経産省前脱原発テント座り込み日誌8月17日版
- 2023年 8月 20日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば1807日後
◎「山の日」に「海を汚すな!」と訴えつつ通行人と銭湯談議 8月11日(金)
珍しく一人で設営。事務所から椅子やパラソルやポールなどを担ぎ出し、経産省本館前まで運び出して順次設営。横断幕を支えるポールの支えに苦労。
日陰で一人昼食を食べているとMiさんが「韓国学生が来るのかしら」と問う。水曜にエール交換し、木曜に福島に行った彼らの金曜の行動は不明。Taさんがチラシとサンドウィッチを持って登場。続いてWaさんがアイスキャンデーと水と氷りを抱えて3人に薦める。確かに早く食べないと溶けてしまうので、二本ずつ頂くがそんなに減らない。
そこで、TaさんとWaさんが通行人にアイスと水の提供サービス開始。怪しげな顔をして断る若い女性もいたが、喜んで頬張るひとも。50歳ぐらいの男性は、仕事を終えてこれから銭湯に入ってくるとうれしそう。何と銭湯のスタンプラリーがあるそうで10軒ぐらい行くとタオルなどをもらえるそう。それでも510円と高価で、シャワーで我慢している私には贅沢そう。神谷町の喫茶店の仕事から帰りの20代男性もアイスも氷水も飲んでゆっくり楽しく話す。チラシを受け取って「がんばってください」と年寄りを励ましてくれる。
猛暑の中の座込みでも、皆さんとの会話が楽しかったので、3時過ぎに4人で気分よく片付け。さすがに経産省本館の各部屋も消灯していて抗議行動もお休み。はしゆきさんから呟きが聞こえるが、請戸海岸の前夜祭はどんなだろうか。(K.M)
◎いつもの卵に替わってバナナの提供 8月13日(日)
今日、私は用事があって、経産省に着くのが12時半過ぎになった。既に座り込みのセッティングは終わり、F原さんと自転車のE藤さん、S藤さんが寛いで、私の到着を待っていた。自転車のお2人は、私と入れ替わりに帰っていった。今日のアピールは横断幕5枚とのぼり旗12本。
曇り、湿度が高くとても蒸し暑い。じっとしていても汗が出る。ふと見れば、折り畳みテーブルの上に水滴が貯まっている。私の到着前に軽くひと雨降ったようだ。座り込み終了まで降らぬといいが。
座り込みに来てくれる人の為にと、原さんは手製のおにぎりとゆで卵をいつも用意してくれていて、ありがたい。そのおにぎりに替わって、今日はバナナが登場。何でも、F原さんの近所の個人経営のスーパーが、お盆休みの前に処分で安売りしていたそうだ。そういえば、今時のチェーン店は元旦以外休まないが、昔はお店がお盆に休業するのは当たり前だったな、と思い出す。
14時過ぎにまたにわか雨。強弱を繰り返して30分くらい続く。20日のデモ先頭で使用した横断幕は、赤色の文字がにじんで、白地が赤に染まってしまった。雨が止んでいる間に早めに撤収。今日の座り込み参加者は、他に西部ユニオンのS山さん、H野さん、キリスト教街宣車のT葉さんも来て、累計7人でした。
事務所で濡れたグッズを干す。試しにと、F原さんは文字がにじんだ横断幕を手洗いする。すると、白地の赤染みは「大体」落ちた。他の曜日の皆さん、どうぞ落ち具合を確認して下さい。 (M島)
◎お盆休みでお店もお休みが多く 8月14日(月)
きょうの東京は台風の直撃から免れたが午前中は急に土砂降りの雨に見舞われるという天気であった。しかし午後は一転してカンカン照りで湿度が高いので蒸し暑く汗かきの私には酷な座り込みであった。
温湿度計を見たら気温34℃湿度60%。この数値は帰る頃まで変わらなかった。
この暑さを見かねてMiさんが早めにガリガリ君の差入れをしてくれた。少し溶けてきたところを口にほお張り一時の涼を得ることができた。このあと3時頃、福島・浪江町から帰って来たRaさんからもガリガリ君の差入れを頂いた。お二人さん、ご馳走様でした。
きのうから世間的にはお盆休みなので食べ物屋はコンビニを除いて殆どがお休み。官庁の人たちは一部の開いている店に殺到していた。3時頃、地下鉄から上がってきた人が「ご苦労様です」と声を掛けてくれた。こちらも「有り難う御座います」と応答。
Raさんが皆にお土産として配ってくれた「福島伝承館」のパンフレットをしっかり検討してみたい。少し見たところでは津波被害と原発被害を一緒くたにして「複合災害」と呼び、地震で原発の配管がズタズタにされたことでメルトダウンした事に触れずに全てを津波のせいにして「津波が無ければ原発事故は起こらなかった」という事が目的ではないかと。 (保)
