経産省前脱原発テント座り込み日誌3月21日版
- 2024年 3月 25日
- 時代をみる
- 木村 雅英
◎ 原子力緊急事態宣言下の3.11、脱原発 3月15日(金)
脱原発、経産省は嘘をつくな、原発は安全ではない、安くはない、クリーンではない、無くても電気は足りている、「気候変動」を口実に原発動かすな、…のコールで経産省抗議を開始。杉崎さんが「帰りたい、帰れない」と「明日が無い」の替え歌を歌い、一日も早くすべての原発を廃炉にと訴えた。
私(K.M)から、非常に残念なことに、本日、美浜差止裁判で大阪高裁が却下の判決を出した、3月13日の原子力規制委員会定例会議の標準応答スペクトルの検討でパブコメ意見を無視して能登半島地震を取り入れなかった、原子力災害対策指針のみならず沖縄住民の台湾有事の住民避難計画においても現実離れ(離島とPAZは即時避難、沖縄本島とUPZは屋内避難・退避)、核燃サイクル破綻が分かりながら継続させた経産省のやり口を批判したNHKETV紹介して、紙を配付。
奥内さんが、青田恵子さんが放射能を避ける為の保養を歌った詩「春休み分の空気」を詠む。 三上さんが、裏金問題・選挙問題・統一教会・パーティ券・森喜朗問題を論じる。火炎瓶鉄さんが、13年前に放射性物質がまき散らされたことを振返り3.11を原発を止める日にしよう、毎日あちこちで地震と訴え、経済産業破壊省・もういい加減に目を覚ませ・原子力は滅びの道だ・…のコール。
守屋さんが、ドイツなど世界中が汚染水海洋投棄反対と訴え、「座り込め、ここへ」と「ああ、福島」を歌う。
白倉さんが、3.11を迎え、今も原子力緊急事態宣言下にある、それなのになぜ原発を止められないか、政治家は余りに鈍感、放射能被害は皆が受ける、将来世代に対して日本のあり方を問われている、私たちの責任、原発事故により380人も出た子ども甲状腺がん裁判に注目、志賀原発を止めよう、総ての原発を止めよう、電気は足りているし発電方法は沢山ある。
沼倉さんが、3月23日の女川原発再稼動阻止の大集会(交通費補助あり)を案内。山本さんが、経産省前テントひろばからカンパ要請。乱さんが、3.11集会でのカンパに御礼、日本列島あちこちで地震、今すぐに権力機構を変える時、共に頑張ろう。
最後に短く脱原発、NOWAR、NONUKESのコールで終了、多くの方は首相官邸前「原発いらない金曜行動」に。私も椅子類の運搬を山本さんと大賀さんにお任せして首相官邸に向かう。 (K.M)
◎ 事後原因非公開で飛行再開、どういうことだ 3月16日(土)
・オスプレイ飛行再開-事故原因は非公開。
飛ばさなければ事故と無縁なディスプレイ。飛ばせば限りなくデスプレイン。安全保障(Security)は安全(Safety)を必ずしも保障しない。
安全保障、それ自体を否定はしないが、あまりに安易に邪悪に使われている。安全保障のために学校や病院を武力攻撃する。経済安全保障のために奴隷労働を制度化する。エネルギー安全保障のために原発を推進する。共通点は、最初から犠牲が織り込み済みということだ。 (O・O)
◎ 寒さをしのぐのはたいへんだ 3月18日(月)
きょうは、いつもにも増して風の強い一日であった。天気予報でも、気温が12℃~13℃なのに、風力は10㍍(いつもは7~8㍍)以上との事だった。それで、太陽が金融庁ビルに沈む午後2時以降の寒さを考えて、ポットにお湯を入れて経産省前に向かった。
経産省前の風の強さは、想像以上で、のぼり旗は半分の高さにし、バナーは植木の上に半分被せて設置した。それでも、のぼり旗は引きちぎれんばかりにたなびき、バナーも宙に舞っていたので、吹き飛ばないか、点検を怠らずに、気を使わざるを得なかった。
きょうは、午後1時から「第7回原発事故避難者住まいの権利裁判」が東京地裁であった。たんぽぽ舎のTさんが12時半頃寄って下さった。 この裁判を傍聴されたOk妹さんが午後2時半過ぎに寄って下さった。「衆議院会館で午後3時半から院内集会が開かれるが、まだ時間があるので寄った」とのこと。この悪天候のなか、ありがたかった。但し、余りの強風に驚かれていたが。
きょうの参加者は、担当者のほかに㈬担当のYaさんが来られた。「水曜日は、代々木公園の反原発集会に参加するので、今日、来た」とのことであった。
寒いので、経産省前の人通りは、さすがに少なかった。反原発ソングを時間まで掛けて、寒いのを凌いだ。もちろん、ポットのお湯を何回も飲んだことは言うまでもない。 (保)
◎ さよなら原発集会向けの準備をした 3月19日(火)
今日も午前11時半過ぎに、Yさんと二人で台車を押して、12時前に経産省前に到着した。いくらか風もあったが、大きなバナーを広げて掲示した。いつものように、後半のAさん、Iさんが午後2時前にやって来て、座り込みを交代し、翌日の代々木公園での「さよなら原発大集会」に向けた準備で、事務所に戻って作業をした。
午後3時半過ぎに経産省前に戻り、3人で撤収した。そして翌日は、代々木公園は快晴の中で、ブースを飾るバナーや旗竿をもって、Yさんと出かけた。集会には6000人が参加したと報道されたが、昼過ぎの一時的な突風と雨で、午後2時半過ぎに倒れそうになったテントを皆で撤収して、デモには参加せずに引き上げた。それでも、かつてテントで泊まり込みに参加していた方や、経産省前に座る曜日の異なる方などがやってきて、皆さんには、焼酎「脱原発」販売に協力して頂いた。(EO)
◎ さよなら原発は6000人と盛会だった 3月20日(水)
今日は休日。「フクシマを忘れない! 原発再稼働を許さない!
