経産省前脱原発テント座り込み日誌8月22日版
- 2024年 8月 26日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2024年8月22日は、座り込み4,730日目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 自民党の総裁選ってなんだろう 8月17日(土)
・原電=甘やかされてきた脛かじり
コンクリートの充填不足で隙間ができ、鉄筋が変形したという。写真を見ると幾つもの穴があり、鉄筋が無惨に露出していた。それは「開いた口が塞がらない」という言葉を具象化していた。
東海第二を凌ぐ光景を2011年夏に見た。津波の直撃を受けたのであろう、相馬漁港の太いコンクリートの柱は鉄筋が剥き出しになり、コンクリートは全て砕けて瓦礫となり、鉄筋の中にゴロゴロと詰まっていた。原電は地震・津波で破壊されたような物を造ったことになる。「想定外の津波」であるならば、砂上の楼閣、幼児が創る波打ち際のお城でも可としたか。しかし津波・地震もないのに自壊した。
津波の破壊力をもうひとつ紹介する。南相馬市は鹿島区の右田海岸から内陸方向に100メ-トル以上離れた稲田にテトラポットがあった。(最初に見たときは目視で200メ-トル以上と記憶しているが、昔の記憶なので控え目にしておく)規制庁は設計の見直しと造り直しを原電に求めたが、再稼働のスケジュールを優先し、イカサマ工事で誤魔化そうとしている。甘ったれるな。
・聞く力が総裁選不出馬だってさ――誰も聞く耳を持たなくなったから?――
駄目だ、ダメだ。出馬しなきゃだめだ。今頃、聞く力を持ってどうする。再び総裁となり衆院選・参院選をむかえる、その結果こそが無上の楽しみだったのに。歴史に名を残したくはないのか。
「誰かが責任を取らないといけない」だと!責任を取らずに済む法律を国会で通したのは誰だ。不出馬ぐらいで責任は相殺せんぞ。(嗚呼、また悪い癖が)
不出馬を表明した8月14日はポツダム宣言受諾の日。その日が戦前の無責任と戦後の無責任の折り返し点だったとすると?
あれ、ゴ-ルは同じだ。
・全国戦没者追悼式
「ご遺骨の収集を集中的に実施」「一貫して、平和国家として、その歩みを進めてまいりました」「戦争の惨禍を二度と繰り返さない」「人間の尊厳を中心に」
これらを踏みにじってきた2年10カ月、という自覚が岸田首相には皆無らしい。追悼とは名ばかり。故に非礼は承知の上で勘繰りたくもなる。8月14日を選んで総裁選不出馬を表明したのは、追悼式挨拶というメディアが大きくとりあげる場で自民党議員・党員に自分の存在感を誇示するためではないかと。まさかね。
・パレスチナでポリオ感染が確認された
声をあげることは大事だが、知ることも必要だ。就寝前の数時間の読書だって抗議のひとつ。O・O渾身のお薦めの三冊。
・ホロコーストからガザへ-パレスチナの政治経済学-著者 サラ・ロイ
ISBN978-4-7917-6512-6 C0030 青土社2009.11
・パレスチナ人の民族浄化-イスラエル建国の暴力 著者 イラン・パぺ
ISBN978-4-588-60350-1 C1322 法政大学出版局 2017.11.1
・パレスチナ/イスラエル論 著者 早尾貴紀
ISBN978-4-908672-37-8 C1036 有志社 2020.3.10
(O・O)
◎ 脱原発青空テント川柳句会が開催されました 8月18日(日)
昼頃までは曇り空でしたが、だんだんに日が照りとても蒸し暑くなりました。乱さん差し入れの”原発は無しに”梨シャーベット、海の民さん差し入れのかき氷やソーダアイスバーなどをいただきながら暑さに耐えました。川柳句会参加者は10名、久々の二桁参加でした。選者は乱鬼龍氏、席題は「眠る」、「情報」14時40分投句締め切り、14時50分より入選者の発表、披講となりました。
選者により入選句が読み上げられ、入選者へ”身を削ってガンバロウ!”削り節、リンゴ、”原発は未完の技術”みかんの缶詰、乱さんが川柳の選者を務める雑誌「季節 夏・秋号」、「沖縄戦記 鉄の暴風」ちくま学芸文庫刊などが手渡されました。入選句は以下の通りです。
「眠る」の特選
・改憲の 発議ホットで 眠れない - 芒野
「眠る」の秀句
・我がねこは 原発かどう 反対だニャ~ン - 三里塚
・国会は 悪い奴ほど よく眠る - 水蓮仏
・岸田辞め 自民の墓場 皆で掘る - 時代に遅れた老人
・眠れない 南海トラフ 思うとき - 乾草
・南海の 底に眠れる 大なまず - 原子力ガリレオ
「情報」の特選
・国ほろぶ 情報だけど だれも見ず - 原子力ガリレオ
「情報」の秀句
・知らぬ間の 軍事化映画で 知らしめん - ふ64
・遠方の 戦い迄も すぐに知れ - 乾草
・扇動や フェイク戦車で やってくる - 芒野
・マスゴミは 平気で嘘の 垂れ流し - 水蓮仏
・情報を 生かす殺すは 人次第 - ヤソキリシタン
次回の脱原発テントひろば青空川柳句会は2024年9月29日(日)12時より開催いたします。是非ご参加ください。(S.E.)
