なぜ四州へのウクライナの侵略だと言わないのか
- 2022年 10月 7日
- 評論・紹介・意見
- 藤澤豊
Yahooニュースがロシアの荒廃ぶりを伝える記事を配信してきた。気がついただけでも二つある。
一つは、ブルームバーグの十月四日付けの記事「ロシア、ウクライナ併合地域の国境は画定していない-大統領府報道官」で、urlは下記。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bcf7349c53f542583074daf9cd4c7bba0cb9493
要点は次の通り。
「ペスコフ報道官は3日の電話記者会見で、『ヘルソン州とザポリージャ州に関しては、現地の住民と協議を続ける』と発言。協議がどのような形をとるのか、新たな国境は別の法律で定めるのかなど詳細は述べず、一段の説明を求める記者団に対しては『それについて言えることは全て話した』と突き放した」
「自国領だと主張したウクライナ4州のうちの2州について、国境はまだ画定していないとペスコフ大統領府報道官が語った。ウクライナ軍の反攻に押され、ロシア軍の占領地は縮小している」
「プーチン氏は9月30日に併合文書に署名し、『永久に』ロシア領になると宣言したが、この時も大統領府は併合地域の国境を正式に断定することはできないと説明していた。ロシア軍は4州の一部しか支配していない」
もう一つは、産経新聞の十月五日付けの記事で「露、4州併合も『国境』説明できず 動員でも混乱」で、urlは下記の通り。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f4a0657e47a3254d10e06386c154a1179718103
「4州のロシアの支配地域は、東部ルガンスク州のほぼ全域▽同ドネツク州の約6割▽南部ヘルソン州の約9割▽同ザポロジエ州の約7割-となっている」
「4州の併合を定める『条約』は『国境』について『州が形成された日、およびロシアに編入された日の境界によって決定される』と規定。ロシアが想定する『国境』が4州の州境を指すのか、既存支配地域の境界線を指すのか不明確で、露メディアも疑問を呈した」
「ペスコフ露大統領報道官は3日、『国境』について質問した報道陣に、東部2州に関しては『州境だ』と明言した一方、南部2州に関しては『地域住民と協議を続ける』と説明。政権にも定見がないことを示唆した。『ウクライナ側の支配地域はどの国に属するのか』という質問にも、ペスコフ氏は回答を避けた」
十月六日付けのCNNのニュースが一問一答のかたちになっていて分かりやすい。
「Russia declines to clarify the borders of territories it claims to have annexed」
https://edition.cnn.com/europe/live-news/russia-ukraine-war-news-10-05-22/h_84be730cf104a4c24da256e88f729f62
ウクライナの四州を併合したのなら、併合発表後の国境線を明示できるはずだろう。そもそも境界を確定できない併合なんてのがあるのか?未だにはっきりしないというのはどういうことだ。独立後数十年を経ても、領土を確定しえない発展途上国でもあるまい。
併合した四州はロシアの領土なのだから、そこにウクライナが侵略しているということじゃないのか?特別軍事作戦なんて言ってないで、祖国防衛戦争だと言えばいいじゃないか。なぜ言わない?今まで散々詭弁を弄してきて、この期に及んで何をためらってるのか?
2022/10/6
Private homepage “My commonsense” (http://mycommonsense.ninja-web.net/)にアップした拙稿に加筆、編集
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12436:221007〕
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