経産省前脱原発テント座り込み日誌9月28日版
- 2023年 10月 2日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年9月28日は、座り込み4,401目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ トリチウムの流布、これは権力の常套手段 9月22日(金)
セッテング時、曇っていていたが雨は降ってこなかった。しかし、蒸し蒸しする天気だった。今日はこのまま降らないで欲しいと願った。バナー張りや椅子だしの時、イロハの女性以外にもう一人作業の手伝いをしてくれる女性がいた。3週間連続でやってきている。嬉しいことだ。また、若い男性がやってきて、「いつからやっているのですか」と声を掛けてきた。「福島原発事故以来もう12年になります」と言うと、「頑張ってください」と声を掛けてくれた。励まされて嬉しくなった。
また一人、若者が立ち止まり、「汚染水ですか?」「トリチウムは人間の身体の中にあるものでしょ。大したことはないんでは?」 と言って来る。こちらから「すぐには、症状は出なくても時間とともに、人体に悪影響はきっと出てくると思いますよ。水俣病もそうだったでしょう。有機水銀を放出しているのは工場の人たちは知っていたし、それを押し隠していた。結果どうなったか、猫や犬に症状が現れ、次に人間にまで症状が出て、しまいには生まれてきた赤ちゃんにも先天的な異常が出てきた。裁判で争っても、元に戻るわけでもない。50年前のできごとだが、まだ裁判は続いているのですよ」というと、知らなかったようだ。
さらに若者は「あなた達はどうせそんなに長くは生きていないでしょ。先に死んでいくでしょ」という。こちらから「そう言うあなた達こそ気を付けなくてはならないでしょ、この先30年、40年と生きていくのに放射性物質まみれになった環境で生きていくなんて」と言うと、若者は押し黙ってしまった。
今日は久しぶりにサンケン太郎さんがやってきた。「どうしたの、しばらくぶりだね」と聞くと、「報告書がやっと書けて、報告会も無事終了」とのこと。クルド人に対するヘイトスピーチについての報告書だった。随分頑張ったようだ。ゆっくり読ませてもらうことにした。前半が終了するまでは、雨もたいしたこともなかった。私とサンケン太郎さんと、Eさんは時間になったので文科省抗議に出かけて行った。(S・S)
◎ 激しい雨の中で経産省抗議行動 9月22日(金)
17時前から大粒の雨が降り出す中で抗議行動を開始。脱原発、再稼働反対、美浜・高浜止めろ、汚染水を海に流すな、…のコール。田中一郎さんがブライダル森まさ子糾弾、自民党に投票するな、汚染水差止訴訟への支援、安倍政権からの法人税増税ストップと復興予算を軍拡に使うことを批判。K.Mから9.11の動画アップと週刊金曜日記事を紹介。Okさんが懐かしい「戦争を知らない子供たち」「ひょっこりひょうたん島」を歌って戦争反対を訴える。
三上さんが放射性物質をまき散らす原子力ムラを批判し汚染水海洋投棄を糾弾し、従来の運動と異なる運動を推奨し請戸海岸テントを紹介。K.MからICRPやIAEAやUNSCEAに騙されない様に。核実験・チェルノブイリ事故・英仏の再処理工場の影響が北極圏の氷床に現れている。Moさんが激しい雨ゆえアカペラで「座り込め、ここへ」と東電の汚染水海洋投棄を批判し「水に流すな」を歌う。Obさんが経産省本館に向かって経産相の原発推進を糾弾。Baさんが1999年9月30日JCO臨界事故の抗議行動案内。最後に大雨の中脱原発コール、経産省は今だけ金だけ自分だけを止めろ、脱原発、NOWAR、NONUKES、…。Raが9.11集会を評価し報道(週刊金曜日9/22)を紹介。少し早めに切り上げ、激しい雨の中で、多くの荷物を藤原節男さんの軽自動車に載せて、台車運びとチャリ移動とともに片付け。(K.M)
◎ 何が問題かいつも見ていることが大事だ 9月23日 (土)
・増税から逃げてはいけない
応能負担から逃げてはいけない。少子化の元凶に払う追い銭はない。(`@´)
・崩れた信頼の回復が急務
信頼したことなど一瞬たりともないが、無いものは回復しないし、求めてもいない。マイナやめれ。
