「もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及」など 地震と原発事故情報 その140
- 2011年 8月 10日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
◆ 地震と原発事故情報 その140 ◆
6つの情報をお知らせします(8月9日)
★1 8/6 原発やめろ!デモ 流れが変わった??
★2 8月6日デモに参加して 柳田真
★3 必見!朝日ニュースター「8.6ニュースにだまされるな!」
★4 「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉には賛成だよ」
と菅首相
★5 もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及
★6.原発 きしむ共闘 原水禁・連合・核禁会議 長崎大会開幕
異なる立場 議論なく
★1 8/6 原発やめろ!デモ 流れが変わった??
板前さんが、ウエイターさんが、工事のおじさんがビラを受け取った!
たんぽぽ舎会員 阿部則子
8月6日、「素人の乱」主催による4回目のデモが、銀座で行われた。
私は銀座で行われるデモには過去何度も参加しているが、今回のデモはいつもと
違っていた。日比谷公園でビラを撒いていると、明らかに仕事中であろう工事の
人が近寄ってきて、「ビラをくれ」という。いつもだったら取ってもらえないの
が当たり前なので、渡していなかったのだ。恐縮して渡す。5時、いつものよう
に大音響を出しながら、デモが出発する。夕闇の迫る時刻ということもあって、
飲食店では開店して客待ちというところだろうか。あるいは大音響に驚いて出て
きたのだろうか。沿道には飲食店関係の人が多い。
沿道に出て、ビラを撒く。するとどんどん受け取ってくれるではないか!驚い
たのはいつもビラなど受け取ってくれない板前さんのような人たちが積極的に受
け取ってくれたことだ。ウエイターさんと思われる制服を着た人には「ありがと
う。」とお礼まで言われた。今まで無視と無関心が当たり前だったので、感動を
通り越して、呆然としているうちにデモが終了した。
今までの原発のあり方に多くの人が不安を抱いているのだろう。流れが変わっ
たのかもしれない。もしそうだとしたら、こうした流れを逃してはいけない。そ
う強く思った。
★2 8月6日デモに参加して 柳田真
8月6日(土)のデモは、数千人が参加しました。たんぽぽ舎も反原発自治体議
員・市民連盟と共同で、日比谷会場で3000枚弱のビラを配り、40人余でデモ隊列
を作り、行進しました。福島県からたんぽぽ舎会員のKさんも参加。
デモ終了後にKさんを囲んで20人ほどで楽しく総括交流会をおこないました。
原発やめようの運動が確実に広がったと実感できた1日でした。
ただ、3人の逮捕者が出たのは警察の不当な攻撃もあり、残念でした。(8日
夕方2人釈放)
次の行動は、9月11日(日)午後1時から5時。あの悪名高い経産省-原子力安
全・保安院を初めて”人間の鎖1万人”(目標)で包囲して、”原発の再稼働を止め
よう”の決意を推進側に示す日。ぜひみんなで誘い合って参加しよう。
★3 必見!朝日ニュースター「8.6ニュースにだまされるな!」
8月6日放送、朝日ニュースターの「ニュースにだまされるな!放射能汚染
なぜ拡大したか」は必見です。たんぽぽ舎アドバイザーの菅井益郎さん、国会参
考人として熱弁をふるった児玉龍彦教授が出演しています。ゲストメンバーは実
際福島県に行って活躍している人たちなので、それぞれの発言がとても熱く圧倒
されます。
再放送は 8月10日(水)午後9時から~10時55分、
8月11日(木)午後2時から~3時55分、
深夜1時から~2時55分です。
★4 「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉には賛成だよ」
と菅首相。
綻びを見せ始めた「原子力村」・・・8/4「もんじゅ」を廃炉に!
