ウクライナ国歌に心を打たれる
- 2022年 4月 27日
- 評論・紹介・意見
- 藤澤豊
二月二六日、知り合いからウクライナの国歌はウクライナの精神そのものだというメールを頂戴した。ロシアの侵略のニュースを目にしていたからなおさらだったのだろう、何度も聴き直してしまった。涙せずには聴けない。
国歌の中には軍隊行進曲のようなものもあって、好きになれないものが多いが、ウクライナの国歌は違った。その崇高さに心を打たれた。 下手な説明など要らない。歌詞の日本語訳もついている。まずはご視聴ください。
ウクライナ 国歌「ウクライナは滅びず(Ще не вмерла Укра?ни)」
歌詞は次の通り。
ウクライナは未だ滅びず その栄光も、自由も
同朋よ、運命は 我らに再び微笑むだろう
我らの敵は 太陽の下に露の如く消え
我らは国を治めよう 我らの地で
魂と身体を捧げよう 我らの自由のために
そして示そう 我らがコサックの子孫であることを
以下省略。
まるでロシアの侵略を想定したかのように聞こえるが、それがウクライナの歴史と精神そのものだった。
ウィキペディアには次の説明がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%AD%8C
1862年にパヴェル・チュビンスキー (Павло Платонович Чубинський) が作詞、1863年にミハイル・ヴェルビツキー (Михайло Вербицький) が作曲した。
ロシア革命が起こった1917年に独立を宣言したウクライナの民族主義者によって国歌に採用され、ソビエト連邦に併合されるまで使用された。ソ連から独立後、1992年に議会によりウクライナの国歌として復活した。2003年3月6日には最高議会でウクライナ国歌法案が成立。歌詞を一部修正の上、正式に国歌に採用された。
我らの敵が誰をさしているのか?ウクライナの歴史をみればポーランドやオーストリア、オスマントルコにロシアに支配されていたのが分かる。が、今日の敵はロシア。YouTubeでロシアの国歌を聴いてみた。
ロシア連邦国歌
ウィキペディアに歌詞の翻訳例が載っていた。
ロシア、聖なる我らの国よ
ロシア、愛しき我らの国よ
力強き意思、大いなる光栄
汝が持てる物は世々にあり!
・・・・・・
南の海より極地の果てへと
広がりし,我等が森と草原よ
世界に唯一なる汝、真に唯一なる汝
神に守られた祖国の大地よ!
一部だけ取り出して何を言っているのかと言われそうだが、「世界に唯一なる汝、真に唯一なる汝」に大国意識を感じるのはウクライナへの侵略のさなかだからというだけではないと思うのだが、どうだろう。
ことのついでにドイツの国歌もみてみた。
偏見だとしかられるかもしれないが、はじめのところでアーリア人種の優勢思想の影がちらついて、最後まで聴く気がしなかった。
ドイツよ!すべてに勝るドイツよ!
この世のすべてに勝れ!
勝れ、まさか優勢思想を思ってのことじゃないよなって、確認したくなる。
もっとも「君が代」は題を見ただけで薄気味悪くて、確認する気にもなれないが。
2022/2/28
Private homepage “My commonsense” (http://mycommonsense.ninja-web.net/)にアップした拙稿に加筆、編集
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion11980:220427〕
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