SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】490 忘れてはならない4つの日
- 2022年 8月 14日
- 評論・紹介・意見
- サハラブリンケンロシア南アフリカ平田伊都子西サハラ
「忘れてはならない日」として、明仁上皇が沖縄慰霊の日(6月23日)・広島原爆の日(8月6日)・長崎原爆の日(8月9日)・敗戦の日(8月15日)の四つを挙げています。 明仁上皇は、「忍び難きを忍び、、」と、敗戦宣言をした昭和天皇の息子さんに当たります。 以来、庶民は戦勝国の後塵で、埃まみれです。
私たち庶民が忘れないために、敗戦の日(8月15日)を休日にすることを提案したいと思います。 海の日とか山の日とか緑の日とか、、たくさんあるのに、大事な敗戦記念日がないのはどうしてですか??
① 世界は元の木阿弥・冷戦時代:
2022年8月9日、ウクライナのゼレンスキー大統領閣下は西側諸国に対し、ロシア人の入国を禁止するよう要求した。
国連報道室までも、はっきり西側系と中露系の存在が鮮明になってきた。
8月10日、「EUがゼレンスキーの要求で、ロシア人がEU域内に入る事と禁じるそうだが、この差別的な行動に人権重視の国連事務総長は何とコメントしているのか?」と、アラン露系記者が聞いた。ステファン仏人国連事務総長報道官は、「まだ実施されてない。制裁が始まったらコメントする」と、答えた。翌11日、中国TVの記者が、ロシア人廃除制裁を追及した。が、答えは同じ、、
ウクライナ寄りのBBCニュースは、「ゼレンスキー氏の要求に対する支持は、限定的かもしれない。ロシアは制裁を受けてはいるものの、世界各地でビジネスを展開しており、エジプトやトルコ、アラブ首長国連邦(UAE)などでは、ロシア人が観光客として歓迎されている、、2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、西側の厳しい制裁を受けて数万人のロシア人が外国にわたっている」と、8月11日に報道した。
Black Sea Grain Initiative(黒海穀物主導)やJCC(合同調整センター)に関しても、欧米系の記者たちは「国連良くやった」とチョンチョンにしたいようで、庶民が抱く疑惑や不可解なことには深く突っ込まない。「5か月も放置されたままの穀物は傷んでないか?」「虫が湧いてないか?」「古くなった穀物を値引きしないのか?」などなど、、素朴な疑問は大概、反欧米派記者から出ている。古くなった穀物の値引きに関しては、8月10日の記者会見で報道官が、「昨日、質問された穀物のディスカウントに関して調べてみたが、黒海穀物合意にそんな一項はないということだ。トルコが関係するウクライナ穀物のディスカウントは、我々の知るところではない」と、フォローした。
② 南部アフリカに殴り込みをかけたブリンケン米国務長官:
バイデン米大統領(79)は10日、夏休みのためジル夫人と共に首都ワシントンのホワイトハウスを離れ、南部サウスカロライナ州チャールストンに到着した。プライベートビーチやゴルフリゾートがある同州キアワ島などで7日間以上の夏休み、、願わくば、ずっとそのままお休みしててください!