新聞記事には「制度の根幹を揺るがす事態、制度の見直しが必要」とあるが、設計の不備を指摘されている船を進水前に出航させたようなものだ。今更である。しかも厭がる人達を無理やり乗船させようとしている。
浸水・火災を繰り返しながら時間をかけて修理するつもりらしいが、その船は、水に浮かび航行できる設計になっているのか。そもそも船自体が必要か。見切り発車で問題発火、あとは消火もせずに自治体に責任転嫁、その繰り返しだ。(`∩´)(O∩O)
・内閣支持率向上委員会
首相を代えれば当初は高い支持率を得られるかもしれない。必要なのはメディアうけするキャッチフレーズだ。「どじょう」でも「鰻」でも「王様の耳」でも「キックミイ」でも何でも良い。中身や根拠は不問、期待感を醸成すればよい。
せっかく上がった支持率も一度も洗ったことがない盃に新しい酒を入れただけでは降下するだけだが、危険域に至るまでには時間がある。それまでに国民の期待と忘却を利用する。 (O・O)
◎ テント日誌 9月24日(日)
私(M島)が経産省に着いた時には、座り込みの設営は終わっていて、いつも手伝ってくれる自転車のお2人はすでに帰っていた。藤原節男さん、乱鬼龍さん、芒野さんが待っていた。今日はテント句会。芒野さんからお彼岸ということでおはぎを頂く。ありがとうございます。
晴れ、風が爽やか、カラッとして過ごしやすい。「涼しくなった」と皆、口にする。午後1時頃、右翼の街宣車が何台も、虎ノ門交差点を新橋方面に通り過ぎる。昨日も座り込みに来ていた東京西部ユニオンのお2人によると、昨日の中核の反戦デモでは、機動隊の交通封鎖の都合で一時、座り込みの背後の道路に右翼の街宣車10台が「集結」したそうだ。しかし座り込みへの襲撃はなかったとの事。
乱鬼龍さんと芒野さんは世間話が尽きない。W辺さんは木製の可愛いマイ椅子を持参。座面には子ぐまの顔。午後1時半頃、千葉さん、続けてT崎さんが来る。千葉さんは藤原さんからおにぎり、ゆで卵などをもらうとすぐ帰る。午後2時近くなると、座り込みメンバーは話を控えて、それぞれ句をひねる。午後2時頃、日本山妙法寺の尼僧とイタリア人女性が訪れる。今日は汚染水放出から1ヶ月なので抗議に来たそうだ。そうか、今日が節目の日だとは、我々も気付かなかった。
乱鬼龍さんから、今日3時に日比谷公園からデモがあると聞く。「さようなら原発」の汚染水放出1ヶ月デモだそうだ。芒野さんはネットに全然流れて来ていないと歎く。私も今、聞いて初めて知る。乱鬼龍さんにはメールが届いたようだ。座り込みの後片付けをしてからでは間に合わない、残念。
「さようなら原発」のデモに参加する男女2人が訪れる。2人は句会の秀作発表と講評を座り込みメンバーと一緒に聞く。次回のテント句会は、月末に主催者乱鬼龍さんが福島の請戸に行く都合上、いつもとは早めの10月15日。句会に参加する皆様はお忘れなく。今日の座り込み参加者は累計13人でした。(M島)
◎ 9月24日(日)12時より脱原発青空テント川柳句会が開かれた
秋晴れの、風が涼しく爽やかな1日でした。参加者は6名、選者は乱鬼龍氏、席題は「努力」「どうする」。14時30分投句締め切り、14時45分より入選者の発表、披講となりました。
選者により入選句が読み上げられ、入選者へ”運動ののりを良くしよう”おかずのりや、りんご、”原発は未完の技術”みかん、バタークッキーなど数々の賞品が手渡されました。
入選句は以下の通りです。(S.E)
「努力」の特選
・目指してる 未来がちがう 民(たみ)自民 - ふ64
「努力」の秀句
・12年 努力の結果 再稼働 - 原子力ガリレオ
・復興の 努力のみ込む 汚染水 - ふ64
・汚染なくす 努力怠り ただ流し - 芒野
・抗えよ 努力の汗 時代を拓く - 海の民
・ウクライナ いつまでつづく ロングラン - 三里塚
「どうする」の特選
・どうするの やがては来るぞ ガン新世 - 海の民
「どうする」の秀句
・ゲンパツはどうする これからの日本は - 針谷辺ら本亭(ハリーベラフォンテ)
・トリチユム いつまでつづく 流しだね - 三里塚
・日本人 走り続ける 倒れるまで - ふ64
・核のゴミ 処理もできずに また稼働 - 芒野
・どうするの 逃げじたくして 生きるのか - 原子力ガリレオ
次回の脱原発青空テントひろば川柳句会は 2023年10月15日(日)12時より開催いたします。是非ご参加ください。(S.E.