◎そういえば今日は終戦記念日 8月15日(火)
私(藤原節男)は、日曜日当番で、火曜日当番ではないので、通常、座り込みをしない日なのだが、午前10時、山本れいじさんから電話があり、「臨時当番になってほしい」とのこと。事情説明をお聞きして、快く引き受けた。
正午までに、座り込み準備でのぼり旗、横断幕の設定をすませた。設定は、「日曜日バージョン」で行ったが、今日の火曜日座り込みメンバーにはすこぶる評判がよかった。「すっきりしている」とのこと。写真を参照ください。正午座り込み開始から、徐々に人数が集まり、午後4時、終了定時までに延べ、10名程度の座り込みとなった。東京西部ユニオンの2人も途中、顔を出してくれて「8月15日、終戦記念日で、右翼が妨害にくるのではないかと思い、心配して来た」とのこと。お二人は、別のイベントがあり、しばらくして、そちらに向かった。
奥内さんと若木さんは「ひさしぶりに会った」とかで、後半座り込みはキャンセルして、近くの場所で面談タイ。三茶の渡辺さんは、アイスキャンデーの差し入れをしてくれた。「九条改憲阻止の会」のメンバー、江田さん、下山さん、三上さん、朝日さんは、座り込みをかねて、臨時集会を行っていた。
◎汚染水海洋放水の関心は深まってきた 8月16日(水)
今日も天気予報どおり36度C。お盆なので経産省に出入りする人もわりと少ない。
セッティングしてから、ずっと当番の2人だけ。アジア系の若いカップルがバナーの写真をとったので、保っちゃんがどこの国の人ですかと聞いたらドイツだと言われた。そして男性はスマホに英語で「This news is very good.」と書いて私たちに見せて、親指を立てて、笑った。そして「さようなら」と日本語で言って、交差点の方に歩いて行った。
「海に流すな」の幟旗は青い色がきれいで目立つ。郵便ポストの周りに立てた幟を見上げていく人が多い。小学4年生くらいの少年が「放射能汚染水を海に流すな」のバナーを声を出して読んでくれたので、「いまニュースにもなっていますからよく注目して下さい」と言うと「はい」と答えてくれ、お母さんも笑ってうなずかれた。若い女性2人がバナーの写真を撮ったので保っちゃんが話しかけたら、外国人らしくて笑って行ってしまった。
14時過ぎに雨が降り出す。気温は36度から30度に下がったが湿度が70%にあがって蒸し暑くなった。S、Uの2人とAnさん登場。保っちゃんがガリガリクンを買ってみんなにふるまってくれた。今日は5人だった。
◎「僕らはみんな生きている」という歌を思い出した 8月17日(木)
Yoさん、Inさんと3人で設営作業。今日も暑い。設営を終わると20代位の若者が机の上を覗き込んでニュースを1枚持って行った。12:20頃Suさんの知人Baさんが参加してくれる。先日の浪江での行動でSuさんと一緒だったといい、その時釣った魚の写真を見せてくれた。40~50cmあるスズキで、刺身にして食べたら美味しかったという。
後半Suさん、Taさんが加わる。別の用事で出かけてきたHaさんも立ち寄る。たまに来ているという熟年の男性もカンパをし座り込みに参加してくれる。Ok妹さんも来てくれた。Inさんが投書した「武器なくし憲法9条を世界に」という16日の朝日新聞の記事をみんなで回し読みしていると、頭上をシオカラトンボがかすめて行った。
歩道上には獲物をかかえたアリが行きつ、戻りつしている。無事巣に帰り着けるのだろうか?足元に降りてきたスズメを見ていたら郵便ポストの脇に生えているネコジャラシの穂に飛びついては、歩道に飛び散った草の実をついばんでいる。生物はみな懸命に生きている。「僕らはみんな生きている」という歌を思い出した。そういえばこの歌を歌いながら昨年大間の町をデモ行進したな、などと思っていたら終了時間になった。Suさん、Taさん、Ok妹さんと4人で撤収作業をして任務完了。私たちの原発推進勢力との「我慢くらべ」は明日も続く。(M.U)
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海を殺すな!海を汚すな!海は命の源だ! 汚染水海洋投棄反対行動 9月2日~3日in 福島・浪江へ
汚染水の海洋投棄を目前にした現地行動が福島浪江町の請戸川河口の海岸などで8月11日~13日に行われた。これは「希望の牧場」の吉沢さんが請戸川で魚をつり、その放射能汚染、つまり線量などを調べ、それを情報として発信していく行動に呼応していくことである。
