経産省前脱原発テント座り込み日誌2月29日版
- 2024年 3月 4日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年2月29日は、座り込み4,555日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 今日は天皇誕生日だったが、寒さがこたえた 2月23日(金)
2/23 は天皇誕生日。今日は前半担当メンバーでやることになっていたので、事務所に11時に集合。Sさんがお休みなので、女性4人で荷物を運び出す。小雨模様で寒そうなので、椅子は6脚。スピーカーは必要ないし、いつもなら2台のカートに目一杯詰め込むが、今日は1台でゆとりがある。
その後、私達イロハネットのメンバー主催の”大間原発差し止め裁判と講演会”(2/26)で配布する資料の作業にかかった。今回は、能登半島地震のことを踏まえ、急遽井戸弁護士(2006年に志賀原発2号機の運転停止を命じた裁判長)の報告に変更された為、資料が多い。一人分ずつクリアファイルに入れたが、入りきれそうにない。座り込み終了後にも、事務所で作業することにした。
経産省前は人通りがなく、寒い。しっかり真冬の支度をしてきたのに、寒さがこたえるので、私(Y.M)は、前日のテント日誌のUさんにヒントを得て、”フクシマを忘れない”のプラカードをビニール袋に入れて事務所を往復することにした。事務所には携帯用カイロが座り込みメンバー分あったので持ち帰った。ポケットに入れると手が温まり落ち着いた。途中で金曜日後半担当のKさんから電話をもらう。15時に片付け、事務所に戻ると、地域の街宣を終えられたYさんがいらしてチクチクと旗の修理。追加分のコピーもしてもらい、皆で当日の会場作りや講演会終了後のお店探し等あれこれ相談し、17時過ぎに事務所を出た。(Y.M)
◎ ほんとだね,こんな日もある 2月24日 (土)
・こんな日もある
およそ1週間続いた雨と風の日々。なぜか土曜日だけ晴れて、明日、日曜日はまた雨の予報。「ズルイぞ」などと言うなかれ。人徳、日頃の行いのせいでもなく、特に、私に関しては該当しない。単なる偶然。(O・O)
◎ スズメが足元に寄ってきてチュンチュンねだる 2月25日(日)
私は11時45に経産省に到着。藤原節男さんとE藤さんが座り込みの設営中。私(M島)も手伝い、横断幕6枚とのぼり旗6本を立てる。天気が悪いので、旗は、いつもの日曜より少なめ。設営が終わり記念撮影すると、12時10分。E藤さんはマイカーで帰る。天気の悪い中、来てくださり、ありがとうございます。
冷たい小雨。風もあり、体感温度はかなり低い。椅子は用意しても座らずに、傘を差して立ちっぱなし。少ない日曜の通行人がさらに少なく、右翼の通過もなく静か。スズメが足元に寄ってチュンチュンねだる。藤原さんがふかし芋をちぎってくれてやる。スズメ数羽とハト1羽、それに今日はヒヨドリが3羽もやって来た。
12時45分、たんぽぽ舎の「ちょぼゼミ」でおなじみの田中一郎さんが来る。ひまわりちゃんバナーの作者や藤原フードなど、座り込みの装備に興味がある様子。10分くらいで田中一郎さん帰る。1時30分、キリスト教宣伝車の千葉勝郎さんが来る。千葉さんも10分くらいで帰る。
天気が悪いので、午後2時半で座り込みを切り上げることにする。藤原さんと私(M島)の2人で、午後2時25分から撤収を開始し、40分に完了。事務所に荷物を上げ、濡れた旗や幕を干しひもに掛けて解散。(M島)
◎ 大間原発差し止め裁判があった 2月26日(月)
朝、ゴミ出しの為に外へ出たら、冷たい風がびゅーびゅー吹いていたので、ビックリした。天気予報では風速10㍍。気温も一日中12℃前後ということなので、マフラー・分厚い手袋など、防寒対策をしっかりして事務所に向かった。
「太陽がビルの陰に隠れたら、一気に寒くなるだろう」と思い、事務所に着いたら、直ぐにお湯を沸かしてポットに入れて経産省へ。
経産省前の風は予想を上回り、直ぐに顔が引きつるほどであった。強風をかわして、セッティングするために、のぼり旗は3㍍?2㍍にし、バナーは植木に寄りかからせて括り付けて、何とか凌いだ。それでも、のぼり旗は引きちぎれんばかりに、たなびいていた。心配だったので1時間ごとに点検した。
