経産省前脱原発テント座り込み日誌4月11日版
- 2024年 4月 16日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年4月11日は、座り込み4,597日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎桜は今が盛りだ その命は短いが 4月5日(金)
経産省前に座り込みを始めて、前を見ると桜の花が今が盛りとばかりに咲き誇っている。しかし、このところの冷え込みで薄いピンクの花弁がややちぢこまったように感じるのは私だけであろうか。
郵政のビルの工事のドリルの音が一日中なり弾いている。花冷えとはよく言ったもので、桜の花は満開ではあるが、満開のまま、花ビラが散らずにそのままの状態で咲いている。しかし、桜の花が満開の時は背景が青空の方が良い。薄いピンクの花びらがその青に一層映えると思う。
朝、家を出るときは少し冷え込むとは言っていたが、ここまで寒くなるとは思わなかった。途中からホカロンを探しにコンビニをさまよったが、桜の季節にホカロンはお店に置いていない。ドラッグストアまで行って探したが、お店の隅の方に少しだけ置いてあったので、仲間の分も合わせて買い求めてきた。これで前半の午後3時までは持ちこたえることが出来るだろうと思った。 (S・S)
◎戦争反対、原発反対、腐りきった政治を変えよう 4月5日(金)
寒空の中、財務省の前の排外主義の人たちの抗議が終わる頃、文科省前の朝鮮学校差別反対の抗議、続いて我等が経産省前抗議行動開始。
脱原発・再稼働反対・運転延長反対・命を守れ・地球を守れ・未来を守れ・…などを経産省に訴える。今週を振り返り私(K.M)から、「3/31老朽原発ただちに廃炉!美浜全国集会」参加報告、稼動差止仮処分裁判で差止は敵わなかったが、美浜町で大きな抗議集会・デモ、右翼の妨害をも、はねのけて400名の行動、井戸謙一さんから地震と原発が集中した日本列島の危険性と若い人の共感、また国会原発ゼロ・再エネ百の会で東海第二の防潮堤工事不良について原子力規制庁を責め、特に日本原電に東電が資金支援しており日本原電の「経理的基礎」が成り立たない。原子力規制委員会が定例会議で傍聴者に資料を配布しない問題と抗議。
白倉さんが、花冷えに共感、原発推進が不思議、この国の政治にうんざり、原発を無くすように13年間訴えてきた、どう考えてももう原発は頭打ち、46トンのプルトニウムを増やせない、原爆の被害を受けた、核兵器を持たない、核燃料サイクルは破綻、原発にしゃぶりつく愚かさ、原発は決して安くない、CO2より怖い放射能を出す、放射能は安全なはずはない、脱原発を実現しよう、私たちの声を上げていくことが大切。東京に一番近い東海第二原発を止めよう。戦争の無い社会、原発の無い社会を実現しよう。
石上さんが、国際原子力機関(IAEA)のグロッシュ事務局長が来日して、東電の汚染水海洋投棄を評価し、日本政府首脳と会い、柏崎刈羽の再稼働を後押し、露骨にも30億円を日本がIAEAに拠出する、追求しよう。そう言えば、IAEA深層防護第5層を守らないし、柏崎刈羽再稼働について経産相が新潟県知事に電話。
平岡さんが、反原発運動とともに、裏金問題で自民党内の処分について、規準が不明、差別発言女性議員も裏金をもらい保守層から支持されている、戦争前夜か、選挙で自民党議員を減らそう、自民党政権を退陣させよう。そう言えば、厚労相が医療関係学会から多額のリベートも。
守屋さんが、「座り込め、ここへ」を歌い、一日も早く原発を無くそうと訴え、「水に流すな」を歌う。
経産省の新人らしい若者たちの前でコール:経産省は嘘をつくな、原発は安全ではない、安くはない、無くても電気は足りている、クリーンではない、…と。坂東さんが、阪神淡路大震災における地盤沈下、地震による原発事故、変圧器の火事、アーク放電、志賀原発をうごかすな、明日の山崎ゼミに出席を。
私(K.M)から、配布資料をもとに、第7次エネルギー基本計画で原発ゼロを実現しようと呼びかけ、東電「強制基礎」裁判の告訴人らが判事を批判し原子力ムラと裁判所の”蜜月ぶり”を紹介。
乱さんが、食の安全、食糧の自給を、毎日のように地震が起こる日本列島で原発事故がいつどこでも起こり得る、災害に備えることが国を守ること、戦争は既に始まっているのではないか、今は大きな歴史的転換点、「??有事」に騙されてはいけない、危ない時代に生きている、腐りきった政治を変えよう。最後に、戦争反対、原発反対、…と経産省に訴えて抗議集会を終了。 (K.M)
◎ 問へどこたえずなんだけれど 4月6日(土)
・不問とは?
