら19人の呼びかけで、2017年8月に結成された。これには個人のほか、旧総評系の「戦争をさせない1000人委員会」、共産党系団体が中心の「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」、市民団体の「憲法9条壊すな!実行委員会」、九条の会などが加わった。
発足直後の全国市民アクションが取り組んだのは「安倍9条改憲NO! 憲法を生かす全国統一署名」で、3000万筆を目標にしていたことから、「3000万人署名」という略称で呼ばれた。この署名は2919年6月までに947万筆余を集め。国会に提出された。
「戦争させない・9条壊すな!総かがり行動実行委員会」は、安倍内閣が集団的自衛権の行使容認に道を開く安保関連法案を国会に上程した時、その成立を阻もうとした「戦争をさせない1000人委員会」、「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」、「憲法9条壊すな!実行委員会」などが中心となって2015年2月につくった組織。安保関連法施行後も、毎月19日に国会周辺で「安保関連法の廃止」を訴え続けている。
新しい署名用紙にはこう書かれている。
「岸田文雄政権は、総選挙で改憲発議に必要な3分の2の議席を手に入れました。岸田首相は中国や朝鮮を念頭に違憲の『敵基地攻撃能力の保有』をとなえ、歴代政権がかろうじて維持してきた防衛費の対GDP比1%以内の原則をも放棄して2%以上を主張するなど、米国をはじめ欧米諸国との軍事同盟を強化し、『戦争する国』づくりを進め、アジアの緊張を高めています。しかし、この道の障害になるのが憲法9条など、日本国憲法の理念です」
「改憲派は次の参議院をにらみながら、9条に自衛隊を書き込むこと、緊急事態条を創設することなどを内容とする自民党改憲4項目案をベースにして、国会の憲法審査会での改憲案づくりを急ごうとしています」
「私たちは国会が改憲の発議をすることを許さず、すべての戦争に反対し、憲法を生かし、平和と民主主義、人権、環境、暮らし・医療・公衆衛生向上などを実現する政治を求めます」
署名用紙には、連絡先として次の4団体が書かれている。
戦争をさせない1000人委員会(03-3526-2920)
戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター(03-5842-5611)
憲法9条壊すな!実行委員会(03-3221-4668)
九条の会)03-3221-5075)
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