経産省前脱原発テント座り込み日誌12月14日版
- 2023年 12月 17日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年12月14日は、座り込み4,478目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 風邪が流行っているようだ。要注意だね 12月8日(金)
最近、風邪の人が多いようです。高熱の出る風邪が流行っているようで、まわりでも学校を休むとか、外出できないとか言っている人がいます。今日は、Sさんも家族の看護のためにお休みだったので、女性四人で準備しました。グリーンの長い園芸用の棒が戻っていて助かりました。非接触型の体温計も棒も、ある時なくなって、ある時(すぐとは限りませんが・・)戻ってきます。不思議なことです。金曜日は、椅子の数などもいつもより多く用意しますので、使ってないように見えても置いていてください。
(お休みしたSさんは、日曜日に新しいプラスチックの箱をテントに買ってきて運んでくれました。これは約三千円でした。これまでの箱は蓋が壊れて、どうにかならないかと思っていましたが、11月26日に府中市であった「朝鮮文化とふれ合う集い」のフリーマーケットに参加した収益金の一部で買いました。いろはの会で「大間原発反対関東の会」の資金の一部にならないかなと思って、昨年から参加しています。テントの方からも物品の提供などで協力してもらいました。しかし、重い、重い自家製のレモンを100個以上も運び、北海道のジャガイモや服や鞄を並べて、一日中立っていても、収益は9000円くらいです。寒かったし、ややがっかりですが、美しい歌声も聞けたし、まあいいかと思い、テントから協力してくれた方も多かったので、相談してSさんに箱を買って持って行ってもらいました。今の予定では、来年もしますから、皆様、捨てる前に「これは売れるかも」と思うのがありましたら、いろはのメンバーに声をかけてください。あまり重くないもので、お願いします。今年は「知っていたら、捨てなかったのに」という人がいたので、今から、どんどん集めます。)
さて金曜日は、3時頃まで、人はすくないままでした。開戦の日だというので「あの戦争は国を守るために間違ってはいなかった」という話をスピーカーで淡々と話す街宣車などが来ました。しかし遺骨さえひろわれないままで、美化されてもたまらないなと思いました。天気は良く、穏やかな日ですが、早く風邪が良くなってみなさん出てきてください。
◎ガザ虐殺を糾弾しイスラエルボイコットを、愚かな原発推進政策を止めよう 12月8日(金)
じっと座っていると寒くなって来て、厚着になる頃、大きなトラメガ2台セットを運んで太田光征さん(BDS Tokyo)が、「澁谷でのガザ虐殺反対シットインで使うのだけれど、良かったら経産省抗議にも使って」と差し出してくださる。
17時に3つのスピーカーを使って、世界が注視する中でガザ虐殺を再開したイスラエルとそれを止められない岸田政権への抗議の声で、抗議行動を開始。
太田さんが、原発再稼働批判とともに、パレスチナの歴史とガザ虐殺の真実を伝え、イスラエルのプロパガンダに騙されない様に訴え、日本国憲法の前文「世界の総ての人びとが平和のうちに生存する権利を有する」を確認し、日本国民はガザ虐殺を止めさせる行動を起こす必要がある、ガザ即時停戦を訴えるネット署名をしよう、マクドナルドやスターバックスやサブラやHPなどイスラエルボイコットをしよう。