辞書を引いてみた 問いたださないこと。とりたてて問題にしないこと。
・ドクタ-ストップ 知らない、分からない、記憶にない・・・お大事に。
・安かろう 悪かろう
原発は安い?そうだろうともさ。事故対策は安易・安直だし何より命を著しく安く見積もる。そして国民を騙すのは容易い。
だが、程なく原発は高くて危険だと公言するようになるだろう。だから国民に金の負担と勇気(はあ?)を求めるだろう。絶望的な食糧自給率を顧みればエネルギー安全保障のための原発利用などという戯言は詐欺師でさえ口にするのをはばかるだろう。(O・O)
◎ 今年の桜は去年の桜と違って 4月8日(月)
経産省前に着いたら奥に咲いている桜が満開で見事であった。例年、見ているが、これまでは花も小さくて色も薄いのでみすぼらしい印象しかなかったが今年は違った。花も大きくて満開なので圧倒されるぐらい綺麗に咲いていた。今年は早くから咲くと言われていたのに、なかなか咲かず遅くなって咲いたら、瞬く間に満開になったので、印象が強かったのでしょう。
経産省前の人通りはいつも通り。気温も25℃もあり寒くないので座り込みは楽だった。但し午後1時前から小雨が降り続いたので、人通りも少なめになり、静かに時間は過ぎていった。反原発ソングを繰り返し掛けて「福島原発事故は終わっていない」「再稼働反対」などをアピールした。午後3時過ぎにHiさん、Suさんが来てくれました。この間、あった事についてお互い意見交換していたら時間になってしまったので、急いで片付けて、続きは事務所に帰ってから話し合った。
今朝の東京新聞の『特報面』は西洋美術館に出品している作家たちが、イスラエルから攻撃用ドローンを輸入して防衛省に納入しようとしている川崎重工業に抗議した事を特集している。記事によると西洋美術館は川崎重工業の前身の川﨑造船所・初代社長の松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を基礎として発足した経緯がある。そこに対する抗議は前代未聞。今後どこからも政策依頼が来ないかもしれない。その覚悟で抗議したとのこと。イスラエルのガザへのジェノサイド(民族大虐殺)に対しては、世界中で非難が巻き起こっている。日本でもイスラエル大使館への抗議行動が続けられている。
新たに声を上げた人々を守り一緒にイスラエル非難の声を上げていこう! (保)
◎ 記念写真を撮っていた人たちと 4月9日(火)
14時に着くと、ひろば前で6人程が記念写真を撮っていた。大阪からの「カジノを止める寝屋川市民の会」の方々だった。(山川よしやす氏、東谷光博氏、他) カジノは大阪万博と共にゴミで埋め立てた夢の洲の上に建設中だ。アクセス・インフラ等、共有部分が多く、万博はカジノのためと疑う人たちも多い。そして先日3月28日、埋め立てに使った浚渫土砂から発生したメタンガスの爆発事故が起きた。万博関連予算は10兆円。大阪市民一人当たりの負担、27000円。その上、万博強行で府民の命をも奪う状況に発展。(4月2日、東京新聞。「万博会場でたばこ吸ったら吹っ飛ぶ」をホンマに否定できるんか。建設現場で爆発。地中のメタンガスか。開催ええんか?)
