経産省前脱原発テント座り込み日誌1月19日版
- 2023年 1月 21日
- 時代をみる
- 木村雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年1月19日は、座り込み4,149日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 放射能汚染水を海に流すな原発推進反対、軍拡反対 1月13日(金)
座り込みを引き継いだ後、中国のテレビ局の記者とカメラマンが日本政府の「汚染水海洋放出」決定についてインタビューしたいと言う。私(K.M)とNaさんFuさんYoさんが応じた。テント座込みの効用だ。どのように報道されるかお楽しみに。
「汚染水を海に流すな!」のコールで抗議行動を開始。岸田政権の原発回帰のみならず地元漁港合意無き「今年春から夏」海洋投棄開始がひどい。中国のテレビの取材を受けた、岸田政権の日英同盟、日米同盟強化に怒りも。
Hoさんが岸田政権の基地対策批判、老朽原発の危険性をなぜ経産省担当は認識できないのか、老朽原発うごかすなと訴える。Yoさんが、経産省の汚染水海洋放出説明のおかしさ、岸田政権の軍拡発言のおかしさ、ウクライナで沢山の人が死んでいる、台湾だって中国とのドンパチを望んでいないはず、アメリカのいいなりで高い武器を買わされ多くの日本人が死んでいく、戦前の日本はこんなだったのか、戦争の反省から生まれた憲法は一体どうなったのか、政治が頼りにならないから、我々が平和の日本を、岸田は広島を語るな。戦争を進める国とのサミット何て意味がない。
K.Mから、過去の戦争からアメリカがひどい国であることを確認。
田中一郎さんが、統合司令官・統合司令部の創設がクーデターを可能にする危険(2.26事件の反省)、映画「福島50」批判、関電「カルテル事件」問題と電気事業連合会会長就任ねらいの関電トップ交代を糾弾。Moさんがタガが外れた岸田政権を憂い、「海洋放出」を糾弾して「座込め、ここへ」と「水に流すな」とを歌う。
K.Mから、経産省前テントひろばが実施している「汚染水海洋放出」反対のはがき作戦を紹介し、岸田政権原発推進大転換に対するパブコメ提出を呼びかけ。火炎瓶テツさんが政府公認の「海洋投棄」、水俣病・阿賀野水俣病を批判し、3.11忘れるなとアピール、経産省は目を覚ませ・脱原発とコール。
Hiさんが、ワシントンの2+2で日米安保条約の適用範囲が宇宙にまで広がる、重要な問題を国会に諮るずに岸田政権が独走。K.Mから、日米安保深化と言えば2010年にNHKの市民参加生番組に出て議論をつぶしたが、今は、岸田政権は国会・国民無視して強行。最後に岸田政権原発推進批判のパブコメ提出を再度訴え。最後にNo-War、No-Nukes、再稼働反対、老朽原発うごかすな、などのコールで終了。(K.M)
〇抗議集会1月13日(金)での火炎瓶テツさんスピーチの文字起こし:
何がアルプス処理水ですか?
正しく表現して差し上げましょうか。アルプス処理水海洋放出というのは、すなわち政府公認、放射能汚染水による海洋汚染でしょ。政府公認による公害でしょ。公に害をなすと書いて「公害」。海に水銀を流したら水俣病が起きました。メチル水銀を流してはいけない。そうでしょう?
「火力発電所が老朽化しているから危ない、だから原子力発電所だ」っていうロジックをよく使う。では火力発電所動かすのに何を使っているか? 石油です。じゃあ、その燃料の石油を海に流していいのか? いいわけないだろ。そういうものを海に流すことを何と言うか? ひっくるめて公害って言うんじゃないか。公害を出すような物を流したことによって起きたのが水俣病であり、イタイイタイ病、そうでしょう? 水俣湾で、阿賀野川で流して水俣病、イタイイタイ病が起きた。今度は三陸沖でそれやろうとしてんじゃないか、お前ら! そして、あれらは民間企業がやった。裏ではいろいろあったでしょう、それにしたって、政府がメチル水銀流していいって太鼓判押したわけじゃないだろうが。
そういうことなんだよ。なんでメチル水銀やカドミウムはダメで、放射性物質はいいんだよ?
ごまかすなよ。処理水だって?
希釈しただけだ。お前ら、なし崩しに「トリチウムに害はない」ってことにしているけど、いつの間にか、害がないってことになっていただけじゃないかよ。いつの間にか、ということで言えば、いつの間にか、8,000ベクレルのものまで移動していいってことになっている。いつの間にか、100ベクレルの物、食べてもいいってことになっている。全部、いつの間にかで、根拠なんかありゃしないんだよ。そうでしょ?