◎ まだ、暑いが続くね、氷水は手放せない 8月19日(月)
午前中は曇り空だったが、午前11時頃から晴れてきて、相変わらず湿度が高いので(湿度40%)、バナーとのぼり旗をセッティングしている時は、汗だくで氷水を飲みながら作業した。作業を終えて一息ついて温度計を見たら、気温は41℃を指していた。40℃を超えたのは初めてだったのでビックリした。
余りの暑さにスズメや鳩も姿を見せない。いつも地下鉄を上がってくるオジサンがポケットからお米を入れた袋を取り出して撒いて行った。私が「暑すぎてスズメも草むらで涼んでいるから後で食べに来ると思うよ」と言ったら、ニッコリ笑って去っていった。毎日、虎ノ門方面へ歩いて行く常連さんが幾人かおり、そういう人とは自然と顔なじみになり、挨拶を交わすようになっている。彼もその一人である。
午後3時半。曇っているのに湿度50%に上がり、きょう一番の湿度高さ、逆に気温は37℃で少し下がった。岸田が突如、9月の総裁選に出ないと言ってから間もないのに、これまで名前も知らなかった人物が立候補した。その名前は小林鷹之。前経済安全保障担当相とのことだが私の記憶にない。きょうの日刊ゲンダイに「統一協会から支持を受けている人物」と書かれていると事務所に居る時にrさんが教えてくれた。
岸田では支持率が低すぎて、このまま選挙をやったら自民党は野党に転落してしまうから「岸田さん出ないでくれ」の大合唱で岸田が降りたら、統一協会の息の掛かった人物がしゃしゃり出てきた。これが自民党である。顔を変えたら支持率が上がって政権を維持できる!と思っている。この思惑を何としてでも阻止しなければ、琉球諸島は戦場にされてしまう。無党派層を立ち上がらせるしか道はない! (保)
◎ 月例祈祷会が開かれた 8月20日(火)
甲子園では全国高校野球大会がようやく準決勝戦となって、暑さも夏休みにも終わりが感じられてくるこの頃だ。朝から9月11日のテントひろば13周年集会に向けてテントニュースを作っていたら、家を出遅れてしまった。ぎりぎりになって、皆で事務所を出発し、経産省前で椅子を並べた。そして経産省前では、午後2時半から日本祈祷団の8月祈祷会が4時まで行われた。
そこで祈祷会案内とともに配布された、福神研究所主催の連続講座の案内チラシに「講座 天皇制-観念の深層と統治形態-」という全十三講、その講師には菅孝行と書かれていた。第10回講座が、西新宿の常円寺で「日本資本主義の展開と講座派と労農派の理論的対比」というテーマで、9月9日の夜6時半から開催されるという。8月には半世紀近くお付き合いのあった関西の先輩が亡くなり、その葬儀に出かけたりして疲れたせいか、虫歯が痛んできた。今回は何とかなったが、テントの仲間たちも体調の維持には気を付けてください。(EO)
◎デブリ取り出し騒ぎは何だ 8月21日(水)
暑い。今までで一番暑いと感じた。歩道のアスファルトの照り返しがすごく、ボア―となる。風はあるが、温度計で40度にもなる。財務省の数人の警備員さんは炎天下で大変だ。経産省の警備員さんは1人で、熱中症対策で屋根の下にいるしミスト扇風機もある。財務省職員の守衛さんの方はホースで水を撒き続けている。歩いている人も暑そう。
顔見知りになった歩行者の男性が鳩にコメをやった。コメは持ち歩いていて鳩などがいると撒くそうだ。鳩と雀がやってきてついばむ。保っちゃんがやったおムスビよりコメの方を好んでついばんでいた。
今日の東京新聞には原発のコスト高が載っていた。アメリカは3.11以降、13基の原発廃炉を決めたそうだ。日本は拡大の方向だ。また、22日に、福島原発のデブリの回収に着手するニュースがされていた。3gを取り出して、分析して、その後を決めると言っていた。880トンもあるのだ。このことについて当番と規制庁抗議から回って来たOKIさんでアレコレトークした。
翌日22日の報道では、考えられないような「ミス」で回収は失敗した。東電とはそういう会社だ。(T・I)
◎ デブリの取り出しだってわずか3gじゃないか 8月22日(木)
事務所に着いた時は雷が鳴り、土砂降りだった。車で乗り付けてくれたSuさんと一緒に荷物を運び出し、Inさん、Yoさんと4人で設営。設営しているうちに雨は上がり、やがて青空が広がった。
