風の会・会報「鳴り砂」2023年7月号が発行されました&「意見広告運動」にご協力を! 8月11日は小出裕章さんの講演会
- 2023年 7月 22日
- 評論・紹介・意見
- みやぎ脱原発・風の会舘脇章宏
- ストップ!女川原発再稼働意見広告(紙面デモ)運動が始まっています
- 小出裕章さんの講演会も行います
- 「岩手の会」などが宮城県に再提出した要請・質問書も添付いたします 今後も継続して議論を続ける予定です
- 国策に異議あり! ストップ!女川原発再稼働意見広告運動=紙面デモにご協力を! (舘脇)
- 仙台地裁、論理矛盾を承知で、こじつけの理由で、棄却判決を強行!
- 東北電力株主総会に初めて参加しての素直な感想 不良債権は早く切ったほうが (株主 小川栄造)
- 仙台市へ女川原発再稼働に賛成するなと要請 (広幡)…5
- 「第164回女川原子力発電所環境調査測定技術会」傍聴記 基本的な説明はしっかりして欲しい (兵藤則雄)
- 「第164回女川原子力発電所環境保全監視協議会」傍聴記 委員からは、他愛もない指摘だけ (女川 髙野博)
- 大崎から~悲観、楽観、いずれにしても (大崎市 芳川良一) ………7
- 暮らしを奪う汚染水放出 (石巻市十三浜 佐藤清吾) ………10
- ちょこっと心に刺さってくれたら (立石美穂) ………11
- インフォメーション ………12
- 数値は語る、硫化水素流出事故の“真”の原因…1
- 硫化水素流出事故の情報公開顛末記 ………4
- 女川原発アラカルト ………5
- 脱原発みやぎ金曜デモ ………7
- 汚染廃棄物「焼却」をめぐる動き ………7
- 【抗議声明】7月10日第1回弁論だけで審理
- 東北電力ホームページ「女川原子力発電所の状況について(2022年8⽉分)」の
- き裂の原因をあいまいのまま済ませていることについて回答がなかった。
- きちんと原因を明らかにし,対策をとらなければ,次なる地震によりさらなる事故を起こし屋上階の使用済燃料を取り出すことが困難になり危険な状況が出現するのではないかとの問に答えず。
- 絶対に重大事故を起こさせないため県としてどのように監視を強めていくか答えず。
- 戦争をしないよう国へ申し入れについて答えず。
会報「鳴り砂」2023年7月号が発行されたので、ご紹介いたします
https://miyagi-kazenokai.com/category/%e9%b3%b4%e3%82%8a%e7%a0%82/
(目次は一番最後に)
是非ご協力お願いします
特にクラウドファンデング https://readyfor.jp/projects/stop-onagawa-nuke(8月末まで)よろしくおねがいします!(郵便振替などでももちろんOKです)
個人1口1,000円、団体1口3,000円
HP https://stop-onagawa-nuke.jp/
Facebook https://www.facebook.com/stop.onagawa.nuke
Twitter https://twitter.com/onagawaiken
ストップ!女川原発再稼働 紙面デモ(意見広告)運動 「スパート集会」
☆講演:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
「女川原発再稼働の根拠は全くない!」
日時:2023年8月11日(金・祝)15時~16時30分
会場:エル・パーク仙台 セミナーホール(三越定禅寺通り館5F) 〈参加費無料〉
主催:「ストップ!女川原発再稼働」意見広告の会
連絡先:080-1673-8391(多々良) Eメール onagawaiken@gmail.com
※ZOOMURL ミーティング ID:890 4299 0825 パスコード:326771
https://us02web.zoom.us/j/89042990825?pwd=OFBRRVBGazU0ZVZlKzV4S0Fzb0Y0UT09
【もくじ】
………1
(女川原発再稼働差止訴訟原告団・原伸雄) ………3
………4
………6
………7
【別冊もくじ】
終結した、仙台高裁第3民事部に抗議する……8
2023年5月26日
宮城県知事 村井嘉浩 殿
【提出団体名】女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション(宮城県仙台市)代表鈴木宏一
みやぎ脱原発・風の会(宮城県仙台市)事務局長 舘脇章宏
放射能から子どもを守る岩手県南・宮城県北の会(岩手県一関市)代表者菅原佐喜雄
岩手有機農業研究会(岩手県花巻市)代表幹事 入江敦
豊かな三陸の海を守る会(岩手県宮古市)共同代表横田有平
三陸の海を放射能から守る岩手の会(岩手県盛岡市)世話人永田文夫
女川原子力発電所の重大事故を防ぐため監視監督を徹底すること
宮城県や周辺県民を守るため宮城県として主体的かつ積極的な厳重監視を求める
再要請書(要請)
令和5年5月16日付け(原対号外)でいただきました前回の要請・質問書回答について疑問意見などをコメントとして別紙にまとめました。以下私達のコメントに真摯にお答えいただきたく再度要請いたします。
(別紙)
要請・質問&回答&回答のコメント 2023年5月26日意見交換
2023年4月17日提出 5月16日文書回答
