経産省前脱原発テント座り込み日誌3月30日版
- 2023年 4月 2日
- 時代をみる
- 木村雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年3月30日は、座り込み4,219日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 荷物運びを手伝ってくれるFさんに感謝 3月24日(金)
今日は午後から雨のようだが、お昼ぐらいはまだ降っていなかった。天気予報によると「夕方6時ごろまでは降らない」との予報も出ていた。経産省前でセッティングをしていると目の前の歩道にグレーの手帳のようなものが落ちていた。生徒手帳と書いてある。中を調べてみると芝中学校の2年生の物だということが分かった。
スマホで芝中学校の電話番号を調べ連絡をしてみる。相手方の事務の女性が電話口に出て、話はついたのだが、座り込みのメンバーは「交番に届けた方がいいよ」と言うので、日比谷公園の東側の交番まで届けることにした。少し距離があったが、歩いて行った。交番につくと警察官が対応したが、お礼はいらないと言ったら、書類を書くのは省略して受け付けてくれた。因みにあの交番は警視庁丸の内警察署内幸町交番と言うそうだ。帰りはバスを待ってバスで帰ってきた。1区間だったのですぐについた。
ここのところ、藤原節男さんが荷物運び等でやってきてくれる。スピーカや大きなものなど車で運んでくれるので、大変助かっている。今日も途中から雨が降って来たので、頼んで傘を取りに行ってもらった。快く引き受けてくれるので本当に助かる。今日の雨は午後3時ごろには降り出し、ずっと降り続いていた。(S・S)
◎ 原子力委員会は原子力基本法改定案を全く検討していない! 3月24日(金)
雨の中で座込みながら内閣府原子力政策担当に電話し、原子力委員会は年末年始に「基本的考え方」のパブコメをかけたが、今国会に提案されている原子力基本法改定に全く触れずかつ原子力委員会で全く検討をしていない、おまけにこの法の担当が悪名高き高市早苗科学技術担当大臣だ、と分かった。
脱原発を訴えるコールで経産省抗議を開始し、最初に、このことを皆に報告し、原子力基本法改悪反対とともに高市科学技術担当大臣を責めようと訴えた。Hoさんが、高浜4号のトラブルを訴え原発推進政策を批判し、統一教会問題を論じ、原発推進政策を続ける経産省に抗議した。
田中一郎さんが、メディアに圧力をかけた高市早苗大臣を「安倍と共に去りぬ」と訴え、言論弾圧を批判し、この日の3つの裁判結果の報告をし、種苗法問題から食料自給率が低い日本を憂い、福島第一原発に放射性汚泥が沢山溜っている記事を紹介し、イチエフ復興・廃炉を食い物にするゼネコンを責め、デブリをどこに持って行くのか、被曝労働を防げ、と訴えた。
K.Mから、3月20日に福島第一原発に入って見学してきたことを報告し、廃棄物置き場になっている中で4400人の人が被曝しながら大変な作業をしていること、特に先の見えない作業をさせている東京電力がなぜ柏崎刈羽を動かそうとしているのかと責めたことを報告し、他の方にも見学を薦めた。火炎瓶テツさんが、国会の衆議院経済産業委員会でGX推進法の決議がされなかったことを確認し、3.11事故から逃げられない原子力緊急事態宣言下にある、原子力推進する法律案に反対しようと訴え、劣化ウラン弾反対を訴え、「答はひとつ、脱原発」「答はひとつ、核廃絶」「311は終わってない」「どの面下げての原発稼働」「もういい加減に目を覚ませ」「原子力は滅びの道だ」…と訴えた。K.Mから原子力基本法改悪反対を再び訴えた。
Moさんがハシユキさんのリコーダとともに「座込め、ここへ」を歌って脱原発を訴え、「水に流すな」と汚染水海洋投棄反対を訴えた。
3月19日の福島県県民大集会でも、3月21日のサヨナラ原発代々木集会でも、「汚染水を海に流すな」と強く訴えられたことを確認。続いて青田恵子さんの詩の朗読を聞き、「汚染水を海に流すな」コール。MiさんがWBCの野球と60年全学連闘争を振り返り、「脱原発闘争の中での工夫を」と訴えた。
経産省前テントひろばの脱原発焼酎を好評発売中、汚染水海洋放出反対のハガキ作戦も好評。乱鬼龍さんが、物流の危機などの日本の問題を確認しつつ、日曜の川柳と花見の案内。最後に、脱原発・核廃絶・NO-NUKES・NO-WAR・再稼働反対・運転延長反対・命を守れ・地球を守れ・未来を守れ・経産省は嘘をつくな・核ゴミ増やすな・汚染水海に流すな・…のコールで、雨の抗議行動を終わった。(K.M)
◎ モンスターに餌はやらない 3月25日(土)
・モンスターに餌はやらない
何年も前からそう心掛けてきた。NHKとは契約しない(テレビは地デジ移行前に棄てた)。米国産農作物は買わない。ブランド品は買わない(買えないというべきか)。その他諸々。だが何といってもモンスターの一番の好物は国民の無関心。ここ数年で著しく成長した怪物NHKを退治するにはどうしたら?(O・O)
