経産省前脱原発テント座り込み日誌9月15日版
- 2022年 9月 19日
- 評論・紹介・意見
- 木村雅英経産省前脱原発テント
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2022年9月15日は、座り込み4,024日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 一人ひとりが「きつさ」を抱えている 9月9日(金)前半(S・S)
家を出るとき雨粒が少し落ちてきた。「またかよ」と、やや暗い気持ちになった。しかし、電車を乗りついで、事務所まで行くと、雨も上がっていた。薄雲がかかっていて、やや、涼しい風も吹いていた。
Waさんは体調を崩してお休み。Miさんは連絡がないが、まだ見えていない。まじめな彼女が無断で休むことはなかったので、「どうしたんだろう」と心配した。経産省前まで行ってセッティングを始める。セッティングが終わり、座り込みが始まってから、杖をついたMiさんがあらわれた。「歩くのが辛かったのでタクシーで来た」とのこと。「みんな、無理をしないでね」と声を掛けている。この座り込みに対して「一人一人がかなり無理をしているんだな」ということが分かった。「少しずつ休みながら続けていけたらいいな」と思った。「政府が脱原発を判断すれば、全て解決するのに」と改めて思った。「政府は庶民を苦しめる事ばかりするな」と改めて思った。(S・S)
◎ 9.11直前に岸田政権への怒り充満 9月9日(金)後半(K.M)
(はしゆき)
心地よい座込みのあと、怒りの経産省抗議行動。ひとしきりのコールや歌に挟まれて、岸田政権への怒りのアピール。K.Mが、東ちづるの呟き「え!?原発を新増設へ方針転換!?こんなに地震が多い国で?あんな事故があったのに、新しく増設?まだ避難生活をされている方々がいるのに?福島の教訓は?選挙が終わってから発表するの、なんかズルくない?…慎重な議論をお願いします」と、「原子力政策180度方針転換」への怒りと2つに割れた新聞論調(臺宏士、週刊金曜日)を紹介。
田中一郎さんが福島3号核爆発説を例に、私たち市民が科学技術的な疑問を突き付けることの重要性を強調。そう言えば岩波「科学」も編集方針が変わって原発問題記事が減り、市民の疑問に答えてくれない。Yoさんが岸田政権の原発回帰を糾弾。ザポリージャ原発が危機に瀕し、6号機が止まるか非常用電源が途絶えるとメルトダウンの危険。Moさんの歌とともに「汚染水を海に流すな」「これ以上、海を汚すな」コール。前日の安倍「国葬」やめろ!集会が大盛況で首相官邸前抗議行動も盛り上がり、一方で国会閉会中審査や統一教会についての自民党公表のひどさ、それを指摘するメディア報道を確認。
Miさんが、中曽根・正力の時代から勝共連合などと関わりなど対米従属を続けてきた日本の政治を振り返って現岸田政権を追求すべき。
Raさんが、今おかれている状況が非常に重大な局面にあることを強調。何としても「国葬」中止あるいは多数議員の「国葬」欠席を実現させたい。
「国葬反対」「脱原発」を訴えるコールで締めくくる。(K.M)
今日の報告ツイート:
https://twitter.com/keroppu8649/status/1568151304266186752/photo/1
シュプレヒコールのあと、田中一郎さんのスピーチが始まりました。福島3号核爆発について市民のすべきことは、断定することじゃない。疑わしいことについて「おかしいんじゃないの?もっとちゃんと説明しろ」ということ。(はしゆき)
◎ 麻生の発言などに安倍政治の実態が見える 9月10日(土)(O・O)
岸田首相とかけてダチョウクラブと解く、その心は・・・それはさておき・・実は聞く耳をもっていました。
「理屈じゃねえんだよ」と言われて「理屈がねえんだよ」と答えたかは定かではありません。結局、「あっそう」となったようです。
麻生副総裁が言うとおり、自民党には理(ことわり)も理念もありません。全然ありません、皆無です、ゼロです、ナッシングです。 あるのは独りよがりの「理屈じゃねえんだよ」と、反対意見は「お断り」だけ。
岸田首相は「民主主義を断固として守り抜くために」と称し・・ここ嗤うところです・・税金を私物化して国葬を強行しようとしています。それは故人を弔うことを利用した「安倍は死すとも安部政治は死なず」というキックオフイベントと言えるかもしれません。その目的は「あんな人たち」を黙らせること。真実を埋めてしまうこと。
いま葬るべきは安倍政治です。 (O・O)
◎ 9・11集会はひさしぶりだが、良い集会だった 9月11日(日)(はしゆき)
集会当日にあたるこの日は皆さん早くから動いていたようです。座り込みは、藤原さんがいつも通り早くから準備して始めていてくれましたが、いつもは早くから来て手伝ってくれている他の皆さんがなぜか、この日はあまり助けてくれなかったらしく、藤原さんは、いろんな準備を一人でやらなくてはならなかったとのことで、遅れて行った私は大変叱られました。(ごめんねー!)
