経産省前脱原発テント座り込み日誌2月22日版
- 2024年 2月 26日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年2月22日は、座り込み4,548日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 2月16日(金)
今日はとても良い天気で、日差しが暖かい。風もないので、経産省前でのセッティング作業も、順調に進んだ。
沖縄に行って来たWaさんを囲んで話が弾んだ。沖縄は、やはり車があると便利で行動しやすいということだ。しかし、経産省前も、沖縄の座り込みも共通して言えるのは、高齢者ばかりということだった。若者が、なかなか参加しづらいのは、様々理由があるのだろうが、反原発の運動を広めていくのには、何か克服しなくてはならないものがあるのだろうか。海外の若者は、もっと運動に積極的にかかわっているように思えるのだが、そんな事を話しているところに、官邸前で抗議行動をしている、横浜のSaさんが経産省前にやって来て、朝からの抗議行動の報告をしてくれた。今日は、朝8時かからの行動なので、横浜からやってくるのは大変だったそうだ。今日はこの後、12時からと18時半からの一日3回の行動があるとのこと。辺野古の埋め立て工事を、国が強制代執行するとの事で、本土の人間が行動を起こさなければならないと、朝から250人が駆けつけたそうだ。僕らも、頑張らねばならない。 (S・S)
◎ 経産省は嘘をつくな、原発は安全でも安くもクリーンでもない 2月16日(金)
文科省前の朝鮮学校差別反対の抗議が終わる頃、経産省前抗議行動を開始。能登半島地震にも拘らず「原子力災害対策指針」を見直すのでなく屋内退避問題のみに絞って論じようとしている原子力規制委員会への不信。杉崎さんが替え歌<止めろ原発、壊れた安全、やめろ原発、不幸もたらす原子力>と、〈脱原発、汚染水海に流すな、再稼働反対、耐震基準が甘すぎるぞ、避難なんてできないぞ、総ての原発を止めろ、能登半島地震の教訓を生かせ、…>のコール。
続いて、奥内さんが、わらべ歌「なーべ、なーべ、底抜け」を東西の異なるアクセントで歌い、イチエフ原子炉の底抜けを憂える。私(K.M)から、能登半島地震で海岸線の数メートルの隆起があった、これで海から原発への取水が出来なくなると使用済み核燃料プールの冷却もできなくなるリスクを確認し、2.21の院内ヒアリング集会の案内。
三上さんが、政治資金・裏金問題を論じ、選挙に金がかかる(票を金で買う)が問題、二階の書籍大量購入が可笑しい、岸田発言を誰も信じない、志賀原発の重大なトラブル、原子力に頼ることを見直せ、事実を分析し伝えよう。佐藤さんが、広瀬隆さんのyoutube情報:珠洲原発を造るという口実で巨大なプールを造ろうとしていたが、青森の話が持ち上がってできなかった、もし出来ていたら能登半島委地震でとんでもない事故が起こった、活断層の情報が無いところでも大地震が起こりうる。
守屋真実さんが、「座り込め、ここへ」と」「ああ、福島」を歌い、13年経っても故郷に戻れない人がいる、もういい加減に原発を止めようと訴える。火炎瓶鉄さんが、地球温暖化だから原発がいるなんて言うな、イチエフで閉じているべき弁が開いていた、人為的ミスはどこで起こる、放射能の為に閉じないといけない、3.11目前と訴え、<経済産業破壊省、フクイチ事故は終わってない、どの面下げての原発推進、答は一つ脱原発、核廃絶、GX法廃止、国会議員立ち上がれ、…>コール。
