再稼働推進を隠さなくなった原子力規制委員会~片山啓原子力規制庁新長官が示す規制委・規制庁の劣化~ 原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会・被曝強要委員会! その254 2022年7月12日
- 2022年 7月 18日
- 評論・紹介・意見
- 木村雅英経産省前テント広場
7月1日に原子力規制庁片山啓新長官が就任した。さすが原子力規制委員会は再稼動推進委員会、原子力安全・保安院時代からの原子力ムラ加害者をとうとう原子力規制庁長官にし、原子力規制委員会・原子力規制庁が、再稼動推進・被曝強要をがむしゃらにし続けるぞと「国民」に戦線布告した。
2012年1月18日のストレステスト意見聴取会をご記憶だろうか?
例えば次をご覧いただきたい。
〇第7回 発電用原子炉施設の安全性に関する総合評価(いわゆるストレステスト)に係る意見聴取会 2012年1月18日
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/2503〇保安院さん、密室会議で安全評価ですか?:ストレステスト
〇2012年1月19日
https://damerose1.blogspot.com/2012/01/blog-post_19.html
「国民」の多くが二度と事故を起こしてはいけない・原発稼働は許されないと考えていた2012年冬、大飯原発の運転再開を、市民を傍聴から締め出して決定しようとし、傍聴しようとした市民と良心的委員とで会議を一旦中止に追い込んだ。私も杉原浩司さんや山本太郎さんほかと会議室に入って、会議開催を糾弾し、後に警備警官が廊下に入ってきたので、私は「テレビカメラの皆さん、このまま残ってください。そうしないと私たちが逮捕されます」と助けを求めた。一旦はこの場の会議が流れた後、ストレステスト意見聴取会は強行され、7月に大飯3号機が運転再開されてしまった。
民主党政権下でさえ、この様に力づくで大飯の運転再開を強行したのが原子力安全・保安院であり、私は次の3人を忘れられない。
原子力規制委員会 最終更新日:2022年7月1日
長官 片山啓(ひろむ)、原子力規制技監 市村知也、人事課長 田口達也
前の二人は、ストレステスト意見聴取会を仕切り、警官導入までして大飯の運転再開に持ち込んだ。田口氏は、会議室で受付担当、私は彼の制止をすり抜けて何とか会議室に入り込んだ。
私が顔を覚えているこの経産省原子力安全・保安院の3人が、今や原子力規制庁のトップで重責を担い、ストレステストと同様に、原子力規制庁で原発推進を強行している。
そればかりか、核物質防護違反を知った片山氏は、身近な元部下である田口氏に何も知らせなかったことにして、田口氏が担当する柏崎刈羽原発の審査を進めさせたのだ。
このことは、7月5日の東京新聞こちら特捜部でも次の見出しで大きく報道した。
原子力規制庁新長官片山氏でいいの? 元双葉町長「国民から叱られる張本人」 独立性建前だけ?、事業者の「虜」 喉元過ぎたか 政権に都合良い/保安院の失敗際限の恐れ
この様に原子力規制庁がイチエフ事故を反省しない人たちが牛耳るひどい組織であり続けている。
一方、原子力規制委員会の人事もひどい。発足時の委員は、田中俊一(委員長)、島﨑邦彦(委員長代理)、更田豊志、中村佳代子、大島賢三で、島崎氏・大島氏や女性一人が居たが、それでも民主党政権下では国会承認できなかった。今の(男だけの)委員は、更田委員長の退任によって発足時の委員が居なくなり、石渡委員が少しは良心を示しているとは言え、私たちは誰も承認できない。「人と環境を守ることが原子力規制委員会の使命」を忘れ、露骨に再稼働を推進する組織になってしまった。
そのことは、新任の山中委員長(9月就任予定)も片山原子力規制庁長官も、就任の挨拶で原子力ムラと政権の意向に沿って「審査の促進」と話していることでも明らかだ。
私たちは、より厳しく原子力規制委員会を監視・糾弾していかねばならない。
【参考】原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会・被曝強要委員会!
=> http://www.jca.apc.org/~kimum/NRAno???.html
その014 2014年8月6日
規制委も規制庁も「原子力ムラ」(原子力マフィア)だらけ
原子力規制委員会への信頼はすで完全に崩壊している
その232 2020年9月29日
「戦犯」東京電力の適合性を認め私たちを危険にさらす原子力規制委員会
~柏崎刈羽の「7つの約束」の猿芝居終了、事故再発を防げない規制委~
その240 2021年2月14日
東電にはイチエフ廃炉をやりきる覚悟も実績も無い! 直ちに柏崎刈羽合格を撤回せよ
~ID不正使用核セキュリティ問題を原子力規制庁と東電が隠蔽!廃炉も汚染水対策も
賠償も事故原因追及もできない東電~
以上
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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