芒野)
◎「汚染水問題」の反応を見ているのだが 9月25日(月)
朝、家を出る時は曇っていて涼しかった。しかし地下鉄の六本木駅から地上に上がってきたら、小雨がパラパラと降っていたので、ビックリした。その雨も西新橋に来たら止んでいた。事務所で一服して、経産省前に向かう頃には太陽がギラギラと輝いていて、いつもと変わらぬ暑い一日であった。
きょうの座り込みは常連4人だけだった。傍聴に値するような裁判がなかったのか、いつもは姿を見せる裁判ウオッチャーのOnさんも顔を見せなかった。珍しい!
淡々と反原発ソングを流しながら経産省前を通る人々に「海は命の源」「海は世界と繋がっている。その海を汚してはいけない」「原発汚染水を海に流すな!」と声掛けした。残念ながら、これといった反応はなかった。 医療生協からのメールに答えていたら、時間が来たので、皆で片付けて撤収した。(保)
◎ 黙礼していく修学旅行の生徒あり 9月27日(水)
曇りなのだが、湿度が高く蒸し暑い。最初は当番だけの座り込み。今日の午前中は井戸川さんの裁判があって、Sさんが、裁判後の報告集会の前にテントに寄ってくれた。
午後2時過ぎに、経産省前にリクルートのコスチュームの大学生が集り始め「大学生生協公務員講座」というプラカードを出した。聞けば、大学生協連?がいろんな大学の学生を集めて「経産省の就活レクチャー」を受ける手配をしているらしい。約40人の学生が集った。
修学旅行の生徒さんらしい数人の集団が通ったりするとき、「原発反対」「処理水は汚染水です」と声掛けをした。座り込みに黙礼をして下さって通り過ぎる人もいる。(T・I)
◎ 放射能の汚染水を流すな、その通りだね 9月28日(木)
Inさん、Yoさん、それに裁判傍聴前に立ち寄ったKawさんと4人で設営作業。今日は真夏の暑さがぶりかえし、じっとしていても額から汗が噴き出す。Kawさんは、いつもの「あきらめないせんべい」を差し入れてくださった。今日の裁判は分限免職になった音楽教師の件だという。近年の教育現場の状況は相当厳しいようだ。
私(M.U)は、先日「教育と愛国」という映画を観てその認識を新たにした。ちなみに、この映画にYoさんに似た人が映っていたので、本人に聞いたら、やはりYoさんだと判明した。13:15、Kawさんの傍聴仲間の男性も立ち寄り、ひとしきり座り込みして下さる。14:00に短つばハット姿の男性が加わる。
14:30頃、通りかかった熟年男性が「放射能汚染水を海に流すな」の横断幕を見て「その通りだよねえ。日本だけが悪者になって恥をかいてる。」とつぶやき、「がんばってください」と言って立ち去った。こういう反応を示してくれる人が一人でもいるのは、うれしい。14:45、Taさんが参加。15:30英語の先生もひとしきり座り込んでくださった。時間になりTaさん、短つばハットの彼と3人で撤収作業し任務完了した。(M.U)
=========投稿1========
海洋放出に先立つ海水希釈について
アルプス水の希釈とリットル当たりトリチウム濃度におけるごまかし。
(石上健二)
東電は国民を欺き、海洋放出規準の2,3倍である、トリチウム濃度14万Bq/Lの汚染水をアルプス水貯蔵タンク10基分、
13 000トンを、放出した。
En abusant le peuple,TEPCO a jet? 13 000 m 3 de l’eau pollu?e de radioactive, densit? de tritium140 000Bq /L qui est 2,3 fois sup?rieur
de la norme pour jeter ? la mer.
