本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(445)
- 2024年 1月 26日
- 評論・紹介・意見
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世界的な高まりを見せる反ユダヤ主義
昨年末に発表された「ネタニヤフのしていることはヒトラーがしたことと何か違うのか。いや、何ら変わらない」という「トルコのエルドアン大統領のコメント」のとおりに、現在、世界的な「反ユダヤ主義」が高まりを見せている。つまり、「1948年に建国されたイスラエル」、および、「過去の歴史で迫害され続けてきたユダヤの民」は、現在、「パレスチナに居住するイスラム主義の人々」に対して、「自分たちが、かつて味わったような悲劇を、反対に与えているような状況」とも思われるのである。
別の言葉では、数年前に完読した「夜と霧(ピーター・フランクル著)」という本の内容が、現在、イスラエルやパレスチナで繰り返されている状況のようにも感じられるのである。つまり、この著書で指摘されている「困難な状況に直面した人々が、どのような行動を取るのか?」という点ではなく、「軍事力と資金力を持った人々は、結果として、どのような行動を取るのか?」が、世界的に問われている可能性のことである。
より詳しく申し上げると、「あなた方は富と神とに同時に仕えることができない」という聖書の言葉のとおりに、人類の歴史は、「富に仕える西洋の時代」と「神に仕える東洋の時代」が、800年ごとに繰り返されているものと考えられるのである。つまり、「村山節の文明法則史学」が指摘するとおりに、「西暦400年から1200年までの約800年間」が「東洋の時代」であり、また、「西暦1200年から2000年までの約800年間」が「西洋の時代」だった状況のことである。
そして、現在は、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時」と同様に、「巨大な共同体の崩壊、そして、数多くの小さな共同体への分裂」に見舞われている段階とも想定されるのである。別の言葉では、「大膨張した世界的なマネー」の崩壊により、「今までの社会が、大きく転換し始めた状況」のことでもあるが、基本的には、「ギリシャやローマの時代から、ほとんど進化してこなかった哲学や経済学などの社会科学の進化が見込まれる展開」が、今後、想定される状況のようにも感じられるのである。
つまり、「神が創った宇宙や地球などの大自然」を研究する「自然科学」が「11次元」にまで発展した状況と比較して、「人間の意識や行動などを研究する社会科学」に関しては、現在、いまだに「3次元」にとどまっており、そのために、世界各地で「富や神に関する争い」が発生している状況とも思われるが、今後の展開としては、「社会科学の次元上昇」により、「戦争や兵器が不要な時代」が訪れるよ可能性も存在するのである。(2024.1.4)
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正月の大地震
1月1日の午後4時10分に発生した「能登半島大地震」については、60年前の「新潟大地震」を思い出させるとともに、これから想定される「世界的な大インフレ」を予兆させる出来事だったものと感じている。具体的には、「8月6日の8時15分に投下された広島の原爆が、その後の8月15日である終戦の日を表していた」という状況のとおりに、「4時10分」という時刻が、「辰の年、辰の月、そして、辰の日」を意味する「4月10日」という日時を表している可能性のことである。
別の言葉では、金融業に従事してきた「過去48年間」に、さまざまな「不思議な体験」をしてきたことが思い出されたわけだが、実際には、「戦後の26年サイクル」や「2001年の9・11事件が、その年の2月の出来事に予見されていた可能性」などのことである。つまり、多くの出来事に関して、「我々の知らないところで、天からのヒントが送られている可能性」のことだが、この点については、「気付くか気付かないかで、その後の運命に、大きな影響が出る状況」のようにも感じている。
より具体的には、「3・11大震災」の後に理解した「海千山千」、すなわち、「海で千年、山で千年修業した龍が、金龍となって天に登り人助けをするといわれる伝説」が、いよいよ、今年の4月に実現する可能性のことである。つまり、今まで「金融抑圧」により押さえつけられていた「金や銀などの価格」が、龍のように上昇し始めることにより、世界の金融システムが正常化し始める展開のことである。
そして、このことが「東洋の時代」の始まりであるとともに、「奪い合いの時代から分け合いの時代への大転換」を意味しているものと思われるが、実際には、「グローバル共同体の下で、社会の部品となり、忙しさのあまりに心を失いかけていた人類」が、精神的な復活を始める可能性である。別の言葉では、「富の時代から神の時代への移行」を想定しているが、この時に、大きな役割を果たすのが、「高次元のアナログ革命」、すなわち、「デジタル革命で失われた0と1との間にある世界の復活」のようにも感じられるのである。
具体的には、「生成AIなどを活用した新たな社会科学の誕生」を期待しているが、実際には、「時間の経過とともに、世の中が、どのような変化を見せるのか?」に関する「全体像」の理解が進展する可能性である。別の言葉では、「共同体の規模」と「マネーの残高」が、「どのようなメカニズムで変化するのか?」が理解されることにより、「経済学」や「マネー理論」、そして、「哲学」などが、飛躍的に進化を始めるものと考えている。(2024.1.5)
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通貨と信用
現代の投資家にとって最も必要とされることは、「通貨と信用」の理解とも思われるが、この理由としては、「金(ゴールド)がマネーであり、その他はすべてクレジット(信用)である」という「JPモルガンの言葉」が挙げられるものと考えている。つまり、「貨幣の歴史」をたどると、「1933年までの米国」に象徴されるように、「純金に近い金貨が貨幣として通用し、その時には、借金の総額が、きわめて小さな状況」だったことも見て取れるからである。
しかし、その後の展開としては、「1944年のブレトンウッズ会議」までの「金地金本位制」、あるいは、それ以降の「金為替本位制」という状況下で、徐々に、借金の総額が増えていったことも理解できるのである。別の言葉では、「バランスシートにおいて、資産と負債が同時に増えていった状況」のことでもあるが、この動きに決定的な変化を加えたのが、「1971年のニクソンショック」だったものと考えられるのである。
つまり、「金本位制」という「通貨供給量の制約」が取り払われために、その後は、「糸の切れた凧」のように、「バランスシートの増大」、すなわち、「民間企業や個人」、あるいは、「民間金融機関」、そして、「中央銀行や国家」のすべてにおいて、「資産と負債」が急増し始めたことも見て取れるのである。しかも、この時に、大きな役割を果たしたのが、「デジタル通貨の急増」、すなわち、「単なる数字が通貨となり、コンピューターネットワークの中で大膨張した状況」だったのである。
また、このような状況下で理解すべき最も重要なポイントとしては、「バランスシートの増加が続く限り、通貨の信用が保たれている状態」であり、このことが、「現代の通貨制度が、史上最大のポンジ・スキームである」といわれる所以となっているのである。つまり、「返済の目途がつかなくとも、資金繰りに問題がない限り、破綻に結びつかない状況」のことであり、しかも、「中央銀行や国家には、最後の手段である紙幣の増刷が残されている状況」のことである。
しかし、現在では、「1971年から始まった信用本位制と呼ぶべき通貨制度」そのものが「崩壊の危機」を迎えているために、現時点で必要なことは、「お金とは、いったい、どのようなものか?」を、歴史をたどりながら考えることであり、具体的には、「誰が借金をしているのか?」を理解しながら、「借りた人が返済しなかったら、負債と資産が同時に消滅する可能性」を考慮することである。(2024.1.7)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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