宮城県知事 村井嘉浩 殿
【提出団体名】女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション/みやぎ脱原発・風の会
放射能から子どもを守る岩手県南・宮城県北の会/岩手有機農業研究会
豊かな三陸の海を守る会/三陸の海を放射能から守る岩手の会
女川原子力発電所の重大事故を防ぐため監視監督を徹底することを求める要請・質問書
貴職におかれましては日頃宮城県民のためご尽力に敬意を表します。
昨年9月12日「女川原子力発電所の状況について(2022年8月分)」*1において東北電力㈱は「1号機の原子炉建屋天井クレーンにおいて、走行部の支持台座にき裂を確認しました。今年3月16日の地震によりき裂が入ったものと推定いたしました」と原因を記していました。
この件についてなぜ国へ報告せずに済まそうとしているのか等疑念があり,宮城2団体,岩手4団体で昨年9月27日東北電力樋口社長へ質問状を提出し11月2日東北電力本店において口頭で回答を得ました*2。しかし回答は疑念が増すばかりの内容でした。
アメリカ原子力学会の論文*3で女川原発は世界一地震の影響を受けやすい原発とあり,加えて2011年東日本大震災の被災原発でもあり,その耐震安全を非常に憂慮しています。
昨年12月27日宮城県と女川町,石巻市等七市町は東北電力㈱との原子力安全協定に基づき,天井クレーン台座のき裂等の問題で女川原発の立入調査を行ったとの報道がありました。また,今年3月県議会では女川原発関連の質疑がありました。つきましては,この問題等について私たちが東北電力から得た回答と意見交換会や県議会質疑を踏まえ,明らかになった事項や疑問点等について情報交換や宮城・岩手県他周辺県民の安全に関わり貴職他関係自治体へ原発重大事故防止のため厳重に監視監督のお願いをすることにいたしました。
つきましてはⅠ要請書や次ページ以降のⅡ質問書に 5月17日までにお答えをお願いします。加えてご回答を基にその1週間後頃に貴職との要請の場の設定(2時間ほど)をお願い申し上げます。
*1 https://www.tohoku-epco.co.jp/pastnews/atom/test/__icsFiles/afieldfile/2012/10/10/ab.pdf
*2 http://sanriku.my.coocan.jp/221102touhokuQ&A.pdf
*3 http://sanriku.my.coocan.jp/111030ONAGAWArepANS.pdf
【問合せ先】 ◯女川原発の再稼働を許さない!みやぎアクション 篠原弘典
〒981-8007 宮城県仙台市 TEL&FAX 022-373-7000 non239@jcom.home.ne.jp
◯三陸の海を放射能から守る岩手の会 永田文夫
〒020−0004岩手県盛岡市 TEL&FAX019-661-1002 hgf01360@nifty.com
〈以下要請書・質問書です〉
Ⅰ 要請書
女川原発で絶対に重大事故を起こさせないよう監視監督を徹底してください
私たち宮城県・岩手県民は女川原発で福島第一原発事故のような大事故を絶対に起こさないでほしいと願い,先日事業者東北電力へ質問要請をしました。しかし耐震について,私たちの質問に答えられずあいまいな姿勢であり,かつ度重なる地震により施設設備の耐震性が脆弱であることがわかりました。
貴職におかれましては福島原発事故の教訓を基に「絶対に東北電力女川原発で重大事故を起こさせない決意」のもと、国任せではなく主体的かつ厳重に監視監督を行い、人々の生命,生活,環境を守っていただきたいと強く要請いたします。
[回答] 原子力発電に係るリスクを可能な限り低減していくため、国においては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえて制定した「新規制基準」等を絶えず見直すことにより、規制の強化を図っているところです。県としましては、東北電力から女川原子力発電所の状況等について随時報告を受けるとともに、必要に応じて立入調査を行うなど、地元自治体と連携しながら、同発電所の安全管理の徹底等を引き続き求めてまいります。
<回答のコメント>
「国(原子力規制委員会)が福一原発事故の教訓を踏まえ,新規制基準を絶えず見直すことにより規制の強化を図っている」と答えています。そもそも5人いる原子力規制委員のうち二人は元原子力関連事業所勤務者であり一人は原子力事業所から多額の助成など受けていたことが報じられている元大学教授です。人格高潔,中立公正な立場とは言えない委員が多数派を占めており原発60年超運転など同意を得ないまま多数決する等規制の強化どころか後退し本来の設立主旨を逸脱している委員会になっています。このような情勢を見るに,県が主体的に県民,県土を守る厳重監視機関になることが望まれます。「県としては,電力から報告を受け,必要に応じて立入調査を行うなど,地元自治体とともに安全管理の徹底を求めてまいります」とのこと。私達の要請「国まかせでなく,主体的かつ厳重監視を行う」県民を守る決意や姿勢が見られません。県民のため原発事故を絶対に防ぐ発想へと切り替え,具体的に厳しく監視していく決意が今こそ問われています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Ⅱ 質問書(要望含む)