13時をまわってからは集会準備がどんどん始まり、座り込みと準備の人々は溶け合っていきました。空は曇り出しましたが、幸い雨は降らず、良い集会となりました。下記の連続ツイートもご覧ください。集会開始前から書き始めたので、そこそこにリツイートされて、広報になったようです。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1568813607777103872/photo/1
今日はテントの誕生日。2011年の今日、経産省を取り囲む反原発の集会のあと、片付けのどさくさに紛れてゲリラ的に、警察が止める間も無く、一張りの屋根だけのテントが経産省敷地隅のポケットパーク内に建ってしまいました。テントは官庁街における反原発の砦となった。テントは、そのあと、壁や床や家具も備え付け、全国からの原発反対の支援に支えられて、官庁街における反原発の拠点として24時間、約5年間活動しました。最高裁で負けてテントの建造物が撤去された後も、我々は経産省前に椅子を出し、365日、脱原発座り込みを続けています。今日はテントの11歳の誕生日(はしゆき)
◎ 統一教会の広告塔だった安倍の国葬なんて 9月12日(月)(保)
①昨夜、「原発推進政策の撤回を求める集会&対政府交渉」(参議院議員会館B109、午後1時~4時)のメールが来ました。全国の原発立地の人々が集まって現地報告と、岸田の「原発再稼働+新増設」というとんでもない方針に対して政府を追及する集会でありますが、座り込みの時間帯と、全く同じなので行けなくて残念でした。
②「日の丸・君が代」裁判が、午後からあるということで、それに参加する途中で、テントひろばに寄って下さり、カンパまで頂きました。
③きのうのテントひろば集会で一瀬弁護士が(テントひろばからも20人が原告となっている)国葬差し止めの訴えが9日?に東京地裁によって却下された事が報告されましたが、本日午後から地裁で記者会見を開いて「9月27日が終わった直後に第1次、2次の原告を併せて1000人規模の第3次訴訟を起こす」と宣言されたそうです。国葬が終わっても政府への追及の手は緩めない! 大いに協力していきましょう。「国葬」自体も統一協会の広告塔であった安倍に呆れたのか盟友だったはずのトランプなども来ないという貧弱なものになるようです。これに数十億の税金が無駄に使われようとしている。反対の声を大きくしていきましょう。(保)
◎ まだ暑いけど7~8月の暑さはやわらいでいる 9月13日(火)(EO)
9月11日の経産省前での集会に参加したので、その記憶が薄れないうちにと、早朝に起きてテントひろばニュースの原稿を作成した。そのおかげで、今日は昼から椅子に座っていると大変に眠くなってしまった。座り始めてしばらくしてYさんは、服が破れたといって事務所に戻って裁縫をして、午後1時過ぎに戻ってきた。それからOさんとともに、食事をしに席を離れた。7~8月の暑さはやわらぎ、後半にはKさんらも参加し、心地よい座り込みだった。(EO)
◎ 多くの裁判があり、傍聴する人は座り込みにも参加される 9月14日(水) (T・I)
朝から蒸し暑かった。今までで一番暑いと感じた。セッティングすると保っちゃんは汗ダラダラ。セッティングが終わったところにObさんが来られる。
自転車に乗った人がカンパをしてくださり、ニュースを下さいと言ってくださった。その方は、「以前、霞が関界隈に務めていた時、通った床屋さんに、仕事をやめた今も、散髪をやってもらいに来ている」と言われた。そして、「床屋に来るときにちょっと寄るだけで、すみませんが、頑張ってください」と言って下さった。
今日は外環道路裁判とリニア裁判があって、その傍聴をする人が座り込みに参加してくださった。1人の人は「統一教会、許せない」という横断幕を広げていた。田中さんも前者に参加すると言って寄られた。原子力規制庁抗議から木村、ヨーカン、倉田さんが回ってきた。木村さんはアメリカ大使館のところで、アメリカ軍はアメリカに帰れとか声をあげたら、警官に取り囲まれ、「お名前を聞いてもいいですか」などと言われたそうだ。
田中さんはカルト経産省批判。木村さんとIさんは、原発政策の転換についての抗議と申し入れをするために総務省に行かれた。9.11の報告が載った「テントニュース」が発行され、みんな読んだ。「9.11集会はよかった」というのが、みんなの感想だった。当番と常連がそろった。今日は総勢15人。(T・I)
◎ 初秋というにふさわしい爽やかな一日だった 9月15日(木)(Y・R)
まさしく初秋という、爽やかな一日でありまして、また何とも気持ちの良いそよ風の誘惑に負けて、ついウトウトと居眠りをしてしまいました。
本日の座り込み者は、前半・後半共にレギュラーの当番者のみ、このような日に、なんともったいない。前日のテント日誌に報告されていましたが、その反動かも?