Inさんと、今日からフクイチでデブリ取り出しが始まるねと話していたら、その後到着したOkさんが、出がけに聞いたラジオニュースでトラブルで中止になったようだと伝えてくれた。今回成功したとしても3グラム程度だというから、880トンもあるデブリ全体の取り出し完了などいつのことになるかわからない。そんな話をしているうちに後半担当のTaさんが到着したのでバトンタッチした。 (M.U)
=============投稿===============
経産省・エネ庁は「今だけ、金だけ、自分だけ」の大嘘つき! その226
経産省は国民に「原発活用」の為の金を払わさせるな、電力自由化を尊重せよ~原子力小委員会は核発電の為の「大政翼賛会」か? RABモデルは「打ち出の小槌」か?
木村雅英(経産省前テントひろば)
8月20日の「第40回 総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会」のひどさに驚いた。あまりに国民とかけ離れた原子力小委員会なのだ。会議は、「原子力に関する動向と課題」について、事務局が「脱炭素電源投資の重要性」を強調し原子力の「事業環境整備」を問い、事業者側各団体からのプレゼンのあと、委員の3分発言と進められた。電力事業者側だけからのプレゼンテーションで進める「大政翼賛会」だ。
松久保肇さん(原子力資料情報室)ほか数人が批判的意見を述べた。だが、経産省・資源エネルギー庁のいつものやり方で、強引にコスト上昇が著しい原子力発電の維持・推進の為の金を税金や電気料金から出させようとしている。(会議室からの委員発言にハウリングが入るのも経産省の悪辣さか?)
以下は小委員会の進行要約。 □原子力に関する動向と課題・論点について(8月20日原子力小委員会から)
【事務局より説明】
半導体工場とデータセンターの電力需要増加を理由に、脱炭素電源投資の重要性を強調。原発活用国の原発維持策を説明。「原子力の活用の主体である事業者の観点から見た、既設炉の最大限活用及び次世代革新炉の開発・建設に関する取組や投資における課題に対し、どういう対応が必要と考えられるか。」を問うた。
【電力中央研究所よりプレゼン】
電力市場が自由化されている欧米諸国で巨額の初期投資を求められている。英国のRABモデルなど各国の資金調達の方式、原子力発電の「事業環境整備」を紹介。バックエンド(放射性廃棄物、使用済核燃料〉に関する「事業環境整備」も添えて。日本での運用可能性は「別途議論・検討されるべき」。
【電気事業連合会よりプレゼン】
「原子力の持続的かつ最大限の活用に向けて」と題するプレゼンで、「原子力は持続的かつ最大限活用していくべき電源と位置付け」るべき、「技術・人材の確保といった観点からも、国として具体的な原子力の開発・建設目標を掲げることが重要」と強調し、一方「資金調達環境の悪化」の弱音も。「円滑なファイナンスが可能となる資金調達環境整備」の検討を要望。
【原子力エネルギー協議会(ATENA)よりプレゼン】
「革新軽水炉の取り組みについて」と題して、ATENAで革新軽水炉WGを設置して検討中、「革新軽水炉の導入に向けた開発を進めることは重要」、「革新軽水炉導入の早期実現に向けた取組みを推進」
電力自由化と発送電分離に反する「原子力小委員会」の「事業環境整備」は絶対に許せない。「第7次エネルギー基本計画」で愚かなRABモデル政策を採用させてはならない。なお、この小委員会で「審査基準について」と題して、GX脱炭素電源法を受けての「電気事業法において、利用政策の観点からの運転期間に関する規律を整備」が事務局から提示されたが、殆んど議論されなかったことを添える。 さて、この小委員会で引用された英国のRABモデルについては、大島堅一さんのお話「究極の原子力・火力(?)延命策 RABモデルの問題点」
をご覧いただきたい。以下はFOEジャパン満田夏花さんからの案内。
アーカイブ映像:https://youtu.be/tkj_0GjZ7C8?feature=shared
資料:https://foejapan.org/issue/20240813/19899/
経産省・エネルギー基本計画の「意見箱」に意見を出そう。エネルギー政策に関する意見箱 (資源エネルギー庁の案内、送信フォームからのみ受付)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/opinion/2024.html