(別紙1)「女川原子力発電所1号機の状況について(2022年8⽉分)」に係る質問
1)東北電力がクレーン事故について国へ報告しないのは納得いきません
今回の事故を国へ報告をしないことにした理由は,実用炉規則第134条の運用に係る訓令Ⅱの三の3.運用上の留意点②で「当該安全上重要な機器等又は常設重大事故等対処設備に属する機器等の使用中又は待機中に損傷が存在していないのであれば,安全上の影響はないので報告対象外である。」とあり、これを根拠に判断したとの回答がありました。
コメント:同訓令Ⅱの三の目的には「安全上重要な機器等がひび割れ等の損傷により一定の基準に適合していないと判断された場合は,安全に影響を及ぼす事象である場合があるため,報告を求めるものである。」と明記されています。天井クレーンは安全上重要な機器に該当します。しかし「クレーンの使用中又は待機中に損傷が存在していない」のであれば「安全上の影響はない」ので「報告対象外」になる。「クレーンが使用されていない場合は傷があっても報告対象外」という意味に電力は捉えたようです。
しかし現在1号機は廃炉作業の第一段階でありこの事故により定期検査(廃炉も)が約1年延長されました。燃料プールの使用済燃料等の取り出し移動などがありこの観点からは今回の事故は待機中の損傷にあたり、国への報告対象になるはずです。また,今回の事故は地震により発生したものであり,その原因と対応など他の原発へ情報公開し教訓とするため,国へ報告すべき事故と考えられます。中部電力浜岡原発では「安全上重要な機器又は構築物でひび割れ等の軽度の故障があったとき」国,県,地元市へお知らせする*ことになっています。
* 表2−7 https://www.chuden.co.jp/resource/energy/hinf_about_02_8.pdf
質問:この事故により約1年ほど定期検査が延期になっています。浜岡原発では通報該当事故となっているものを、女川原発では国へ報告をせずに済まそうとしているのは納得いきません。また安全上重要な機器の台座を国の許可を得ずに交換しても構わないものでしょうか。監督官庁へ報告せずに済ますような姿勢は安全をないがしろにする危険な姿勢ではないでしょうか。見解をお示しください。
[回答] 本件については、東北電力から昨年3月2日以降、当該クレーンは電源を切った状態であったことから、報告の対象となる「使用中」や「待機中」には当たらないと判断したとの説明がありました。また、原子力規制委員会においても、発電所に常駐する検査官が行う原子力規制検査の中で、本件に対する対処状況を把握していると伺っております。県といたしましては、引き続き東北電力に対し、発電所において異常等が認められた場合には、法令に基づき適切に対応することを求めてまいります。
<回答のコメント>
「女川原発1号機状況について(2022.6.7)」には,1号機は現在廃止措置の第1段階(8年間)中であり「燃料搬出」が項目の最初に記載されています。き裂事故は「休止中」ではなく「待機中の損傷」です。待機中に電源を切っているから報告しないととは詭弁ではないでしょうか。クレーンの故障はプール内の「使用済燃料搬出」ができなくなり,廃止措置第一段階全体に係る問題です。現に約1年定期検査が延期(第1段階も)されます。東北電力が根拠とする訓令Ⅱの三の目的には「安全上重要な機器等がひび割れ等の損傷により一定の基準に適合していないと判断された場合は,安全に影響を及ぼす事象である場合があるため,報告を求めるものである。」と明記されています。浜岡原発でも同内容の報告基準があります。県は事業者の言いなりで済ますことなく独自に原子力規制委員会や浜岡原発へ問い合わせ確認してみてはどうでしょうか。事なかれ主義は重大事故への道です。発電所に常駐する国の検査官*は多勢に無勢,電力職員に取り囲まれる中で電力に毅然と対応し検査し報告することができるものか疑問です。法令の解釈が電力の都合よいように解釈されており,規制委員会もそれで良しとしているように伺われます。
◎「安全上重要な機器の台座を国の許可を得ずに交換しても構わないものでしょうか。」の質問に答えていません。
◎浜岡原発では通報該当事故となっていることについて回答で触れていません。
*原子力運転検査官の職務は「原子力施設が所在する地域に常駐し、原子力安全に係る事業者の活動全般について日常的に監視を行い、原子力施設安全や放射線安全等に関する影響を特定するための検査を行います。また、原子力施設において緊急事態が発生した場合には、原子力施設に立入って原子力安全への影響を確認し、関係部署への報告を行います。」報告は行われたのでしょうか。
2)クレーン支持台座のき裂原因を不明確のままで済ませてよいのでしょうか
東北電力と意見交換の場で昨年「3月16日の地震(震度5強:240~520ガル)程度でき裂が入るようでは耐震設計がおかしいのではないか」との質問に電力担当者から「40年以上経っており大きな地震に何度も見舞われている,それが影響したものかどうか,未だ原因は分かっていません。」と答えがありました。
