【ネット署名】土地規制法「基本方針案」に市民の意見を!パブコメの実施を求めます
- 2022年 7月 7日
- 評論・紹介・意見
- 土地規制法杉原浩司武器取引反対ネットワーク:NAJAT
・市民に対する調査と行動の規制・処罰にかかわる重要な事項が明らかになっ
ていません。法律で明らかにされていないことを基本方針や政省令で政府が意
のままに決めてしまう恐れがあります。
とりわけ重要なのが基本方針です。基本方針で決められるのは以下の事項です。
①施設機能や離島機能を阻害する土地等の利用防止に関する基本的な方向。
②注視区域及び特別注視区域の指定に関する基本的な事項。当該指定に関し経
済的社会的観点から留意すべき事項が含まれる。
③土地等利用状況調査に関する基本的な事項。
④勧告・命令に関する基本的な事項、勧告・命令に関する施設機能や離島機能
の阻害行為の具体的内容に関する事項が含まれる。
⑤以上の他、施設機能・離島機能を阻害する土地等の利用の防止に関する必要
事項
区域指定の基準、調査内容や調査対象者、調査協力対象者、施設機能や離島機
能の阻害行為の具体的内容などは、私たちの人権に直接関わる重要な事柄です。
現に法が施行されようとしている段階で基本方針案のパブコメを実現すること
によって、土地規制法の恣意的な濫用に対して有効な歯止めをかけることがで
きると考えます。
ネット署名を開始して1週間が経ちましたが、まだまだ知られていません。
呼びかけ文をじっくりお読みいただき、ご署名のうえで、ぜひ広めてください!
——————————-
市民監視の土地規制法の暴走を許さない
パブコメの実施を求めます
基本方針案に市民の意見を!
◆署名はこちらから↓
https://chng.it/ZqgGPpsxwJ
宛先 岸田文雄様(内閣総理大臣)
第1次締切:2022年7月18日
私たちは、本年6月1日に一部が施行された土地規制法にもとづいて、政府がこ
の夏にも策定するとされる基本方針について、パブリックコメントの実施を求
めます。
<理由>
1 市民の反対の声を無視して土地規制法は強行成立された
2021年6月16日未明、多くの市民、さらには憲法学者や弁護士会などの反対
を無視し、国会審議における立憲野党の強い疑念に何ひとつ答えることなく、
「重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規
制等に関する法律」(土地規制法)が成立しました。
同法は本年6月1日に一部施行され、9月22日までに全面施行の予定とされます。
そして本年夏頃には基本方針を策定すると報道されていますが、いまだに基本
方針案についてのパブリックコメントが始められていません。
2 土地規制法は市民監視のための法律である
この法律は、基地や原発だけでなく、重要インフラ施設の周辺の土地を所有
していたり、住んでいる、あるいは出入りしているだけで、多くの市民の個人
情報を無限定に国に集めることを可能にするものです。
「注視区域」や「特別注視区域」に指定すると、区域内の土地や建物の所有
者、借りている人、さらにはその関係者までについて、個人情報を収集し、調
査することができます。必要に応じて報告を求め、応じない場合には、罰則を
科す仕組みです。また妨害行為が明らかになれば、中止するよう勧告でき、こ
れに従わない場合には、罰則を伴う命令を出すこともできます。
このように、土地規制法は市民のプライバシーと表現の自由を侵害する可能
性の高い法律なのです。
3 戦争への道づくりにつながる法律である
沖縄をはじめとする軍事基地や原発などの「重要施設」周辺や国境離島に住
む市民は、重要施設・国境離島の機能を阻害する行為を行う、またはその恐れ
があるとして監視され、被疑者として家宅捜索や取り調べを受ける可能性があ
ります。たとえ起訴や処罰に至らずとも、疑いがあるから「調べる」というだ
けで、市民の物言う権利は決定的なダメージを受けます。つまり、基地などの
被害を受けている市民が、加害者である米軍や日本政府から監視され、弾圧さ
れることになりかねません。「台湾有事」が煽られ、軍備増強に拍車がかかる
中、この法律が基地の調査や監視を含む反対運動を弾圧する戦時立法として機
能することを恐れます。
4 法の施行の中身はこれから基本方針と政省令によって決められる
法の対象となる施設、区域、離島などは政府の定める基本方針や政省令によ
って決められます。私たちは、この法律は廃止してほしいと願っていますが、
仮にこのまま施行されるとしても、法についての基本的な考え方を決める「基
本方針」について、パブリックコメントを実施し、市民の意見をよく聞き、こ
れを反映したうえで基本方針を策定することで、法による弊害は減らすことが
できると考えます。
5 政府は、「基本方針案についてパブコメの実施を前向きに検討する」とした
昨年12月の約束を反故にしつつある
政府が今年の夏にも策定を予定している基本方針は、重要施設、調査事項、
阻害行為など、法の適用方向を左右する基本概念の内容を事実上決める、極め
て重要なものです。
私たち市民は、心ある国会議員の皆さんの協力を得て、4回の政府からのヒ
アリングを重ねてきました。昨年12月及び今年2月のヒアリングで、「基本方
針については、パブリックコメントの実施も含めて検討している」と説明して
いた政府は、5月の第4回では、パブコメ実施の時期を明らかにしなかったばか
りか、法的に命令に当たらないものはパブコメにかけない、と従前の説明を反
故にしてしまったのです。
私たちがいま、基本方針案についてのパブコメ実施を強く求める理由は、パ
ブコメを実現することによって、土地規制法の恣意的な濫用に対して有効な歯
止めをかけることができるからです。
一人でも多くの皆さんが、民主主義国であれば当たり前の要求である私たち
の要望に、賛同してくださるようにお願いします。
※パブコメとは
パブコメとは、パブリックコメントの略称で、行政機関が政令、省令などを制
定する際、事前に命令等の案を公示し、その案について広く一般から意見を募
集するしくみです。行政の公平性と透明性を確保することがその目的です。政
省令ではない今回の「基本方針」についても、パブコメを実施することが可能
です。
【呼びかけ団体】
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
土地規制法廃止アクション事務局
土地規制法を廃止する全国自治体議員団
〔opinion12168:220707〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。