1月7日「改憲NO!文京アクション 新春学習会」 講師は澤藤大河
- 2022年 1月 3日
- 評論・紹介・意見
- 澤藤統一郎
(2022年1月3日)
2022年の年開けは、少しも目出度くない。寒さが厳しいだけではない。思いがけなくも憲法をめぐる状況についての厳しさも痛感せざるを得ない。
邪悪な改憲勢力の首魁(実は単なる無能)の安倍晋三をようやく政権の座から、引きずり下ろし、「これでしばらくは憲法の安泰期」と思っていたら、何としたことだ。ハトかに見えた岸田が、俄然タカの様相である。
岸田は、総理大臣としての年頭所感でこう語った。「自由民主党結党以来の党是である、憲法改正も、本年の大きなテーマです。国会での論戦を深めるとともに、国民的な議論を喚起していきます」と。言わずもがなのことを、わざわざと。
これが岸田の本心であるか否かを穿鑿するのは意味のないこと。自民党内の力学が、「改憲の好機到来」と認識して動き出しているのだ。「好機」をもたらしたのは、総選挙における反共野党勢力の跳梁である。とりわけ、維新の罪が深い。そして、《「安倍改憲」には反対だったが、「安倍抜き改憲」なら議論を始めてもよいのでは》というグループも、である。
そのような情勢のさなかに、「コロナ禍と緊急条項」というテーマが浮上しつつある。12月31日の時事配信記事が「改憲勢力に勢い 緊急事態条項で進展目指す―立民苦慮、狭まる包囲網」という刺激的なもの。その中で、緊急事態条項に触れて、こう報じている。
自民党は1月召集の通常国会で、国会議員任期の特例延長など緊急事態条項の創設を軸に改憲議論を進展させたい考えだ。新型コロナウイルス禍を踏まえて、世論の理解が得られやすいと判断しているためだ。
10月の衆院選で、憲法改正に前向きな日本維新の会と国民民主党が議席を増やしたことも追い風とみている。「改憲ありきの議論」と一線を画す立憲民主党が対応に苦慮する場面が増えそうだ。
緊急事態条項は、大地震などの大規模災害時に国会議員の任期を特例で延長することや、国会承認がなくても政府の政令を認める内容。公明党は「緊急事態で国会機能をいかに維持していくかという論点からの論議が必要だ」(北側一雄中央幹事会長)と、議員任期の延長に理解を示す。
国民民主党幹部は「議員任期の延長特例は地方議会では既に認められている」と指摘。日本維新の会も前向きで、野党側からも一定の賛成が見通せる状況だ。
以下は、この件に関する、私の地元文京での学習会のお知らせ。
改憲NO!文京アクション
新春学習会
憲法第9条と緊急事態条項、
改悪するとどうなる?
参加無料
日時 2022年1月7日(金)18 :30~
場所 文京区民センター2A(文京区本郷4丁目15-14)
最寄り駅:東京メトロ丸ノ内線後楽園駅
「憲法改悪を許さない全国署名」にご協力願います。
岸田政権は、2021年10月の総選挙で、改憲発議に必要な3分の2の議席を手に入れました。中国や朝鮮を念頭に「敵基地攻撃能力の保有」を国会で表明し、そのため現在6兆円の防衛費2倍(GDP比2%)を主張しています。米国はじめ欧米諸国と軍事同盟を強化し「戦争する国」づくりを進め、アジアの緊張を高めています。改憲派は、参議院選挙をにらみながら9条に自衛隊を書き込むことと、緊急事態条項の創設を狙っています。
私たちは、自民党の改憲発議を許すことなく、憲法9条をはじめとし、今の日本国憲法で国民のいのちと暮らしを守る政治を求めていきます。
改憲NO!文京アクション事務局
文京区小石川2-21-8 (文京区労協新事務所)
電話 03-3815-1558 FAX 03-3813-6006
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.1.3より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=18276
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion11631:220103〕
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