バイデン氏がコロナや夏休みでホワイトハウスを離れていても、ペロシ―下院議長は中国に、ブリンケン米国務長官はアフリカに、挑発し続けた。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が7月23日から27日までアフリカを訪問した。ラブロフ氏はエジプト、コンゴ、ウガンダ、エチオピアを訪問し、各国の首脳や外交官、アラブ連盟の代表と会談した。
ブリンケン米国務長官は8月7日から11日まで、南アフリカ、コンゴ民主共和国、ルワンダを訪問した。「私がここ(南アフリカ)にいるのは、誰かに対するライバル心があるからではない。どこかの国のせいで、米国側がアフリカを訪問したり、相互関係を構築しているというだけではない、、2050年までには世界人口の4人に1人がアフリカ人となり、2025年にはアフリカの人口の50%が25歳以下になるといわれている。つまり、アフリカで未来が具体的に決まるのだ」と、実はロシアのアフリカ歴訪の後追いをしたことを、白状した。しかも、ナレディ・パンドール・南アフリカ外務大臣から「我々には我々の方針がある。国論が違っても友達付き合いは可能だ」と、アメリカ陣営入りを断られた。
ブリンケン米国務長官を論破したパンドール南アフリカ外務大臣(真ん中)は
西サハラ難民キャンプを訪問し、難民大統領(右端)にエールを送った
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のアナリストは、「ブリンケン氏がアフリカ諸国を訪問する目的は、対露制裁に対するアフリカの主要国の中立的な姿勢を変えることにある」との見方を示し、「ブリンケン氏のアフリカ訪問は、ラブロフ氏の訪問を背景に失敗に終わる」と、見ている。
③ TICAD8チュニジア:
7月8日午後2時40分頃、約25分間、G20外相会合出席のためインドネシアを訪問中の林芳正外務大臣は、ナレディ・パンドール・南アフリカ外務大臣と会談した。両外相は、さらなる両国の関係強化を誓い合い、TICAD8に向けた協力を約束した。
外務省の<第8回アフリカ開発会議(TICAD8)チュニジア>を、紹介する。
「TICADとは、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催しています。
2020年7月、日本政府は2022年に予定されている第8回アフリカ開発会議(TICAD8)をチュニジアで開催することを発表しました。アフリカでの開催は、2016年にケニアで開催されて以来、2回目となります。日本としては、2019年8月に横浜で開催されたTICAD7の成果を踏まえ、TICAD8に向け、アフリカ自身が主導する発展を引き続き力強く後押ししていく考えです」
TICAD (東京国際アフリカ開発会議)では、毎回、モロッコが「SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を日本は正式承認していないから、除外しろ」と、日本政府が招待しないように外交圧力をかけてきた。2019年TICAD7横浜で、時の外務大臣は招待国からSADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を排除した。AU(アフリカ連合)は反発して、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を外すのならAUは参加しないと、表明した。SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)はAUの正式加盟国だ。結局、AUの一員としてSADRのガリ大統領以下4人の西サハラ閣僚が来日した。が、日本への入国ビザを取るのは非常に難しかったし、正式来賓ではないと、宴会には呼んでもらえず政府高官とは面会できず、、屈辱的で差別的な扱いを受けた。
「日本はTICADにSADRを正式招待すべきだ」と、ラルビ・カティ駐日アルジェリア大使が主張している。アルジェリアと日本は国交を結んで60周年になる。カテイ大使は2022年7月5日のアルジェリア独立記念日に向けたプレスリリースで、「1958年にここ東京で民族解放戦線(FLN)の事務所を開設する際に、立場を超えた日本の方々からたくさんのご支援をいただきました。たった2人の若いアルジェリア人学生からなるFLNの代表団を支援してくださり、日本国民と日本政府の支援をとりつけ、遠いアルジェリアの民族の正義のためだけに、いかなる努力をも惜しまずに尽力してくださいました」と、述べた。
「国論は違っても仲良くやっていこう」とは、パンドール南アフリカ外務大臣だけではなく、カティ・アルジェリア駐日大使の言葉でもあります。
日本人の恩を忘れないアルジェリアは、2022建国記念日に<地中海オリンピック>を成功させ、2022年11月1日革命記念日には国論の違うアラブ諸国の<アラブ首脳会議>を計画しています。
日本も排除外交を止めて、TICAD8には西サハラを含めた全アフリカ諸国を招待してください。 そして、<忘れてはならない4つの日>を代表して<敗戦の日>を、庶民記念の日にしてください。
その日には世界中で<不戦>を誓い、<冷戦ムード>を解凍しましょう!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年8月14日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12280:220814〕
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