政府公認の公害だよ、これは。
あらかじめ、公害の発生が予測される上で、政府がお墨付を与えた公害じゃないかよ。そうでしょ。だから許せないんだよ。民間企業なら罰を受けて、そのものズバリの政府が笛を吹いていれば、公害もOKだなんて、こんなひどい話はないぞ。もう一つ言わせてください。ウクライナ状勢を言い訳にするんじゃない。侵略を受けて苦しんでいるウクライナ人民に対して失礼だよ、こんなものは。前任者、菅は度胸がないから、ここまでは踏み込まなかったよ。だけど、あいつが就任する直前くらいに、EU議会で原子力をグリーンエネルギーに認定するという議決が上がったじゃないか。それを受けて菅が就任早々の議会で演説したときに積極的原子力推進を明言したでしょ。すべては2011年3月10日以前に、時計の針を戻そうとしているんでしょ。ありとあらゆるロジックを使って。で、今度は「ウクライナに侵略があった、ウクライナが大変だから原子力だ」って、なんでもかんでも原子力だって、結局、時の流れに逆らおうとしているだけ、無理筋。2011年3月10日以前「温室効果ガスを出さないクリーンエネルギー原子力」と言って、原発を建てまくっていた原子力亡者の原子力ムラが、わが世の春を謳歌していた時に時計を戻したいだけ。だけどね、何を言い繕おうが、何をやろうが、時間は戻らないんだよ。3.11で原発事故が起こり、どうしようもないんだ。原発やめるしか道がないんだよ。
◎ 自転車の男性から励ましの言葉をいただいた 1月14日(土)
虎ノ門駅から地上に出ると久しぶりの雨が待ち伏せしていた。土曜日の雨は一ヶ月いや二ヶ月ぶりだろうか。止む寸前のような小雨がはらはらと続き風がないので傘の下に吹き込んでくることはなかった。日比谷公園野音からコンサートらしい歌が聞こえてきた。観客は皆、傘をさして聞いているのかな。
今更、気づいたわけではないが、ここ、テントがあった場所は、東西南北、遥か先まで見通せて遠くの音もよく聞こえる。東京の名所百選・デモ集会編なんてものがあれば一押しだね。
片付けをしていると自転車に乗った男性から励ましのお言葉を頂いた。近々国会前での集会を予定しているという。「おかしいことには声をあげないと」と言って走っていった。(O・O)
◎ 差し入れのカレイをみんなで 1月15日(日)
スタート時に右翼街宣車が通りかかり、いつ来るかと気を張りながらの座り込みでしたが、結局、彼らは来ず、I井さんが大きなカレイをお土産に持ってきてくれて、終了後に藤原節男さんが煮てくれて、みんなで食べました。
https://twitter.com/keroppu8649/status/1614466481437442054?s=46&t=9EQcRH9ZKk5P7fhb4-dNfg
薄暗いお天気ですが、日中は降らないようです。12:05ごろ、街宣車7-8台が通りかかり、行ってしまいましたが、後で戻ってくる可能性を考えて弁護士さんに連絡したり、藤原節男さんがいろいろ動いています。街宣車は来ず、仲間は増えてきました。I井さんからすっごいお土産、釣りたてのカレイ、50cm、51cm、53cmの3匹、釣りたてでバフンバフンと息をしています(怖い)。卵たっぷりで美味しいらしい。(はしゆき)
◎ 「傘もささずに」なんて流行歌のようだが、そんな人がいた 1月16日(月)
きょうは一日中、雨だった。その上に冷たい風が吹いていたので、厳しい座り込みであった。雨対策に手間取り、経産省前に着くのが、いつもより遅れたら、Miさん、Onさんが待っていてくれた。
バナーと、のぼりを張り終えて、一段落したところで温度計を見たら10℃、風が3~4㍍吹いているので、寒いのも納得した。こんな天候でも経産省前の人通りはそれなりにあったが、通行人は足早に過ぎ去っていった。「雨は午前中に止む」という天気予報を真に受けた人が多かったようで、傘を差さずに通り過ぎていく人が幾人もいたのには驚かされた。
午後3時過ぎに東京西部ユニオンの二人が来られた。話を聞いてみると「三里塚現地から連絡があって、土曜日から今朝まで、三里塚に行っていた。三里塚では、今後、土曜日に来て、月曜日の朝に帰るように頼まれた」とのことだった。平日に東京にいれば、仕事を休まなくても済むようになるので、現地の方で考えてくれたようだ。私(保)らとしては、片付けに間に合ってくれれば大助かりなので、感謝しています。(保)
◎ ハガキ作戦で3000枚配布を達成 1月17日(火)
今日は快晴、そして阪神大震災から18年目。いつものようにYさんと二人で経産省前に向かう。風もなく穏やかな路上に椅子などを並べ終えて12時になると、すぐにKさん、Aさんが現れた。所用で中座して午後2時過ぎに戻ってみると、その間に、のど飴の差し入れを持った女性がきたという。そしてHさんや東京西部ユニオンのお二人もやって来て、賑やかになった。