他方、能登半島地震で、未だに避難生活を強いられ、生活のめどが立たない多くの被災者がおり、万博工事優先は能登半島の生活復興の妨げとなっている。
本日4月9日、全国から寄せられた、「万博・カジノを中止し、能登半島地震被害者支援を求める署名」 約44500筆を岸田首相・経済産業省に提出。
私たちテントひろばとの話しのなかで、万博・カジノ反対のメンバーは若者が多く、反原発のことを知らない人たちも多いとの説明があった。私たちにしてみれば羨ましい限りだが、此処、テントひろばに立ち寄っていただいたこの機会に、新たな発展に結びつくことを、お互いに期待したい。
一時、雨が上がったが、また降り出した。突風も半端でない。立松和平の「毒。風聞 田中正造」(1997年、東京書籍)を持ってきていたのだが、開けない、読めない。代わりに、先週持参して読んだ本について記します。ハルノ宵子の「隆明だもの」(2023年12月晶文社) 買ってからしばらく経つが、吉本隆明を今ひとつ良く理解できないままに、おそらくその最良の解説書であろうものを読むには大きなためらいがあって、机の上に置いたまま開けなかった。
先日、吉本隆明に関して書こうとして、結局、力不足なのを思い知って断念してから、やっと読めるようになった。
第27章、「科学の子」は、「『反核』異論」、「原発をやめたら猿になる」の解説だ。
=Quote=
父の本を読んでいると、つくづく「理系の文章だなあ」と、思う。 とにかく不親切なのだ。発達障害の理系のように、説明をすっ飛ばす。他人も当然周知のこととして話を進める。感覚も理解度も、学習レベルも、自分と同等とみなしている。
・・・・
父の死後、3か月ほどたった夏の初め・・・・
坂本(龍一)さんは、お仏壇に手を合わせると、開口一番「あのう、吉本さんは、原発について、どうおっしゃっていましたか?」と、ボソボソと尋ねる。(悪いけど)ちょっと吹き出しそうになった。ほんとうに父親を亡くしたばかりの、心細そうな少年の顔をしていた。
やっぱり気にしてたんだ。
その頃、坂本さんは、「たかが電気のために、なんで命を危険にさらすのか」という発言だけが切り取られ、ひとり歩きして、「電気を使った音楽で食ってるお前が言うな!」的な誹謗中傷に、さらされていたのだと思う。ヨ・・・弱い。
「何も特別なことは、言ってないと思いますよ」 人が《火》を見出してしまったからには、決してそれ以前の生活には戻れない。その扱いについても、後始末についても、代替エネルギーにしろ新エネルギーにしろ、もう人類は永遠に《火》と向き合って、考え続けねばならない。「一貫して、その考えでしたから」 ――ってなことを話したと思う。それこそ猿でも分かる論理だ。
そして父は、自分たちこそが《絶対善》それ以外の考えは絶対に《悪》という理念から徒党を組み活動することを最も嫌ったが、それは別に言わなかった。
坂本さんはまたひとりトボトボと帰って行った。
父は、ごく親しい人や身内には、「《核のゴミ》なんてな、埋めとくこたない。ロケットに積んで、太陽にブチ込んじゃえばいいんだ」と、言っていた。・・・・ブチ込んじゃうのは、スイングバイで戻って来るより、はるかに簡単だ。当然ものすごい金がかかるだろう。しかしこれまでに、ものすごい金をかけて開発された《核》だ。ものすごい金をかけて回収するのが、人類の責任というものではないだろうか。そのためには、すべての国が手を組み、技術を結集させねばならないだろう。なんなら《テメエらの国の核弾頭》も、ついでにブチ込んじゃいましょうよ。
そんなのは漫画だ、夢物語だと、誰もが言うだろう。それでも人類は、そこに向かって考えねばならない。放棄することは出来ない。人類滅亡と、どっちが早いか分からないけれど、考え続けなくてはならない。――と、こんなところが不親切な父がすっ飛ばした胸の内であると、勝手に補完してみました。・・・・父は、すべてを長い長いスパンで考えていた。それだけは確かだ。それはもちろん、自分の寿命なんかをはるかに超えている。天文学者も物理学者も、生物学者も考古学者も、皆「ああ、自分の寿命が足りない!」と思いつつ、後世に託すのだ。それが理系の宿命なのだ。
初代アニメ『鉄腕アトム』の、(トラウマ級)ラストをご存じだろうか? アトムは暴走し始めた太陽を鎮める物質が入った巨大なカプセルを抱え、地球に、家族に別れを告げて、太陽に突っ込んでいく。 ・・・・
=Unquote=
15時30分、Asさんと、少し早めに片づけて事務所に向かった。 (Is)
◎ 軍需産業のために戦争をするな 4月10日(水)
晴。真っ青な空。風割と強い。桜の花の花びらが青空を背景に雪のように舞い散っていく。きれいだ。保っちゃんは「月曜日はふさふさしていたのに」と。滞りなくセッティングを終えて、しばらくしたら、女性がカンパをして下さる。ニュースなどを渡す。「ありがとうございます」と。
金曜日行動に参加されていたYさんが立ち寄る。「金曜日行動に参加する時、発言しようかと思うと、それに向けて新聞などをしっかり読むけど、参加できないとどうしても頭を使わないね」などと言われた。参加して、発言してください!