汚染水を流すな!」の「さようなら原発全国集会」が代々木公園で開かれ、みんなは、そっちに行った。朝は真っ青の空。昼頃に雨が降るという天気予報を信じることはできなかったが、雨合羽を持って行った。
経産省前の人通りは少なかった。風が強かった。通りがかりの女性が、カンパを入れて下さる。「トリチウムの除去には方法があるというのに、その研究を進めればいいのに」と言われた。「頑張ってください。ありがとうございます」とねぎらってくださった。
早番当番のIさんは、遅番の保っちゃんにバトンタッチして代々木公園に行く。そうこうしているうちに午後1時過ぎに、空が曇り、風が強くなり、雨が降り出した。合羽を着て、傘をさして、ちじこまっていた。撤去する午後3時前にやんだ。外務省前の早咲きの桜は咲きはじめていた。当番だけの3人。事務所に戻ると、少しして、代々木公園に行っていた山本さんと大賀さんが戻ってきた。山本さんは「ちょうど松元ヒロが話し始めたときに、雨が降り出した」と言っていた。集会には6000人集ったそうだ。 (T・I)
◎『聞いてください』を是非お読みください 3月21日(木)
快晴で日差しが強いので、事務所からパラソルを4本持って出たが、経産省前に着いてみると、風が強くてとても拡げられない。Yoさん、Okさんと3人で悪戦苦闘しながら設営。座り込みを始めると、どんどん風が強くなり、危ないのでいったん広げた「ひまわりの女の子バナー」は取り外した。私はIshさんにお借りし読了した坂田静子著『聞いてください』をOkさんにお渡しする。
先週私が読んでいるのをOkさんが見て興味を示されたので、「読み終わったらお貸しします」と約束していたのだ。又貸しすることは、昨日Ishiさんに了解いただいていた。勇気づけられる素晴らしい本だ。未読の方にはぜひ一読をお勧めしたい。3人で昨日の「さようなら原発、代々木集会」の感想など話し合いながら強風に耐えていると、先週も通りかかった竹籠を背負ったお坊さんが「風が強いのう。体に気をつけてな」と言って、通り過ぎて行った。
私は寒さに耐えられなくなり、いつもの「地震の国に原発はいらない」「フクシマをくり返すな」のゼッケンをつけて経産省の周りを1周し、ついでに日比谷公園内を散策した。桜の木の蕾がだいぶ膨らんでいる。外務省の方に回ると、すでに開花している樹が何本かあった。戻って来ると、後半担当のSuさん、Taさんが到着したので、バトンタッチし、帰路についた。(M.U)
========投稿=========
汚染水海水稀釈に関する理論武装の必要
経産省前テントひろば有志 石上健二
皆さん、以前から私は同様な主張を何度も繰り返していますが、今一度、はっきりと述べるべきと思い、新たに作文いたしました。今月、政府は、IAEAのグロッシ事務局長を呼び、新たな資金供与を行って、1月以降の国、東電の不利な状況にかかわらず、強引にアルプス汚染水放出と柏崎刈羽の再稼働を進めようとする東電の現状を告発しておくべきと考えます。
広く皆さんのご意見を求めます。よろしく。
放射性物資海洋放棄、とりわけ海水での希釈に関して
福島第1原発で、昨年8月より汚染水の放出が為されていますが、放出前の地上での海水との混合に関して異議を申し立てます。
本年度は、アルプス処理後にタンクに貯められていたトリチウム濃度「13万Bq/1から19万Bq/1(10基平均)」の汚染水を40基分海洋放棄しました。(本年度第4回目が3月17日に完了)
毎回18日間、1kmの海底トンネルの先で放出する前に、毎日、460トン(メートル立米)のアルプス汚染水を大型ポンプ2台で送る海水340,000トンと混合しています。つまり、740倍に薄めています。しかしこれは、立て坑(上流水槽)に流れ込んだ後にオーバーフローした混合水を放水トンネルに導いているだけで、何ら放射線量を減らす施設ではなく、放水設備の一部に過ぎません。740倍に薄めて、総量すべてを捨てています。総放射線量は、薄める前と変わりません。確かに薄めた後のトリチウム濃度を測れば、14万Bq/1÷740=189Bq/1ですが、放出するトリチウムの量に変わりはありません。
