原発週報 2024.7.31~8.6 編集:漆原牧久
- 2024年 8月 12日
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- 原発週報漆原牧久
関電社長、核燃サイクルは「弊社だけの問題でない」 大阪市長と会談
2024年7月31日 21時30分 朝日新聞デジタル
大阪市の横山英幸市長と関西電力の森望社長が31日、同市役所で面会し、同社の企業統治や原発事業のあり方について意見を交わした。市は、関電株の約7%を保有する筆頭株主。これまでも福島第一原発事故や同社の不祥事を踏まえ、経営の透明性や原発の安全性の確保を株主提案で求めてきた。今回、市から初めてのトップ会談を呼びかけ、同社が進めるコンプライアンスなどの改革の取り組みを重ねて求めた。
河野太郎氏、脱原発を修正 AIで電力需要増え「活用必要」
2024年7月31日 20:45 日本経済新聞
河野太郎デジタル相は31日、茨城県で東海第2原子力発電所(東海村)や高速実験炉「常陽」(大洗町)を視察した。記者団に「電力需要の急増に対応するために原発の再稼働を含めて、様々な技術を活用する必要がある」と述べた。自民党総裁選を前に「脱原発」色を修正した。「生成AI(人工知能)が急速に発展し、データセンターのニーズが増えている」と指摘した。
カドミウムの監視強化へ 福島第1原発、処理前の汚染水からごく微量検出
2024/7/31 20:00 産経新聞
東京電力が福島第1原発処理水の海洋放出前に分析する放射性物質の対象として、カドミウムを追加することが31日、関係者への取材で分かった。ことし6月に処理前の汚染水を詳細に分析した結果、ごく微量が初めて検出されたためで、監視や規制を強化する。処理水の段階で除去されており、環境や健康への影響はないという。
北海道電は減収減益 「燃料費調整額」の減少影響 泊原発の安全対策説明は12月に延期
2024/7/31 18:40 産経新聞
北海道電力が31日発表した2024年4~6月期連結決算は、売上高が前年同期比11.1%減の2025億円、純利益が前年同期比9.7%減の312億円で減収減益となった。売上高には燃料価格の低下による燃料費調整額の減少が影響した。同社は泊原発(北海道泊村)の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査会合を巡り、安全対策などの取り組みの説明終了時期を、当初予定していた今年10月上旬から12月下旬に延期するとしている。
茨城県知事、原電に「不誠実」 日立市長も「まったく同感」 東海第2原発の事故対策工事巡り 2024年7月31日 07時50分 東京新聞
茨城県日立市の小川春樹市長は30日の会見で、日本原子力発電が9月完了を目標としている東海第2原発(東海村)の事故対策工事を巡り、工期を見直さない原電の対応を「不誠実」と批判した大井川和彦知事の発言について「私もまったく同感」と述べた。
原燃・低レベル廃棄物埋設施設、3号建設工事が大詰め/来年3月操業へ
2024/07/31 電気新聞
日本原燃の低レベル放射性廃棄物埋設センター3号埋設施設(青森県六ケ所村)の建設工事が終盤を迎えている。全国の原子力発電所で発生する廃棄体を受け入れる施設で、2号埋設施設が満杯に近づいているため建設を進める。8基の埋設設備(ピット)を設置し、200リットルドラム缶で合計21万1200本の廃棄体を定置する。
デブリ取り出し、今月下旬にも
2024年8月1日 5時00分 朝日新聞デジタル
東京電力は31日、福島第一原発2号機の溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出しについて、8月下旬にも始めるとの見通しを明らかにした。原子力規制委員会による取り出し装置の使用前検査を受け、問題がないと判定されたという。東電によると、取り出しに使う「釣りざお式装置」のすえ付け確認などの検査を31日に受け、規制委から「良」と判定された。
九州電力の最終益48.7%減の366億円、定期検査に伴う原発の稼働減で…4~6月期連結決算 2024/08/01 10:01 読売新聞
