ウクライナ危機の根源を探る: オリヴァー・ストーン作 ”ウクライナ・オン・ファイヤー”
- 2022年 4月 2日
- 評論・紹介・意見
- グローガー理恵
すべて人は、意見及び表現の自由を享有する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む。
〈世界人権宣言:1948年12月10日の第3回国際連合総会で採択された、すべての人民とすべての国が達成すべき基本的人権についての宣言〉 ”
2022年3月、Youtubeから削除された ”ウクライナ・オン・ファイヤー”
現在、ウクライナ危機に関する情報は”ウクライナ善、ロシア悪の善悪論”を先頭に、”ファクトチェック”、”フェイクニュース”などと銘打った様々な情報が氾濫し、メディアが報道すべき事実に基づいた重要な情報が、メディアによって(敢えて)フィルターされ、人々に伝わってこないこともある。
私は、今、第三次大戦が勃発するかもしれない、という差し迫った危機に瀕しているヨーロッパに住む者として、できるだけ、様々なソースから情報を入手して、どの情報・どのソースに信憑性があるのか、考察するように努めている。
そんな中で、3月のはじめ、オリヴァー・ストーン氏作成のドキュメンタリー・”ウクライナ・オン・ファイヤー”がYoutubeから削除された、ということを知った。この驚くべきニュースを聞いて、まず最初に私の頭を横切ったのは「どうして削除されたのだろうか?」というシンプルな疑問だった。削除されたタイミングがウクライナ侵攻の直後だったからだ。
私は、こうした自分の疑問を解くために、”ウクライナ・オン・ファイヤー”の動画を是が非でも観たいと思い、ネットサーチを始めた。
このドキュメンタリーに対する批判
もちろん、人には様々な見解、物事のとらえ方があり、このドキュメンタリーに対して批判の声をあげる人がいるのは尤もなことである。以下、Wikipediaから引用した”ウクライナ・オン・ファイヤーに対する批判をご紹介する:
ー「アンドリュー・ロスは、モスクワからガーディアン紙に寄稿した原稿の中で、『ウクライナ・オン・ファイヤー』は『ストーンの出演する、クレムリン寄りの世界観が強く反映された、ロシアとウクライナに関するドキュメンタリープロジェクト群』の一部であるとし、更には『この映画は、2014年のユーロマイダン革命を強く批判しプロパガンダ媒体であるとして攻撃されてきたが、ロシアでは大変な人気を博している、とストーンは書いている』と述べている。」
ー「2022年ロシアのウクライナ侵攻に際し、映画評論家の町山智浩はtwitter上での応酬の中でこの映画をプーチンの国賓となったオリバー・ストーンによる、ウクライナ侵攻を正当化するためのプロパガンダ映画であると位置づけ、信用に値しないと警鐘を鳴らした[8]。町山は、2014年のロシアによるクリミア併合の際には、ウクライナ政権内にネオナチが入り込んでいるのは事実とし、ロシア側の主張に一定の理解を示していたが[9]、当時町山がネオナチであると指摘し、2012年の選挙で37議席を獲得していた極右政党、全ウクライナ連合「自由」は、マイダン革命では主要な役割を果たしたものの、ロシアによるクリミア侵攻後に急速に国民の支持を失い、2014年の選挙で31マイナスの6議席、2019年の選挙では更に5マイナスの1議席まで数を減らしている。
それでも観たい 〈写真:動画が掲載されているニコニコ動画サイトから〉
批判の声に耳を傾けることは重要なことである。しかし最終的に、このドキュメンタリーを評価するのは他人ではなく自分自身なのだ。 そのためには、ドキュメンタリーを観る必要がある。
幸い、サーチした結果、 ”ウクライナ・オン・ファイヤー”の動画がアップされてあるサイトを見つけることができた。動画は下のリンクをクリックすると、観ることができる。なお、映画が始まる前にコマーシャルが出てくる場合もあり、それをスキップするか、我慢してコマーシャルが終わるのを待つかしていただくと、その後すぐに映画が始まるので、その点、ご辛抱いただきたい:
日本語字幕つき https://www.nicovideo.jp/watch/sm40107141
”ウクライナ・オン・ファイヤー” を観て
”ウクライナ・オン・ファイヤー” を観て、なぜ、このドキュメンタリーがYoutubeから削除されたのか、よく理解できた。それだけをお伝えしておく。
以上
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion11912:220402〕
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