原発週報 2024.8.21~8.27 編集:漆原牧久
- 2024年 9月 5日
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- 原発週報漆原牧久
原子力規制委、海域活断層の影響確認を指示 日本海側の柏崎刈羽など5原発に
2024/8/21 16:50 産経新聞
原子力規制委員会は21日の定例会合で、政府の地震調査委員会が公表した日本海側の海域活断層の長期評価を踏まえ、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や関西電力美浜原発(福井県)など5原発の地震や津波想定への影響を確認するよう、各電力会社に指示したと明らかにした。地震調査委は2日、兵庫県北方沖から新潟県上越地方沖にかけ、長さ20キロ以上でマグニチュード7以上の地震が想定される海域活断層が計25カ所あると公表。
作業員やけど、火災報知機作動 福島第一原発で「計画違反」と規制委
2024年8月21日 16時00分 朝日新聞デジタル
原子力規制委員会は21日、東京電力福島第一原発で今年2月と4月に発生したトラブル2件について、原子炉等規制法に基づく実施計画に違反すると判断した。同原発での計画違反は昨年10月以降、これで計4件。規制委は、リスクの洗い出しや作業の管理が不十分として、今後、改善状況を確認する。
世界の原発、24年の発電能力が最大に 中ロがけん引
2024年8月21日 19:33 日本経済新聞
世界の原子力発電の発電能力が2024年、6年ぶりに過去最大となった。人工知能(AI)の普及や脱炭素に伴う電力需要が急増し、二酸化炭素(CO2)を排出せず、出力の安定した原発の再興機運が高まっている。過去10年に新設された原発の6割は中国とロシアが占め、技術力も高めている。維持費は上昇し、米欧では政府が開発支援の動きを強めている。日本原子力産業協会の集計と足元の稼働状況を加えてまとめた。
規制委、能登半島地震で現地調査/隆起や津波など状況確認
2024/08/22 電気新聞
原子力規制委員会は19、20日の2日間、1月の能登半島地震で発生した地盤隆起や津波、液状化などの状況を現地調査した。石渡明委員と、原子力規制庁の地震・津波研究部門職員ら10人が参加。調査終了後、石渡委員は調査の目的について「(能登半島地震の知見を)将来の規制にどう生かしていくか、今後の安全研究の一助とすること」と説明。北陸電力志賀原子力発電所を含め「(今回の調査が)原子力発電所の審査に直接反映されることはない」との認識を示した。
ポリネシア、原発事故後の日本産食品輸入規制を撤廃 継続は中国など6カ国・地域に
2024/8/22 20:23 産経新聞
フランス領ポリネシアが、東京電力福島第1原発事故後に実施してきた日本産食品の輸入規制を5月に撤廃していたことが22日、分かった。規制を続けているのは中国、香港、マカオ、韓国、台湾、ロシアの6カ国・地域となった。
東電の小早川社長、柏崎刈羽原発の廃炉計画を地元に表明 「2基再稼働後、2年以内」
2024/8/22 12:38 産経新聞
東京電力の小早川智明社長は22日、柏崎刈羽原発が立地する新潟県柏崎市で桜井雅浩市長と面会し、市長が同原発6、7号機の再稼働の条件として東電に求めていた「1~5号機の廃炉計画の明確化」について、「再稼働後、2年以内に廃炉を含む最適な電源構成の道筋を付ける」と回答した。
新潟知事「遅くとも次の知事選までに判断」 柏崎刈羽原発再稼働巡り
2024年8月23日 20時30分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働を巡り、同県の花角英世知事は23日、焦点となっている「地元同意」を自身が判断する時期について「遅くとも(次の)知事選までに判断できる」との見通しを報道陣に語った。花角知事が地元同意の判断の時期に言及するのは初めて。
高浜原発のカメラに不備、不正侵入検知できず 原子力規制検査で判明
2024年8月23日 11時00分 朝日新聞デジタル
原子力規制庁は21日、関西電力高浜原発(福井県高浜町)でカメラの一部に不備があり、構内への不正侵入を検知できない状況だったと発表した。県内の4原発を含め、4~6月の原子力規制検査の結果を明らかにした。規制庁によると、不備が見つかったカメラは立ち入り制限区域との境界のフェンスに設置。原発敷地の一番外側にあたる。