事務所に帰ってからは、水洗トイレ点検の立会い、光ケーブル工事の立会い、その工事と並行して、3日後に代々木公園で開催される「さようなら戦争さようなら原発 9・19大集会」に使用するバナー等の準備をTさんと行った。 (Y・R)
=====投稿=====
一人ひとりが原発を停めてきた 2022-9-11
〈丸11年・脱原発テントひろば大集会〉報告(笠原眞弓)
2011年9月11日、霞が関の角にテントが立った。「何が始まるのか」と私も出かけて行った。1つのテントでは、女性たちが座り込んで布を裂き、長いひもを作って運動会の大玉転がしのように大きなものを作っていた。それを見た時、「あゝ、このテントは無くならない」と思った。直観だが、手仕事をする人たちは、粘り強く、少々のことではへこたれないのだ。案の定、テントそのものが無くなっても、続いた。もちろん手仕事をしていた人たちだけのおかげではなく、参加した人たちの強い思いがそうさせたと思っているし、最も強い動機は、みんなの心の中に消えないテントがしっかりと建ってしまったから……。これは経産省も、国も大きな誤算だったと思う。
そして今日、丸11年を迎えた。私も気合を入れなおして、霞が関の交差点にいく。懐かしいお顔があっちにもこっちにも…。
◆まずは音楽から集会は盛り上がっていく。主催者の挨拶の後は、フクシマからお二人の女性がスピーチをする。椎名千恵子さんは、11年経っても原発のすべてが変っていない。それは国の責任だ。東電が「お詫びはするけど、謝罪はしない」と、訳の分からないことを言ったが、この状態全ての責任は、そこに象徴されるとした。
◆黒田節子さんは、「福島の復興五輪とか言っているが、オリンピックのお金の問題が、今頃、あぶりだされてきて、遅すぎる」と切り捨てる。そして、子ども甲状腺がんの訴訟への支援を呼びかけるとともに、「原発による甲状腺がんは増えていないと、国は相変わらず詭弁をふるう」と強く指摘。しかも地元駅前での定期スタンディングに対し、道行く人が「あんたらが福島の復興の邪魔なんだよ」と言われると、怒りをみなぎらせて訴えた。
◆ 事故当時の首相の菅直人さんは、「原発の責任者である経産省の役人が原発について素人で、電力会社の責任者も同様だった」というところから話しはじめる。そして、「現在原発がほとんど動いていないのは、みんなの運動のおかげである」という。「ウクライナの情勢から考えても、原発は即核兵器であることは明らかで、しかも原発がなくても電気は十分に足りている」と強調し、営農型太陽光発電に言及した。
◆ 神田香織さんは、原発事故の過酷さは、簡単に終焉するものではないこと。まだまだ、これからも続く被害がある。安倍の嘘を隠すために人が死に、「安倍政治」そのものの終わりも見えてきたし、統一協会に支配されていたことも分かったと話し、福島の詩人、小島力さんの「5人のデモ隊」の部分を朗読(『故郷は帰るところにあらざりき』西田書店に収録)。
◆ 河合弘之さんは、前日に東京で封切られた彼のプロデュース映画『原発をとめた裁判長そして原発をとめる農家たち』を紹介しつつ、菅さんの「営農型太陽光発電」を論理補強する。印象に残ったのは「エネルギーを得る方法の中で、唯一、国を滅ぼすのは原発だけである」ということ、経費対効果では、5%しか生み出さず、必ずや経済現象によって瓦解すると指摘。とはいえ、早く原発を停めていかなければ、それだけ高リスク期間が長引くと。
◆ その後、「座り込めここへ」をみんなで合唱。希望の牧場の吉沢正巳さん、避難住宅のことでは鴨下祐也さん、たんぽぽ舎などの発言がつづき、最後に福島会津の民謡「カンショ踊り」で締めた。渕上太郎さんがお元気だったころ、これを踊りながら経産省を取り囲んだら、その場で渕上さんは警察に連行、20日も留め置かれたという武勇伝もある。去りがたき想いをそれぞれ抱きながら、帰宅の途についた。 (笠原眞弓)
====デモ・集会のおしらせ=====
★9月19日(月・祝) さよなら原発大集会
★9月23日(金)由井格さんを偲ぶ会 15時~17時
主婦会館(JR四ッ谷駅そば)参加申し込み(三上・平岡まで)
三上(090-3908―7330)平岡(090-4056-6059)
★9月25日(日)脱原発青空川柳句会 12時~15時
選者:乱鬼龍
★9月30日(金) 経産省前抗議行動(17時~18時)(毎週)
(9月23日は休日のため抗議行動は休みます)
木村雅英 KIMURA Masahide
e-mail : kimura-m@ba2.so-net.ne.jp
携帯TEL : 080-5062-4196
Twitter :@kimuramasacl
経産省・規制委・放射線被曝の批判ページ:http://www.jca.apc.org/~kimum/
団体参加:経産省前テントひろば、再稼働阻止全国ネットワーク、原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動、原発いらない金曜行動
会議参加:さようなら原発1000万人アクション、eシフト
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12392:220919〕
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