国葬はやはり中止すべきだ
- 2022年 9月 9日
- 評論・紹介・意見
- アベ国葬小原 紘虐殺関東大震災
韓国通信NO705
統一教会を贔屓にしていた安倍元首相はそれが原因で自らの命を落とす羽目になった。悲劇の政治家を追悼する国葬にかけた岸田首相の思惑が破綻しつつある。
カルト集団の実態との関係が明らかになるにつれ、故安倍氏の政治的業績への批判が噴出して国葬どころでなくなった。
去る8月31日、国会前で開かれた国葬に反対する集会は10年前の反原発集会、7年前の安保法制反対の熱気を思い出させた。
参加者は主催者発表の4千人を超えていただろう。ウソと憲法違反を重ねたアベ政治に対する怒りで溢れていた。
今月19日には代々木公園で大集会、国葬当日の27日には国会前で大規模の反対行動が予定されている。また全国各地で反対集会やデモが予定されている。
国葬は今や老若男女を問わず関心の的になっている。
3日に行った国葬反対の我孫子駅頭アピールでは話しかけてくる人、賛意を明らかにする通行人が多く、通り過ぎる若者たち表情からも関心の高さがうかがえた。いつも政権寄りの発言をする評論家が「首相も軽率な決定をして内心困っているはず」と同情する始末だ。
世界から弔問客を集めて開かれる国葬が国民の怒号の中で開かれるなら「民主主義国家」日本が世界に恥をさらすことになる。国会前の集会に外国特派員が取材する姿が目立った。彼らは、カルト集団に汚染された自民党政権が国民の反対にもかかわらず強行する国葬と、米中戦争の戦場を買って出ようとする「不思議な国ニッポン」に注目している。
<私たちは統一教会の信者か> この国は何処へ行く
統一教会の「霊感商法」「寄付」被害の実態から「宗教」とカネ、政治の問題が浮上した。宗教を利用した社会現象として。
私たちはかつてない理性と人間性喪失の時代に生きている。心が不安にかすめとられ身動きがとれないでいる。ファナチズム(狂気)に近い無意識のうちにひとつの方向に誘導されている気配がある。統一教会の信者たちと限りなく近い精神状態にあるのではないか。
財産を捧げるかわりに命を捧げようとする点ではより深刻かもしれない。
ウクライナ戦争から一挙に進んだ米中戦争のシナリオ。核戦争の不安にかられ、核の配備と先制攻撃までが公然と語られ始めた。武器を持たず敵を作らないという主張は非現実的と冷笑され、基本的人権を保障する憲法までが斥けられようとしている。
経済大国のなかで一番不幸な日本人。貧富の格差と男女差別が横行する国。報道の自由は無いにも等しい。いのちより経済と効率を優先する政府。医療崩壊を防ぐために感染者の数を数えないと言い出したのには呆れるばかりだ。正気の沙汰ではない。
それでも怒りの声が上がらないのは「教祖」様を信じている人が多いからだ。選挙に勝って教祖たちはますます驕るばかり。統一教会と通じる「反共主義」と「アメリカ第一主義」の呪文から私たちは抜け出せないでいる。問題を指摘するだけで腰の引けたマスコミと「今後検討します」を連発する首相は息がピッタリ。
信者たち(国民)は催眠から抜け出せないでいる。集団結婚式、多額の献金をする信者たちと何ら変わるところがない。
デタラメ政治の集大成ともいうべき国葬は、集団的マインドコントロールから抜け出るチャンスに見える。国葬だけの問題ではない。民主主義を国民の手に取り戻す絶好の機会だ。国葬はやめさせるほかない。
<関東大震災で殺された人たち>
今年も小池都知事は関東大震災朝鮮人慰霊蔡への追悼文を拒否した。被害者は日本人も朝鮮人も同じという理由からだ。震災で亡くなった人と殺された人の違いは歴然だが事実を認めようとしない。歴史を無視する小池都知事に刺激されて、調べてみたら自分の町(我孫子市)でも3人の朝鮮人が撲殺されていることを知った。
以来、6年前から有志が献花をして、ささやかな慰霊を行っている。
今年の参加者は3人。不幸な歴史を知る人がさらに増えて慰霊を続けて欲しいと願っている。9月3日から4日にかけて犯行が行われたと裁判記録に残されているが、その日に限ることはない。個人で行う慰霊ならいつでも自由にできる。
千葉県にはこの他、船橋、八千代、朝鮮人と間違われて殺された検見川、野田(旧福田村)の事件が知られている。
「通信」ではこれまで八千代と野田の事件を取り上げたが、最近、森達也監督が朝鮮人と間違われて行商人9人が殺害された福田村事件の映画化を発表、制作費用を市民に訴えている。「知らせない」「無視」が記憶の風化とともに日常化する中で監督の奮闘を応援したい。
八千代市の高津にある高津山観音寺で開かれる慰霊を注目したい。
市民による歴史調査が虐殺事件を明らかにし、寺が共同事業として慰霊碑を設置した。若者たちの参加も増え慰霊式が盛んに行われている。韓国の仏教界から送られた感謝の鐘楼も目を引く。
今年の慰霊は9月11日午後2時から 高津山観音寺で 同行歓迎
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