九州電力が31日発表した2024年4~6月期連結決算は、最終利益が前年同期比48.7%減の366億円だった。定期検査に伴う原子力発電所の稼働減などで大幅な減益となったが、4~6月期としては過去最高だった前年(714億円)に次ぐ高水準だった。売上高は、他の電力小売会社向けの卸売り販売電力量が増えたことから0.9%増の5011億円だった。25年3月期の業績予想は据え置き、売上高を2兆2000億円、最終利益を800億円とした。
北海道電力、泊原発に核燃料船入らず 津波対策で新港も
2024年8月1日 19:03 日本経済新聞
北海道電力は1日、原子力規制委員会の審査会合で、泊原子力発電所(北海道泊村)3号機の津波対策として使用済み核燃料などを積んだ輸送船を、原発敷地内にある専用港に入港させない方針を明らかにした。かわりに原発敷地外に新港を整備する案や、既存の港を使う案などを検討する。8月末に検討結果を規制委に報告する。
大飯原発3号機で出力一時低下 外部への放射線の影響はないと関電 福井
2024/8/1 19:09 産経新聞
関西電力は1日、稼働中の大飯原発3号機(福井県おおい町)で7月28日、通常は開いている2次系配管の一部の弁が閉じて配管内の熱効率が低下したことにより、電気出力が約12時間、約1.4%低下したと発表した。弁の部品を予備品に取り換え、出力は回復した。外部への放射線の影響はないという。
原発事故判決は法律違反、国の責任否定の最高裁判事2人の罷免求める
2024/8/1 17:34 産経新聞
東京電力福島第1原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた訴訟で、国の責任を否定した2022年6月の最高裁判決を巡り、担当した2人の最高裁判事の罷免を求める訴追請求を弁護士らが1日、裁判官訴追委員会に申し立てた。法令の解釈ではなく、事故を防げたかどうかの認定を最高裁が独自に行ったことは「民事訴訟法上の重大な違反だ」として、草野耕一、岡村和美の両最高裁判事の罷免を求めた。
脱炭素投資拡大へ制度設計 首相が検討指示、年内めど
2024年8月1日 12時13分 東京新聞
岸田文雄首相は1日、脱炭素に関する有識者会合で、長期の巨額投資を必要とする脱炭素電源や広域送電網などの民間投資を促す制度を年内をめどに設計するよう、検討を加速させることを関係閣僚に指示した。民間事業者の間に再生可能エネルギー拡大や原発の新設、建て替えに関わる制度の先行き不透明感が強まっていることに対応する。
中国 寧徳5号機と石島湾1号機が着工
8月2日 原子力産業新聞
7月28日、中国で新たに2基の原子力発電所が着工した。着工したのは、中国広核集団(CGN)が事業主体となる福建省の寧徳(Ningde)5号機(PWR、108.9万kW)、および中国華能集団(China Huaneng:CHNG)が事業主体となる山東省の石島湾(Shidaowan)1号機(PWR、115.0万kW)の2基で、両機ともに中国が独自開発した第3世代PWR「華龍一号」(HPR1000)を採用している。
敦賀原発2号機の再稼働、規制委が初の不許可へ 審査継続希望認めず
2024年8月2日 17時13分 朝日新聞デジタル
原子力規制委員会は2日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の、再稼働に向けた申請を初の不許可とする手続きに入った。審査会合で原子炉直下に活断層がある可能性が否定できず、原発の安全対策を定めた新規制基準に適合しないと結論づけていた。原電は審査継続を求めたが、これまでの審査結果で判断する。
原発被災地で侵入動画、捜査 防護服着て学校でポーズ・家物色
2024年8月2日 16時30分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発の事故で使われなくなった小学校などに勝手に立ち入り、撮影したとみられる男たちの動画が、SNS上で物議を醸している。福島県警は建造物侵入事件として捜査を始めた。模倣犯を生まないように警戒を強めている。
柏崎刈羽原発1~5号機「廃炉」新たな論点に 柏崎市長と東電が折衝
2024年8月2日 10時45分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の7号機再稼働をめぐり、「地元同意」の行方が注目される中、東電の1~5号機への考え方が、新たな論点となっている。東電は2019年に「6・7号機が再稼働した後5年以内に、1基以上について廃炉も想定したステップを踏む」との文書を発表していたが、地元・柏崎市の桜井雅浩市長が「5年以内」を「2年以内」に短縮することなどを求めたためだ。