コメント:支持台座の基準地震動は580ガルで耐震補強したとのこと,3月16日の地震は1号機地下2階で震度5強367.5ガルと答えあり。これでは580ガルの耐震が367.5ガルの地震(上層階は少し上昇するらしい)に耐えることができずき裂が入ったことになります。実際は2011.3.11大地震でクレーン軸受部に水平方向に力が加わり破損事故がありました。この時台座に入ったき裂が3月16日の地震により視認できるまで広がったのが原因と推察できるのではないでしょうか。2011.3.11大地震以降頻繁な地震襲来によって原発建屋全体にどの程度の影響があったのか厳密な点検がなされずに時が経過し、科学的に解明されていないことを示しております。天井クレーンの破損した支持台車,破損した軸受(2012.6.7国へ報告)の交換物に係る耐震設計や補強はどのように行われたのか私たちの質問に答えられなかったことからも耐震が厳密に行われていないことがわかりました。
質問:クレーン支持台座のき裂の原因をあいまいのまま済ますことは,次なる地震によりさらなる事故を起こし屋上にある使用済燃料プールの燃料を取り出せないまま、極めて危険な状況を作り出さないでしょうか。2,3号機のクレーンは本当に大丈夫なのでしょうか。以上につき見解をお願いします。
[回答] 地震による天井クレーンへの影響について、クレーン自体が落下しないという求められる性能は発揮しましたが、地震に対する施設の安全性をさらに向上させ、安全上重要な機能が損なわれることのないよう東北電力に引き続き求めてまいります。なお、東北電力からは、水平展開による点検の結果、2、3号機のクレーンには異常は認められなかったとの報告を受けています。
<回答のコメント>
「クレーン自体が落下せず」と質問内容とは違う回答,そして安全が損なわれないように電力へ求めていくとする県としての姿勢を述べています。「1号機でクレーンにき裂が見つかったが2,3号機は大丈夫か」との問に,電力からの報告で「異常は認められなかった」とそのままの答えでした。
2号機は来年再稼働の予定であり,水平展開し厳重に調べなければならないはずです。調査報告はあったのでしょうか。県として積極的に県民を守る気迫ある姿勢がほしいものです。
3)天井クレーンが重量物運搬中に大地震に見舞われた場合の対処法や固有周期等の質問に東北電力は答えませんでした
県議会で,東北電力は「クレーンの固有周期は商業機密による約定があり答えられない」との回答がありました。電力との話し合いでは天井クレーンが重量物を吊り下げ稼働中に大地震に襲われた場合について,重量物は「燃料プールに落下しない安全機能になっている」「大地震が発生した場合など,仮定の事象に対する質問には答えられない」とのことでした。
コメント:大地震では長周期地震動によるクレーンの共振が心配されます。使用済燃料の落下の可能性があるのではないでしょうか。最悪のケースの想定は答えがありませんでした。これは東北電力が福島原発事故の教訓を真剣に受け止めていないことを示しており,人々の安全を守ることを第一に考えていない表れです。県議会ではクレーンの固有周期は商業機密による約定があり答えられないとの回答がありましたが,機器の設計に係る数値が機密とは納得できません。
質問:クレーンの固有周期が商業機密とする理由が納得いきません。私達の安全に係る重要な事項は知る権利があります,この商業機密は知る権利よりも重要なものなのでしょうか。商業機密の定義は何ですか。県議会で県は「情報公開とわかりやすい説明を求める」と答えていましたが,情報公開上このような商業機密とする答えをそのまま受け入れてよいのでしょうか。見解をお願いします。
[回答] 製造メーカーとの間で商業機密に関わる約定があり非公開とされていると東北電力から聞いております。
<回答のコメント>
県はこの約定を見て答えているのだろうか。1号機屋上階にある使用済燃料は821体ウランにして140トンこれがメルトダウンするとセシウム137で推定すると半径147kmが強制移住範囲になり宮城県全体が含まれます。このような超危険な放射性物質を貯蔵している原発であり,事故時私達の潜在するリスクと比較しクレーンの固有周期を秘密など論外の問題です。全てのリスクと情報を明らかにしなければ稼働を容認できない施設ではないでしょうか。
◎ 県としての見解を示していません。
◎ 商業機密の定義答えず,商業機密に関わる約定の公開を。
◎ 被害を受ける人々の知る権利よりも商業機密が重要かについて答えず。
4)宮城県への事故の詳細報告や事後対策の報告を迅速に情報公開してください
東北電力は2011.3.11大地震により天井クレーンの軸受が損傷した事故について「詳細報告は公表していない,2013.10に荷重影響を受けにくい軸受に交換した。」とのことでした。また2022.3.16地震による天井クレーンき裂事故についても詳細報告は公開していないとのことです。
国への報告は原子力規制委員会が2014.7.7公開*しています。
*https://www.nra.go.jp/data/000048459.pdf
コメント:東北電力は詳細報告を公表していませんが,2011.3.11大地震による事故について原子力規制委員会の報告書評価が公開されており,これから軸受の損傷は南北方向の水平荷重により発生したとなっていました。果たして,水平方向の荷重に耐える軸受に交換されたのか,答えはありませんでした。東北電力の事故報告があまりに遅いことも気になります。