◎ 世の中全体が沈んでいる、そんな感がする 3月26日(日)(M島)
今日の座り込み参加者は累計9人。桜は満開なのに、本降りの雨。それでもサイクリングの2人は自動車で来て、セッティングを手伝ってくれた。藤原節男さんが調達した太さ13mm、長さ1mの鉄筋8本を、植え込みの地面に打ち込んで、そこに横断幕やのぼり旗、パラソルを縛り付けた。
メンバーの間で時事が話題に。岸田首相がウクライナ訪問でプレゼントした「必勝」しゃもじ。しゃもじには「敵を召し(飯)取る」の意味がある。あれは戦争を煽っている。取り巻きが進言したのだろうが、どんな影響があるかも考えられないのか。好き勝手している。フランスの年金改革に反対するデモ。受給年齢が2歳上がっただけで大抗議。対して、日本では、年金の範囲内でやりくりする節約術が流行るなど、唯々諾々と受け入れている。世の中全体が沈んでいる。
午後1時過ぎ、古い調子の曲が聞こえてきた。右翼のようだ。しかし姿を見ることなく、曲は消えていった。杉並の反戦デモを妨害しに行くついでに、官庁街に寄り道したのかも知れない。今日は乱鬼龍さん主催のテント句会。肌寒い雨の中では、なかなか名句が浮かばない。地下鉄の駅に降りて句を考えてくる人も。句会の後に予定していた日比谷公園での花見は、雨のため、事務所での懇親会となった。濡れた幕や旗、上着を室内に広げ、持ち寄った食材を囲んで歓談した。(M島)
◎ 3月26日(日)12時より脱原発青空テント川柳句会が開かれた (S.E.)
肌寒く、本降りの雨が続く1日で、参加者は3名でした。選者は乱鬼龍氏、席題は「つながる」(つなげる)、「気力」14時20分投句締め切り、14時40分より入選者の発表、披講となりました。選者により入選句が読み上げられ、入選者へ桜餅、草餅、バターロール、書籍「反戦川柳人鶴彬の獄死」佐高信著などが手渡されました。入選句は以下の通りです。
「つながる」の特選
・戦争に つながる予算 子につなげ - ふ64
「つながる」の秀句
・脱原発 世界とつながる 合言葉 - 原子力ガリレオ
・フランスの 年金抗議 日本でも - 芒野
・米国の 声より民の 声つなげ - ふ64
「気力」の特選
・原発を 止める気力は 一万年 - 芒野
「気力」の秀句
・国力と 気力落ち込む 日本国 - 芒野
・知識より 気力が勝負 原発は - 原子力ガリレオ
・干支周り 気力は負けじと 座り込み - ふ64
次回の脱原発青空テントひろば川柳句会は4月30日(日)12時より開催いたします。
是非ご参加ください。(S.E.)
◎ 福島県沖の魚の汚染を政府や東電はどう考えている 3月27日(月)
事務所に着いたら、きのうの雨で濡れたバナーとのぼりが、所せましと干してあった。それを取り込んで箱の中に入れようとしたら、干せなかった物が入っていたので、それを出して、中を雑巾で拭き取って渇いているものを入れた。濡れているものを干して経産省前に出かけた。
きのうの雨で桜は散ってしまったと思っていたが、散った花びらは少ししかなく、なお満開に咲いていたので嬉しかった。経産省前に行くと全労連・東京地評系の労働組合である「電気・情報ユニオン」が、午後からの経産省・厚労省交渉に先立って情宣活動を準備していた。我々は彼らの邪魔にならないように2㍍横にずれてバナーとのぼりを取り付けた後、ユニオンの情宣活動に連帯して拍手を送った。
彼らのアピールで心に響いたのは、福島県沖で採れた魚の汚染についてだった。スーパーでもお馴染みのスズキと黒ソイの放射線量を測ったら基準を大幅に上回っていたので、出荷できずに港に大量に貯蔵しているという。これまで放射線量が減ってきて「福島県沖で採れた魚は基準を下回っているので安全だ!」という宣伝ばかりされ、漁師の嬉しそうな顔も大きく映し出されていたが、そう簡単に放射線量は減らない事が証明されてしまった。政府・東電がこの夏にもやろうとしている「汚染水を海に流そう」なんてトンデモナイ事なのだ。
嬉しかったこと。午後1時前、座り込んでいたMiさんに、とおりがかりの男性が「我々も新宿御苑の汚染土埋め立て実験に反対して闘っています。共に頑張りましょう」と言ってエールを送ってくれ握手をして別れました。桜が咲いているからか、人通りは多かった。しかし我々の呼びかけに応える人は相変らず少なかった。この無関心層を目覚めさせる特効薬はあるだろうか。その特効薬は、日々、食べている魚が汚染されている事の危険性を具体例を示して粘り強く訴えていくことでしょう。(保)
◎ このところ春闘の労組のデモを散見する 3月28日(火)
事務所でテントニュース263号(添付します)を印刷してから、昼の経産省前での座り込みを小雨が断続的に降る中で開始する。しばらくして、ゼッケンを付けた方が「昼飯を食べに来ました。」といって、座り込みに参加して下さった。