デブリ取り出し、ミスで延期 再開は原因究明後 福島第一原発
2024年8月23日 5時00分 朝日新聞デジタル
東京電力は22日、福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を初めて取り出す作業を開始したが、手順に誤りが見つかり、中断した。東電は、原因究明と再発防止策を策定するまで延期するとしている。燃料デブリの取り出しは政府と東電が2051年までに完了を目指す廃炉の「本丸」だ。同原発1~3号機には2011年3月の事故で溶け落ちた燃料デブリが推計880トンある。
柏崎刈羽、再稼働後2年以内に「道筋」
2024年8月23日 5時00分 朝日新聞デジタル
東京電力の小早川智明社長は22日、柏崎刈羽原発(新潟県)が立地する柏崎市を訪れ、桜井雅浩市長に6、7号機が再稼働すれば、2年以内に1~5号機に関して廃炉を含む「道筋」を示す考えを伝えた。表明を受け、桜井市長は「(東電から)再稼働の要請があれば、応えられる段階に至った」と語った。
東通原発再稼働へ村議ら知事に要望書
2024/08/23 05:00 読売新聞
再稼働への道筋が見通せていない東北電力の東通原子力発電所(東通村)を巡り、村議会の川端一松議長ら村議が22日、県庁に宮下知事を訪ね、早期再稼働などに向けた議会の取り組みへの支援を求める要望書を提出した。東北電は今年4月、東通原発1号機の安全対策工事の完了時期について、想定を超える津波への浸水対策などを検討する必要があるとして、「2024年度」から延期。新たな完了時期は「未定」と発表していた。
全漁連、原発処理水放出1年で改めて反対表明 中国の禁輸措置解除など政府に支援継続要望 2024/8/23 15:21 産経新聞
全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長は23日、東京電力福島第1原発の処理水放出から1年に際して「これまで一貫して申し上げてきた通り、漁業者や国民の理解を得られない海洋放出に反対だ」とのコメントを出した。中国による日本産水産物の禁輸措置の早期解除や日本国内の消費拡大に向けた支援の継続を政府に求めた。
“原発の最大限活用を” 中部地方の経済団体 経産省に提言書
2024年8月23日 14時33分 NHK
国の中長期的なエネルギー政策の指針、「エネルギー基本計画」の見直しが進められる中、中部地方の経済団体が経済産業省に対して、原発の再稼働や新増設など、原発を最大限活用するよう提言しました。中部電力の会長を務める中部経済連合会の勝野副会長は23日、経済産業省を訪れ、齋藤経済産業大臣にエネルギー基本計画の策定に向けた提言書を手渡しました。
原子力の資金調達・投資回収、予見性確保へ国が関与を/エネ庁小委で指摘相次ぐ
2024/08/23 電気新聞
経済産業省・資源エネルギー庁が20日に開いた総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)原子力小委員会で、原子力に関わる事業環境整備について、投資回収と資金調達の両輪での制度づくりを求める委員の意見が相次いだ。政府による強力な原子力支援策を打ち出す海外と比べ、日本は「今後の具体的な原子力利用の姿が見えず、コスト回収の予見性が不足している」(山下ゆかり・日本エネルギー経済研究所常務理事)などと指摘。国が明確な開発目標を設定し、予見性を確保した上で投資しやすい環境を整備することが必要との声が上がった。
鳥取県が島根2号機視察 12月再稼働、半径30キロ圏内2市が避難対象
2024/8/24 19:00 産経新聞
鳥取県原子力安全顧問を務める専門家らが24日、島根原発2号機(松江市)を訪れ、12月に予定されている再稼働に向けた安全対策工事の状況を視察した。鳥取県では島根原発から半径30キロ圏に境港市と米子市が含まれ、緊急防護措置区域に入っており、約6万8千人が避難対象となる。
処理水タンク21基、初の解体へ デブリ保管場所に 廃炉進展を後押し
2024/8/24 18:51 産経新聞
東京電力は、福島第1原発で昨年8月に始まった処理水の海洋放出に伴い、空になった貯蔵タンク21基を来年1月ごろから順次解体する。タンク底部や配管部分には残水があり、残水を抜く処理や配管の撤去などの準備作業に今月から着手。解体後は3号機で取り出したデブリの保管場所に使う計画だ。タンクの解体は設置後初めて。
処理水放出1年、岸田首相が福島視察 中国の禁輸措置「極めて遺憾」