質問:東北電力は2011年の軸受損傷事故発生後すぐに県に報告したのでしょうか。県が詳細報告を受けたのはいつですか。損傷した南北水平方向の荷重の原因はわかっているのですか,またその荷重に耐える軸受に交換されたのか確認されていたのでしょうか。県が得た詳細報告等を県のホームページで情報公開してください。3月の県議会で県担当者から「事業者には人々へ迅速な情報公開を行い,丁寧な説明責任を果たすことを求める」とありましたが,具体的にはいつどのように指導されたのでしょうか。
[回答] 天井クレーン軸受の損傷における水平荷重の評価結果については、2014年、東北電力から原子力規制委員会に報告され、その原因や再発防止策について受理されているものと承知しております。軸受の交換については、2013年12月に実施した旨報告を受けており、その時点で確認しております。なお、当時、県が受けた報告内容は、東北電力または原子力規制庁が公開している内容と同一のものであるため、県では特にホームページでの公表を行っていません。また、県民の皆様に対し丁寧な説明を行うように、立入調査時等、機会あるごとに求めているところです。
<回答のコメント>
クレーンの軸受損傷は2012年6月7日に確認され,旧原子力安全保安院へ同日報告されていますが県への報告はあったのでしょうか。回答の2014年6月の報告は「補足説明資料」のようです。2011年3月の事故を1年後に報告しており遅すぎます。軸受の交換は2013年12月実施されたとの報告はあったとのこと。報告書の情報公開は電力(この詳細報告は公開していない)や原子力規制庁で公開しており公表していないとのことですが,原子力規制庁のHPからこの詳細報告を探し出すのは一般の人にとり面倒であり,県は女川原発について独自に迅速な報告を求め,県民へ公開してはでしょうか。
◎ 軸受損傷は南北水平方向の荷重とのこと,その荷重の原因は答えず。
◎ 交換された軸受はその荷重に耐える軸受に交換されたのか答えず。
◎ 情報公開・説明責任,事業者へ具体的にいつどのように指導されたのかあいまいな回答。
事業者は私達の質問に対し,最初電話で済ませようとしました。
2. 関連その他の質問
5)3.11大地震等で剛性が7割低下した建屋や使用済燃料プールは大地震に耐えられるのでしょうか。使用済燃料プールから地上の乾式貯蔵等へ早急に切り替えるよう電力への要請をお願いします
東北電力は東日本大震災の地震で女川原発2号機建屋上層部の剛性が7割減,原子炉建屋壁にヒビが1130ヶ所あることを6年後の2017年1月に明らかにしました*1。
コメント:これは氷山の一角で原発建屋はどこもかしこもヒビが入り剛性が低下しているのではないでしょうか。もっとも心配されるのは,使用済燃料プールです。福島原発事故時4号機で1535体(2.4炉心分)貯蔵されていた使用済燃料のプールの水が漏れ抜け燃料が2炉心(1096体)分メルトダウンした場合半径170kmは強制移住,250kmは避難対象との評価が出されましたが,何とか冷却が継続されクレーンが設置され2年半後燃料が撤去されました。今回東北電力は,女川原発各号機上層階の燃料プールに合計2790体(U約480トン)貯蔵していることを明らかにしました(1号機821体U約140トン,2号機1263体U約220トン,3号機706体U約120トン)。福一原発4号機の2.1倍*2もの放射能を貯蔵していることになります。2号機建屋の剛性が建設時の7割も減少したことは強度も大きく減少したことになるのではないでしょうか。燃料プールの強度,ひび,き裂は大丈夫なのでしょうか。地震によりひび等の広がりにより水が漏れると大惨事になります。1号機のクレーンは現在使用できない状態です。早急にクレーンを修復し使用済燃料をプールから安全な地上へ移送させ乾式貯蔵(もしくは地上のプール)に切り替え,潜在的危険を軽減しなければなりません。2・3号機の使用済燃料も同様です。
*1 2号機にひび1130ヶ所 2017.1.17新規制基準適合性審査会 ひび割れ:資料1-4の15頁 剛性低下:資料1−3の17頁
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11285463/www.nsr.go.jp/disclosure/committee/yuushikisya/tekigousei/power_plants/00000189.html
*2 放射能濃度が大きい使用済燃料のみの比較(未使用燃料は除く)
質問:2号機は3.11大地震で原子炉建屋壁にひびが1000箇所以上入りました,建屋上部階で剛性が建設時の7割も減少したとのこと,このことは3.11大地震以降繰り返された地震の影響もあるのではないですか。またどのような補強をし,現在の剛性はどうなっているのでしょうか。剛性が低下すると固有周期が長周期側にシフトし地震動に対する揺れが大きくなる建屋壁や設備や機器が多数出てくるのではないでしょうか。これらの疑問について調査され詳細が明らかにされているのでしょうか。使用済燃料プールの耐震強度は大丈夫なのでしょうか。2号機の設計基準地震動は1000ガルとのこと,ここに震度6強(830~1500ガル*)の最大地震が襲来したときの施設設備の耐震安全は確認されているのでしょうか。女川原発使用済燃料プールでは燃料をリラックキングしているのですか,その場合本来の貯蔵の何倍の稠密割合ですかお知らせください。潜在する危険を減らすため屋上階の使用済燃料を早期に地上で乾式貯蔵等安全貯蔵するよう東北電力へ要請していただけませんか。
