改憲阻止へゼネストの準備も 危機感強める護憲団体
- 2021年 12月 22日
- 時代をみる
- ゼネスト岩垂 弘憲法
衆院憲法審査会が12月16日、自由討議を行った。10月末の衆院選後、国会の憲法審査会が実質的な討議をしたのは初めてだか、自民党、日本維新の会、国民民主党の3党はこれを機に憲法審査会での審議を急ぎ、審査会として改憲案を採択、できれば来年7月の参院選で改憲案に対する国民投票を実施したい、という構えだ。
こうした状況に護憲団体側が危機感を抱き、さまざまな動きが出始めた。護憲団体が結集する「9条改憲NO!全国市民アクション」と「戦争させない・9条壊すな!総かがり行動実行委員会」が、11月から、新しい署名運動を始めたことを12月4日付の本欄で紹介したが、その後も注目すべき動きが出ている。
その一つは、憲法9条の改定阻止を目指す自治体の現職首長や首長経験者でつくる「全国首長九条の会」(共同代表、川井貞一・元宮城県白石市長ら)の動きだ。同会は12月12日、東京都内で第2回総会を開き、「地方自治制度を守るためにも、戦争につながる9条改憲を決して許さない決意を全国民と全ての自治体首長・元職の皆さんへ訴える」とのアピールを採択した。
同会は2019年に発足。現職・元職を含め130人が参加している。この日の総会には、オンライン参加を含め首長や元首長、市民ら約60人が参加した。
共同通信によれば、総会では、九条の会世話人の田中優子・前法政大学総長が講演したが、前総長はその中で、「このままでは憲法改悪に進むのではという危機感がある。多様性を尊ぶ社会を地方行政からつくる必要がある」と強調したという。
総会ではまた、松下玲子・東京都武蔵野市長、保坂展人・世田谷区長、村木英幸・東京都あきる野市長らが改憲阻止に向けた決意を述べた。
さらに、こんな動きがある。11月25日付の「連合通信・隔日版」によると、全国労働組合総連合(全労連)や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会が11月22、23の両日、都内で開いた2022年国民春闘討論集会(オンライン併用)で、先の衆院選で改憲勢力が3分の2の議席を占めたことに危月機感を示し、ゼネストの準備を開始するとの方針を決めた。
同紙によると、この国民春闘討論集会には、月額2万五千円以上の統一要求基準案や、エッセンシャルワーカーの大幅賃上げの取り組みなどが提案された。改憲問題についての発言もあり、小畑雅子代表幹事(全労連議長)が、「12月に開かれる臨時国会で憲法審査会を動かそうとするなど改憲への策動が一気に強まっている。本格的な改憲の危機となれば、ゼネストを構えて闘う」と、憲法闘争に最大限の力を注ぐよう呼びかけたという。
これに対し、多くの単産や地方組織から賛同の声が上がった。生協労連からは「身近なテーマから憲法を学び、憲法を大切に感じる仲間を増やしいく」との報告があり、愛知県労働組合総連合からは、県内の全印総連の労組から「(国民を軍隊に召集する)赤紙を再び印刷してはいけない」との声が出されたことを紹介し、「改憲阻止のためのゼネストに賛成する。その時は積極的に参加する」と発言したという。
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