2024年8月24日 19時40分 朝日新聞デジタル
東京電力福島第一原発の処理水放出が始まって1年となる24日、岸田文雄首相は福島県いわき市を訪問し、魚市場を視察した。中国が続ける日本産水産物の全面禁輸措置に対し、記者団に「科学的根拠に基づかず、極めて遺憾なことだ」と述べ、即時撤廃を引き続き求める考えを改めて示した。
柏崎刈羽原発の安全性議論の報告書素案、完成には時間かかる見通しに
2024年8月24日 11時00分 朝日新聞デジタル
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の安全性を議論する新潟県の有識者会議「技術委員会」(座長=小原徹・東京工業大教授)が23日、新潟市内で開かれ、11年間の議論をまとめた報告書の素案を事務局を務める県が示した。だが、内容を巡って委員から指摘が出て、花角英世知事が再稼働の「議論の材料」と位置づける報告書の完成にはまだ時間を要する見通しとなった。
女川原発UPZ5市町、再稼働交付金を要望 県は「立地自治体優先」
2024年8月24日 10時45分 朝日新聞デジタル
東北電力が11月に再稼働する予定の女川原発(宮城県女川町、石巻市)から5~30キロ圏内の5市町の首長らは23日、県庁を訪れ、再稼働に伴う国の交付金の一部を分配するよう県に要望した。再稼働する原発のある道県は、国に地域振興計画を提出し、認められれば国から交付金10億円を受け取れる。「再稼働交付金」とも呼ばれる。
原発付近でウクライナとロシア激戦 IAEAが訪問へ 侵攻2年半
2024年8月24日 6時00分 朝日新聞デジタル
国際原子力機関(IAEA)は22日、ロシアから南西部のクルスク原発でドローン(無人機)の残骸が見つかったとの報告があり、グロッシ事務局長が現地を訪問すると発表した。一方、ロシア軍はウクライナ東部で攻勢を続け、ウクライナ軍が拠点都市から撤退する動きも伝えられた。ロシアによるウクライナ侵攻は24日で2年半を迎え、戦線の拡大が続いている。
東海第二の工事、完了26年12月に 安全対策を延長
2024年8月24日 5時00分 朝日新聞デジタル
日本原子力発電は23日、東海第二原発(茨城県東海村)で行われている安全対策工事について、9月の予定だった完了時期を2026年12月に延期すると発表した。防潮堤の基礎部分に施工不備が見つかり、工事が中断していた。原電が安全対策工事の工期を延長するのは今回で3回目。同原発は東日本大震災以降、停止しており再稼働のめどは立っていない。
核燃再処理工場、27回目延期 26年度の完成めざす 日本原燃
2024年8月24日 5時00分 朝日新聞デジタル
青森県六ケ所村で建設中の使用済み核燃料の再処理工場について、日本原燃は23日、「今年度上期のできるだけ早期」としてきた完成時期を延期すると県と村に伝えた。延期は27回目で、約2年半延期して2026年度中の完成をめざす方向で調整している。同じく建設中のMOX燃料工場についても8回目となる完成の延期を伝え、時期は「今年度上期」から約3年半後の27年度中の方向で調整している。
原発事故時の屋内退避を強化 内閣府、概算要求で155億円
2024年8月24日 17時10分 東京新聞
内閣府が2025年度予算の概算要求で、原発事故時の住民避難対策に充てる自治体向け交付金として155億円を計上する方針であることが24日、分かった。24年度当初予算の100億円から約1.5倍に増額。能登半島地震の際、北陸電力志賀原発(石川県)周辺で孤立や建物被害が相次いだことを受け、全国の原発周辺地域で屋内退避の体制を強化する
デブリ採取再開27日以降の見通し 福島第1原発2号機
08/24 07:35 福島民友
東京電力福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しが準備作業中のミスで中断した問題で、東電は23日、再開は早くても27日以降になるとの見通しを示した。原因究明や再発防止策の取りまとめのめどが立っておらず、早期に再開できるかは不透明な状況だ。
道路寸断想定し、原発避難訓練 へリと艦船も連携し市民40人が参加
2024年8月25日 11時00分 朝日新聞デジタル
1月の能登半島地震を受け、新潟県は24日、東京電力柏崎刈羽原発で地震による事故が起きた際、道路の寸断や集落の孤立が生じる事態を想定し、住民を自衛隊の車両とヘリコプター、艦船をつないで避難させる訓練を実施した。柏崎市の募集に応じた約170人から選ばれた約40人が参加。