*国土交通省国土技術政策総合研究所震度と最大加速度の対応表 http://sanriku.my.coocan.jp/SI&maxA.pdf
[回答] 東北電力から建屋の初期の剛性(揺れによる変形のしにくさ)は低下したものの、建屋の強度には影響がないことを確認し、新規制基準への適合性審査においても評価を受けていると聞いております。補強については、原子炉建屋3階の耐震壁の増し打ちや鉄骨の筋交いの設置などを行い、原子力規制委員会の確認を受けていると聞いております。現在、女川原子力発電所で発生した使用済み燃料は、1号機から3号機までの使用済み燃料プール内で保管されているところです。同発電所においてはリラッキングを実施していないと認識しておりますが、東北電力からは将来的な方策として敷地内外への乾式貯蔵施設の設置等について検討していると聞いております。
<回答のコメント>
剛性(揺れによる変形のしにくさ)が7割も低下した建屋であり,揺れに変形しやすくなってきたことになりますが,強度に影響はないとのこと,その根拠は何か示していただきたい。剛性,補強とも規制委員会の評価を受けているとのこと。リラッキングは実施していないとのこと,これについて電力は使用済燃料の乾式貯蔵施設の設置等について検討しているらしい。検討ではなく具体化し早期に乾式貯蔵に取り掛かるように要請してほしい。
◎使用済燃料プールの耐震強度は大丈夫か答えず。
◎2号機の設計基準地震動1000ガルだが,震度6強(830ガル〜1500ガル)地震に耐えるのか答えず。
内閣府は海溝巨大地震の想定のまとめで公共施設は震度6強以上の耐震を求めている。
◎使用済燃料の早期地上保管要請については答えず。
6)観測史上最大の地表変動による女川原発への影響は解明されているのでしょうか
1号機天井クレーンの軸受は水平方向の力を受け内輪・外輪が砕けてしまいました。この原因は3.11大地震によるものとされていますが,地震の揺れだけが検討されており,牡鹿半島地表の観測史上最大の変動(約1mの沈降,約5mの変動)による建屋,施設設備への影響について検討されていません。
コメント:このようなことが科学的に解明できないまま見切り発車でこの危険な原発を再稼働させることなど許されないのではないでしょうか。
質問:牡鹿半島全体の観測史上最大の変動による建屋,施設設備への影響について検討されたのでしょうか。検討されているならその報告書を公開してください。もし検討されてないのならば,この影響が科学的に解明されるまでは人々の安全を守るため再稼働は許されないのではないでしょうか。見解をお願いします。
[回答] 地表変動の影響については、基礎地盤等の安定性評価に関する新規制基準への適合性審査の中で確認されたものと承知しております。なお、審査時の資料は原子力規制委員会のホームページで公開されております。
<回答のコメント>
3.11大地震時牡鹿半島地表の観測史上最大の変動(約1mの沈降,約5mの変動)を記録しました。これによる原発への影響は適合性審査の資料として存在するとのことです。
◎追加質問:具体的な審査会は令和元年9月27日の審査会合資料1−7−1との回答を得ました。しかしこの資料は新規制基準への適合性審査に関わる内容であり,観測史上最大の変動をした牡鹿半島とこれによる女川原発への影響が調査された報告にはなっていませんでした。このことは大地震による大きな地表の動きとその影響についてわかっていないことになり,政府・東北電力へ科学的な調査報告を県から求めて頂きたくお願いします。不明のまま再稼働を進めないでください。
7)東北電力には絶対に大事故を起こさないという真摯な姿勢が見られませんでした
今回東北電力の担当者6名と意見交換ができました。当初は電話回答だけというかたくなな姿勢であり、交渉により意見交換の場を設定してもらいましたが文書回答はなし,口頭のみの回答となりました。事故については詳細を公開しないなど、福島原発事故を真摯に受け止めて教訓とし絶対に重大事故を起こしてはならないという姿勢は見えませんでした。
コメント:情報公開し説明責任を果たそうとする姿勢が乏しく,上層部の経営者のガバナンスが旧態依然としているように伺えました。また人々の人権を尊重し安全を守るため,大事故を絶対に起こさないとする姿勢が感じられず,非常に危険なものを感じました。
質問:上記コメントについて見解をお示しください。
[回答] 県といたしましては、引き続き東北電力に対し県民の皆様の安全安心につながるよう、発電所の状況等について丁寧な説明や情報公開を求めてまいります。
<回答のコメント>
発電所の状況等について説明や情報公開を求めるとの回答でした。しかし私達が願うことは原発が絶対に大地震等による重大事故を起こさないことです。設計基準地震動Ssが1000ガルになっていますが,これを超える大地震が頻発しており,これに耐えるようにどう対応しているのか,宮城県はこの人々の願いにどう具体的に応え監視を強めていくか示してほしい。
8) 昨年12月27日宮城県と女川町,石巻市等七市町が実施した東北電力の立入り調査について