田中一郎さんが、シーベルト問題、すなわち内部被ばくを全体重で平均化するシーベルトを使う問題を指摘。放射線が万病のもと、被ばくを極力避けないといけない。Okさんが、青田恵子さんの詩「冬の風鈴」を朗読、「冬に風鈴 どこ悪い 今日も奏でる カラコト カラカラ…フクシマ忘るなと 警鐘を鳴らす」と。Shiさんが、「沖縄の映画を観よう!かわさき」の抗議書から、川崎市の新百合ヶ丘総合病院(民間病院)で自衛隊演習「戦争の演習」が行われたことを批判、自衛隊統合演習に強く抗議。
Moさんが、82年前の真珠湾攻撃と日米戦争突入とその後の無惨な戦争を振返り、戦争を二度としてはいけないとアピールのあと「座り込め、ここへ」と「水に流すな」を歌う。K.Mから汚染水海洋投棄について、「水産資源保護法」違反ではないか「水質汚濁防止法」違反ではないかを各省庁にヒアリングしている。Obさんが、多くの大企業が原発推進をしている、日本が腐った連中に管理されている、と嘆く。
Miさんが、日米開戦の日、汚染水を処理水と報道するメディア、ガザの問題とイスラエルによる占領政策、請戸海岸の取組みと汚染水反対闘争、政治資金問題、政治とカネの問題を追及する闘い、ささやかな闘いでもやり抜こう。
K.Mから、乱鬼龍さんの写真表紙と請戸川河口テント見開きの「季節」最新号と青木美希著「なぜ日本は原発をとめられないのか?」(文春文庫)を紹介し、12年8カ月を振り返り、原子力ムラのキャンペーンに負けないよう、例えば原発は地球温暖化対策にならない。Hoさんが、高浜からのMOX使用済み燃料のフランスへの移送の愚かさ、パレスチナへの応援、政府のやりたい放題にブレーキを、経産省の横暴に抗議。最後に、NOWAR、NONUKES、ガザ虐殺を止めろ、総ての原発を廃炉にしろ、核のごみを増やすな、老朽原発うごかすな、命を守れ、地球を守れ、未来を守れ、…のコールで終わる。(K.M)
◎ 暖かさが報じられるが、それでも、結構、冷える 12月9日(土)
Ogさんがお休みで、3人でセッティング。天気予報のとおり12月と思えない暖かさだったが、太陽がプラタナスの陰に隠れると、やはり冷える。太陽の有難さが身に沁みる。夏には反対の気持ちになることを考えると勝手だなとは思うけど・・・・
座り込み始めるとすぐ自転車でやって来た男性が、チラシがあるか聞いて来たので、Kgさんがテントニュースを渡し、私もALPS処理汚染水Q&Aのチラシを渡す。テントの存在を知っていて、わざわざ取りに来てくれたようで嬉しい。その後、H君・Sgさん・Hiさんも来て、請戸のことなどで話が弾んでいた。
私は今週号の週刊金曜日の特集「原発汚染水」を読みながら座っていた。汚染水の呼び名についてのメディアアンケートが興味深かった。自民党の裏金騒動や、ガザのことなど、世の中、問題ばかりだが、経産省前は、人通りも少なく平和に過ぎて行った。(I・K)
◎ 月例祈祷会があった、いつも、話はなかなかのものだ 12月11日(月)
きょうから(月)に来てくれていたYaさんが?担当になったので、3人体制である。きょうは、日本祈?団JKS47士による祈?会の日なので、関係者が午後1時半に来られる。いつものように金一封を頂く。きょうはMiさんも午後1時過ぎに来られたので、観客は4人であった。いつも来ていた裁判ウオッチャーのOnさんが、この間、体調不良で寝込んでいた事がOさんから知らされた。早く復帰されるよう祈るばかりである。
きょうの祈?会(きとうえ)の中心テーマは、シオニズムに席巻されたイスラエルのガザ地区に対するジェノサイドについてであった。日本のメデイアは「ハマスのテロに対するイスラエルの報復」という構図で連日、報じているが、これは誤り。侵略者イスラエルのガザ地区に対する「天井なき牢獄」状態に対して、ハマスが反撃したというのが真相。イスラエルの侵略を物心両面で支えているのが、アメリカを筆頭とする先進国G7であること。イスラエル大使館だけでなく、岸田政権に対しても抗議行動を強めていかなければならない!
