経済安保法案:現代の国家総動員法を通すな!~緊急アピール・新声明・立憲にFAXを
- 2022年 4月 26日
- 交流の広場
- 杉原浩司武器取引反対ネットワーク:NAJAT
局面を迎えています。本日4月26日(火)に経済産業委員会との連合審査と内
閣委員会が行われ、28日(木)には岸田首相出席の質疑後に委員会採決が強行
される見込みです。
衆議院で立憲民主党が、修正案が一切受け入れられなかったにもかかわらず附
帯決議で折り合い、政府案に賛成してしまったことで、参議院の審議が「消化
試合」の様相を呈しているように見えます。
「良識の府」「再考の府」と呼ばれる参議院は、「追認の府」となることなく、
本来の役割を果たすべきです。参議院立憲民主党は、最低限の矜持を示すべき
ではないでしょうか。
◆21日に行った参議院議員会館前でのアピールには、22人の市民が参加し、抗
議の声を上げました。委員会採決が予想される28日の昼休みに行うアピールに
ぜひご参加ください。斎藤貴男さんらが発言します。
◆参議院内閣委員会の審議を踏まえて、新たな声明を発表しました。じっくり
お読みください。そして、参議院の立憲の議員に大至急声を届けてください。
また、本日26日の質疑への注目もお願いします。
※「企業版の秘密保護法」「経済版戦争法」に、それぞれの個人、団体で反対
の意思表示をしてください。まだぎりぎり間に合います。
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【ぎりぎりの局面での意思表示です!】
経済安保法案の参議院採決を許さない!緊急アピール
4月28日(木)12時~13時
※午前に岸田首相出席の質疑後、採決強行の恐れ。
参議院議員会館前(永田町駅)
<発言>
斎藤貴男さん
(ジャーナリスト/『世界』に「ルポ 経済安保の人脈と文脈」を連載中)
井原聰さん(東北大学名誉教授/衆議院内閣委員会で立憲推薦の参考人を務める)
海渡雄一弁護士(デジタル監視社会に反対する法律家ネットワーク) 他
国会議員から
※プラカードなど持参歓迎
呼びかけ:経済安保法案に異議ありキャンペーン
[連絡先]
090-6185-4407(杉原)
03-3341-3133(東京共同法律事務所・海渡)
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【声明】
経済安保法案=現代の「国家総動員法」を廃案に
参議院の審議でますます明らかになってきた科学技術・経済の軍事的再編の意図
政令委任個所だけで138
経済安保推進法案の最大の特徴は、法の根幹にかかわる「経済安全保障」そ
のものに定義がなく、多くの重要概念が政令と省令と政府の決める1つの「基
本方針」と4つの「基本指針」に丸投げされ、規制される内容が法律だけを見
ても皆目見当がつかないことである。政令委任個所だけで138という異常な多
さであり、この点は戦前の戦争遂行体制を法的に支えた「国家総動員法」に酷
似した性格を持っている。
最大の問題は官民連携により軍事にも使える研究が推進されること
経済安保法案の4本の柱の中には、先端的な重要技術の研究開発について官
民協力を強めるとして、総理大臣をトップとする官民協議会をつくり、さらに
100名の研究者を集めるシンクタンクを作るとある。
4月19日の立憲民主党の小沼巧議員の質問に対する回答の中で、このような
施策との関連で、経済安全保障重要技術育成プログラムに2500億円の基金が積
まれており、財政当局との間では5000億円までこれを増やしていくことを合意
していると説明している。軍事研究に否定的な日本学術会議の予算はわずか10
億円で、それすら菅政権以降に削減されていることと比較すれば、大変な大盤
振る舞いである。
福島みずほ議員は、19日の内閣委員会の質疑で、この官民協議会では軍事研
究も行うのかと質問した。これに対して、小林鷹之担当大臣は何度も「この法
案の枠組みによって、防衛分野のみの利活用を目的とする技術の開発を行うも
のではありません」と答えて、質問をはぐらかそうとした。しかし、何度も念
を押され、小林大臣は最後に「こうした成果が防衛省の判断で、防衛装備品に
活用されることはあり得る」と答弁をせざるを得なくなったのである。この法
案が軍事目的の科学技術研究の推進も目的としていることが明確となった。
大がかりな「軍産学複合体」がつくられる可能性がある
官民協議会は総理大臣をトップとし、研究開発担当大臣と政府関係者や研究
者らで構成される。政府が重視する先端技術を「特定重要技術」と位置づけ、
資金面で支援することとされている。この協議会に防衛省が参加する可能性を
政府は認めている。
また、設立されるシンクタンクには学位授与機能を持たせることも検討して
いることを政府は認めた。ユネスコの「科学及び科学研究者に関する勧告」は、
「軍民両用に当たる場合には、科学研究者は、良心に従って当該事業から身を
引く権利を有し、並びにこれらの懸念について自由に意見を表明し、及び報告
する権利及び責任を有する」と定めている。このような科学技術者の権利がど
のように実効性をもって保証できるのか、政府は説明していない。
企業版の秘密保護法である
また、多くの罰則が定められている。公安調査庁、公安警察、内閣情報調査
