原発週報 2024.7.3~7.9 編集:漆原牧久
- 2024年 7月 14日
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- 原発週報漆原牧久
脱炭素電源、支援加速を強化 GX国家戦略会議、首相方針
2024年7月3日 5時00分 朝日新聞デジタル
政府は2日、GXを進めるための国家戦略の策定に向けた有識者会議を開いた。IT大手の幹部や識者ら6人が参加し、デジタル技術や人工知能(AI)の発展が社会に与える影響や、電力需要の増加に伴う送電網の整備について話し合った。岸田文雄首相は、再生可能エネルギーや原発など脱炭素電源への支援強化や、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする次世代技術の実装を加速する方針を示した。
「知事の対応損ねかねず」 乾式貯蔵巡る条例案を議会委が否決
2024年7月3日 11時00分 朝日新聞デジタル
福井県議会の厚生常任委員会は2日、原発の使用済み燃料を一時保管する乾式貯蔵施設の設置の賛否を問う県民投票条例案を、賛成少数で否決した。条例案は、会派「越前若狭の会」の県議4人が議員発議で提出していた。賛成、反対の投票の多い方の数が投票資格者の4分の1に達したとき、知事はその結果を尊重しなければならないとしている。
「貯蔵期限後」に質問相次ぐ むつの施設で説明会 協定に疑問の声
2024年7月3日 11時00分 朝日新聞デジタル
原発から出る使用済み核燃料を中間貯蔵する青森県むつ市の施設の稼働をめぐり、むつ市と県、事業者が結ぶ安全協定案や貯蔵計画についての県民向け説明会が2日、青森市で始まった。会場からは、最長50年とする貯蔵期限後の搬出先に関する質問や意見が相次いだ。住民への説明会は、県が5日まで青森市を含む県内6市で開く予定のほか、6、7日にはむつ市が独自で開催する。
「核のごみ」処分場の文献調査、国の担当者らが唐津市議会で説明
2024年7月3日 10時00分 朝日新聞デジタル
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の文献調査が佐賀県玄海町で始まったことを受け、隣接する唐津市の市議会玄海原子力発電所対策特別委員会は2日、国の担当者らから調査概要などの説明を受けた。6月10日の調査開始後、国側が周辺自治体に対して公式に説明するのは初めて。
核最終処分の文献調査地域拡大へ抱負 NUMO山口彰理事長が就任会見「1カ所でも多く」 2024/7/3 17:13 産経新聞
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長(67)は3日に就任会見を開き、最終処分場選定の第1段階となる文献調査の実施地域拡大に向け「1カ所でも多く受け入れていただける地域を増やす」と抱負を述べた。任期は4年。機構は、文献調査を2020年11月から北海道の寿都町と神恵内村で、今年6月から佐賀県玄海町で実施中。
アマゾンなどIT大手が原発に触手、AI向け電力確保へ
2024年7月4日 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版
電力供給源を探し求めているIT(情報技術)各社は、新たなターゲットとして米国内の原子力発電所に狙いを定めている。人工知能(AI)ブームによる需要に対応するうえで必要なデータセンターに電力を供給するため、IT各社は国内にある原子力発電所を所有する企業の約3分の1と協議を実施中。
核最終処分の調査、審議終了へ 北海道の2町村 機構、夏にも報告書
2024/7/4 19:47 産経新聞
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は4日、北海道の寿都町と神恵内村で実施している文献調査の報告書案の修正方針を、経済産業省の作業部会に示した。次段階の概要調査の進め方を盛り込むとした。委員から異論は出ず、審議はほぼ終了。機構は報告書を今夏にもまとめる。
川内原発1号機、40年超の延長期間に 再稼働済みの原発では4基目
2024年7月4日 5時00分 朝日新聞デジタル
九州電力川内原子力発電所1号機(鹿児島県)は4日から、「原則40年」の運転期限を超え、20年の延長期間に入る。国内の再稼働済みの原発では4基目。延長をめぐって昨年、市民が求めた県民投票は実現せず、民意が問われることはないまま、その日を迎えた。九電が川内1号機の営業運転を始めたのは1984年7月4日。新規制基準下で再稼働した原発では、関西電力の美浜3号機(福井県)、高浜1、2号機(同)がすでに40年を超えている。
福島県立医大と東京電力HD、原発廃炉の被曝医療で連携
2024年7月4日 18:48 日本経済新聞
福島県立医科大学と東京電力ホールディングス(HD)は4日、福島第1原子力発電所の廃炉で作業員が被曝(ひばく)した場合の緊急医療に関する連携協定を結んだ。8月にも始まるデブリ(溶け落ちた核燃料)の取り出しなどで高線量被曝のリスクが高まるため。被曝した作業員の搬送や治療を円滑に進めるようにする。4日の締結式で、県立医大の竹之下誠一理事長は「廃炉作業に従事される方を健康面から支え、廃炉作業全体の安全な推進に寄与する」と述べた。