前にも書いたが、100年前の写真が我々に訴えている事は、アラブ人もユダヤ人も平和に暮らしていたということ。それを破壊したのは、イギリス・フランス帝国主義とシオニズム。イスラエルを解体しなければ、この戦争は終わらない! (保)
◎ イスラエルは十年以内に消滅するという予言も 12月12日(火)
朝の雨が昼前に上がって、川内原発反対運動から85歳になって帰京した江田さんが、午前11時過ぎに事務所にやってきた(詳細は本日発行のテントニュース278号裏面記事を参照)。12時前に座り込みを始めて、スマートレターとレターパックに書籍を入れて、発送作業を行っていると、Bさんが鹿砦社発行の「紙の爆弾」1月号を持ってきてくれた。
そこに掲載されていた「イスラエル暴虐の隠された利権と真相」(浜田和幸)によると、今年11月末に100歳で死去したキッシンジャー(元・米国務長官)の予言として「イスラエルはあと十年以内に消滅する」と紹介している。その筆者の浜田和幸氏は、2010年に自由民主党から立候補して参議院議員となったが、311震災直後に離党した。その後、無所属→国民新党→無所属で2期目当選→次世代の党→日本のこころを大切にする党→おおさか維新の会→無所属となり、3期目の当選ならずに国際政治経済学者を名乗っている。イスラエルをアメリカが見限れば、キッシンジャーの予言は実現するかもしれないが、どうなるでしょうか。
午後2時前に後半担当するAさん、Iさんがやってきて、江田さんと二人で食事に立った。食事から戻ると経産省前には、S&H組が来ており、5人で撤収を始める。事務所への帰路、3人で話し、次週からは、Aさん、Iさん、私の順番で、皆さんに座り込みの様子をお伝えする日誌を作成することになった。(EO)
◎ 岸田政権が総辞職すべきなのだが 12月13日(水)
パラソルは持っていかないことにした。今は陽ざしに当たった方がいい。セッティング後、しばらくしてObさん座り込みに。安倍派が「法なんて権力の前には不用」とばかりに、いいように政治を動かし、自民党を徹底的に腐敗させ、日本の政治を腐敗させたことをしゃべる。その通りだ。
岸田内閣は総辞職して、本来なら政権が変わるべきなのに、立憲の泉ではどうしようもなく、変わるべき政権党がないということも一致した。岸田政権は最初から最後まで、どうしようもない内閣なのに、これからも自民党が続くのか。
ヨーカンさんが久しぶりに規制庁行動に参加してから、経産省前に登場。お昼ご飯を食べて、帰られた。後は当番と常連のAnさん。Wさんは集会会場借りの関係で少し早く帰り、T・Iは、入管行政についての法務省抗議行動があるので、それに参加。ひとつひとつ闘うことだと思う。(T・I)
◎「流すのはよくない」二人連れの女性の発言 12月14日(木)
Inさん、Yoさんと3人で設営作業。雲一つなく風もないおだやかな日だ。私(M.U)は、手回し発電式のスピーカーを使って、Youtubeに上がっている反原発ソングを流し始める。やがて、東京西部ユニオンのお二人が現れる。新しく出た『季節』冬号の感想などを話し合っていると、Ok妹さんが現れた。ケガは回復されたそうだが、今日はステッキを使っておられる。14:30、Taさん登場。
15:00頃、2人連れの女性が通りかかり、汚染水放出抗議の横断幕を見て「流すのは、よくないですよね」と言ってカンパを入れてくださった。続いてTuさんが立ち寄る。地元での黒岩知事への追及活動のことなど、ひとしきり話し、赤穂名物の塩饅頭をお土産に置いて行ってくださった。今日は、47士の討ち入りの日だという。みんなで塩饅頭をおいしくいただく。Ok妹さんが「官邸前での基地拡張反対行動に参加する」と言って立ち去った後、残った4人で撤収作業し4478日目の抗議行動を終えた。(M.U)
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経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その219
なぜ日本で原発を止められないのか?
?脱原発を実現する為に、私の振返りとキャッチコピー検討?
2023年12月9日 木村雅英(経産省前テントひろば)
東電福島第一原発事故の直後の 3月、経産省トップが東電をつぶさず原発を残すことを決め(その 30、その 111 など参照)、12 年 8カ月経過して自公政権は今、原発推進政策を進めている。「国民」の多くが「もう原発はいやだ」と考えたのに、ドイツが脱原発を実現したのに、広島・長崎・福島を経験した地震多発国日本で、なぜ原発を止められないのか?
私の振り返り。
あの時こうすれば脱原発を実現できたか、ここが弱かった。12年間を振り返ると全国の方々のお顔と多くのシーンが走馬灯の様に浮かぶ。中には世論が味方している折に、もうひと踏ん張りできれば良かったのではと悔やまれることがある。
(1) 2016年12月6日の 反原連の首相官邸前行動
首都圏反原発連合による首相官邸前抗議行動に 10万人近くが集結、首相官邸前の車道に人があふれた。今考えると、その場に皆が座込めば世論も味方してより効果的であったかも。あるいはこの状況をより脱原発に効果的に運動できなかったか?