「処理水ポータルサイトのALPS処理水の処分について」のなかで、《放出規準について》、以下のように述べられている。
–Quote–
放出水のトリチウムの濃度は、放出前のトリチウム濃度と希釈水量で評価し、1,500ベクレル/リットル未満とします。
この濃度は、国の安全規制の基準※(告示濃度限度)である60,000ベクレル/リットルおよび世界保健機関(WHO)
の飲料水水質ガイドラインである10,000ベクレル/リットルを十分下回ります。年間の放出量は、当面、事故前の福島第一原子力発電所の放出管理目標値である年間22兆ベクレルを上限とし、これを下回る水準とします。
なお、トリチウムの年間放出量は、廃炉の進捗等に応じて適宜見直すこととします。※国のトリチウムを含む水の環境放出の規制基準(1リットルあたり60000ベクレル)は、原子力施設の放水口から出る水を、毎日、その濃度で約2リットル飲み続けた場合、一年間で1ミリシーベルトの被ばくとなる濃度から定められています。
【参考】自然放射線から受ける被ばく線量(年間平均・日本)は約2.1ミリシーベルト
–Unquote–
トリチウムの濃度は希釈前、アルプス出口等でのサンプリングで確認するが、告示濃度限度の60000Bq/Lを下回っていることは、該当アルプス水を40倍に希釈したときに1500Bq/L以下であることで再確認できる。 (1 500Bq/L x 40=60 000Bq /L)
しかし、希釈前濃度が告示濃度を下回っていないアルプス水を100倍に希釈して 1 500Bq/L を下回ったから放出可能とするのは誤りである。1 500Bq/Lx100=150000Bq/Lであり、告示濃度限度を6万Bq/Lから15万Bq/Lに上げるのと同じことだから。
同様に、アルプス水流量19m3/時のところ、希釈用海水送水ポンプ1台で薄める場合、流量7083m3/時で計算すれば370倍に希釈され、140000Bq/Lだったアルプス水は378Bq/Lを示すはずだが、それが1500Bq/L以下だから放出可能とするのは誤りである。この場合は60 000/370=162Bq/Lを下回らなければ放出できない。
ポンプ2台で薄める場合は、740倍に希釈され、希釈後は189Bq/Lを示しているはずだが、この場合も1500Bq/L以下だから放出可能とするのは誤りであり、放出するには60000/740=81Bq/L以下でなくてはならない。
これら、海水で希釈して1500Bq/Lになれば放水できるとするのを認めることは、どんなに濃いアルプス水でも、相応に希釈すれば放出できるということであり、たとえば、現在ストックされているアルプス水のトリチウムの濃度は14万Bq/Lから250万Bq/L、加重平均で73万Bq/Lであるが、この度放出した10倍の140万Bq/Lの汚染水でも、3台の海水送水モーターを使えば1 110倍に希釈でき、ごまかしの基準では 1 400 000 / 1 110=1261Bq/Lとなるので1500を下回るので海洋放出可能とされるということだ。140万Bq/Lを超える貯蔵タンクはあるが、10基ごとにまとめて処理されるので、10基の選択を工夫すれば、ほぼすべての放出が可能とされるだろう。
危険極まりないこの規準は即急に見直されるべきであり、即刻の海洋放出の中止を要求する。すべてのタンク内の現在のトリチウム濃度は14万Bq/L以上であり、海洋放出はできない。政府と東電は希釈すれば安全と説明して私たちを騙し、結局は、トリチウム海洋放棄基準の2,3倍の汚染水をタンク10基分海洋放出したのである。