柏崎刈羽原発の再稼働条件、7項目のうち2項目「進捗不十分」新潟柏崎市の桜井雅浩市長が認識 ×評価の「廃炉計画の明確化」「再エネ確保への努力」東電社長に確認へ
2024/7/4 10:30 新潟日報
新潟県柏崎市の桜井雅浩市長は7月3日の定例記者会見で、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の条件として東電に求めている7項目のうち、廃炉計画の明確化など2項目について、進捗(しんちょく)が不十分との認識を示した。その上で不十分なままでは「(再稼働を)はいどうぞ、というわけにはいかない」と語った。7月中か8月頭にも東電の小早川智明社長と面会し、東電の認識を確認することも明らかにした。
40年超目指す高浜原発 地元協議会で技術者確保求める意見
7月4日 19時29分 NHK
原子力発電所が立地する自治体の関係者などが意見を交わす協議会が開かれ、運転開始から来年で40年となる高浜原発3号機と4号機の運転期間の延長に向けた関西電力の方針について、安全な稼働に向けて技術者を確保するよう求める意見が出されました。4日、敦賀市で原発の課題などについて話し合う県原子力環境安全管理協議会が開かれ、原発が立地する自治体の町長や電力会社の担当者など約50人が出席しました。
女川原発2号機、3系統目の蓄電池設置へ 宮城県が了解、設置後の適切な管理など求める
2024/7/5 16:22 産経新聞
今年9月ごろの再稼働を予定する東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機について、東北電が原子炉建屋に3系統目となる新たな蓄電池の設置を計画し、県は5日、東北電に設置を了解すると回答した。工事の安全確保や設置後の適切な管理などを求めた。蓄電池は全交流電源が失われた際、原子炉の冷却機能を確保する設備などに直流の電気を供給する。
運転延長期間入り 川内原発1号機 反対派が抗議集会
2024/07/05 05:00 読売新聞
薩摩川内市の九州電力川内原子力発電所1号機が4日、「40年超」の運転延長期間に入った。原発に反対する「ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会」はこの日午前、川内原発近くで抗議集会を開いた。約50人(主催者発表)が参加。「川内原発20年延長反対」「さよなら原発」などと書かれた横断幕やのぼりを掲げたり、スピーチを行ったりして運転延長を批判した。
大飯原発の入門証、シュレッダーにかけて誤廃棄 規制庁が関電に陳謝
2024年7月5日 19時30分 朝日新聞デジタル
関西電力大飯原発(福井県)の構内に入るための入門証を原子力規制庁の元職員の男性(74)が、退職時に誤って廃棄していたことがわかった。本来は関電に返却すべきもので、規制庁は関電に陳謝したという。規制庁によると、元職員は研究職で、2022年3月に退職した。今年5月下旬に関電から入門証の所在確認を求められ、調べたところ、この元職員は「退職時に規制庁のシュレッダーにかけた」と話したという。
敦賀2号機、原子炉下に活断層か 否定の原電に規制委「根拠乏しい」
2024年7月5日 10時00分 朝日新聞デジタル
日本原子力発電が申請している敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の再稼働について、原子力規制委員会が7月末にも判断を示す。6月の現地調査を踏まえた審査会合では、論点となる断層の評価をめぐって原電の主張に疑義が相次いだ。規制委の判断によっては、再稼働できずに廃炉を迫られることになる。敦賀2号機の審査では、敷地内の「K断層」の評価が焦点となっている。
島根原発安全対策めぐり 行政・中国電力・住民代表が意見交換
07月05日 17時58分 NHK
ことし12月の再稼働が計画されている2号機を含めた松江市の島根原子力発電所の安全対策などをめぐって、行政と中国電力、それに住民の代表者などが意見を交わしました。県や中国電力、それに住民の代表者などは島根原発の安全対策をめぐって定期的に協議会を開いていて、松江市のホテルには40人ほどが集まりました。
燃料デブリ取り出し「準備は着実」=東電福島原発視察で規制委員長
7/5 時事通信
原子力規制委員会の山中伸介委員長は5日、東京電力福島第1原発を訪問した。早ければ8月にも始まる、溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに関連する設備などを視察した。視察後の取材に対し「取り出しに向けた準備は着実に進んでいる」と語った。5日は原子炉建屋内で、デブリを採取するロボットアームなどを搬入する大型の搬入口やデブリの密閉容器などを確認。
使用済み核燃料の中間貯蔵に疑問の声続々 説明会終了、知事判断は?