核ごみ調査、報告書了承 北海道知事は反対姿勢 経産省審議会
2024年8月2日 5時00分 朝日新聞デジタル
原発の運転で生じる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定に向け、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で実施した「文献調査」の報告書が1日、まとまった。寿都町の全域と神恵内村の一部が、次の具体的な調査に進める候補地とされた。それは地元首長の判断にかかっているが、鈴木直道知事は反対の姿勢を崩していない。
福島第一原発3号機”高線量源”とみられる水の抜き取り実施 ホース合わず一時中断も再開 8/2(金) 17:14配信 福島テレビ
東京電力は8月2日、福島第一原子力発電所3号機の原子炉建屋1階で観測されている高い放射線量の”発信源”と推定される水の抜き取り作業を開始した。3号機の原子炉建屋1階では、北側と南側の一部で1時間あたり最大約22ミリシーベルトの強い放射線量が確認されている。
新ハヌル原発1号機のタービンが停止 安全上の問題なし/蔚珍
8/2(金) 11:05 朝鮮日報
慶尚北道蔚珍の新ハヌル原子力発電所が1日朝から故障を起こし、発電用タービンの作動が中断した。影響で当初同日午後に予定されていた新ハヌル1・2号機の総合竣工式が延期となった。韓国水力原子力によると、同日午前7時7分ごろ、新ハヌル原発1号機のタービンが自動停止した。
原子力機構、東海村の研究炉再開 原発デブリ除去法探る
2024年8月2日 19:40 日本経済新聞
日本原子力研究開発機構(JAEA)は2日、核分裂反応が連続する「臨界」の条件を確かめる研究炉「STACY」(茨城県東海村)の運転を再開した。臨界実験を通じ、東京電力福島第1原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の安全な取り出し方や保管方法を探る。STACYの運転再開は13年8カ月ぶり。炉内ではウラン燃料に金属などが複雑に混ざり合ったデブリを疑似的に再現する。
放射能測定報告書で不正 除染土中間貯蔵施設、福島
2024/8/2 22:49 産経新聞
環境省福島地方環境事務所は2日、東京電力福島第1原発事故後、除染で発生した土や廃棄物を一時保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)内にある雨水や地下水の放射性物質濃度を測定する装置の一部で、2021年5月以降、濃度が実際より高く測定されていたと発表した。測定業者が報告書を不正に作成していた。これまでの測定値は全て検出限界値未満か基準値を下回っており、周辺環境への影響はないとしている。
伊方3号機、配管で水漏れ 定期検査中、微量の放射線検出
2024年8月3日 10時15分 朝日新聞デジタル
愛媛県は2日、定期検査中の四国電力伊方原発3号機(伊方町)の原子炉格納容器内の配管で1日午後、水漏れが報告されたと発表した。原子炉の熱を取る1次冷却材を循環させるポンプには、高い圧力の水で冷却材が外に出ないように防ぐ「封水注入系統」という設備がある。ポンプを点検する準備作業のため、この系統の配管の切り離し作業を進め、一時的に作業を中断している間に約14リットルが床に漏れたという。
使用済み核燃料 国主導で対応を
2024/08/03 05:00 読売新聞
福井市内で開催されていた全国知事会議は2日、原子力発電所の安全対策に関する提言などを採択し、閉幕した。原発が立地する地域の知事からは、使用済み核燃料について、国が前面に立って対応するよう求める声が上がった。提言では、原発敷地内で貯蔵する使用済み核燃料の確実な搬出について、国が事業者を指導することなどを盛り込んだ。高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場については、国が処分地選定を加速するよう求めた。
東電が柏崎刈羽原発の安全対策などを市民に説明 新潟
8月03日 17時55分 NHK