吉沢の行為は汚染水放水によって汚染まみれになって行く、福島の海の未来を見据えてそれに対抗していくことを含んだものだ。
かつて安倍晋三が福島の海は汚染まみれになることが遮断されており、コントロールされていると断言し、今は汚染水を放水しても安全だという情報が垂れ流されている。そんなことはないという疑惑を海で働く皆さんも、周辺の人も、そして僕らも思っている。
こういう疑惑こそ科学的であり、政府のいう科学的いうのは根拠がない。ただ、政府や電気独占体などは放射線の環境への影響も含めてその解明への調査を否定し、解明することをネグレクトしている。そして、それを隠蔽し、解明することは風評被害を掻き立てることだと妨害している。僕らが放射線の環境への影響と環境との関係から放射線内部被爆を調査し、それを実証していくことは困難である。
それは放射線の内部被爆が症状として現れるまでに時間を要する事と、環境調査も含めて内部被爆を実証していく上での情報を含めた遮断(隠蔽)があるからだ。これにはお金も労力も必要であり、本来、これは公的な機関がやらなければならないことだ。しかし、公的機関はネグレクトし、妨害をするというのが実際である。
魚を釣り、汚染を自分たちで調査し、それを情報として発信していくことは、この困難な道を乗り越えていくことであり、放射線の内部被爆に対する方法と機能を生みさしていくことである。放射線による内部被爆との闘いを、海が汚染まみれになる未来から視線を取り込み、その構築としてやろうとすることだ。
汚染水の放出に対して。それが結果する未来を想像し、そこから闘いの道を構築しようとしているのだ。
この汚染水で最も直接的な被害を受けるのは漁民であり、請戸港に利用する漁民である。そして、また請戸港で水揚げされる魚を消費する浪江の人々である。請戸港で水揚げされる魚(おいしい魚)はな浪江の復興の基盤であり、力だ。請戸で水揚げされる魚は浪江の復興のシンボルとして喧伝されている。
それが汚染水の放出でダメになることは間違いない。漁民も浪江の人たちもそのことはわかっている。だから、放出に反対である。しかし、反対行動にはなかなかうごけない。ここには政府や行政の圧力がある、風評被害を助長すると。この圧力は国民は放出に反対であり、浪江の人たちが反対行動をしても孤立することがないという行動がなければならない。
僕らは請戸川河口の海岸に海洋投棄反対の意思表示をするテントを張り巡らさなければならない。ここに汚染水海洋投棄反対のテント村を出現させようとしている。かつては山登りや家族でのキャンプに使ったが、今や押し入れや収納袋で眠り、断捨離の対象となっているテントがあれば寄贈してほしい。請戸河口の海岸を汚染水放出反対のテントで埋め尽くしたい。
9月2日(土)~9月3日(日)は請戸川河口海岸でのテント張りを中心に集会・請戸漁港でのデモ・魚つりなど多彩な行動を展開する。「フクシマ現地に行く会」(連絡先 テントひろば事務所(03-6206・1101)・三上治090-3908-7330)
テントの寄贈とカンパをお願いしたい。
カンパ先 郵便振替口座:00160―3-267170 口座名義:経産省前テント
ひろ(通信欄にフクシマ現地闘争とお書きください)。経産省前テントひろばへのカンパも歓迎します。テントの寄贈される方連絡ください。
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●8月25日(金) 経産省正門前(テントひろば)抗議行動
17時~18時 経産省前テントひろば
●8月24日(木) 午後2時30分 月例祈祷会
会場:経産省前テントひろば
予定:14:30~ 芸能の時間 14:50~ 「月例祈祷会」 厳修
●8月27日(日) 脱原発青空テント川柳句会 12時~
選者;乱鬼龍 田所;経産省前テントひろば
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緊急!汚染水流すな! 8.25官邸前行動
日時:2023年8月25日(金) 12時~13時
場所:首相官邸前(地下鉄・国会議事堂前)
〈参加のお願い〉
8月25日(金)12時~13時 官邸前
いよいよ海洋放出の時が迫ってきました。
テントのトラメガをお借りして以下の行動をします。
是非ご参加ください。よろしく!