今日は規制委員会抗議からヨーカンさん、Oイーさん、木村さんがまわってきてくれた。ヨーカンさんと会うのは久しぶり。互いに元気を確認する。木村さんは来る途中にアメリカ大使館のところで以下のことを叫んだら警察官10人くらいに取り囲まれたそうだ。
「日米安保条約破棄」「軍事産業のために戦争するな]「普天間返せ」「辺野古基地建設反対」「ガザ虐殺反対」「アメリカはイスラエルに武器を供与するな」「トンキン湾事件を忘れないぞ」
これらを叫んだそうだ。えらい!
それなのに私(T・I)は、「4/8に岸田が対中国・台湾有事で日米防衛協力、戦争の共同作戦司令部づくりに行っていることについて抗議のシュプレをしなかったんですか」などと意地悪いことを言って、木村さんを残念がらせた。
遅番当番のみなさんが登場したのでバトンタッチ。 (T・I)
◎ 地震列島日本で原発をうごかすな 4月11日(木)
Yoさん、Inさんと3人で設営。日差しが強いのでパラソルを広げた。風が少しあるが過ごしやすい陽気だ。私はipadでいつもの反原発ソングを流す。通りかかった男性が「ここは関所だね。黙って通り過ぎるわけにはいかないよ」と言って、カンパ箱にお札を入れて行ってくださった。
13:00、Okさん参加。Okさんが持参した『福島の今とエネルギーの未来2024』(FoEJapan編)を回し読みし、感想を話し合う。Inさんは「昨日、FoEJapanのオンライントーク(山川剛史さん『廃炉と復興の現実を見つめる』)を観てよかった」というので、URLを送っていただくことにした。
13:40、Suさん登場。桜の花びらが花吹雪になって舞い踊る中、歩道に群がった雀がチュンチュン鳴き競う。Suさんは歩道に来た鳩や雀に柿の種をあげはじめる。私はいつものスタイルで経産省の周りを3周した。構内の桜の木は、大方、葉桜に変わっている。定刻、撤収時間になり、Suさんと2人で撤収し、抗議行動を終えた。 (M.U)
===========投稿================
~世界の原子力発電所と震源:土井妙子(金沢大学)他から~
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会・被曝強要委員会! その262
2024年4月13日 木村雅英
次の図をご覧いただきたい。世界地図が、日本列島に地震と原子力発電所が集中していて、地震列島日本で原発を動かすことが非常に危険で馬鹿げていることを、カラーで分かりやすく示している。
出典:https://kankyo.w3.kanazawa-u.ac.jp/
福島第一原発事故と新しいエネルギー社会への転換 The Fukukshima Daiichi Nuclear Power Station Disaster and the Transition to a New Energy Sosiety 企画・監修者名(土井妙子・立石雅昭)
先の「3/31老朽原発廃炉!美浜全国集会」で井戸謙一弁護士から、この図を見れば若い人たちも日本で原発を動かすことの危険性を即座に理解してくれる、と紹介された。
皆さんも是非ご覧いただき、多くの人に伝えていただきたい。
なお、石橋克彦さんによる次の図もご参考に。
原子力規制委員会は再稼働推進委員会!その230 2020年8月26日
http://www.jca.apc.org/~kimum/NRAno230.html
自然の時間を尊重、4つのプレートがぶつかる日本列島、核のゴミは製造物責任
~小野有五講演会が明らかにする原子力規制委員会の愚かで巧妙な再稼働推進~
=====添付資料=====
・原発週報2024. 4.3-4.9 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
◆4月17日(水)12h00-13h00、原子力規制委員会前抗議行動
◆4月18日(木)JKS47月例祈祷会の開催
会場:経産省前脱原発テントひろば 午後2時30分より
◆4月19日(金) 経産省前抗議集会(毎週)
17時~18時 経産省前ひろば
◆4月19日(金)18h30-19h30 衆議院第2議員会館前、総がかり19日行動
◆4月26日(金)経産省前抗議集会(毎週)17時~18時 経産省前ひろば
◆4月26日(金) 第35回「原発いらない金曜行動」
首相官邸前 18時30分~19時45分
◆4月28日(日)脱原発青空川柳句会 12時 経産省前テントひろば 選者:乱鬼龍
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5232:240416〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。