緊急院内集会に参加して。
メルマガ読者 千葉S
8月4日、当日は同時間帯に隣の衆議院会館で小出先生の講演会があるにも拘
わらず150名以上の人々が緊急集会に集結、「浜岡原発」とならんで反原発運動
のもう一つの天王山とも言える「もんじゅ」への関心への高さが窺い知れる。
文科省・財務省・原子力開発機構へのヒヤリングに先立ち、主催者による
「『「もんじゅ』を巡る状況」説明、呼びかけ議員からの状況説明と連帯の挨拶
があった。中でも最大のトピックは民主党平山参議院議員による暴露ネタ、民主
党政権になり「もんじゅ」予算の減額(廃止)を期待した平山議員は減額どころ
か逆に増額に抗議して、翌年には「もんじゅ廃炉」を求める趣意書を菅首相に送
り付けた。その後暫く何の音沙汰も無かったが、7月14日に突然菅首相から電
話があり菅首相自らが「平山君、君の趣意書読んだよ。僕も『もんじゅ』廃炉に
は賛成だよ」と。そして翌15日には早々に高木文科省大臣から「もんじゅ」の
開発中止も含めて検討するとも受け取れる発言が飛び出した(これは当日夕方に
は「中止検討」を意図したものではないと釈明、しかし高木議員の話を聞く限り
菅首相から「もんじゅ」廃炉について何か云われた事は確かだろう。)
文科省・財務省・原子力開発機構へのヒヤリングにおいてもこうした菅政権の
原子力行政を巡るゴタゴタ・内部対立を反映してか、とりわけ開発当事者の開発
機構と管理監督を行う文科省及び財務省とのちぐはぐが目に付いた。
最初に財務省へのヒヤリング。財務省担当者は主催者側からの「事業仕分けで
は『もんじゅは成果を上げていない』」との認識の変化はないか、そうであるな
らば進行しつつある「脱原発」の流れ、及び東日本大震災の復興支援への財政支
援と云った観点から「もんじゅ」に対する来年度予算の予算凍結を行うべきでは
ないかという質問に対して、監督官庁からの予算の概算要求が挙がって来ていな
いので回答できる立場にないとしながらも、我が理を得たりとばかり「まさに我
々が言いたい点もそこにあります」と開発機構との距離感を示した。
監督官庁である文科省担当者の発言は政権の「脱原発」方針に振り回される形
で、これまでとは一転して曖昧なものに始終した。主催者からこれまでの「もん
じゅ」の税金の無駄遣いの歴史を指摘され、更に今回の「つかみ具」の落下事故
における調査・回収・部品の再発注費用が計14億にものぼりながら-「もんじ
ゅ」の炉の内部損傷の状態も判らぬまま-これ以上の費用の投入は無駄ではない
のかとの指摘に対しても、「政権の今後の指針を良く検討しながら考えていきた
い」との答弁に始終した。
これら官僚側との答弁とは対照的に、開発機構の担当者(「もんじゅ」副所長)
は写真による図説入りで「つかみ具」の落下事故による損傷を説明、分析に万全
を尽くしている事を力説、破損した炉内中継装置も既に発注済であり試験再開へ
の意欲を示した。空気冷却装置の説明においては「ナトリウム循環」は自然の物
理法則に従った単純なものであり福島の様な事故はあり得ないとしながらも、万
が一の場合は予備電源のみならず手動によりダンパの開閉が可能であること、更
に三つの冷却系の他にテスト用の冷却系も万が一の場合は冷却機能は劣るものの
投入可能であり、対応は万全であることを強調した。しかし福島みずほ議員の次
の質問により副所長をして「この団体はそう云う団体なんですか」と云わしめる、
正に「団交」の場へと転化した。福島議員は副所長による「(臨界前)のテスト
で電源喪失を想定したテストを行い、電源喪失時においても問題無く冷却機能が
動作した」という自身に満ちた答弁に対して、「それは全ループ喪失時のテスト
なのか、それとも1ループ喪失時のテストなのか」と。当初副所省は口を濁し曖
昧な答弁は行っていたが、再度福島議員から「質問は簡単です。全ループ喪失時
のテストを行ったのか、YES か NO で答えて下さい」と詰め寄られると、ついに
副所長は「全ループ喪失のテストは行っていない。1ループ喪失のテストを行い、
それを解析して全ループ喪失時でも問題無いと判断した」と答弁、すかさず福島
議員は「全ループ時喪失時のテストは行っていない、それで結構です」と副所長