2024年7月6日 12時35分 朝日新聞デジタル
原発から出る使用済み核燃料を中間貯蔵する青森県むつ市での事業について、県などが県民に行ってきた説明会が5日、県内6カ所での開催を終えた。安全協定で定める最長50年の貯蔵期間を疑問視する意見が続出。宮下宗一郎知事は説明会で出た意見も参考に協定を結ぶか判断するとしていて、月内に出す結論にどうつなげるか注目される。
「安全性の風評根拠なし」 エマニュエル駐日米大使が福島視察
2024/7/6 16:27 産経新聞
エマニュエル駐日米大使は6日、福島県南相馬市で開かれたサーフィン大会を視察した。報道陣の取材に「福島の魚や水への安全性に関する風評には根拠がない」と述べ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に対する支持を表明した。大使は「中国が日本近海で漁をしているにもかかわらず、日本の水産物に対する全面禁輸措置を続けているのは欺瞞(ぎまん)だ」と批判。同行した小泉進次郎元環境相も「中国の非科学的な攻撃に日米は屈しない」と話した。
茨城・東海村の原子力機構 関連施設また火災 加速器施設「J-PARC」 冷却水を冷やす冷凍機内焦げる 2024年7月6日 08時10分 東京新聞
日本原子力研究開発機構は5日、茨城県東海村の原子力科学研究所にある大強度陽子加速器施設「J-PARC」のリニアック棟で、冷却水を冷やす冷凍機内の端子台が約5センチ四方焦げる火災があったと発表した。放射性物質の漏えいや作業員の被ばくはないとしている。
新潟・柏崎刈羽原発 無施錠ロッカー、暗証番号初期設定のまま…テロ対策不備の事例が第三者委員会に知らされず委員長「誠に遺憾」 2024/7/6 17:30 新潟日報
東京電力のテロ対策の改善状況を評価する東電の第三者委員会「核セキュリティ専門家評価委員会」が7月4、5の両日、東電柏崎刈羽原発で会合を開いた。会合後の記者会見では、東電の取り組みを評価する一方で、テロ対策の認識不足が指摘された問題が報告されていないことも明らかになった。評価委が柏崎刈羽原発を訪問するのは6回目。
安全協定案説明会が終了 中間貯蔵施設 県主催の全日程
2024/07/06 05:00 読売新聞
むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設について、県と市、事業者の「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」で結ぶ安全協定案の県民説明会が5日、弘前市と五所川原市で開かれた。2日から県内6か所で開かれた県主催の説明会は全て終了した。県によると、全説明会にはオンラインを含め延べ約460人が参加。寄せられた意見は、宮下知事が協定締結可否の判断材料にする。
鹿児島県知事選で現職の塩田康一氏が再選確実 原発や安保批判かわす
2024年7月7日 20時07分 朝日新聞デジタル
7日投開票の鹿児島県知事選で、無所属現職の塩田康一氏(58)=自民、公明、国民民主推薦=が、前自民県議の米丸麻希子氏(49)ら無所属新顔2人を破り、再選を確実にした。他候補が争点化を狙った原発の運転期間延長や国の安全保障政策をめぐっては容認の立場で、その判断理由を示しつつ「県として総合的に決断した」と、批判をかわした。
IAEAグロッシー事務局長 世界銀行に原子力への融資解禁を訴え
7月8 日 原子力産業新聞
国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は6月27日、米国のワシントンD.C.で開催された世界銀行グループの理事会に出席。世銀をはじめとする国際開発金融機関(MDB)に対し、途上国における原子力発電導入プロジェクトへの融資解禁を強く訴えた。グロッシー事務局長は、持続可能な開発および発展のため、世界はクリーンで信頼性の高い、持続可能なエネルギーを大量に必要としていると指摘。脱炭素化の迅速な達成のためには、他の低炭素技術とともに原子力発電の展開を加速するよう求める新たな世界的コンセンサスが生まれつつあるとの見解を示した。