そんな厳しい状況でもHさん、Sさんは、いつもより早い、12時半に来てくれた。感謝、感謝です。
きょうは午後3時から大間原発建設差し止め裁判である。午後2時半頃、裁判の傍聴前にⅠnさん、藤原節男さんが寄って下さった。
そのすく後に、同じく裁判傍聴に来られた三軒茶屋の渡辺さんが温かい今川焼を差入れて下さった。直ぐに皆で美味しく頂きました。
午後2時40分に太陽がビルに隠れると、ほどなくして気温が3℃下がった。いたたまれず、紙コップにインスタントコーヒーを入れ、ポットのお湯を注いで体を温めた。
時間になったので事務所に帰ったら、Raさんがおられた。今しがた「請戸テントひろば学ぶ会」から帰って来たところとのこと。36名が参加して地元の人も発言してくれて大成功だったとのこと。前途洋々のようで素晴らしい。3/11での報告が楽しみである。(保)
◎ 今日も風強く、座り込みは難儀だった 2月27日(火)
昨日もそうだったが、朝から風が強く吹き、都内の電車は乱れていた。午前11時半過ぎにYさんと二人で、台車を押して、向かい風の中をようやく経産省前に到着したが、大きなバナーはもちろん広げることさえできず、椅子を広げても、誰も座っていないと風で倒されてしまう状態だった。やっと、幟旗3本を括り付けて座り始めたが、経産省本館から反射する強烈な北風が冷たく、雀がやってくる足元がじっとしていると冷えてしまう。
昼から3人で座って2時間近く、足下が冷えきったところに後半担当のAさん、Iさんが午後2時前にやって来た。私(EO)と交代してAさんが座った椅子は、幟旗とともに風で車道側に転倒し、旗竿が折れてしまった。そこで、彼らと一緒に撤収をしようかと思ったが、二人とも「風には負けない」と言って、座り込みは継続する。
後日の伝聞では、午後2時以降もずっと断続的に突風に悩まされ、吹いていないときもフィに来る突風に備えて、足を踏ん張ったまま。太陽は照っていたが、午後3時近くにビルの陰になって寒くなり、風はおさまらず、残った二つの幟を支えるのが精いっぱいで、中途で撤収したとのこと。(EO)
◎ 東電は何を考えているのだ、疑念だらけだ 2月28日(水)
寒い日が続いている。風が強く冷たい。バナーとか幟は、飛んでいかないように紐をぐるぐる巻きにした。万が一、道路に飛んで行ってしまったら、大ごとになるので。
今日は東電株主訴訟の控訴審第二回裁判。一審は東電への13兆円賠償を認めたあの裁判。田中一郎さんが寄られた。終ってからAさんと乾さんと田中さんが寄ってくれた。傍聴者は約90人だったそうだ。
裁判長は福島の現地調査をやりたいと前に表明したようなのだが、東電側の弁護士は「福島の現地調査をして証拠に加えてはいけない」などと言ったらしい。証拠固めに現地調査をするのに何を言っているのか。寒いせいか、来る人は少なく総勢8人。(T・I)
◎ 女性グループのパフォ―マンスがあった 2月29日 (木)
ちょっと早めに経産省前に着いたら、Urさんがもう来ていて、数人の女性と話していた。何やら経産省前でパフォーマンスをするということだったようだ。彼女らを無視して、少し後から来たOkさんと3人でセッティングを始める。
いつも手際よく椅子を縛ったりしてくれるヨーカンさんがお休みで、ちょっと手間取ったけど、何とか無事に終わって座り込む。すると、彼女らのうち、黄色のタイペックをまとい防塵マスクをつけた女性たちが英語と日本語で書かれた「どんな魚を食べても有害、ヴィーガンがいいよ」というプラカードを持って立ち、一人がスマホで撮影していた。Urさんがプラカードのピータと言う文字を見てネットで検索したら、動物の権利団体のようだった。「魚を食べないで」と言うので、放射能汚染水のことかと思って聞いたら、「海にはマイクロプラスチックやら危険物があるから」とのこと、「原発も反対だ」とのことなので、3月11日の集会やALPS汚染水Q&Aのチラシを渡す。Urさんは会議があるので12時40分ごろに出かけた。
午後1時半頃、Tkさんが来る。韓米軍事演習の中止を訴えるアメリカ大使館抗議行動に行った人たちが何人か寄ってくれて嬉しかった。軍事演習は3月4日から11日間続くようで、岸田総理はそれに参加するために韓国に行くそうだ。そして高額なチケットのドジャースの開幕戦を観戦するかもしれないということで、怒りが湧いた。