の答弁に駄目出しを押した。
「脱原発」を掲げる菅政権の元、原子力行政の行く末が極めて不透明の中、あ
くまでも実験の継続を目論む開発機構と官庁側の答弁に温度差を感じさせる公開
ヒヤリングであったが、「核燃料サイクル」の中軸をなす「もんじゅ」は単に原
発の「燃料サイクル」という位置づけに留まらず日本の独自核武装におけるシス
テムの中軸をなすだけに、「推進派」は遮二無二に実験再開を強行することを目
論むであろうが、これを「絶対許さない」と決意も新たに会場を後にした。
(後記)翌日、海江田経産相大臣は松永和夫事務次官以下、経産省の原発関連首
脳3人を更迭した。しかしこれは菅首相自らによる更迭人事を阻止するための組
織温存を目的とした「更迭劇」であるということが専らの観測である。
★5 もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、運転停止中の高速増殖炉原型炉もんじ
ゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討する考えを示した。「原発に依
存しないでもやっていける社会を目指す。依存の中には使用済み核燃料の再処理、
もんじゅも含まれる」と指摘、青森県六ケ所村にある再処理工場を含めて核燃料
サイクル政策の抜本的な見直しに言及した。
そのうえで「この方向性を十分に議論しながら計画的、段階的に目指していく
ことが必要だ」と述べた。社民党の服部良一氏がもんじゅの廃炉を求めたことへ
の答弁。
政府は7月29日にまとめた中長期のエネルギー戦略の論点整理で、脱原発依存
に向けて「原子力政策の総合的な検証をする」と明記した。首相は予算委で「あ
らかじめ予断を持たずに徹底的に検証する」と強調した。
使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期に安定的に管
理し、後世に悪影響を残さないで済むかが深刻な問題だ」と語った。使用済み燃
料の処理方法では「外国で貯蔵、処分することは現時点で考えていない」と述べ
た。
(8月8日日経新聞電子版より抜粋)
★6.原発 きしむ共闘 原水禁・連合・核禁会議 長崎大会開幕
異なる立場 議論なく
原水禁世界大会の開会式を前に、脱原発のデモ行進を行う原水禁関係者=7日
午後2時15分、長崎市 原水爆禁止日本国民会議(原水禁)系の原水爆禁止世
界大会長崎大会が7日、長崎市で開幕した。初日は2005年以来、原水禁と連
合、核兵器禁止平和建設国民会議(核禁会議)が共催しているが、福島第1原発
事故後、3団体の原発への立場の違いが際立っている。7日も原発問題での実質
的な議論はなく、今後の共催に大きな課題を残した。
「原発はどうしたんだ」。原子力の平和利用を推進している核禁会議の大山耕
輔副議長の開会あいさつが、原発問題に触れずに終わると、会場からは大きなや
じが飛んだ。電力総連も加盟し、原発へのスタンスを凍結している連合の古賀伸
明会長は、続くあいさつで「原発の信頼は失墜し、エネルギー政策のあり方が根
本から問われている」と述べるにとどめた。
3団体は共催実現以来、核兵器廃絶と被爆者援護充実に絞って議論してきた。
事故を受け、原水禁が原発問題を議題に盛り込むよう働き掛けたが、調整は失敗
した。
原水禁の川野浩一議長は7日のあいさつで「(平和団体が)原発問題を避けて
通ることは許されない。今大会で議論できなかったのは残念だが、早急に各団体
が方向性を明確にし、3団体としての結論を出したい」と苦悩をにじませた。
結局、原水禁はこの日、単独で脱原発の集会とデモ行進を実施。長崎核禁会議
も別の集会を開き「原子力の平和利用を推進する団体として(事故の)徹底的原
因究明と、さらなる安全対策が講じられるよう求める」とするアピールを採択し
た。
来年以降の共催について古賀会長は「これからの議論だが、3団体でやってき
た取り組みを壊したくない」としている。
原水爆禁止日本協議会(原水協)系の長崎大会も7日、長崎市で始まった。
(8/8西日本新聞より抜粋)
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