=====添付資料=====
・原発週報2024.8.14~8.20 編集:漆原牧久
・テントニュース295号
=========デモ、集会==========
◆8月28日(水)原子力規制委員会抗議 正午から
◆8月30日(金) 17時~18時 経産省前抗議集会(毎週)
経産省前テントひろば経産省正門 ◎経産省前の座り込み行動は、平日:12~16
時(月 ~木)、13~17時(金) 土・日・休日:12~15時
◆9月1日 (日) 東海第二原発いらない 一斉行動
◆9月2日 (月)
大間原発建設差し止め裁判 第32回口頭弁論 東京地裁103号 15時~
大間原発裁判報告と講演会 参院議員会館 16時30~
◆9月4日 (水)第74回日本原電本店抗議行動 17時~
◆9月4日 (水)第132回東電本店合同抗議 18時45分~
◆9.11「経産省前テントひろば」 13周年大集会 ~地球を汚すな!核ゴミ増やすな!第7 次エネ計で脱原発~
14 時~16 時
14 時開会
・音楽 朴保さん
・武藤類子さんからのメッセージ
・テントを支える人たちから発言
鎌田慧さん(依頼中)
落合恵子さん(依頼中)
河合弘之さん
福島みずほ議員さん
阿部とも子議員さん(調整中)
経産省前テントひろばはかく闘う
座り込み担当メンバー
請戸海岸テント報告
テント弁護団
各地からのメッセージ
三上元さん(元湖西市長)
韓国李元栄イ・ウォニョンさん
木原壯林さん(老朽原発うごかすな!実行委員会)他
最後は朴保さん(歌)
お湯を沸かす為に核分裂を起こす愚かな装置原子力発電(核発電)を止めよう。東電福島第一原発事故後13年5カ月が経過しました。私たち「経産省前テントひろば」は、事故の半年後に経産省に対して事故責任をとり事故被害者を救済し事故原因を究明し脱原発に政策を変えることを訴えて、経産省敷地の一角にテントを建て泊まり込みを続けました。無念にもテントが撤去されましたが、「経産省前テントひろば」は、全国の方々の支援を受けながら、経産省本館前で毎日午後に交代で座り込み、毎週金曜日夕刻には経産省に向かって1時間の抗議行動をし続け、毎月経産省・資源エネルギー庁に抗議・要請書を提出しています。
一方、福島は全く終わっていません。広島原爆176発分の放射能がまき散らされ、福島の山野に大量の放射性物質が残され大地や川や海を汚し続けていて、帰還できない地域があり、原子力緊急事態宣言が今も解除できません。さらに、東電福島第一原発(イチエフ)の「廃炉」の姿も定義も曖昧なまま「廃炉」まで百年以上かかると言われ、今頃になってデブリ取出しに「気中工法」への切り替えが提案され、ロードマップの見直しも進めず、新たな災害発生も心配されています。
イチエフへの地下水流入対策も失敗続きで、経産省・東電は地元や漁協との約束を破り、130万トンを超える放射能汚染水を30年以上かけて海洋投棄し福島港・太平洋を汚し続けます。スリーマイル事故(米国)でもチェルノブイリ事故(ソ連)でも行われていない暴挙です。
また、各原子力発電所のプールには危険な使用済み核燃料が一杯になり行き場がありません。国の方針である「核燃料サイクル」は破綻し、六ケ所再処理施設は26回も延期して今も稼働の見込み無く、万一稼働したらより大量の放射性物質を排出します。半世紀前からの「トイレなきマンション」状態が今も続き、末代にまで危険な負の遺産を押しつけています。
さらに、本年元日の能登半島地震が、日本列島における原発稼働の危険性を明らかにし、自然が規制行政の大転換を訴えているにも拘らず、経産省が、昨年のGX推進に続いて、第7次エネルギー基本計画で「可能な限り原発依存度を低減」の文言を無くして原発推進を続けようとしています。
私たち経産省前テントひろばは、9月11日(水)に脱原発を訴える抗議大集会を開催します。多くの方々にご協力・ご参加をお願いします。
経産省前テントひろば
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1ー3ー1
TEL 070-6473-1947
メール tentohiroba@gmail.com、経産省前脱原発テントひろば|Facebook
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