従って、この混合あるいは希釈の行為は、「核原料物資、核燃料物資及び原子炉の規制に関する法律」の第43条の3の22、第7にある「多量の水による希釈等の方法によって排水中の放射性物質の濃度をできるだけ低下させること」には当てはまらないのではないでしょうか。仮に、アルプス汚染水をタンクから直接、海水を混ぜずに放出しても、波があり、海流があり、海上には風もありますので、海水と混ざります。結局は、海がする混合の一部を地上で行っているだけではないでしょうか。より速やかに混合・希釈するために役立っているでしょうが、海の放射能保有量の低下のためには役立たない、無駄なことをやっていると言えるでしょう。
それでは放射性物質の濃度とは何なのでしょうか。当然、ろ過、蒸発、イオン交換樹脂法などによる吸着、放射能の時間による減衰を経た後の濃度であり、今でもトリチウム以外はそのようにしている通り、海水による希釈は目的が違い、この場合は、濃度の低下に使っているとは言えないでしょう。つまり、各放射線に於ける処理を済ませた後にストックされた、タンクの出口で測定される濃度がこの場合の放射線濃度であり、トリチウムを含め、各核種の海水での希釈後の値ではありません。
例えば、希釈後の計測値を告知濃度比の計算で使う場合は、希釈倍率x計測値がその場合に使うべき濃度です。つまり、40倍に薄めて1,500Bq/1になっている場合は、濃度は1500x40=6万Bq/1です。
しかし、トリチウム14万Bq/1を40倍に薄めても1,500Bq/1にならないので、100倍に薄めることで1,400Bq/1になり、「1500Bq/1以下の条件を満たす」などとしています。これはとても危険で、2台のポンプで希釈する場合、740倍にでき、1,500Bq/1で良いなら、1500x740=111万で、濃度111万Bq/1の汚染水を海に捨てることができることになります。また現存する予備のポンプも使って3台で薄めると、1,110倍に薄められ、166万Bq/1まで捨てられることになります。
国と東電は既に計算済みで法解釈、あるいは法改正をしたのでしょうが、誤った解釈、あるいは法改正は訂正されるべきです。もちろん、トリチウムに関して元来の国の法規制である濃度限度、告示濃度、6万Bq/1を適用すれば、現在のタンクの最低濃度は13万Bq/1ですので、12,5年の半減期を数回待ってから、濃度が6万Bq/1を下回り、トリチウムを含む全放射線の告示濃度比総和が1未満であることを確認してから海洋放棄するか、あるいは、モルタル固化、ガラス固化等の他の手段を用いなくてはなりません。いずれにしろ、炉内の燃料デブリを数グラム(数ミリグラム?) しか取り出せず、今後の取り出し方法も決まらない今日、汚染水の海洋放出を急ぐ理由はありません。
先ずは、トリチウムの年間総放出量を22兆Bqに抑えることを条件に、放出物質のトリチウム濃度を最高100万Bq/1(規制濃度6万Bq/1の17倍)とし、告示濃度比総和の計算にトリチウムを除外したこと(規制法の無視)に異議を申し立てます。さらに、「最終放出口に於けるトリチウム濃度が1,500Bq/l以下なら海洋放出可能(注*基準の適用の間違い)」という誤った規準の取り消しを要求します。
(注*)
規制濃度6万Bq/1を守るには、(常時1,500Bq/1以下で良いのではなく) 100倍に薄めたときの計測値は600Bq/1以下、740倍に薄めたときは81Bq/1以下でなくてはならない。現在の濃度14万Bq/1では、100倍では1,400Bq/1、740倍では190Bq/1を示し、これらは条件を満たさない、つまり規制濃度6万Bq/1以下ではない。
先日、3月13日、国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が福島第1原発を訪れ、「IAEAの期待通りに運用されており、処理水に含まれるトリチウムのレベルも非常に低い」と、視察後の記者会見で述べています。
翌14日、首相と会談し、処理水の海洋放出に関する協力の継続を確認し、その後、外相と会談し、外相はIAEAに約30億円(1850万ユーロ)の支援を約束しました。このような露骨な癒着が、現存する法規の無視や解釈変更を可能にしてきたのではないでしょうか。
また、福島第1視察、首相会談、外相会談に先立って、12日、グロッシ事務局長は経産相と会い、IAEAによる柏崎刈羽の調査を約束し、再稼働のための《お墨付き》を与える準備をしています。
3月4日には福島地裁で、国と東電を相手に汚染水放出差し止め訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。いずれ、様々な異常な事態が明らかにされるとは思いますが、裁判は時間がかかるし、最高裁エリートと国、東電との癒着も言われています。油断はできません。できるだけ早い、明確な理論武装が必要だと思います。