再稼働を巡る議論が続く柏崎刈羽原子力発電所について、東京電力は市民に原発の安全対策などを解説する説明会を新潟市の商業施設で開きました。東京電力は柏崎刈羽原発の安全対策などを説明しようと、2015年から県内各地で説明の機会を設けています。3日は新潟市中央区の商業施設の一角に東京電力がブースを設けて、新潟本社の橘田昌哉代表などが訪れた人たちの質問に応じました。
「エネルギー基本計画」経済3団体 原発の新増設など要望
8/3 (土) 17:10 khb東日本放送
国が3年ごとに政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」の策定に向けた意見聴取で、経団連など経済3団体は原発の新設や増設を要望しました。エネルギー基本計画を検討する経済産業省の会議で2日、経済団体などからの意見聴取が行われました。出席した経団連や経済同友会、日本商工会議所の経済3団体は、それぞれ安全性の認められた原発の再稼働や新設・増設などを計画に盛り込むよう要望しました。
事業開始は9月めど 使用済み核燃料の中間貯蔵施設、現場を公開
2024年8月4日 10時45分 朝日新聞デジタル
青森県むつ市での原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵の事業開始について、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」の高橋泰成社長は7月31日、「9月めど」との認識を示した。同社は開始時期を「今年の7~9月」と公表しているが、「燃料の搬送や操業前の検査など様々な手続きがあり、8月中はかなりタイト」(高橋氏)という。
東電福島第1原発、8月7日から8回目の処理水放出 25日までに約7800トン
2024/8/5 20:10 産経新聞
東京電力は5日、昨年8月以来、8回目となる福島第1原発からの処理水海洋放出を、7日に始めると発表した。放出予定の処理水に含まれる放射性物質を分析した結果、国や東電が定めた基準を満たしていることを確認した。25日までに約7800トンを放出する。東電によると、昨年8月24日に処理水の海洋放出を開始し、これまで計7回で約5万5千トンを放出した。周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常はなかった。
原発の防災対策 地震で道路寸断を踏まえた避難訓練を秋に検討
8月05日 19時37分 NHK
佐賀県の玄海原子力発電所の30キロ圏内にかかる長崎県松浦市で、原発の防災対策を話し合う会合が開かれ、長崎県がことしの能登半島地震で道路が寸断したことを踏まえた避難訓練を、この秋に検討していることを明らかにしました。
敦賀2号機、原電「引き続き再稼働めざす」 県と敦賀市に説明
2024年8月6日 10時00分 朝日新聞デジタル
日本原子力発電敦賀原発2号機(敦賀市)の再稼働に向けた申請をめぐり、原子力規制委員会が不許可とする手続きに入ったことを受け、原電の坂井毅志・敦賀事業本部長が5日、県庁と敦賀市役所を訪れ、「再稼働に向けて追加調査に取り組み、今後の対応を検討していく」などと報告した。
「福島第1原発を震災遺構に」 教訓伝える負の遺産議論
2024年8月6日 5:00 日本経済新聞
廃炉作業が進む東京電力福島第1原子力発電所を遺構として残すか否かの議論が福島県で起きている。世界最悪レベルの原発事故の教訓を後世に伝えるには保存が不可欠という意見が背景にある。世界遺産に推すべきだとの声も上がる。「広島の原爆ドームのように原子炉を残すべきだ」。早稲田大学ふくしま浜通り未来創造リサーチセンターが主催して6月15日に福島県広野町で開いた「1F地域塾」。
島根原発安全対策工事の作業員が熱中症の疑いで救急搬送 自力で歩行が困難も意識あり
2024年8月6日 午後5:00 TSKさんいん中央テレビ
松江市の島根原子力発電所構内で6日夕方、安全対策工事に従事していた協力会社社員の男性が、熱中症の疑いで救急搬送されました。中国電力によると、6日午後4時過ぎ、島根原子力発電所に面した輪谷湾内の船の上で作業をしていた協力会社社員の男性(48)が体調不良を訴えたということです。症状から熱中症の疑いがあり、松江市内の病院に救急搬送されました。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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