話題は庶民とかけ離れた裏金や官房機密費の使い方など怒ることばかり、Sgさんがお休みだったので、私とOkさんが残って、撤収作業を手伝って、帰路につく。(I.K)
===========投稿========= 第1回 請戸テントひろば学ぶ会 報告 (石上)
2024年2月25日、双葉産業交流センター、山川剛史氏講演会
処理した汚染水の海洋放出を考える
自らトリチウム測定にトライした経験もふまえて
海洋放出は止めたい。そのため、役立つ情報は正確にし、褒めるべきところは誉め、当事者をその気にさせる、というのが講演の基本的スタンスだと山川氏は冒頭に説明された。
F1の汚染水に関する現在の状況は、 汚染水の発生量は、2015年の490トン/日から100トン/日になっている。2025年には90トン/日まで低減。 建屋内の高濃度汚染水量は2011年9万9440トンから2023年3240トンに減少。
タンクの貯水量は2023年133万トン。高濃度ストロンチウム汚染水のリスクは減少。
しかし、
注水冷却による高濃度汚染水は発生する。
雨、地下水流入により、貯水量は減らない。
基準を越える途上水は2次処理の必要がある。中途半端な初期のアルプス処理。
アルプス処理廃棄物にも問題あり。超高濃度汚泥の発生。現在の保管量4292基(HIC保管容器)
・汚染水放出計画
現在進行中の2013年度第4回放出を含め、トリチウム総量約5兆Bq/lを放出。 2024年度は7回に分け、合計5万4600トンを放出予定。トリチウム濃度は16万から40万Bq/l、トリチウム総量は14兆Bq。薄いものから放出。次第に濃くなっていく。
・溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し
デブリ取り出しのための施設建設を理由に空にしたタンクの解体を2024年に着手。2024年はタンク解体の実績づくり。
1,2,3号とも、デブリの状態確認の段階で、取り出しは進んでいない。
・廃炉
30‐40で廃炉は目標と、東電が認めた。
汚染水放出は、現在の貯蔵量133万トンだけなら19年で終了できるが、新規の汚染水処理が残る。発生を抑えないとだらだらと続く。
トリチウム濃度は次第に高くなる。貯蔵中の最大濃度は250万Bq/l。
・今後の提案
地下水減らしの継続
注水やめて空冷にする。あるいは、 建屋内だけで水循環する。
敷地が必要な分だけ、タンク解体・移設をする。
デブリ施設の地盤改良やセメントの水として利用する。
以上が、おおよその講演内容でした。この後、吉澤さんから高濃度のセシウムが検出されたクロソイの話などを交えての質問があり、また、他の参加者から、東電の立場に寄り過ぎた講演内容だとの指摘もありました。
何度もの現場取材を基に為された報告、講演であり、同様の内容が2月19日の東京新聞で、「3,11後を生きる こちら原発取材班」の記事で、汚染水問題の実情として紹介されています。
講演後も、宿舎、ボーン請戸川での夕食会、その後、翌朝まで共にされ、様々な質問に答えていただきました。
=====添付資料=====
・原発週報2024. 2.21-2.27 編集:漆原牧久
・テントニュース284号
=========デモ、集会==========
◆3月4日(月)ALPS処理汚染水放出差止訴訟 海を汚すな
第1回口頭弁論 14時開廷 福島地裁
◆3月8日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前ひろば
◆ 3月11日(月)に経産省前集会(14時~16時)
「能登半島地震と志賀原発」の報告を中心に
・日時:2024年3月11日(月)14時~16時
場所:経産省本館前集会
・発言予定
河合弘之さん、菅井益郎さん、後藤政志さん、国会議員(依頼中)、福永正明さん、
福島から、能登から志田弘子さん(メッセージ)、請戸テントから、
テント弁護団、座込み者
・音楽
朴保さん、守屋真実さん
・案内
福島は終わっていない、能登半島地震が示す原発はもう終わり、汚染水を海に流すな!