経産省前テントひろば有志 石上健二
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経産省、規制庁、電力会社等の動き 状況の報告(テントひろば)
3月10日、東京新聞。青森県六ケ所村、使用済み核燃料の再処理工場の完成、27回目の延期。核燃料サイクルの実現が見通せず、各原発構内での使用済み核燃料の長期保管が常態化。
3月11日、東京新聞。東日本大震災後13年、能登半島地震の状況から、避難計画は崩壊した、と判断。集落脱出できない。救出に向かえない。悪天候なら船やヘリは出せない。
3月11日、東京新聞。福島第1原発、処理水放出、終わらない恐れあり。毎日発生する汚染水を28年度までに、毎日50-70トンにする目標を立てているが、その後、汚染水ゼロにする見通しが立たない。
3月11日、東京新聞、こちら特報部。13年前、福島県大熊町に住んでいた大賀あや子さんは原発事故後、会津若松市などに避難した後、2014年から新潟に身を寄せていた。そんな中で起きた能登半島地震で、半島の状況、志賀原発の状況、柏崎刈羽原発の状況に、危機を募らせた。原発事故を知る者として言う。「私たちは刻一刻と状況が悪化する経験をした。原子力災害が起きたらできるだけ早く離れないといけない」
3月12日、東京新聞。3,11経産省前テントひろばの集会で、志賀原発周辺住民の《命のネットワーク》の事務局の藤岡彰弘さんが志賀原発の廃炉を訴えた。「逃げられなかった重みを役人たちはどう感じているのか」
3月13日、東京新聞。海底隆起の影響を問われた北陸電力の土木建築部長は、詳細を説明しないまま、発電所の安全に問題ないと答えた。自然の脅威に向き合わない姿勢は、大津波の予測に取り合わなかったために福島第1原発事故を起こした東京電力と重なり、志賀原発の再稼働に、容認派にも迷いが生じている。
3月17日、東京新聞。ドイツ、原発全機運転停止から1年。再稼働は電気事業者が望まない。再生可能エネルギーに投資の転換。廃炉は進むものの、高レヴェル放射性廃棄物の最終処分場の建設にはまだ遠い。
3月19日、東京新聞。仙台高裁は、福島第1原発事故で圏外に避難した81人の国と東電に対して損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、ふるさと喪失慰謝料の増額を認めた。東電に支払いを命じたが、国の責任は認めなかった。「津波対策について国が東電に命令を発しなかったことが著しく合理性を欠くとまでは言えない」
3月20日、東京新聞。経済産業大臣は新潟知事に、柏崎刈羽原発再稼働の同意を要請した。新潟県知事は、「避難計画の策定は再稼働判断に関わり、しっかりとした緊急時対応がないなかで再稼働が進むことはない」 と述べた。
3月21日、共同通信。神戸地裁は、兵庫県への原発避難者の訴訟で、東京電力のみに賠償を命令し、国への請求は退けた。
=====添付資料=====
・原発週報2024. 3.13-3.19 編集:漆原牧久
・テントニュース285号
=========デモ、集会==========
◆3月27日(水) 12:00-13:00 原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動(毎週)
◆3月27日(水) 渕上太郎さん墓参。14h00 JR八王子中央口改札集合。バスにて上川霊園へ。(3月25日から変更になっています)
◆3月29日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前ひろば
◆4月3日(水)
第69回日本原電本店抗議行動 東海第二原発動かすな
17時~18時 日本原電本店前
◆4月3日(水)
第127回東電本店合同抗議 東電は原発事故の責任を取れ
18時45分~19時45分 東電本店前
◆4月5日(金) 17:00-18:00 経産省前テントひろば、抗議集会(毎週)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5219:240325〕
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