女川原発再稼働を考える集会 町で30年ぶりのパレード
2024年7月8日 11時00分 朝日新聞デジタル
東北電力が9月ごろの再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)について考える集会が7日、女川町生涯学習センターであり、約550人が参加した。実行委員会の高野博委員長は「能登半島地震で(原発事故の場合は)避難したくても避難できないことが分かった。原発ゼロの社会をつくりましょう」とあいさつ。集会では「女川原発2号機は被災原発で老朽原発。再稼働はとんでもない。廃炉を求めます」などの決議文を採択した。
原発問題、教える側の知識不足や風化の課題も 自治体教委アンケート
2024年7月8日 11時00分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発事故から13年となり、「原発事故」を教育現場でどう教えているのか、朝日新聞は福島県と県内59市町村の教育委員会にアンケートを実施した。寄せられた回答には、福島の子どもたちを放射線から守り「正しい知識」を身につけさせたいという教育現場の切実さとともに、賛否が分かれる原発を教える難しさも読み取れる。
「生物多様性を守れ」上関の中間貯蔵、市民団体が海の工事の禁止要請
2024年7月9日 10時30分 朝日新聞デジタル
山口県上関町で建設が計画されている原発と使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、瀬戸内海周辺の11府県の市民らでつくる「環瀬戸内海会議」のメンバーが8日、関連工事の禁止などを県に要請した。両施設の建設予定地が面している海域は環境省の定義する「海洋保護区」に当てはまると指摘。埋め立てや施設の建設は自然破壊につながり、生物多様性の低下を招くとして、原発建設のための公有水面埋め立て免許の延長許可の撤回や、中間貯蔵施設に伴う港湾や防波堤の建設を禁止することなどを要請した。
<福島第一原発>3号機1階の”高線量源”か 原子炉につながる水の抜き取りへ
7/9(火) 0:15 福島テレビ
東京電力は7月9日から、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋1階で観測されている高い放射線量の”発信源”と推定される水の抜き取り作業を開始する。3号機の原子炉建屋1階では、北側と南側の一部で1時間あたり最大22ミリシーベルトの強い放射線量が確認されている。
高浜原発の運転延長、県が容認…40年超運転へ環境整う
2024/07/09 15:00 読売新聞
来年で運転開始から40年となる福井県高浜町の関西電力高浜原子力発電所3、4号機(出力各87万キロ・ワット)について、県は9日、20年間の運転延長を容認する方針を明らかにした。同日午前、中村保博副知事が関電の水田仁副社長と県庁で面談し、「40年超運転について理解を示す」と伝えた。杉本達治知事も同日中にも容認方針を正式表明する予定で、40年超運転の環境が整うことになった。
東京電力HD、福島原発廃炉で新部署 長期計画を検討
2024年7月9日 18:03 日本経済新聞
東京電力ホールディングス(HD)は9日、福島第1原子力発電所の廃炉の長期計画を検討する新部署を新設すると発表した。「廃炉戦略室」で、8月1日から5人体制で発足する。福島第1原発では8月にもデブリの試験採取が始まる。2041〜51年の廃炉完了に向けて、デブリを安全に取り出す工法や作業の工程などを決める。
市民団体、一審の不当性主張 大間原発訴訟控訴審
2024年7月9日 22:23 北海道新聞
電源開発(東京)が青森県大間町に建設中の大間原発を巡り、函館の市民団体「大間原発訴訟の会」のメンバーが、同社と国に建設差し止めなどを求めた訴訟の控訴審第12回口頭弁論が9日、札幌高裁(斎藤清文裁判長)であった。原告側は、原告の請求を棄却した一審函館地裁判決の不当性を主張した。
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