希釈という行為では、希釈後に全量を即刻放出するのだから、放射線総量は同じであり、希釈に大した意味はない。放出されてから海が為す希釈の一部をあらかじめ陸上で行っているだけである。希釈する行為は、太洋へのより良い、より速い混合や、海岸や河口付近の停滞を少なくするためであり、放出の行為の一部と考えるべきであろう。告示濃度限度を下回っているかどうかは、希釈前の濃度との比較で決まり、希釈後の濃度とではない。
海洋放出を言い出した2021年、排出口でのトリチウム濃度を1500Bq/L以下にするために100倍に希釈すると発信を始めたときから、一部の賢明な人たちはきちんと述べていた。「500倍に薄めても、500倍放出すれば同じことでしょう」 と。
また、他の国の基準に比べても甘すぎる6万Bq/Lという海洋放出のためのトリチウムの告示濃度限度にも問題ありだが、(合衆国は3万7千Bq/L) 曲がりなりにも国の基準である。国と東電は厳守するべきだろう。さらには、含まれる核種の告知濃度比の総和の計算にもごまかしがある。今回のトリチウムの告知濃度比は14万/6万で、2、3である。それ以外の核種の同比が100倍に希釈したときに100分の1になるというのも、詭弁である。薄めて放出可能になるなら、特殊フィルターもアルプス処理装置もいらない。
トリチウムの放射線量が少なくなるまで、どこかにタンクを増設してストックすれば良いではないか。例えば福島第2に。それほど大掛かりな送水装置は必要ではなかった (40倍に薄められれば告示濃度限度を下回っているかの再確認ができた) ポンプを使えば楽に送水できるだろう。その間、トリチウム以外の核種の放射線除去の技術の向上も見込めるだろう。もう東電はこざかしいごまかしは止め、真面目に私たち皆の、子供たち孫たちの、大事な問題に取り組むべきだ。自信のない技術者は辞めてもらい、広く社内外に人材を求めたらどうだ。そして、情報の完全な開示をすること。必ずや、原発廃棄と福島再建のための、より良い結果が得られると私たちは信じる。
=========投稿2========
経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その215
行き場が無い放射性物質で地球を汚すな
~核ゴミの実態を明らかにしない経産省・原発一基が造る核ゴミ~
2023年9月29日 木村雅英(経産省前テントひろば)
1.放射性物質で地球を汚すな
核実験や原発事故、氷床で確認 人新世、放射性物質指標に 8/17(木)
16:11共同通信配信
東京大などのチームは、核実験や原発事故、使用済み核燃料再処理工場由来とみられる地球規模の放射性物質放出の痕跡を、北極圏の氷床で確認したと、国際学術誌電子版に発表した。分析に利用した放射性物質は長期にわたり環境に残るため、人類が地球に及ぼした影響を刻む新たな地質年代「人新世」の有効な指標になり得るという。
チームが着目したのは、放射性物質の量が半分になる半減期が1570万年の「ヨウ素129」。大半は核実験や原発など人為的な核利用で生成されるという。
1950年代後半~60年代前半に当たる部分から高濃度のヨウ素129を検出。米国と旧ソ連が大気圏核実験をした時期とおおむね一致。70年代も濃度が高く、核燃料の切断や溶解などの工程がある英仏の再処理工場からの放出記録と重なった。86年4月に起きたチェルノブイリ原発事故の翌年にも顕著な放出の痕跡が確認された。
北極圏の氷床(2007年まで)から、核実験、チェルノブイリ事故、英仏再処理施設からの放射性物質の痕跡放射能汚染が最大の地球環境破壊人類は、省エネルギーに努め、核のごみ(死の灰)を生み出す核発電(原子力発電)をやめるべき。
2.核ゴミの実態を明らかにしない経産省・原子力規制委員会
原子力施設に係る平成30年度放射線管理等報告が最新?