乾喜美子
岸田政権はこの8月末、福島原発事故由来の汚染水を、海に放出しそうです。海はみんなのもの。ゴミ捨て場ではない。
漁業者との約束守れ!と官邸前で声をあげます。
一緒に声をあげませんか?
呼びかけ:放射能汚染水放出に反対する北区の会
共催:ふぇみん婦人民主クラブ
さよなら原発品川アクション
連絡先 大束愛子 電話(090-1266-8645)
共に歩こう 汚染水放流停止行動
「汚染水放流の中止を求めて1600km韓日市民徒歩行動」
李・元栄(イ・ウォニョン)(韓日市民徒歩行進隊長)さんから
日本の市民さん一緒に歩きましょう!「汚染水放流停止」~東京 9月11日
日本全体日程+地図
<https://tinyurl.com/yryn6n3u> https://tinyurl.com/yryn6n3u
【予告案内】
9.11「経産省前テントひろば」12周年大集会~海を汚すな!核ゴミ増やすな!今年こそ脱原発を!~
2023年 9月11日 (月) 15時~18時 経産省本館前
東電福島第一原発事故後12年5カ月が経過しました。
私たち「経産省前テントひろば」は、事故の半年後に事故責任をとり事故被害者を救済し事故原因を究明し脱原発に政策を変えることを訴えて、経産省の一角にテントを建て泊まり込みを続けました。無念にもテントが撤去されましたが、「経産省前テントひろば」は全国の方々の支援を受けながら、経産省本館前に毎日交代で座り込み、毎週金曜日夕刻には経産省に向かって1時間の抗議行動をし続けています。
ドイツ政府は、3.11事故をきっかけに脱原発を決意し、本年4月には国内の総ての原発を止めました。にも拘らず、残念ながら、岸田政権・経産省・原子力規制委員会・東電は、私たちや多くの脱原発を訴える人びとの声を聴く耳を全く持っていません。気候危機とエネルギー危機と電力逼迫を口実に、GX推進と称して原子力発電生き残り策を推進しています。特に、営業運転開始後40年以上経過した老朽原発美浜3号,高浜1号の稼働が開始され、関電は高浜2号の9月中旬再稼働を目論んでおり、いつ若狭の原発が事故を起こすか非常に心配な状態です。更にGX推進法を受けて、老朽原発の寿命延長が検討されています。半世紀以上の原発稼働で貯まった使用済み核燃料(核のゴミ)が増え続け、各原発立地では燃料プールが満杯になろうとし、行き場が無い毒物を解決策が見つからないまま末代にまで押しつける政策が今も続けられています。
一方、福島は全く終わっていません。緊急事態宣言が今も生きており、東電福島第一原発(イチエフ)の廃炉ロードマップを誰も信じていません。「廃炉」の定義も姿もあいまいなまま百年以上かかると言われています。イチエフへの地下水流入対策も失敗続き、経産省・東電は地元や漁協との約束を破り、130万トンを超える放射能汚染水を30年以上かけて海洋投棄し続け福島港・太平洋を汚し続けようとしています。
スリーマイル事故(米国)でもチェルノブイリ事故(ソ連)でも行われていない事故原発核ゴミ海外放出の暴挙です。
私たち経産省前テントひろばは、今年も9月11日(月)に脱原発を訴える多くの方々と共に抗議大集会を開催します。この日は、韓国「放射能汚染水(処理水)放流中止日韓市民徒歩行進」が東京に到着する日で、エールの交換をします。多くの方々にご協力・ご参加をお願いします。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5099:230820〕
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