(2) 2012 年 9月 19 日 野田政権「革新的エネルギー・環境戦略」
パブコメや公聴会を経て野田政権は「2030 年代の原発ゼロ」を掲げたが、9 月 19日の閣議決定を回避、原子力協定を結ぶアメリカや再処理施設がある青森県の反発などがあったらしい。私たちの抗議行動も弱かった。その後の第 4 次・第 5 次・第 6次のエネルギー基本計画策定時も脱原発・ 省エネ・再エネへの運動が弱かった。
(3) 原子力基本法と環境基本法の改正への対応不充分
原子力基本法と環境基本法の改正(環境法からの放射性物質除外規定削除)にも拘らず、規制基準・環境基準の整備がなされず、環境省など関係省庁がまともに取り組んでいない。このことへの運動がほとんどなかった。今も、多くの反原発運動でこの問題の追及が重要。
(4) 福島との連帯・連携の不足
全国の反原発運動団体が福島と連携しているが、IAEAや経産省他の各省庁が「原発は安全・安心」政策を続けている中で、全国と福島との連携は十分では無かった。
(5) 九電本店でオール九州交渉( 2015年5月27日)がひとつの山?
原発稼働ゼロの折、九電本店(福岡)の地下会議室で川内原発再稼動審査について交渉、九電技術者が地震・火山について明確な回答ができなかった。が、夜7時ごろに警察が廊下に入り、主催者が退去を決定。九電内に座込んでも良かったか?!
その後の、川内原発ゲート前行動や、伊方・大飯・高浜と続く行動では再稼働阻止が難しかった。
(6) GX 推進とエネ庁・原子力規制庁の癒着
推進側の総仕上げ・悪あがきに、我々の闘いは弱くメディア報道もあまりに弱かった。
・運転期間延長問題の法移動(炉規法=>電事法) ・ 2022年 7月~9月のエネ庁:規制庁の非公開会合 ・原子力基本法の公開議論無き改悪
(7)民主主義が守られていない、大衆行動の力が弱い、委員会・審議会は政権と官僚の意向で、人選し決定国会や原発ゼロ・再エネ百ヒアリング、市民の院内ヒアリング集会も適当にかわされることが多い
原発立地でも都心でも動員力が弱かった(ガザ虐殺反対行動も)
この問題はあらゆる運動に共通の課題 原子力ロビーへの対抗、もっと敵を知ろう
私たちはもっと原子力ムラ、原子力ロビーを知り、監視し、意見を出していく必要がある。
(1) 対経産省・資源エネルギー庁、(2) 対原子力規制委員会、(3) 対電力会社、 (4)対自治体、(5) 対政府、対司法、対国会、(6) 対世界原子力ロビー
原子力ムラの宣伝に負けないキャッチコピーを
経産省と広告代理店による宣伝に負けないキャッチコピーを準備し訴えていこう。
○放射性物質は人も環境も破壊する
○原発は地球温暖化対策にならない、原発は温暖化を促進する
○行き場が無い超危険な使用済み核燃料
○「トイレなきマンション」は半世紀以上未解決、再処理不可能、核燃料サイクル破綻
〇福島は終わっていない、原子力緊急事態宣言下、廃炉は見えず百年以上先、汚染水たれ流し中
〇原発は巨大な海温め装置 〇原発は金食い虫、税金と電気料金を国民が負担
〇原発は被爆労働を強いる
=====添付資料1=====
原発週報2023. 12.6-12.12 編集:漆原牧久
=====添付資料2=====
テントニュース278号
=========添付資料3========
25 Oct 福島第1作業員被曝事故レポート
皆様、
福島の安斎礼子さんから郵便で送っていただいた、10月25日の福島第1で起こった4人の作業員の被曝事故に関する6ページのレポートです。次の機会に紙のコピーを10部ほど作って持参します。但し、持っている印刷機がカラーではなく白黒ですので、写真は添付したのを見ておいてください。庭の散水に使うようなゴムホースが金属の配管に、僕たちが脱原発の幟や旗をくくる時みたいに紐で結ばれていますね。
「東電が、放射能の内部被曝について、これっぽっちも危険性を認識していないということがうかがえます。高濃度の汚染水が不用意に海に流される日が必ず来ると確信しました」と、安斎さんがコメントをつけていました。
石上
=========デモ、集会==========
・12月20日(水) 原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動
・12月22日(金) 経産省前抗議集会(17時~18時)
[12月29日(金)の抗議集会はおやすみです。]
・12月24日(日) 脱原発青空川柳句会 12時 経産省前テントひろば 選者:乱鬼龍
句会後3時30分から「テント忘年会」 事務所にて 参加を!
・2024年元旦、初日の出を福島浪江の請戸の浜で
(12月30日,31日、1月1日、2日)、じっくり話し合う交流会予定。
(部分参加も含め興味ある人、乱鬼龍さん<070-6472-1947>に連絡を) 参加者募集中!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5170:231217〕
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