室等による科学技術者に対する監視が強化され、関連する企業や研究者・技術
者、市民の活動の自由が抑制される危険性がある(第73,74,83条;2年以下
の懲役、100万円以下の罰金)(第67,70,73,7,78,80;1年以下の懲役ま
たは50万円以下の罰金)(第84条;30万円以下の罰金)。
このような規制により、若い研究者を軍事技術分野の研究に囲い込み、守秘
義務を課して転職を困難にしてしまうのではないかとの問題点も指摘されている。
法案のカギとなる概念「外部」とは何か
また、重要物資の安定確保のためのサプライチェーンの強化やサイバー攻撃
に備えた基幹インフラの事前審査については、「外部への依存」「外部からの
妨害」などの概念が法案に使われている。この「外部」とは何を指すのか、定
義がない。「日本の外部の国々全体を指すのか」という質問に対しては「そう
ではない」と政府は答えた。「それでは中国は外部で、アメリカは外部ではな
いのか」と質問すると、小林大臣は「外部というのはいかなる国が対象となり
得るかについて予断を持ってお答えすることは困難です」「いずれにしても、
この法案は特定の国を念頭に置いたものではありません」と答え、完全に質問
をはぐらかしている。
この法案が成立すれば、中国製のIT企業の研究開発した技術を社内のシステ
ムに用いている企業に対して、その見直しが迫られる可能性があり、その場合
の費用の補償はなされない。企業の経営には重大な影響を与えかねない条項で
あるのに、意味内容が不明なままで法案の審議が進められている。
「経済安保」を旗印にすでにえん罪が起きている
また、共産党の田村智子議員は、横浜市の機械製造会社「大川原化工機」の
幹部ら3人が、軍事転用が可能な噴霧乾燥機を無許可で輸出したとして逮捕・
起訴され、その後に起訴が取り消された冤罪事件を取り上げた。
田村議員は、経済安保の名の下での規制強化が引き起こした事件として、政
府に見解を尋ねた。小林大臣は「コメントは控えたい」とした上で、「不当に
企業の活動への規制、監視を広げることがあってはならない」との認識を示す
にとどまった。この法案の下で、同様の悲劇を防ぐための実効的な対策は講じ
られていない。
平和憲法を掘り崩してしまう経済安保法案に異議あり
福島みずほ議員がその質問で指摘したように、「軍事研究につながり得ると
いうことで、戦後の日本のあり方を百八十度変えるものではないか、つまり政
府が先頭に立って軍事研究も可能な先端技術の開発に予算を投じ、開発を促進
させるということの問題点を強く指摘」せざるを得ない。
このような国の経済、安全保障政策の根幹を揺るがすような法案が、大半の
内容を政府に丸投げする形で提案されている。立憲野党は、この問題点を市民
の前に明らかにする義務がある。そして、法案の廃案あるいは抜本的な見直し
を迫るべきである。
2022年4月25日 経済安保法案に異議ありキャンペーン
[連絡先]090-6185-4407(杉原) 03-3341-3133(東京共同法律事務所・海渡)
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<参議院立憲民主党の内閣委員などに叱咤激励のFAXを!>
【例文】
「良識の府である参議院では徹底審議のうえで抜本的な修正を」
「連休前の成立などもっての他。参議院を”追認の府”にしないで」
「修正がなされない場合は、附帯決議でお茶を濁さず政府案に反対を」
<内閣委員会>
理事 江崎孝 (FAX)03-6551-0511
委員 石川大我 (FAX)03-6551-1113
塩村文夏 (FAX)03-6551-0706
杉尾秀哉 (FAX)03-6551-0724
<経済安保PTメンバー>
羽田次郎 (FAX)03-6551-0818
<参議院議員会長>
水岡俊一 (FAX)03-6551-0305
<参議院国対委員長>
難波奨二 (FAX)03-6551-0821
<参議院幹事長>
森ゆうこ (FAX)03-6551-0304
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<4月26日(火)>
参議院内閣委員会
中継はこちらから「内閣委員会」をクリック
https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
【経済産業委員会との連合審査】
10:00~10:10 青山繁晴(自民)
10:10~10:40 小沼巧(立憲)
10:40~10:50 河野義博(公明)
10:50~11:10 矢田わか子(国民)
11:10~11:30 東徹(維新)
11:30~11:50 岩渕友(共産)
11:50~12:00 永江孝子(碧水)
12:00~12:10 安達澄(無所属)
【内閣委員会】
13:30~13:50 有村治子(自民)
13:50~14:40 杉尾秀哉(立憲)
14:40~15:10 浜田昌良(公明)
15:10~15:30 礒崎哲史(国民)
15:30~16:00 高木かおり(維新)
16:00~16:30 田村智子(共産)
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