昨年末から私たちテントひろばで始めた「海をよごさないで」のハガキ作戦(総理大臣、経産大臣、東電社長宛て)は、今日までに既に3000枚の配布を達成したという。明日は東電刑事裁判控訴審の判決日だ。夕方、事務所に戻って正月にテントひろばに届いた賀状を持ち帰って、返事を出すことにした。(EO)
◎ 東電役員の無罪判決はひどい判決だ、悔しい 1月18日 (水)
今日は「福島原発刑事訴訟」の高裁判決がある日で、私は早番当番がやる座り込みグッズの搬出を、もう人の当番のIさんにお願いして、午前10時少し前に裁判所前に行った。判決は14時からなのに、傍聴抽選は11時30分で、傍聴の並びは10時~10時40分までだというのだ。抽選は、みんなの腕にリストバンドをつけるだけで、つけたら裁判所前の集会に参加する形だった。約300人の人が集まった。福島の人たちは朝7~8時に新幹線に乗って来られたようだ。みんな緊張していた。地脇さんが司会をして武藤類子さんや弁護士の海渡さんが発言した。午前11時30分に一旦集会は終わり、午後の開廷まで待つことになった。なお、午前10時から千葉県の原発避難者補償の高裁審理もあった。
私(T・I)は急いで経産省前に行き、グッズのセッティングには間に合った。裁判に来た人が座り込みに参加してくれたので20人にもなった。「ここにこうして座り込んでいることは大事よね」とみんな言ってくれた。午後2時の開廷に原告を送り出すので、みなさん裁判所に向かった。まもなく、「被告の東電の役員は無罪判決」の報がもたらされた。予想されていたとはいえ、悔しい。原告の人たちの気持は、いかばかりかと思う。倉田さんの演説も判決についてだった。(T・I)
◎ 内閣府への原発回帰と汚染水放出反対の申し入れに 1月19日(木)
曇りで風が冷たくとても寒かった。セッティングが終わると、すぐ通りがかりの男性が、さりげなくカンパしてくれた。しばらく当番三人で座っていると一瀬弁護士が寄ってくれ、先日テレビで放映された帝銀事件のことや三里塚のことなどで会話が弾んだ。通りがかった外国の方が「頑張って!」と言ってくれたのが嬉しかった。
午後2時頃、東京西部ユニオンの二人が来てくれて「また明日から三里塚に行く」と言っていた。茨城の人が立ち寄って「東海第二原発のことが、とても心配だ。署名など一生懸命しているけど……」と言っていたそうだ。もし東海第二原発が事故を起こしたら、東京も他人ごとではない。反原発、頑張らないと……。
私は座り込みの後、内閣府へ「原発回帰」と「放射能汚染水海洋放出」に反対の申入れに行ってきた。(I.K)
=====投稿=====
ハガキ作戦を展開中です。協力をお願いします。
乾喜美子
政府は2021年4月13日、「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」という漁業者との約束を破って、アルプス処理水を海洋放出することを閣議決定してしまいました。アルプス処理水の中には、取り除けないトリチウムだけでなく他の危険な放射性物質が残っています。
これ以上、海を汚すな!市民会議では福島県知事・大熊・双葉町長に向けて海洋放出反対のハガキを送る運動をしています。それに倣って私達経産省テントひろばでは総理大臣・経産大臣・東電社長に向けて反対を訴えるハガキ作戦を始めました。
是非ご協力ください。住所・必要枚数などご連絡頂けたらチラシとハガキをお送りします。どうぞよろしく 乾喜美子
(ハガキは添付してあります)
=====添付:原発週報 2023.1.11-1.17=====
原発をめぐる各地、各国の動き(1.11~1.17)
政府の原発政策転換に抗した動きも含め原発問題の動きは日々あります。「原発週報」は原発関連の情報を週次で編集しています。原発週報1.11-1.17
編集:漆原牧久
=====デモ・集会のおしらせ====
★1月22日(日)日比谷図書館(東海:第二原発差し止め訴訟決起集会) 13:00~
★1月23日(月)「原発やめろ!原発政策の大転換を許すな!」国会開会日行動
時間: 13:30~14:30
場所:衆議院第2議員会館前
呼びかけ:再稼働阻止全国ネットワーク
★1月24日(火)四谷地域センター(汚染土持ち込み反対集会) 19:00~
★1月25日(水)原子力規制委員会前 12:00~13:00
★1月26日(木)月例祈祷会(JKS47士)
会場:経産省前テントひろば
予定:14:30~ 芸能の時間
14:50~ 「月例祈祷会」 厳修
15:45 終了
★1月27日(金)経産省正門前集会(テントひろば) 17:00~18:00
★1月29日(日)経産省正門前 青空川柳句会(テントひろば) 12:00~15:00
選者;乱鬼龍 ぜひ参加を!
★
その他:さようなら原発では2月24日夜に日比谷野音でザポリージャ原発攻撃抗議集会を行う。3月21日には大規模集会を行う。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5011:230121〕
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