白倉さんが、経産省で今も働いていらっしゃる皆さん、通りかかる皆さん、3.11事故の教訓を得て脱原発を訴えて抗議している。お金の為に動いている人が政権をとり世界を動かしている、私たち一人一人の責任、東京に最も近い東海第二を動かしていけない、能登半島地震のような大災害がおこれば、原発に大変な事態が起こり避難もできない、原発は必要がない、粘り強く私たちの将来を考え脱原発・核廃絶を実現しよう。
私(K.M)から、週刊金曜日の記事を紹介、砂川事件・伊達判決・日米安保条約が違憲・米大使館が外務大臣と最高裁長官に逢って、伊達判決を覆し「統治行為論」を押付けた。鳩山政権時に外務省・防衛省の官僚が米国の文書をでっちあげて政権を騙した、野田政権が、原発ゼロ閣議決定をアメリカの圧力で断念したとの報も。日本は対米従属政治から抜けよう。小川さんが、東電株主代表訴訟の原告として、2月28日に控訴審が行われる、被害者訴訟では、まるでコピペのような判決が出て国の責任を認めていない、認めたのは株主代表訴訟の地裁判決のみ、是非12時半に傍聴に来て欲しい。乱さんが、風も政治も冷たい、原発そのものを速やかに廃炉にしよう、裏金で汚れた政治家たちが原発推進、18日には青空川柳句会、25日には請戸テントひろば学習会、3月11日は昼に経産省抗議、是非ご参加を。
18時半からの「原発いらない金曜行動」で落合恵子さんが発言と確認し、経産省は嘘をつくなとコールで終わる。(K.M)
◎ 開き直りが常習となった原子力規制委員会 2月17日(土)
・「知ったことか」ということかな
原子力規制委員会の山中伸介委員長曰く「自然災害への対応は、われわれの守備範囲ではない。屋内待避が可能という前提で議論する。自然災害への対応は自治体の仕事」ときたもんだ。福島のときは、道路は通行可能だったし倒壊家屋も少なかったが、それでも、あの結果だった。想像して欲しい。繰り返し起きる予震のさなか、保険会社が後日に半壊と認定した家で過ごす恐怖を。私は南相馬で何度も経験した。数え切れない回数の震度3~4の予震に襲われた無信心な私は「神さま」と心の中で叫んだのだ。
繰り返そう。山中伸介委員長、山中伸介、山中伸介。語呂が山下俊介に似ている山中伸介委員長。責任回避の先手をうったつもりか。 (O・O)
◎ 脱原発青空川柳句会を開催した 2月18日(日)
晴れて、最高気温が19℃にもなる暖かい一日でした。句会参加者は7名、選者は乱鬼龍氏、席題は「道」、「税」14時30分投句締め切り、14時45分より入選者の発表、披講となりました。
選者により入選句が読み上げられ、入選者へ”活動ののりを良くしよう”おかずのり、”原発は未完の技術”みかん、りんごなどのフルーツや、柳広司作「アンブレイカブル」文庫本など数々の賞品が手渡されました。入選句は以下の通りです。
「道」の特選
・倒閣の 理由充分 道つくれ - 芒野
「道」の秀句
・能登半島 平らな道が 坂になる - 原子力ガリレオ
・道端の訴え 社会 世界変え - ふ64
・原発は ほろびの道と 知るべしなり - 乾草
・避難するも 救難するも 道はなし - 海の民
・極道が お前も仲間だ 連座制 - 水蓮仏
「税」の特選
・インボイス 涙、涙の 納税者 - 水蓮仏
「税」の秀句
・裏金が ないと動かぬ 政治変え - ふ64
・国のカネ 自分のカネと 勘違い - 芒野
・選挙権 無き国籍も 税納め - 金狼と月
・納税を せまり脱税 許す国 - 乾草
・規制委を 税で養う 意味は無し - 原子力ガリレオ
次回の脱原発テントひろば青空川柳句会は3月24日(日)12時より開催いたします。終了後に、日比谷公園にて、お花見の会を予定しています。是非ご参加ください。(S.E.)