原子力安全協定に基づき,天井クレーン台座のき裂の問題で女川原発の立入り調査を行ったとの報道がありました。監視監督する地元自治体による立入り調査はとても心強いものがあります。
質問:立入り調査の報告の内容とその評価をお知らせください。また,このような立入検査は今まで何回行われたのでしょうか。年月日とその動機や実施するに至った経過をお知らせください。その際の県の監視協議会,技術会との連携はあったのでしょうか。
[回答] 立入調査の報告内容については、別紙のとおりです。
立入調査はトラブルや不具合の発生時等に、現地での確認が必要と判断したときに実施しており、最近5年間で、7回(R1.9.2:3号機保安規定違反に係る調査、R3.2.16:1号機廃止措置状況等調査、R3.3.25:地震の被害と対応に係る調査、R3.7.15:硫化水素による体調不良者発生等調査、R3.11.15:硫化水素発生に係る原因及び対策状況等調査、R4.6.2:3号機オペレーションフロアにおけるボルト等落下に係る対応状況等調査、R4.12.27:別紙参照)行っています。立入調査を実施した事案については、東北電力から協議会や技術会で報告されています。
<回答のコメント>
「女川原発周辺の安全確保に関する協定書」第10条(立入調査等)に基づき実施されたものです。
調査結果の概要の報告を見ると,クレーン支持台座のき裂は「使用済燃料に悪影響を与えることはない」とのこと,しかしこれにより定期事業者検査が1年延期されることになり,その間廃炉の実務作業ができず,使用済燃料が屋上プール保管が継続されることになります。万一事故が起こった場合,屋上の燃料を取り出すことができないことになり,安全確保上大問題です。このことに触れられていないことは重大事故防止の意識が不足しているのではないでしょうか。
◎県の監視協議会,技術会との連携について回答されておらず。国の検査官との関係についても知りたい。
9) 市民の代表を加えた,常設「安全監視検討会」の設置を要望します
原子力安全協定に基づき原発周辺の安全確保に関し,現在設置されている機関は「環境保全監視協議会」(略「監視協議会」)「環境調査測定技術会」(略「技術会」)の二つです。3月の県議会において佐々木功悦議員が県民を守るため現在の二機関とは別に常設する安全性を検討する安全監視検討会の設置を要請されていました。これに村井知事は現在のままでよしと県議会で答えております。「監視協議会」が環境放射能及び温排水の状況を主に協議しこのモニタリングを技術的に検討し状況を把握するのが「技術会」となっています。これでは,原発の安全上重要な機器のトラブル,放射能の貯蔵量や閉じ込め等についての安全,装置や機器等技術面,人的な面,避難計画等人々の生命財産環境等について主体的かつ総合的に守る等,監視体制が不十分であり「常設安全監視検討会」のような,重大事故の絶対防止を目的とする監視機関が必要と考えます。ここには市民の代表を複数加え,緊張感ある真剣なものにするため原発慎重派からの推薦委員を加えることが望まれます。
質問:重大事故の絶対防止を目的とする監視機関,常設「重大事故防止安全監視検討会」(仮称)の設置について見解をお願いします。
[回答] 発電所の状況を監視する仕組みとしては、「女川原子力発電所周辺の安全確保に関する協定」に基づき、専門的な見地から、発電所周辺地域における環境放射能等の状況を把握し、地域住民の安全を確保するために必要な事項を協議する「環境保全監視協議会」や「環境調査測定技術会」を設置し、定期的に開催しております。その中で、発電所の徹底した安全管理に向け、学識経験者や地元の皆様から御指摘や御要望等をいただいております。さらに、県では、立地市町と連携して、必要に応じて立入調査を実施し、直接現場を確認するなどして、東北電力に対し安全管理の徹底等を求めているところです。
<回答のコメント>
環境保全監視協議会と環境調査測定技術会は、環境の保全・監視とその調査測定の会であり,そこには私達が絶対に避けたい大地震等による重大事故防止の視点が欠落しています。女川原発は3.11大地震による被災原発です。原発の耐震や施設設備の剛性低下そして老朽化,保有放射能によるリスクなどさまざまな視点から巨大事故を防がなければいけません。現在の協議会と技術会では,その設置目的から総合的な巨大事故の未然防止の責務に対応できません。重大事故防止安全監視協議会のような自律性の高い権限があるは機関の設置が望まれます。
◎重大事故防止安全監視協議会の設置について答えず。
10)福一原発1号機はペデスタル破損により地震で圧力容器等倒壊する危険があり,安全対策を国,東京電力へ要請してください
福島第一原発の1号機,2号機はクレーンが壊れたままで未だに屋上階のプールに使用済燃料が大量に貯蔵されています。昨年5月の東京電力の調査結果1号機の原子炉を支えるペデスタルのコンクリが高温のデブリにより溶融し鉄骨がむき出しになっていることがわかりました。震度5強(240〜520ガル)程度の地震で原子炉圧力容器が倒壊するであろうと原子炉耐震構造専門家森重氏が警告しています。国や東京電力が調査をしているはずですが、未だ報告書が出ていません。
質問:隣県として国へ早急に対策を講ずるよう強く要請してはどうでしょうか見解をお願いします。
