さながら安倍元首相国葬糾弾集会に さようなら戦争 さようなら原発9・19大集会か
- 2022年 9月 20日
- 時代をみる
- アベ原発国葬岩垂 弘核
「さようなら戦争 さようなら原発9・19大集会」が、9月19日(月・休)午後1時30分から、東京の代々木公園で開かれた。「反戦」「反改憲」「反戦争法」「脱原発」など盛沢山のスローガンを掲げた集会だったが、8日後には安倍晋三元首相の国葬が行われるとあって、会場は「国葬反対」のコールに包まれた。
この日、東京は台風14号の余波で時折、激しい雨が降る、外出には不向きな日よりだったが、それでも会場は労組員や平和団体関係者、一般市民で埋まった。主催者発表で参加者は1万3000人。大型台風襲来下での野外集会としては注目されていい規模の集会だったと言える。
毎年、9月の半ばには、作家の大江健三郎、澤地久枝氏らが発起人となって生まれた「さようなら原発・1000万人市民アクション実行委員会」が、2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故以来、「福島原発事故を忘れない」をスローガンに脱原発を訴える全国集会を東京で開いてきた(2021年はコロナ禍のため中止)。ところが、今年は、ウクライナ戦争が2月に突発したほか、参院選後の岸田内閣が「改憲」「防衛費の倍増と敵基地攻撃能力の保有」「原発の再起動・新増設」などを次々と打ち出してきたため、全国集会を、これまで反戦や反改憲の運動を続けてきた「戦争させない・9条壊すな!総がり行動実行委員会」と共催でおこなうことにしたという。
集会では、小田川義和(総がり行動実行委員会)、志位和夫(共産党委員長)、阿部知子(立憲民主党衆院議員)、福島瑞穂(社民党党首)、大住広太(弁護士・改憲問題対策法律家6団体連絡会)、鎌田慧(ルポライター)の各氏らが野外ステージに登壇して発言した。
さまざまなことが語られたが、共通していたのは、岸田内閣が推進している改憲発議や、大軍拡(防衛費をGDPの2%にする、敵基地攻撃能力を保有する、石垣島に自衛隊のミサイル基地を設置する計画など)、原発の再稼働・新増設への強い懸念だった。「これらのことはなんとしても国民の力で阻止しなければ」というのが各氏の訴えだった。
そして、さらに各氏の発言に共通していたのは、岸田政権が推進しているこれらの政策すべてが安倍政権時代に始まっており、岸田政権はそれを継承し、強化しているにすぎない、ということだった。
国葬反対を訴えるのぼり旗。旗右端に書かれた文字にもご注意を(同)
そればかりでない。安倍氏の「うそ」を指摘した発言もあった。「福島第1原発の事故で、廃炉のめども、汚染水処理のめども立っていないのに、安倍首相は『アンダーコントロール』と言ってオリンピックを招致した。許せない」
安倍首相が国政を私物化した、と述べた発言者もいた。「その表れが『モリ・カケ・桜』問題だ」と、その発言者は言った。
さらに、こんな発言もあった。「安倍元首相の銃撃死事件で、自民党と旧統一教会がズブズフの関係にあったこと、安倍元首相が旧統一協会の広告塔だったことが明らかになった。そんな人を悼む国葬なんて絶対に認められない」
最後に登壇した鎌田慧氏は「今や国民の70%が国葬に反対している。国葬反対の集会を開く度に参加者が増える。国葬が行われる27日には国会正門前で集会を開くので、ぜひかけつけてほしい」と呼びかけた。
会場には、のぼり旗が林立していたが、労組や平和団体のそれに混じって「アベ国葬反対」と染め抜かれたのぼり旗があった。高齢の女性が1人で掲げていたから、おそらく一般の市民が作成して持参したのだろう、と思った。プラカードも目についたが、それらのほとんどは「国葬反対」と書かれたものだった。
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