◎ 小雨の降り続く中での座り込み 2月19日(月)
経産省前に着いたときは曇りだったが、昨夜から明け方まで降っていた雨のお陰で、地面は柔らかく、バナーなどのセッティングは、スムーズで短時間に終えることができた。雨は12時半過ぎから降り始め、撤収直前まで、降ったり止んだりを繰り返していた。そのためか、経産省前の人通りも少なかった。
午後2時過ぎに警察車両が一台、我々が座り込んでいる所に横付けして、5,6人の警官が出てきた。何が始まるのかと見ていたら、横付けした警察車両は、虎ノ門交差点から10㍍手前まで移動して、交通規制用の柵を設置し始めた。警官が我々の所に来て「何時まで座り込みをするのか?」と聞いてきた。「いつも通り、午後4時までだ」と答えると「今やっている会議は?」と言うので「知っているよ、ウクライナ復興支援会議のことは」と言ったらおとなしく帰って行った。
実は、きのうの昼に新宿アルタの集会に参加して「岸田政権は戦争に加担するな!」「ロシアはウクライナから出ていけ!」と訴えてきたのだ。「復興会議」とは聞こえが良いが、戦争が続いている時に片方の戦争当事国に肩入れするというのは、自らが戦争当事国になると世界に宣言する事である。EU諸国がウクライナ支援疲れと言われている現在、日本は自ら戦争当事国に名乗り出たのである。イギリス・イタリアと一緒に「次期戦闘機を開発して第三国に売る」計画を推し進めている事と符合する。
ウクライナ支援・イスラエル支持・中国封じ込め。これを、日本が米国と一緒にやっているのだ。21世紀はアジアの時代と言われているのに、日本だけアジアに背を向けている。インド・東南アジア諸国連合は、米国とは一線を画して政治・経済を動かしているではないか! 午後3時45分に、うまく小雨になったので、急いで濡れた座り込みグッズ全てをゴミ袋に入れて撤収した。ちょうど事務所整理に来ていたY・Rさんに手伝ってもらって濡れたバナーなどを干して帰宅した。
午後7時のニュースで「ウクライナ復興支援会議」は経団連会館で行われていたことを報じていた。 (保)
◎ 今日は暖かい1日だった、参加者も元気 2月20日(火)
今日は、夏のような暖かさ。上着を脱いでも暑いくらいの一日で、相方のOgさんはYシャツを腕まくりだ。セッティングが終わると間もなく、20代の女性が見えられて「東北大震災の時は中学生で、宮城にいて地震の恐ろしさ、津波の恐ろしさを目のあたりにした。あの惨状は忘れられません」と言い、「地震列島の日本に、原発はあり得ません」とキッパリ(素晴らしい!)。「この後、外務省前での『岸田政権はイスラエルを支持するな!』の抗議行動に参加する」と言って、テントニュースを5部ほど持って行かれた。
13時過ぎには、東京高裁101号大法廷で行われる「東海第二原発差止訴訟 第2回控訴審」に参加されるという方がお二人、「茨城県から来ました」と言って、しばらく話し込んで行き、そのうちのお一人は、立憲民主党の常総市議会議員の方で、お二人ともカンパをしてくれました(感謝)。この方もまた、テントのチラシを5部ほど持って行かれました。この公判傍聴には、101名の人が並んだが、原告団が多く入廷した関係で、大法廷にも係わらず一般の公判傍聴者は41名との事でした。
14時半からは、日本祈祷団47士による月例祈祷会が行われて、「岸田政権は東北大地震から何を学んだ、原発汚染水の海洋放出を即刻中止せよ、イスラエルのガザ市民虐殺を即刻止めるように動け」等々、鋭く岸田政権を糾弾した、最後にテントを代表してEdさんが故渕上太郎さんを偲んだ連帯の挨拶をして、この日の月例祈?会は終了しました。(Y・R)
◎ ホッカイロの差し入れで気持ちも温かくなった 2月21日(水)
朝の天気予報でも「きょうの気温は8℃、午後から更に下がる」と言っていたが、まさにその通りだった。朝からずーと小雨が続いていた。セッティングの時は、寒さをあまり感じなかった。セッティングしている時、托鉢姿の坊さんが通りかかり「身体に気をつけてください」と声をかけてくださった。
午後1時前に、女性が「寒いでしょ。これを」と言って、ホッカイロと暖かいお茶を当番にくださり、「ここを通るのは初めてなんですが…。ありがとうございます」と言って、去って行かれた。(T・I)
T・Iとバトンタッチして経産省前に着いた1時過ぎは、霧雨程度でたいしたことないと思っていたが、風も出てきた午後2時過ぎからは、寒さが体に染み込んできた。持ってきた傘を風よけにして何とか凌いだ。こんな天候なので、経産省前の人通りはまばら。相変わらず「経済産業省」と刻まれた台座の前で写真を撮って行く人はいたが、バナー等に目を向けることはなかった。こんな寒い日であったが、総計9名の人が座り込んでくれました。ご苦労様でした。(保)