その後も、午後1時前には、裁判所方向から労組のデモ隊が200名程度やってきたので皆で手を振る。どうやら春闘に向けた官民共同行動のようだった。また、午後1時過ぎると経産省本館には断続的に3~4組の外国人グループがやってきて、にこにこしながら、こちらの座り込みの様子を伺って建物の中に入っていった。じっとして座っていると寒くて、「暖かいソバでも」と思って昼食に行くが、その後、雨が止んでも曇空の経産省前は寒かった。ところが、後半担当のAさんと交代して新宿まで出たころには、雲が切れて太陽が照りはじめて徐々に暖かくなった。
夕方、笹塚の藤小西に寄って石田さんに事務所の鍵をお貸しして、4月販売予定の焼酎入荷を4月1日(土曜)に早めてもらう。また、「地方からの注文に応じる場合には、予め注文本数に応じた送料を知らせて、事前に振り込んでもらうと良い」などのアドバイスを頂く。さすがに石田さんは長年の商売人だ。(EO)
◎ 経産省の桜は花吹雪のようだった 3月29日(水)
春、経産省の敷地内の桜は風で桜吹雪だった。座り込みの足元では、つむじ風で花びらが渦を巻いていた。陽気がよいからと、椅子の数を増やして運んだけれど、座り込みの人の数が増えたわけではなかった。若い女性が「放射能汚染水を海に流すな」のバナーの写真を撮ったので、その人に「テントニュースをどうぞ」と差し出したら、「観光客ですから」「中国人です」と言って会釈して去って行った。
中国も韓国も「日本の放射能汚染水の海洋放出」には国として反対している。3月の中国全人代で首相になった李強は、その演説で「日本の汚染水放出反対」と言っていた。(中国は日本からの全食品の輸入を停止している)。韓国も3月16日に訪日したユン・ソンニョル大統領の報告関連で、「日本の放射能汚染水放出反対、日本産水産物輸入禁止」の継続を確認している。というのは、ユン・ソンニョル大統領が訪日の際、汚染水問題について大統領が「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と表明したと『共同通信』が報道したことについて、韓国では大問題になって、大統領府は「汚染水問題についてユン大統領に話して来た額賀衆院議員に不快感を持ったこと、報道のようなことは決して言ってないこと、日本の報道は遺憾」と表明した。そして、政府として上記のように、従来通りの方針であることを確認したということだ。
岸田はG7で「原発汚染水放出」について「理解・確認」の根回しをしている。3.10のテントひろばの抗議集会にも、3.11の東電前抗議集会にも、中国中央電視台も中国通信社(新華社)も韓国KBSテレビも取材に来ている。日本での闘いが注目されている。倉田さんは、いつもの通り、経産省糾弾の演説。今日の参加者は10名。(T・I)
◎ 櫻散ってケヤキが芽を吹きだしているんだね 3月30日(木)
経産省前の桜も散って、その隣にあるケヤキの木には薄緑色の葉が芽吹いて来た。ここに座り込んでいると季節の変わり目が身近に感じられる。セッティングの終了後、直ぐにヨーカンさん、Iさんと「放射能汚染水の海洋放出反対ハガキ作戦!」ミーティング開始。
熊本県・奈良市・さいたま市の方達から多額のカンパが振込まれ、振込用紙には「3月17日(金)発売の週刊金曜日にIさんが投稿したハガキ作戦の記事を読みました」とのメッセージが書かれていたことを、ミーティングにて報告すると、皆さん大喜び。全国にこの運動が広がっている事を実感した。
座り込み前半はパラソルがないと、眩しいぐらいの陽気、後半は気温が下がったが心地良い一日でした。15時頃には英語の先生が友人をお連れして座り込んでくれました。座り込み終了後は、鹿児島の老朽原発、川内原発1,2号機の20年延長反対運動を現地で闘っている、江田さんを迎えて「川内テント会議」を行った。その会議で、江田さんから3月11日に鹿児島の地方紙、南日本新聞に20年延長反対の「意見広告」を掲載したの報告がありました。また、江田さんから、今後の運動として、20年延長についての「県民投票条例直接請求署名」を行うとの方針が示されて、その協力要請がありました。会議の後は例の如く懇親会。それも二次会まで! (Y・R)
====添付====
原発週報 3.22-3.28 編集:漆原牧久
=====デモ・集会のおしらせ====
・4月5日 (水)原子力規制委員会前 12:00~13:00
・4月5日 (水)日本原電本店抗議行動 (17時~18時)
・4月5日 (水)東電本店前抗議行動 (18時45分~19時45分)
・4月7日 (金) 経産省正門前(テントひろば)抗議行動 (17時~18時)
・4月12日(水)原子力規制委員会前 12:00~13:00
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5040:230402〕
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