[回答] ペデスタル破損の件については、東京電力及び国際廃炉研究開発機構が連名で、原子力規制委員会に対して、調査結果を報告しています。それによると、2022 年3月の地震の経験や耐震評価から、ペデスタルの支持機能は維持されているとの説明がなされています。また、この報告では、仮に支持機能が喪失したとしても、その際に取り得る方策については検討を進めているとのことから、これについて注視していきたいと考えております。県としましては、福島第一原子力発電所の廃炉等の措置に当たっては、粉じんの飛散防止対策の徹底が重要と考えており、引きつづき国及び東京電力に対して要望してまいります。
<回答のコメント>
震度5強程度の地震で圧力容器が倒壊すると予測されております。倒壊を防ぐため具体的な行動が必要なはずです。福島第一原発に津波が押し寄せると警告されていました。その際に非常用電源装置を高台に増設したならば大事故を防げたはずです。大地震が来る前の早期対応が必要です。
11)原発が攻撃を受けた場合,放射能の大量放出により私達は難民になります。絶対に戦争をせず,平和外交を求めてください
昨年3月当時の原子力規制委員長更田豊志氏は「原発の武力攻撃は想定していない。現在の設備で避けられるとは考えていない」と発言,昨年5月閣議後山口壮原子力防災相は「ミサイルが飛んできてそれを防げる原発はない。世界に1基もない」と報道されました。原発がミサイル攻撃を受けた場合,福島原発事故以上の大惨事が現実のものになり,とてつもない難民が発生し,国土が放射能で汚染されてしまい,我が国は壊滅的な状況になります。国際間の問題については,憲法に基づき絶対に戦争はせず平和的に解決するように国へ申入れていただきたくお願いします。
質問:以上について見解をお願いします。
[回答] 武力攻撃への対応は、国において外交及び防衛の観点から検討すべき事項と考えます。県としましては、引き続き、全国知事会等を通して、外交等を通じた武力攻撃の抑止等を求めてまいります。
<回答のコメント> 国へ「武力攻撃の抑止等を求める」とのことです。
(以上です)
2023年6月14日
宮城県知事 村井嘉浩 殿
宮城県原子力安全対策課 横田浩志課長 殿
2023年5月26日の要請書質疑応答会合に関する追加質問について
2023年5月26日に「女川原子力発電所の重大事故を防ぐため監視監督を徹底すること宮城県や周辺県民を守るため宮城県として主体的かつ積極的な厳重監視を求める際要請書(要請)」を市民6団体で提出し会合が開催されました。
会合の場を設定していただきありがとうございました。しかし会合時間が短く,要請の各項目について意見交換ができないままであり,また質問に答えていない項目がありました。改めて以下要請書Ⅱ 質問書 1東北電力ホームページ「女川原子力発電所の状況について(2022年8月分)」の(別紙1)「女川原子力発電所1号機の状況について(2022年8月分)」に係る質問の1)~4)について質問いたしますのでご回答をお願いします。
質問1 1号機は現在廃止措置の第1段階(8年間)中であり「燃料搬出」が項目の最初に記載されています。き裂事故は「休止中」ではなく「待機中の損傷」のはずです。電源を切っているから「休止中」で国へ報告しないとは,稼働中でも電源を切っている設備や危機は休止中になってしまいます。浜岡原発では通報該当事故となっていますが,県から国へ確認をしてはどうでしょうか。見解をお願いします。
質問2 支持台座の基準地震動は580ガルで耐震補強したとのこと,昨年3月16日の地震は1号機地下2階で震度5強367.5ガルと答えあり。これでは580ガルの耐震が367.5ガルの地震に耐えることができずき裂が入ったことになります。市民と電力との会合では「一回の地震でき裂が出たのか過去からの地震の影響かそこまでは原因不明」との回答がありました。き裂の原因をあいまいにせず科学的に明らかにすることを求めてはどうでしょうか。
原因を明らかにせずに済ますことは,2号機,3号機への影響も考えられることから今後同様な事故防止のためにならないのではないでしょうか。見解をお願いします。
質問3 電力は今秋までに台座を交換する計画であることを聞いております。交換する台座の耐震については県は把握していますか。安全上重要な機器の台座を国の許可を得ずに交換しても構わないものでしょうか。監督官庁へ報告せずに済ますような姿勢は安全をないがしろにする危険な姿勢ではないでしょうか。見解をお願いします。
質問4 県はクレーンの固有周期は商業機密に係る約定があり非公開とされているとの電力からの回答をそのまま答えとしております。県は商業機密の定義や約定について確認していますか。重大事故になると大きな被害を受ける人々の知る権利よりも商業機密が重要なのかとする私達の問に答えておりません。以上見解をお願いします。
質問5 天井クレーンは重量物を吊った状態の際の耐震について設計で確認されていないと技術者から聞いていますが,県から国や電力へこのことについて確認していただけませんか。
以上
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion13140:230722〕
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