◎ 今日は竹島の日か、それでか 2月22日(木)
小雨の中Inさんと2人で設営。程なくOkさんが到着、3人で座り込みを始める。Inさんは、以前集会で入手したという山田國廣著『テルル読本』(No1~6)を譲ってくださった。勉強することがたくさんある。右翼の街宣車が、大音量で何やらがなり立てながら走り回っている。今日は竹島の日らしい。
13:50 、Taさん参加。歩道に集まっている鳥たちを見て、コンビニでコッペパンを買ってきて、エサやりを始めた。私は「地震の国に原発はいらない」「フクシマをくり返すな」のゼッケンをつけて、経産省の周りを5周し、ついでに日比谷公園に足を延ばして散策した。公園内は梅の花びらが散らばり、桜の木のつぼみがふくらみかけていた。花見が待ち遠しい。
15:10 、Ogさん、Ishiさんが参加。Ogさんは「地元で応援している裁判の傍聴の帰りだ」という。Ishiさんは「明後日の浪江行きに備えて、東京駅八重洲口のバスの発着場所を確認に来た帰り」という。以前、日誌で紹介しておられた『聞いてください』と『原発に子孫の命は売れない』の2冊を貸していただいた。フランス暮らしの長かったIshiさんに、現地の状況などお聞きしているうちに時間になった。Taさん、Ishiさんと3人で撤収作業し、4548日目の抗議行動を終えた。(M.U)
=====添付資料=====
・原発週報2024. 2.14-2.21 編集:漆原牧久
・テントニュース283号
=========デモ、集会==========
◆2月26日(月) 大間原発差し止め裁判第31回口頭弁論
終了後16時30分~ 裁判報告と講演会 参院議員会館
◆2月28日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動 12時~13時、六本木ファーストビル前
◆3月1日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前テントひろば(1月23日金は休みです)
◆3月11日(月) 3.11脱原発・経産省前大集会(14時~16時)
「能登半島地震と志賀原発」の報告を中心に
日時:3月11日(月)14時~16時
場所:経産省本館前
発言予定
河合弘之さん、菅井益郎さん、後藤政志さん、国会議員(依頼中)、福永正明さん、
福島から、能登から志田弘子さん(メッセージ)、請戸テントから、
テント弁護団、座込み者
音楽
朴保さん、守屋真実さん
案内:
福島は終わっていない、能登半島地震が示す原発はもう終わり、汚染水を海に流すな!
私たち経産省前テントひろばは、経産省本館前で毎日午後に交代で座り込み、毎週金曜日夕刻に経産省抗議行動、経産省に抗議・申入れ、請戸テントひろば開設、川柳句会など多種多様な抗議行動を続けています。そして、2011年9月11日のテント設立以来、全国の反原発運動に支援され、連帯して脱原発を訴え続けております。 3.11事故以降福島は全く終わっていないにも拘らず、西日本の原発の再稼動が続き汚染水海洋投棄が始まりました。そんな中で、本年元日に能登半島地震が起こり、周辺住民に多大な自然災害をもたらしています。被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げます。一方、この地震で志賀原発でも多くの深刻なトラブルを起こしました。「志賀原発が稼動していなくて良かった、珠洲原発が建設されていなくて良かった」と多くの人々が胸を撫で下ろしています。
そして、稼動している原発は今すぐ止めるべきではないか、原発の耐震基準など「新規制基準」及び避難計画の為の「原子力災害対策指針」を早急に見直すべきではないか、の議論がまき起こっています。それにも拘らず、関電が若狭の老朽原発を稼動し続け、大事故を起こした東電までがトラブルを起こし続けながら柏崎刈羽で使用済み核燃料を移動しての再稼動を目論んでいます。
私たちは、13年前に起きた事故を思い起こし、能登半島地震による自然からの警告を尊重し、直ちに原発を終わらせようと訴えます。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5203:240226〕
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