平成30年10月17日(平成 31 年 2 月 27 日一部訂正) 原子力規制庁 抜粋
<1.放射性廃棄物管理の状況について
(1)放射性気体廃棄物及び放射性液体廃棄物の管理状況
略
(2)放射性固体廃棄物の管理状況
放射性固体廃棄物の管理状況については、全ての原子力施設において放射性固体廃棄物が貯蔵設備容量を超えて保管されている施設はなかった。
各原子力施設における平成29年度末の保管量
実用発電用原子炉施設:約687,700本 ※1,2
研究開発段階発電用原子炉施設:約 26,200本 ※2
加工施設 :約 54,700本 ※2
再処理施設
低レベル放射性固体廃棄物:約121,700本 ※2
高レベル放射性固体廃棄物:約 6,800本 ※2
せん断被覆片等: 221本 ※3
ガラス固化体: 652本
廃棄物埋設施設
均質固化体: 約148,100本 ※2
充填固化体: 約148,900本 ※2
JPDR解体廃棄物 : 約1,670トン
廃棄物管理施設
低レベル放射性固体廃棄物: 約 31,700本 ※2
返還ガラス固化体 :1,830本
試験研究用等原子炉施設:約132,000本 ※2
核燃料物質使用施設 : 約 84,900本 ※2
※1:東日本大震災前の福島第一原子力発電所の保管量及び貯蔵設備容量、約185,800本を含む。
※2:200リットルドラム缶換算値。
※3:1,000リットルドラム缶換算値。
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プルトニウム(分離型及び核燃料内)、L1、L2、L3や廃液の実態を明らかにするべき
3.一基の原発稼働で造られる核ゴミ量
「核の毒」勘定書(久米三四郎「科学としての反原発」から)
電気出力100万kW原子炉1基が1年間運転すれば
○ウランの必要量
ウラン 140トン
ウラン鉱石(0.2%として) 7万トン
”残土”込み 70万トン
○「死の灰」生産量 広島原爆1000発分
セシウムー137だけで 20京ベクレル(10の16乗)
○プルトニウム生産量 250kg
核爆薬として 長崎型20発分
放射性毒物として 600兆ベクレル(10の12乗)
○放射性廃棄物(「核のごみ」)
「ウラン廃棄物」 200万本(ドラムカン換算)
「低レベル廃棄物」 1000本(ドラムカン換算)
{超ウラン廃棄物」 1000本(ドラムカン換算)
「高レベル廃棄物」 30本(キャニスター換算)
キャニスター:鋼製、またはステンレススチール製の筒型容器
4.ウクライナ戦争が示す使用済み核燃料が危険
ウクライナ戦争におけるザポリージャ原発の危機が、発電後数年ほどしか経過していない使用済み核燃料は電気または水が滞って冷却が止まると大規模放射能汚染を起すことを明らかにした。原発を動かしてプールに使用済み核燃料を増やすことが、軍事目標になり得るほど危険である。
電気は足りている(あるいは余っている)のだから、原発稼働をするべきでない。
5.六ケ所再処理施設の破綻、すなわち核燃料サイクルの破綻
26回完成を延期した老朽施設は稼働できない。核燃料サイクル破綻!
【参考】核燃料サイクル政策 進むも退くも(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sci_cul/2021/09/story/story_210927-2/
=====添付資料=====
原発週報2023. 9.20-9.26 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
・10月4日(水) とめよう東海第二原発 20年運転園地長反対
第63回日本原電本店抗議行動 17時~18時 日本原電本店前
・10月4日(水) 東電は原発事故の責任を取れ
第121回東電前本店合同抗議 18時45分~ 東電本店前
・10月8日(金)経産省前抗議集会(毎週金曜日)17時~18時
・10月28日(土)、29日(日) 請戸川河口テントひろば
創設 お披露目式のお誘い 汚染水放出反対闘争の持続的展開のために
現在、福島浪江の請戸川河口ではテントが張られ汚染水放出反対運動の拠点の構築が進められています。これは我々が海の汚染度を独自に調査し、検査しそれを情報として発信していくための根拠地です。同時に汚染水放出の意思表示の場です。同時に汚染水放出反対する人たちが集まり交流する場です。汚染水放水は長期にわたることですが、これに持続的に対していく場であり、闘いの根拠地です。この場ではいろいろのことが企画され、また発心されるでしょう。このテントひろばの創設、お披露目式が10月28日(土)・10月29日(日)に行われます。詳細は次号で発表されることと思いますが、チラシなどではお知らせする予定です。是非、参加してください。(「現地に行く会」三上)。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5118:231002〕
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