私たち経産省前テントひろばは、経産省本館前で毎日午後に交代で座り込み、毎週金曜日夕刻に経産省抗議行動、経産省に抗議・申入れ、請戸テントひろば開設、川柳句会など多種多様な抗議行動を続けています。そして、2011年9月11日のテント設立以来、全国の反原発運動に支援され、連帯して脱原発を訴え続けております。 3.11事故以降福島は全く終わっていないにも拘らず、西日本の原発の再稼動が続き汚染水海洋投棄が始まりました。そんな中で、本年元日に能登半島地震が起こり、周辺住民に多大な自然災害をもたらしています。被災された皆さんに心よりお見舞い申し上げます。一方、この地震で志賀原発でも多くの深刻なトラブルを起こしました。志賀原発が稼動していなくて良かった、珠洲原発が建設されていなくて良かった、と多くの人々が胸を撫で下ろしています。
そして、稼動している原発は今すぐ止めるべきではないか、原発の耐震基準など「新規制基準」及び避難計画の為の「原子力災害対策指針」を早急に見直すべきではないか、の議論がまき起こっています。それにも拘らず、関電が若狭の老朽原発を稼動し続け、大事故を起こした東電までがトラブルを起こし続けながら柏崎刈羽で使用済み核燃料を移動しての再稼動を目論んでいます。
私たちは、13年前に起きた事故を思い起こし、能登半島地震による自然からの警告を尊重し、直ちに原発を終わらせようと訴えます。
◆3月15日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前ひろば
◆3月15日(金) 第34回「原発いらない金曜行動」
18時30分~ 首相官邸前
◆3月20日(水・祝) さよなら原発全国集会
会場:代々木公園 13時より 集会後デモ
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◆3月4日(月) 3.4ALPS処理汚染水差止訴訟第1回口頭弁論
ALPS処理汚染水差止訴訟原告団・支援する会のみなさま
■3.4第1回口頭弁論のお知らせ
いよいよ、海といのちを守るALPS処理汚染水差止訴訟の第1回口頭弁論が3月4日(月)14時に開廷します!
開廷前に、福島地裁前で事前集会を行います。傍聴抽選に外れた方・傍聴されない方は、すぐ近くの福島市市民会館に移動して裁判並行集会にご参加ください。裁判閉廷後には同じ会場で裁判報告会を開き、その後に原告団・支援する会の総会を開きます。
当日はぜひ、海にちなんだ青いものを身に着けてお集まりください!
〈スケジュール〉
2024年3月4日(月)
12:30 福島地裁前集会
13:00 傍聴整理券配布開始(見込み)
13:30 傍聴抽選時刻(見込み)
14:00 開廷(~15:30頃閉廷見込み)
※傍聴されない方、傍聴抽選に外れた方は14時からの並行集会にご参加ください。
福島市市民会館 401、501(予備会場)に移動
14:00 裁判並行集会 開会
15:30頃 裁判報告&記者会見
16:20 休憩
16:30 原告団・支援する会総会 開会
17:00 終了
https://alps-sashitome.blogspot.com/2024/02/34.html
※傍聴券確保のためにぜひご協力をお願いします。
※並行集会・裁判報告会はYOUTUBEでライブ配信します。
→https://youtube.com/live/JoN-0U3N4bc
■ALPS処理汚染水差止訴訟原告団・支援する会ニュース第1号
(下リンクよりご覧ください)
https://alps-sashitome.blogspot.com/p/blog-page_13.html
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ALPS処理汚染水差止訴訟を支援する会
メール sashitome.shien@anppa.org
ホームページ https://alps-sashitome.blogspot.com/
原告団・支援する会事務局住所
〒970-8045 福島県いわき市郷ケ丘4丁目13-5 丹治方
電話番号 090-7797-4673(丹治)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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