福島第1原発、通算8回目の処理水海洋放出を終了 2024年度は残り3回の予定
2024年8月25日 19時57分 東京新聞
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の放射性物質のトリチウムを含む水の海洋放出で、東京電力は25日、通算8回目の放出を終えたと発表した。東電によると、8月7日に開始し約7900トンを放出し、トリチウムの総量は約1兆6000億ベクレル。
再稼働反対「力の発揮を」 東海第2巡る市民集会に500人
2024年8月25日 07時34分 東京新聞
日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)の再稼働に反対する市民集会「STOP!!東海第二原発の再稼働いばらき大集会」が24日、水戸市の駿優教育会館で開かれた。500人を超える市民が参加した。集会ではかすみがうら市の宮嶋謙市長が「原発を推進したい人にはカネがあり、圧力があり、政治力がある。反対する人たちもあらゆる手段で力を発揮していかなくては」と訴えた。
九州電力川内原発1号機、9月運転再開 定期検査終了で
2024年8月26日 18:30 日本経済新聞
九州電力は川内原子力発電所1号機(鹿児島県薩摩川内市)の定期検査がほぼ終了し、9月25日に通常運転を再開すると発表した。同機は原子力規制委員会の認可を経て7月4日以降、運転期間が40年超となっている。8月27日に原子炉を起動し、翌28日に核分裂反応が連続する「臨界」に到達する見通しだ。
原子力規制委、原発30キロ圏の一斉屋内退避維持 事故の進展予測困難
2024/8/26 17:13 産業新聞
原子力規制委員会は26日、原発事故時の屋内退避の運用を検討する会合を開き、原発5~30キロ圏内では従来通り一斉に屋内退避することを確認した。事故対応の効果が表れていれば退避の対象範囲を狭めたり、開始時期を遅らせたりできるか検討したが、事故進展の予測が難しいため見送った。退避の解除や避難に切り替える判断基準は検討を続ける。
「原発事故は過去の話ではない」 13年間続く避難生活 鴨下さん親子、大磯で講演
2024年8月26日 07時18分 東京新聞
2011年の東京電力福島第1原発事故で福島県いわき市から東京都内へ自主避難した鴨下美和さん(54)と長男全生(まつき)さん(21)が7月末、神奈川県大磯町で講演した。2人は13年間続く避難生活の中で、避難指示区域外からの自主避難者に対する理解のなさに苦しんできた体験を語り、「政府は事故の被害をもっと周知させた上で原発を論じるべきだ」と主張した。
北海道電力の泊原発、敷地外に新港の整備検討
2024年8月27日 19:28 日本経済新聞
北海道電力は27日の原子力規制委員会の審査会合で、津波対策として泊原子力発電所(北海道泊村)の敷地外に新たに港を整備する意向を示した。新しい核燃料などを積んだ燃料等輸送船を入港させる考えだ。敷地外の既存の港を活用する案もあわせて探る。規制委からは異論は出ず、北電の方針は了承を得た。北電はこれまで、最短14分で到達する津波対策として、船を敷地内の港に係留することを検討していた。
原発や再エネ投資支援、GX関連予算要求1.6兆円 実行会議、脱炭素戦略たたき台示す
2024/8/27 18:47 産経新聞
政府は27日、GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議を開き、中長期の脱炭素戦略のたたき台を示した。原子力や再生可能エネルギーによる発電など脱炭素投資への支援や脱炭素電力の豊富な地域への産業集積などの論点を列挙。令和7年度概算要求ではGX関連として複数年にまたがる項目も含めると総額1.6兆円規模を求める方針も示した。
柏崎刈羽原発の再稼働巡り県民投票を 新潟の住民ら署名活動へ 秋にも開始
2024/8/27 16:56 産経新聞
新潟県の東京電力柏崎刈羽原発を巡り、同県の住民らが再稼働の是非を問う県民投票の実施を目指し、秋にも署名活動を始める調整に入った。地方自治法に基づき、県民投票条例の制定を花角英世知事へ求める直接請求に必要な署名を集める方針。複数の関係者が27日、明らかにした。
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